トマス・ハリス原作小説『レッド・ドラゴン』のテレビドラマ化第2弾!
ティム・ハンターやデヴィッド・セメルらが監督を務めた、2014年製作のアメリカのサイコスリラードラマ『ハンニバル シーズン2』。
殺人の罪を着せられ、ボルティモア州立精神障害犯罪者病院に収容されてしまった天才犯罪プロファイラーのウィル・グレアム。檻の中から、ハンニバル・レクターこそチェサピークの切り裂き魔であると訴え続けるも、誰も信じてくれません。
すると、彼の裁判の結果を左右する猟奇殺人事件が立て続けに起こり……。
トマス・ハリス原作小説『レッド・ドラゴン』をテレビドラマ化したドラマ「ハンニバル」シリーズ第2弾『ハンニバル シーズン2』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
ドラマ『ハンニバル シーズン2』の作品情報
(C)2014 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
【放送】
2014年(アメリカドラマ)
【原作】
トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』
【監督】
ティム・ハンター、ピーター・メダック、デヴィッド・セメル、マイケル・ライマー、ヴィンチェンゾ・ナタリ、デヴィッド・スレイド
【キャスト】
ヒュー・ダンシー、マッツ・ミケルセン、ローレンス・フィッシュバーン、カロリン・ダヴァーナス、ヘティエンヌ・パーク、スコット・トンプソン、アーロン・エイブラムス、ララ・ジーン・コロステッキ、ラウル・エスパーザ、ジリアン・アンダーソン、エディー・イザード、マイケル・ピット、リチャード・アーミティッジ、他
【作品概要】
『リバース・エッジ』(1986)のティム・ハンターや『テキサス・クライム・ジャンクション』(2002)のデヴィッド・セメルらが監督を務めた、2014年製作のアメリカのサイコスリラードラマ作品。
アメリカの推理小説家トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』のテレビドラマ化第2弾です。
前作の『ハンニバル シーズン1』(2013)同様、『恋する宇宙』(2009)のヒュー・ダンシーと、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)のマッツ・ミケルセンが主演を務めています。
ドラマ『ハンニバル シーズン2』のあらすじとネタバレ
(C)2014 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
第1話 Kaiseki(懐石)
元外科医の精神科医ハンニバル・レクターと、アメリカの各地で起こる猟奇殺人事件を捜査しているFBIの行動分析課長ジャック・クロフォードが死闘を繰り広げます。
時を遡ること12週間前。犯人に共感し、その動機や犯行当時の感情を再現できる「純粋な共感力」という特殊能力を持つ天才犯罪プロファイラーのウィル・グレアムは、殺人の容疑で逮捕され、ボルティモア州立精神障害犯罪者病院に収容されました。
FBIから長年逃げ続けている連続殺人鬼「チェサピークの切り裂き魔」の正体はレクターであると、檻の中から訴え続けるウィルでしたが、周囲の人間は誰も信じてくれませんでした。
そんなある日、ダムで樹脂で覆われた6人の死体が発見されました。
被害者たちの共通点は家から車で消えたことと、致死量以上のヘロインを摂取していたこと、そしてまるで生きているかのように見せるための酸化防止剤が検出されたことです。
ジャック率いるFBIの行動分析捜査班のメンバーの1人であるビヴァリー・カッツは、犯人がどのような人物を標的としているのかを突き止めるべく、ウィルと面会し助言を求めます。
ウィルは近隣の州で行方不明になっている人たちの写真を選別し、「色見本だ」と答えました。
その日の夜。ウィルは、喉の奥までパイプを入れられ、レクターにアビゲイルの耳を無理矢理食べさせられたことを思い出します。
第2話 Sakizuke(先付)
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例のダムから600km離れた支流で、樹脂で覆われ、足や腹部などに縫合された痕がある死体が発見されました。
被害者はローランド・アンバーという黒人男性、彼も他の被害者と同様、大量のヘロインを摂取しており、自宅から失踪していました。
ウィルに泣きつかれセラピーを再開することにしたレクターと、一緒に来たビヴァリーに助言を求められたウィルは、こうプロファイリングしました。
「犯人は被害者同士を糸で縫い合わせ、人間で絵を描いている」「薬物依存で通院歴があるアンバーはヘロインに耐性があったため、自ら犯人の手から逃げることができた」と。
さらにウィルは、倉庫や農場、廃屋など、死体が発見された川の上流には犯人が作業するための隠れ家があるはずだと言いました。
ジャックたちが見つけ出した犯人の隠れ家は、トウモロコシ農場のサイロでした。
見つかった人間絵画にされた47人の死体のうち、中央の男とアンバーの遺体にある糸の縫い方が一致。男の左足が切断されていました。
レクターとビヴァリーから人間絵画を見せられたウィルは、事件の犯人は中央にいる男だと言いました。
FBIより先に犯人の隠れ家を見つけたのは、レクターは「神が君に与えた使命は芸術そのものになることだ」と言って、犯人を殺害。切断した左脚を料理して食べました。
ウィルの身に起きた出来事から、レクターの行動に疑問を感じた彼の担当精神科医ベデリア・デュ・モーリアは、ウィルに「あなたを信じる」と言って立ち去りました。
第3話 Hassun(八寸)
ウィルの裁判初日の審理終了後、彼の弁護士レオナルド・ブラウアー宛てに、封筒に入った人間の耳が届きました。彼にはできない犯行です。
ウィルが女子大生連続殺人事件の犯人の手口を真似て何人も惨殺した模倣犯で、その犯人の娘アビゲイルも殺したサイコパスだと主張する検察側。
それに対し弁護側は、「共感力の障害と脳炎の影響による無意識の犯行」だとして、ウィルの無罪を主張しました。
その後の調べで、人間の耳を切除したのはウィルのナイフだと判明。それはアビゲイル殺害に使われたものとして証拠保管室に送られ、裁判所の職員サイクスが管理していました。
ジャックたちはサイクスの自宅へ突入しようとしましたが、玄関の扉に仕掛けられた爆弾が起爆し炎上。
口を裂かれ鹿の角に刺され、耳を切られたサイクスの焼死体が発見されました。
面会に訪れたレクターから、サイクスの遺体の写真と殺人現場の報告書を見せられたウィルは、「犯人は彼を待ち伏せし射殺した」「そして鹿の角で突き刺した彼の右耳を、僕のナイフで切断した」とプロファイリングしました。
この事件を受け、レオナルドは弁護方針を変更。レクターに弁護側の証人として出廷してもらい、「サイクス殺害犯こそ、彼にかわる真犯人だと分かった」と証言させます。
しかしこの弁護側の主張を判事のデイヴィスは認めませんでした。その日の裁判終了後、法廷で脳みそと心臓を切り取られた彼の死体が発見されました。
ジャックと共に現場を見たレクターは、「犯人の目的は、ウィルの裁判の審理を無効にすること」だと推測しました。
第4話 Takiawase(炊合せ)
ウィルは、「捜査に協力する見返りとして、僕がやったと思われている事件の調査をしてくれ」という取引をしたビヴァリーに、人間絵画の犯人ジェームズ・グレイの検死をするよう頼みます。
ウィルはボルティモア州立精神障害犯罪者病院の院長フレデリック・チルトンと「僕を検査していい代わりに、僕の治療について今後一切レクターに話すな。僕には関わらせないと言え」という取引をし、彼の催眠療法を受けました。
その結果、レクターがウィルに光刺激の治療をして、失神や記憶の解離などが起こるように仕向けたことが判明。
その後、森の中で、蜂の巣にされた男性の死体が発見されました。
被害者のダンカン・ハロランを検死した行動分析捜査班のブライアン・ゼラーは、彼はロボトミー手術(精神病の治療として頭蓋骨に穴を開け、脳の前頭葉の一部を切除する手術)されたのだとジャックに言いました。
その後、両方の眼窩に十数個の穴が開けられ、全身を蜂に刺され生ける屍と化した高齢男性のロートの姿が発見されました。
ロートの体をよく見てみると、蜂に刺された傷口に鍼治療をされた痕が隠されていました。
ビヴァリーはレクターに検死してもらったグレイの遺体を再調査。縫合痕に外科手術をされた縫い目が隠されていたことと、その皮膚の下にあるはずの腎臓がないことに気づきます。
翌日。面会に訪れた彼女から話を聞いたウィルは、「ジャックにすべて話せ。そしてこれ以上、ハンニバル・レクターに近づくな」と警告します。
ジャックとゼラー、行動分析捜査班のジミー・プライスは、被害者2人に鍼治療をした鍼灸師のピムズのもとへ向かいます。
ピムズは微笑みながら、病に苦しみ人生に絶望した彼らを救うためにやったと自白しました。
ビヴァリーはレクターの自宅へ侵入。冷凍保存されていた臓器と、隠し部屋であるものを見つけるも、彼に襲われてしまいます。
第5話 Mukozuke(向付)
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FBIの訓練生ミリアム・ラスの切断された腕が発見された天文台で、ビヴァリーの遺体が発見されました。
ジャックに連れられ現場に到着したウィルは、「犯人は顔見知りの彼女の目を見ながら首を絞めて殺害した」「色や形を保つために冷凍した彼女の遺体を1層ずつ引き剥がした」とプロファイリングしました。
ゼラーたちがビヴァリーの検死をした結果、犯人はグレイの腎臓と彼女の腎臓を交換したことが判明しました。
チルトンに頼んでギデオンと面会したウィルは、「切り裂き魔を捕まえるには、奴を殺すしか方法はない」と助言されます。
ウィルの希望で面会に訪れた記者のフレディ・ラウンズは、彼の独占記事を書くことを条件に、サイクスとデイヴィスを殺した犯人との通信手段が欲しいと言う彼の要求を受け入れました。
その結果、精神科に入院した元患者である病院の看護師フランシス・ダラハイドが、他人に理解されない同士のウィルを助けるためにサイクスを殺したと自白しました。
ウィルは彼に「ハンニバル・レクターを殺してくれ」と頼みました。
ギデオンと面会したFBIの顧問アラーナ・ブルームは、ウィルが自分の賛同者にレクターを殺してくれと頼んだことを知りました。
その日の夜。フランシスはレクターを殺そうとするも、アラーナから話を聞いたジャックに撃たれてしまいました。
ドラマ『ハンニバル シーズン2』の感想とシーズン3の見どころ
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シーズン2の見どころと感想
チェサピークの切り裂き魔の正体がハンニバル・レクターであると気づいたウィルが、ともに捜査してきたジャックたちに檻の中からも訴え続けるも誰も信じてくれません。友達以上恋人未満の関係で裁判中もウィルの無実を訴えてくれたアラーナでさえも、彼から離れていってしまうということは、ウィルの心情を考えるととても胸が痛いです。
孤立無援となったウィルが、自分を嵌めたレクターに勝つため、檻の中からチルトンたちと取引をし、どうかして諸悪の根源たる彼を陥れ殺すことができないかと策を講じる姿。
また、無実と分かり釈放された後のウィルが、レクターと共謀して犯罪を犯してしまうことに以前より迷いがなくなった姿に、今後彼がどう変貌してしまうのかハラハラドキドキさせられます。
そしてシーズン2の終盤で、やっとジャックがウィルの主張を信じ、レクター逮捕のために彼と死闘を繰り広げていく様や、ウィルとレクターの心理戦はシーズン2の見どころであり目が離せません。
シーズン3の見どころ
シーズン2の最終話にて、レクターをあと一歩のところまで追い詰めるも返り討ちにあってしまったウィルたち。
作中で「私は君を欺ける。君も私を欺ける」というレクターの言葉どおり、レクターを追い詰め捕まえられるのもウィルだけですし、またウィルを追い詰めるのも彼だけしかいません。
なのでシーズン3では、ウィルの生存は確実。ジャックたちの中から誰か1人でも生き延びることができたのか、はたまたウィル以外は全員死んでしまうのかどうかが気になるところです。
そしてFBIとの死闘を制したレクターの若かりし日々とはどんなものなのかが、なんといってもシーズン3の見どころと言えます。
まとめ
(C)2014 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
チェサピークの切り裂き魔ことレクターをはじめとするサイコパスたちが、猟奇殺人事件を起こしていたシーズン1に対し、シーズン2では彼と彼の影響を受けた患者がシーズン1と同じか、それ以上に凄惨で残酷な猟奇殺人事件を起こしていきました。
そんなシーズン2のエンドロール中、FBIとの死闘を制したレクターがモーリアと飛行機に乗ってどこかへ向かう姿が描かれています。
そして未だ、このドラマの原作小説『レッド・ドラゴン』に登場する連続殺人鬼「噛みつき魔」は登場していませんので、誰がなってしまうのか気になります。
レクターの若かりし日々、ウィルたちFBIと彼の対決の行方を描いたシーズン3が楽しみですね。
ちなみに、シーズン3では「Antipasto(前菜)」や「Primavera(サラダやパスタなどの主菜)」、「Secondo(魚料理や肉料理などの主菜)」など、イタリア料理のコースの流れがサブタイトルとなっています。