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【ネタバレ】ハンニバル シーズン3|ドラマあらすじ感想と結末の評価解説。ラスト/最後のシーンの“予想外の決着”に驚く完結作

  • Writer :
  • 秋國まゆ

猟奇殺人鬼ハンニバル・レクター博士を描くドラマシリーズ第3弾!

トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』を基に、優れた精神科医でもある猟奇殺人鬼ハンニバル・レクターの物語を描いたサイコスリラードラマ『ハンニバル シーズン3』。

前シーズンでのFBIとの死闘を制したハンニバル・レクターは、かつて自身を担当した精神科医ベデリア・デュ・モーリアを連れヨーロッパへ。数ヶ月後、殺害したローマン・フェル博士に成りすまし、フィレンツェのカッポーニ宮で働き始めます。

一方のウィルはレクターを追いかけて、彼の「記憶の宮殿」の玄関であるイタリア・パレルモのノルマン宮殿へ。そこの礼拝堂には、自分へ贈られた彼の芸術作品が飾ってあり………。

『ハンニバル シーズン3』のネタバレあらすじとともに、作品の魅力をご紹介します。

ドラマ『ハンニバル シーズン3』の作品情報


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

【放送】
2015年(アメリカドラマ)

【原作】
トマス・ハリス『レッド・ドラゴン』

【監督】
ヴィンチェンゾ・ナタリ、ニール・マーシャル、ギレルモ・ナヴァロ、マーク・ヨープスト、アダム・ケイン、マイケル・ライマー

【脚本】
ブライアン・フラー

【キャスト】
マッツ・ミケルセン、ヒュー・ダンシー、ローレンス・フィッシュバーン、カロリン・ダヴァーナス、スコット・トンプソン、アーロン・エイブラムス、ジリアン・アンダーソン、ジョー・アンダーソン、ラウル・エスパーザ ほか

【作品概要】
CUBE』(1997)『イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-』(2019)のヴィンチェンゾ・ナタリ、『ナイトミュージアム』(2007)のギレルモ・ナヴァロらが監督を務めたサイコスリラードラマ。

トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』を基に、優れた精神科医でもある猟奇殺人鬼ハンニバル・レクターの壮年期を描きます。

シーズン1・2に引き続き『恋する宇宙』(2009)のヒュー・ダンシーと、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)のマッツ・ミケルセンが主演を務めています。

ドラマ『ハンニバル シーズン3』のあらすじとネタバレ


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

第1話 Antipasto(アンティパスト)

FBIとの死闘を制し、人間の皮を脱いだ「チェサピークの切り裂き魔」こと殺人鬼ハンニバル・レクターは、かつて自身を担当していた精神科医べデリア・デュ・モーリアを連れてヨーロッパへと逃亡。

その数ヶ月後、フランス・パリからイタリア・フィレンツェへ向かったレクターは、ローマン・フェル博士に成りすまし、カッポーニ宮という図書館の司書として働き始めます。

イタリアの歴史や文化に精通し、フィレンツェ出身の詩人ダンテや画家のボッティチェリを愛するレクターにとって、フィレンツェでの生活はまさに恍惚とさせるものでした。

パリで本物のカッポーニ宮の司書ローマン・フェルン博士を殺害して以降、彼の芸術的な猟奇殺人が影を潜めるほどに。ところが、パリでレクターと会い、二人と同じくパリからフィレンツェにやって来たフェルン博士の元助手ディモンドに成りすましがバレてしまいます。

レクターはモーリアの目の前でディモンドの頭を強く殴り、首を折って殺害。「いつか自分も殺されるかもしれない」という、レクターの本性を知るが故の恐怖を抱える反面、モーリアは彼の行動に専門家として興味を抱いていました。

翌日。レクターは列車に揺られながら、ボルティモア州立精神障害犯罪者病院の囚人エイブル・ギデオンとの会話を思い出していました。

第2話 Primavera(プリマヴェーラ)


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

レクターに腹を刺され、瀕死状態となった天才犯罪プロファイラーのウィル・グレアムは、なんとか一命を取り留め意識を取り戻しました。

8ヶ月後。ウィルはレクターを追って、彼の「記憶の宮殿」の玄関であるイタリア・パレルモのノルマン宮殿に向かいます。ウィルの来訪を予測していたレクターは、心臓(ハート)に描いた死体をその礼拝堂に飾っていました。

切り裂き魔の事件と、FBIのプロファイリング法を全て調べたフィレンツェ警察の主任捜査官リナルド・パッツィは、ウィルに目をつけ声をかけます。

実は20年前にも、死体を絵画のように飾る事件がありました。トラックの荷台の上に、草花で飾られたカップルの死体が発見されたのです。

そのカップルの死体が、ボッティチェリの絵画『春(プリマヴェーラ)』の右端にいる妖精たちを再現したものだと気づいたパッツィは、その原画が展示されているウフィツィ美術館へ。

美術館には『春』を食い入るように眺め、妖精たちを鉛筆で再現している若いリトアニア人の男の姿が。その男こそが犯人であり、フィレンツェの怪物「イル・モストロ」だと確信したパッツィは、彼の自宅を家宅捜索しましたが、証拠を見つけられませんでした。

「イル・モストロ」=レクターだと知ったウィル。パッツィから彼を逮捕するために協力してほしいと頼まれますが、ウィルは「奴に手を出せば殺されてしまう」と警告。礼拝堂の地下室に潜んでいるレクターを探しに行き「ハンニバル、あなたを許すよ」と呼びかけます。

第3話 Secondo(セコンド)


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

パレルモから戻ったレクターは、ウィルが自分を探し当てたとモーリアに報告。ウィルが次に向かうのは、自分が容易に行けない場所=自分の故郷であると推測します。

またレクターは、イタリア人ではない自分がカッポーニ宮の新たな司書に選ばれたのを認めない、イタリア人教授のソリアートを殺害。次に夕食へ招いた夫婦に彼の肉を使った料理を食べさせ、証拠を隠滅しました。

一方でウィルは、リトアニア北東部にあるレクターが幼少期を過ごした城を訪れ、千代という彼の過去を知る人物と出会います。

千代は「妹のミーシャを殺して食べた」とレクターに言われ、牢屋にいる囚人を長年監視していました。しかしそれは、千代が囚人を殺すかどうかにレクターが興味があるからだと、ウィルは告げます。

ウィルによって自由を得た囚人は千代に襲いかかるも、返り討ちにされました。ここにいる理由がなくなった千代は、ウィルに協力することに。

ウィルのためにパレルモを訪れたFBIの行動分析課長ジャック・クロフォードは、ノルマン宮殿の礼拝堂でパッツィと合流。レクターに関する情報を共有し、彼を捕まえるには、彼のことを理解し、彼もそれを受け入れているウィルが鍵であることで意見が一致します。

一方レクターは、「ウィルを許すには、私を暴こうとした妹のように彼を食べなければ」とモーリアに話していました。

第4話 Aperitivo(アペリティーヴォ)

レクターへの復讐に燃えるボルティモア州立精神障害犯罪者病院の院長フレデリック・チルトンは、彼の被害者の中での数少ない生き残りであるメイスン・ヴァージャーを訪問。

しかし、二人の話し合いは決裂。チルトンはメイスンの他にウィルやジャック、レクターと親密な関係だったアラーナ・ブルーム博士とも彼について話をしました。

ウィルは彼の提案を拒み、一人でレクターを追いかけてイタリアへ。アラーナはメイスンの味方につくことに決めました。彼がレクターを生きたまま食べる死の舞台に、レクターを連れていくのが自分の役目だと。

ジャックは最初、ウィルとレクターのことは放っておくつもりでした。最愛の妻を亡くし、レクターからカードが届くまでは………。

第5話 Contorno(コントルノ)

フィレンツェへ向かう列車の中で、千代はレクターと過ごした幼少時代について語ります。

レクターと初めて会った時、彼には妹がいるはずだったが、彼一人だったこと。レクターとの出会いのきっかけは、行儀見習いにと両親が彼の叔母・紫夫人の元に自身を小間使いとして預けたことだったことを。

どうしてレクターがフィレンツェにいると分かるのかと尋ねる千代に対し、ウィルはボッティチェリの『春』が裏面に描かれたウフィツィ美術館のポストカードを見せます。

一方、アラーナはレクターの買い物の傾向を見つけ、彼がフィレンツェにいることを突き止めました。またジャックは、妻との思い出の地であるイタリアの川に、妻の遺灰と結婚指輪を投げ入れました。

ジャックと夕食を共にした次の日。パッツィはレクターに、行方不明となったソリアートたちについて尋ねます。対してレクターは当たり障りのない回答をしますが、帰宅してから過去にパッツィと面識があったことを思い出しました。

その後、パッツィはレクターの首に多額の懸賞金がかけられていることを知り、メイスンに彼の情報をリークしました。するとメイスンから、レクターを生け捕りにし、指紋を手に入れることが、懸賞金とその前金を受け取れる条件だと言われます。

パッツィは、拷問器具の展示会を行うレクターを訪問。1478年、フィレンツェの最高権力者であったロレンツォ・デ・メディチの暗殺を試みた先祖フランチェスコ・デ・パッツィが最期にしていた鉄製のくつわで注意をひき、彼の指紋を採取しようと試みます。

しかし、レクターの方が一枚上手でした。レクターはメイスンが自分の首に懸賞金をかけたことも、彼がメイスンに連絡したことも知っていたのです。

パッツィはレクターに捕まり、フランチェスコが処刑された時と同様、首を吊った状態で臓物を垂らして殺されました。彼を探しに来たジャックはその現場を目撃し、再びレクターと死闘を繰り広げていきます。

以下、『ハンニバル シーズン3』ネタバレ・結末の記載がございます。『ハンニバル シーズン3』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

第6話 Dolce(ドルチェ)

レクターとの闘いの後、バルコニーから降ろされたパッツィの遺体を見ていたジャックの元にウィルが現れ、二人は次の一手について話し合いました。

その結果、リディア・フェル夫人ことモーリアに会いにいくことに。負傷した体を引きずって逃げ帰ってきたレクターを逃した彼女は一人、二人の訪問を受けます。

モーリアは何らかの薬を投与し、アリバイ作りに奔走。そんな彼女を尋問しても無駄だと感じたのか、ウィルはジャックに黙ってその場から姿を消します。そしてウフィツィ美術館のボッティチェリの『春』の絵の下で、レクターと再会しました。

ウィルは彼が何者なのか理解しようとするあまりに境界線が曖昧になり、彼が犯した過去と未来の罪全てが、自分のもののように感じるほど同化し始めていることを告白。美術館を出たところでレクターを殺そうとするも、千代に狙撃され失敗に終わります。

メイスンに買収された地元警察の汚職警官ベネッティとの事情聴取を終えたジャックは、二人を追ってソリアートの自宅へ。しかしすでにウィルは囚われの身で、ジャックもレクターに足を切られてしまいます。

二人を食卓につかせたレクターは、ウィルの頭を電動カッターで切開しようとします。

第7話 Digestivo(ディジェスティーヴォ)


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

モーリアの密告を受けたベネッティは部下を引き連れ、ソリアートの自宅に乗り込み、レクターとウィルを連行しました。さらにベネッティは「レクターは新たな犠牲者を置いて再び姿を消した」という筋書き通りにするため、ジャックの頭を切開するよう部下に命じます。

ジャックは「レクターの客人だから」と助けてくれた千代に、二人はおそらくアメリカ・メリーランド州のサスケハナ川近くにあるヴァージャー邸「マスクラット・ファーム」に連れて行かれたのだろうと教えます。

マスクラット・ファームに捕らわれたウィルたちはメイスンと対面。「ウィルの顔を自身に移植した上で、レクターを食べる」という彼の計画を知ります。

メイスンが手下コーデルとともに準備を進める中、彼の妹マーゴは自分の望みを叶えるため、アラーナはウィルを救うためにレクターに助けを求め、縛られていた彼を解放します。

麻酔から目覚めたメイスンが最初に目にしたのは、コーデルの顔の皮を被った自分の顔でした。さらにマーゴに言った代理母とは雌の豚のことであり、その中に入れられた胎児の心拍はもうないと二人にバレてしまいます。

レクターは約束通り、メイスンの精子を採取し、ウィルを助け出しました。それさえあれば、マーゴが望むヴァージャー家の赤ん坊は作れる。用済みとなった彼をマーゴたちは二人がかりで、彼の飼っていたウツボを用いて殺しました。

千代のおかげで、無事ウィルの自宅まで逃げ出せたレクターたち。レクターは千代に「妹を食べたが殺してはいない」と告白します。

意識を取り戻したウィルは、レクターに別れを告げました。レクターは彼との絆を保つため、駆けつけたジャックとFBIに投降します。

第8話 The Great Red Dragon(レッド・ドラゴン〜序章〜)


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

画家ウィリアム・ブレイクの水彩画『大いなる赤き竜と日をまとう女』の虜となったビデオ加工技師フランシス・ダラハイドは、背中に「赤き竜」のタトゥーを彫り、特殊な義歯を手に入れました。

3年後。ウィルは未亡人のモリーと結婚し、11歳の彼女の息子ウォルターと犬たちと穏やかに暮らしていました。

しかしその頃「噛みつき魔」と呼ばれる殺人鬼が1ヶ月間隔、それも満月の日かその前日に、シカゴとニューヨーク州バッファローで暮らす幸せな二つの家族を惨殺するという事件を起こしました。

ジャックは事件解決のため、レクターがウィルに自分の訪問を警告する手紙を送ったことを知った上で、彼に捜査協力を求めます。最初は拒否していたウィルでしたが、被害者家族の写真が自身の家族と重なり、捜査に協力することに。

一昨夜惨殺されたバッファローのリーズ家に向かい、事件の鑑識報告書をもとに、こうプロファイリングしました。

「犯人はまず妻の隣で眠るリーズ氏の喉を裂き、リーズ夫人の腹を撃った」「隣の部屋で眠るリーズ氏の二人の息子を、一人ずつ射殺した」「一家の遺体を一度並べ、叩き割った家中の鏡の破片を、自分の顔が見えるように磨いてから彼らの目と口にあてた」と。

さらにウィルは、この家にはないはずのタルカム・パウダーがリーズ夫人の遺体に付着していることに気づきます。それは夫人に触れようと、犯人が手袋を外した際に落ちたものだとウィルは推測しました。

FBIの行動分析捜査班のメンバーであるジミー・プライスとブライアン・ゼラーは、リーズ夫人の遺体を検死。その結果、リーズ夫人の目から犯人の親指の指紋が採取され、彼女に付いた噛み痕と冷蔵庫にあった食べかけのチーズから、犯人の歯形を再現することができました。

ウィルは以前の感覚を取り戻すべく、ジャックに頼んで、ボルティモア州立精神障害犯罪者病院に収容されているレクターと面会します。

第9話 And the Woman Clothed with the Sun…(レッド・ドラゴン〜誕生〜)


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

レクターと再会したウィルは、事件の捜査資料を渡して彼に意見を求めました。捜査資料を読みながら、レクターはアビゲイルの死を偽装してからFBIとの死闘まで、彼女と過ごした日々を思い出します。

1時間後。レクターは「犯人はとても内向的な性格で、自分を醜いと思っている」「犯人が月と関係あるなら、逃げ去る前に外に出て月を見たくなるはず」「だから被害者家族の家には、広くて木々に囲まれた、プライバシーが守られた庭がある」と分析しました。

その後の調べで、犯人が被害者家族の家を事前に下見し、ペットを殺してから一家を惨殺したことが判明。しかし犠牲となった二つの家族には接点がありませんでした。

レクターのアドバイスをもとに捜査していたウィルは、記者のフレディ・ラウンズと遭遇。彼女から捜査の協力をしたいと言われます。

ダラハイドは取引先の盲目の黒人女性リーバ・マクレーンと親密な関係を築いていく一方で、弁護士を装ってレクターに接触しました。

第10話 And the Woman Clothed in Sun(レッド・ドラゴン〜覚醒〜)

レクターの熱烈なファンであるダラハイドは、彼に「私が『大いなる赤き竜』になろうとしていることを理解できるのはあなたしかいない」と、その熱い胸の内を語りました。

モーリアは話し合いにきたウィルに、自分を襲いに来たレクターの元患者ニールの姿を重ね、レクターの異常性に気づいた彼を守りたいと思う反面、踏みつぶしたい気持ちになります。また、突如レクターの光線療法による発作を起こして死にそうな彼の口に、片腕を突っ込んたことを思い出します。

レクターと再び面会したウィルは、被害者家族の庭の木に刻まれた「中」は麻雀牌での赤き竜、すなわち『大いなる赤き竜と日をまとう女』の竜を指すのだと知りました。

一方でダラハイドは美術の研究者を装い、ブルックリン美術館に侵入。そこに収蔵されている『大いなる赤き竜と日をまとう女』を食べました。

第11話 …And the Beast from the Sea(レッド・ドラゴン〜葛藤〜)

ウィルはブルックリン美術館で「噛みつき魔」改め「赤き竜」となったダラハイドと遭遇。二人の邂逅は、レクターによって仕組まれたものでした。レクターは獄中からウィルとダラハイドの双方を操り、ウィルの家族を危険に晒そうとします。

来たる満月の日。ウィルの家の犬たちは前日に食あたりで倒れ、動物病院に。その隙を狙ったダラハイドはウィルの家に侵入。しかし親子に逃げられてしまい殺害は叶いませんでした。

レクターの電話の相手が弁護士ではなく件の「赤き竜」だと知ったジャックとアラーナ。彼がレクターに接触してくる機会を利用し、逆探知でその居所を突き止めようとします。

ダラハイドはリーバに会いに行き、彼女を愛した故に生まれた葛藤を打ち明け、別れを告げました。そのことをレクターに話すと、彼から逆探知されていることを告げられます。

ダラハイドがいたのは、レクターのオフィス。偽装ソフトを使って、オフィスの回線を弁護士の番号にして電話をかけてきていたのです。そしてレクターは面会に訪れたウィルに、赤き竜に「自分を守るために皆殺しに」と言い、ウィルの住所を教えたことを明かします。

第12話 The Number of the Beast Is 666…(レッド・ドラゴン〜暴走〜)


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

家族との絆を失いつつあるウィルは、モーリアのもとに通い始めます。そこでレクターが、自分に対して並々ならぬ愛情を抱いていることを知りました。

ウィルとジャックは「赤き竜」をおびき出すため、チルトンとラウンズに協力を仰ぎます。「赤き竜」を分析したチルトンの持論を、ウィルが彼を怒らせるように誇張したラウンズの記事が掲載されます。

記事に激怒したダラハイドは、チルトンを自宅に拉致し、服をひん剥いて彼の体を車椅子に固定します。チルトンは背中に火傷ができたような激痛と、迫りくる死への恐怖で震えながら、自分はただFBIやウィルに嘘を言わされただけだと訴えました。

ダラハイドは、そんな彼の唇を義歯で噛みちぎります。そしてウィルがラウンズの死を偽装した方法を真似して、チルトンを燃やしました。

翌日。レクターの元に、チルトンの唇と「これで彼は私を怒らせた」と記されたカード、赤き竜からのウィルへのメッセージを彼が代弁したビデオテープが入った小包が届きました。

全身にひどい火傷を負ったチルトンは、自分を嵌めたことへの怒りをぶつけながらもウィルとジャックに、赤き竜に拉致された場所で「目の見えない黒人女性」を見たと話します。

第13話 The Wrath of the Lamb(羊の怒り)

「赤き竜」ダラハイドはリーバに、世間を騒がせている殺人鬼は自分であると告白。彼女を噛み殺そうと企む内なる竜から守るため、無理心中を図ります。しかし「やはり愛する人が焼け死ぬところを見たくない」と言ったダラハイドは、持っていたショットガンで自害しました。

燃え盛る家から命からがら脱出できたリーバは、ウィルに彼は死んだと証言します。これでやっと家族のもとに帰れると思っていたウィルを、死んだはずのダラハイドが襲撃。「レクターと分かち合いたかったのに裏切られた」と彼の居場所を尋ねます。

検死の結果、焼死体はダラハイドではなく、彼が殺した給油所の店員アーノルド・ラングだったことが判明。つまり彼はラングを殺害した後に死体を家に運び、盲目であるリーバの前で一芝居を打ったのです。

また彼が家の鍵を首からぶら下げていたのは、リーバに死体を触らせ、自分は死んだとFBIに証言させるためだと、ジャックたちは推測します。

ウィルの提案により、FBIは彼をおびき出すための餌として、レクターの脱獄を偽装することに。しかしレクターは彼の襲撃を利用し、ウィルを連れて逃亡。そして逃亡先にて襲いかかってきたダラハイドを、ウィルはレクターと一緒に殺します。

殺人によって完全なる「精神の同化」を果たしたウィルとレクターは、切り立った崖の上からともに暗い海へと落ちていきました。

ドラマ『ハンニバル シーズン3』の感想と評価


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

シーズン2のラストにて、レクターとの戦いに敗れてしまったウィルたちFBI。

瀕死状態だった彼らが皆生きていたことにホッとしましたし、それぞれのやり方でレクターに再び挑もうとしているのがまた正義感が強くて格好良いです。

ただ、シーズン3で新たに登場したパッツィが、頼もしい協力者となってくれるかと思いきや、金に目が眩んで先祖と同じ凄惨な死を遂げてしまったこと。生き延びたと思っていたアビゲイルが実はウィルが見た幻覚で、現実世界では死んでいたことは、とてもショックです。

レクターが作る料理がサブタイトルになるほど、料理の描写が多かったシーズン1と2に比べて、シーズン3では彼が好きなイタリアの芸術に触れる描写が多く描かれています。

芸術が好きな人もそうでない人も、イタリアの街並みや文化に芸術に触れて感嘆すること間違いなし

愛しているウィルと、嫌がらせをするほど嫌悪しているチルトンとで、明らかに接する態度が違ったレクターが、どこか人間らしさがあって面白いです。

「赤き竜」へと変身したダラハイドによる恐ろしい凶行と、ウィルたちFBIとレクターの最終決戦、そして千代やパッツィの回想シーンで描かれたレクターの過去が本作の見どころとなっています

まとめ


(C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

「チェサピークの切り裂き魔」「イル・モストロ」という異名を持つ食人鬼ハンニバル・レクターと、天才犯罪プロファイラーのウィル・グレアムとFBIによる長きにわたる戦いが、誰も予想だにしていなかった形で終止符が打たれたシーズン3。

ウィル、レクター、ダラハイドによる壮絶な死闘の裏で、アラーナが妻マーゴと息子と一緒にレクターの魔の手から逃れようとする姿や、レクターが殺しに来るのを待っているモーリアの姿が描かれていました。

しかもモーリアは、自分の片足を切断し、料理して食べようとしていたのがとても不気味で衝撃を受けます。そんなシーズン3をもって、ドラマ「ハンニバル」シリーズは終わりました。

ともに人を殺したことで完全なる「精神の同化」を果たしたウィルとレクターが、一緒に暗い海に姿を消していくラストは予想外でしたが、これはこれで2人らしい終わり方だなと感じます



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