トマス・ハリス原作小説『レッド・ドラゴン』のテレビドラマ化第2弾!
ティム・ハンターやデヴィッド・セメルらが監督を務めた、2014年製作のアメリカのサイコスリラードラマ『ハンニバル シーズン2』。
殺人の罪を着せられ、ボルティモア州立精神障害犯罪者病院に収容されてしまった天才犯罪プロファイラーのウィル・グレアム。檻の中から、ハンニバル・レクターこそチェサピークの切り裂き魔であると訴え続けるも、誰も信じてくれません。
すると、彼の裁判の結果を左右する猟奇殺人事件が立て続けに起こり……。
トマス・ハリス原作小説『レッド・ドラゴン』をテレビドラマ化したドラマ「ハンニバル」シリーズ第2弾『ハンニバル シーズン2』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
ドラマ『ハンニバル シーズン2』の作品情報
(C)2014 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
【放送】
2014年(アメリカドラマ)
【原作】
トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』
【監督】
ティム・ハンター、ピーター・メダック、デヴィッド・セメル、マイケル・ライマー、ヴィンチェンゾ・ナタリ、デヴィッド・スレイド
【キャスト】
ヒュー・ダンシー、マッツ・ミケルセン、ローレンス・フィッシュバーン、カロリン・ダヴァーナス、ヘティエンヌ・パーク、スコット・トンプソン、アーロン・エイブラムス、ララ・ジーン・コロステッキ、ラウル・エスパーザ、ジリアン・アンダーソン、エディー・イザード、マイケル・ピット、リチャード・アーミティッジ、他
【作品概要】
『リバース・エッジ』(1986)のティム・ハンターや『テキサス・クライム・ジャンクション』(2002)のデヴィッド・セメルらが監督を務めた、2014年製作のアメリカのサイコスリラードラマ作品。
アメリカの推理小説家トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』のテレビドラマ化第2弾です。
前作の『ハンニバル シーズン1』(2013)同様、『恋する宇宙』(2009)のヒュー・ダンシーと、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)のマッツ・ミケルセンが主演を務めています。
ドラマ『ハンニバル シーズン2』のあらすじとネタバレ
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第1話 Kaiseki(懐石)
元外科医の精神科医ハンニバル・レクターと、アメリカの各地で起こる猟奇殺人事件を捜査しているFBIの行動分析課長ジャック・クロフォードが死闘を繰り広げます。
時を遡ること12週間前。犯人に共感し、その動機や犯行当時の感情を再現できる「純粋な共感力」という特殊能力を持つ天才犯罪プロファイラーのウィル・グレアムは、殺人の容疑で逮捕され、ボルティモア州立精神障害犯罪者病院に収容されました。
FBIから長年逃げ続けている連続殺人鬼「チェサピークの切り裂き魔」の正体はレクターであると、檻の中から訴え続けるウィルでしたが、周囲の人間は誰も信じてくれませんでした。
そんなある日、ダムで樹脂で覆われた6人の死体が発見されました。
被害者たちの共通点は家から車で消えたことと、致死量以上のヘロインを摂取していたこと、そしてまるで生きているかのように見せるための酸化防止剤が検出されたことです。
ジャック率いるFBIの行動分析捜査班のメンバーの1人であるビヴァリー・カッツは、犯人がどのような人物を標的としているのかを突き止めるべく、ウィルと面会し助言を求めます。
ウィルは近隣の州で行方不明になっている人たちの写真を選別し、「色見本だ」と答えました。
その日の夜。ウィルは、喉の奥までパイプを入れられ、レクターにアビゲイルの耳を無理矢理食べさせられたことを思い出します。
第2話 Sakizuke(先付)
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例のダムから600km離れた支流で、樹脂で覆われ、足や腹部などに縫合された痕がある死体が発見されました。
被害者はローランド・アンバーという黒人男性、彼も他の被害者と同様、大量のヘロインを摂取しており、自宅から失踪していました。
ウィルに泣きつかれセラピーを再開することにしたレクターと、一緒に来たビヴァリーに助言を求められたウィルは、こうプロファイリングしました。
「犯人は被害者同士を糸で縫い合わせ、人間で絵を描いている」「薬物依存で通院歴があるアンバーはヘロインに耐性があったため、自ら犯人の手から逃げることができた」と。
さらにウィルは、倉庫や農場、廃屋など、死体が発見された川の上流には犯人が作業するための隠れ家があるはずだと言いました。
ジャックたちが見つけ出した犯人の隠れ家は、トウモロコシ農場のサイロでした。
見つかった人間絵画にされた47人の死体のうち、中央の男とアンバーの遺体にある糸の縫い方が一致。男の左足が切断されていました。
レクターとビヴァリーから人間絵画を見せられたウィルは、事件の犯人は中央にいる男だと言いました。
FBIより先に犯人の隠れ家を見つけたのは、レクターは「神が君に与えた使命は芸術そのものになることだ」と言って、犯人を殺害。切断した左脚を料理して食べました。
ウィルの身に起きた出来事から、レクターの行動に疑問を感じた彼の担当精神科医ベデリア・デュ・モーリアは、ウィルに「あなたを信じる」と言って立ち去りました。
第3話 Hassun(八寸)
ウィルの裁判初日の審理終了後、彼の弁護士レオナルド・ブラウアー宛てに、封筒に入った人間の耳が届きました。彼にはできない犯行です。
ウィルが女子大生連続殺人事件の犯人の手口を真似て何人も惨殺した模倣犯で、その犯人の娘アビゲイルも殺したサイコパスだと主張する検察側。
それに対し弁護側は、「共感力の障害と脳炎の影響による無意識の犯行」だとして、ウィルの無罪を主張しました。
その後の調べで、人間の耳を切除したのはウィルのナイフだと判明。それはアビゲイル殺害に使われたものとして証拠保管室に送られ、裁判所の職員サイクスが管理していました。
ジャックたちはサイクスの自宅へ突入しようとしましたが、玄関の扉に仕掛けられた爆弾が起爆し炎上。
口を裂かれ鹿の角に刺され、耳を切られたサイクスの焼死体が発見されました。
面会に訪れたレクターから、サイクスの遺体の写真と殺人現場の報告書を見せられたウィルは、「犯人は彼を待ち伏せし射殺した」「そして鹿の角で突き刺した彼の右耳を、僕のナイフで切断した」とプロファイリングしました。
この事件を受け、レオナルドは弁護方針を変更。レクターに弁護側の証人として出廷してもらい、「サイクス殺害犯こそ、彼にかわる真犯人だと分かった」と証言させます。
しかしこの弁護側の主張を判事のデイヴィスは認めませんでした。その日の裁判終了後、法廷で脳みそと心臓を切り取られた彼の死体が発見されました。
ジャックと共に現場を見たレクターは、「犯人の目的は、ウィルの裁判の審理を無効にすること」だと推測しました。
第4話 Takiawase(炊合せ)
ウィルは、「捜査に協力する見返りとして、僕がやったと思われている事件の調査をしてくれ」という取引をしたビヴァリーに、人間絵画の犯人ジェームズ・グレイの検死をするよう頼みます。
ウィルはボルティモア州立精神障害犯罪者病院の院長フレデリック・チルトンと「僕を検査していい代わりに、僕の治療について今後一切レクターに話すな。僕には関わらせないと言え」という取引をし、彼の催眠療法を受けました。
その結果、レクターがウィルに光刺激の治療をして、失神や記憶の解離などが起こるように仕向けたことが判明。
その後、森の中で、蜂の巣にされた男性の死体が発見されました。
被害者のダンカン・ハロランを検死した行動分析捜査班のブライアン・ゼラーは、彼はロボトミー手術(精神病の治療として頭蓋骨に穴を開け、脳の前頭葉の一部を切除する手術)されたのだとジャックに言いました。
その後、両方の眼窩に十数個の穴が開けられ、全身を蜂に刺され生ける屍と化した高齢男性のロートの姿が発見されました。
ロートの体をよく見てみると、蜂に刺された傷口に鍼治療をされた痕が隠されていました。
ビヴァリーはレクターに検死してもらったグレイの遺体を再調査。縫合痕に外科手術をされた縫い目が隠されていたことと、その皮膚の下にあるはずの腎臓がないことに気づきます。
翌日。面会に訪れた彼女から話を聞いたウィルは、「ジャックにすべて話せ。そしてこれ以上、ハンニバル・レクターに近づくな」と警告します。
ジャックとゼラー、行動分析捜査班のジミー・プライスは、被害者2人に鍼治療をした鍼灸師のピムズのもとへ向かいます。
ピムズは微笑みながら、病に苦しみ人生に絶望した彼らを救うためにやったと自白しました。
ビヴァリーはレクターの自宅へ侵入。冷凍保存されていた臓器と、隠し部屋であるものを見つけるも、彼に襲われてしまいます。
第5話 Mukozuke(向付)
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FBIの訓練生ミリアム・ラスの切断された腕が発見された天文台で、ビヴァリーの遺体が発見されました。
ジャックに連れられ現場に到着したウィルは、「犯人は顔見知りの彼女の目を見ながら首を絞めて殺害した」「色や形を保つために冷凍した彼女の遺体を1層ずつ引き剥がした」とプロファイリングしました。
ゼラーたちがビヴァリーの検死をした結果、犯人はグレイの腎臓と彼女の腎臓を交換したことが判明しました。
チルトンに頼んでギデオンと面会したウィルは、「切り裂き魔を捕まえるには、奴を殺すしか方法はない」と助言されます。
ウィルの希望で面会に訪れた記者のフレディ・ラウンズは、彼の独占記事を書くことを条件に、サイクスとデイヴィスを殺した犯人との通信手段が欲しいと言う彼の要求を受け入れました。
その結果、精神科に入院した元患者である病院の看護師フランシス・ダラハイドが、他人に理解されない同士のウィルを助けるためにサイクスを殺したと自白しました。
ウィルは彼に「ハンニバル・レクターを殺してくれ」と頼みました。
ギデオンと面会したFBIの顧問アラーナ・ブルームは、ウィルが自分の賛同者にレクターを殺してくれと頼んだことを知りました。
その日の夜。フランシスはレクターを殺そうとするも、アラーナから話を聞いたジャックに撃たれてしまいました。
以下、『ハンニバル シーズン2』ネタバレ・結末の記載がございます。『ハンニバル シーズン2』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
第6話 Futamono(蓋物)
ウィルは面会に訪れたジャックに、切り裂き魔が被害者の臓器を奪うのは肉の鮮度を保つためで、犯行の翌日に食事会を開いていると言いました。
その後、広い駐車場で、人間植物と化した男性の死体が発見されました。
検死した結果、被害者はボルティモアの市議S・アイズリー、森林開発で絶滅危惧種の鳥の棲み処を駐車場に変えた人物であると判明。
さらにその犯行手口は切り裂き魔のものと一致。肺以外の全ての臓器を奪われたアイズリーには有毒な花が飾られていました。
レクターを殺すことができなかったウィルはギデオンを脅し、レクターが切り裂き魔であると証言させようとします。
ギデオンはウィルに、「あの日レクターの家で、彼に切り裂き魔かどうか尋ねるもはぐらかされ、アラーナを殺しに行かされた」と言いました。
チルトンはこの2人の会話の音声をジャックに聞かせました。その後、切り裂き魔によって4人が殺害されました。
ジャックと面会したギデオンが嘘をついたことで、チルトンはウィルとの会話が真実だったと確信しました。
事件の翌日、レクターは食事会を開催。ジャックは料理を持ち帰って調べるも、人肉は検出されませんでした。
ウィルの策略に気づいたレクターは、アラーナと親密な関係を築いていきます。
翌日。職員たちに暴行され重傷を負ったギデオンの病室から、彼を見張っていた警官の死体が発見されました。
警官を吊るした釣り糸の毛針から、ビヴァリーの毛髪やミリアムの骨、アイズリーの血管にデイヴィスの視神経、グレイの爪が検出されました。
つまりウィルは無実であり、模倣犯も存在しない。すべて切り裂き魔の仕業であったことにジャックたちは気づきました。
その日の夜。背骨が折れて自立できないギデオンを拉致したレクターは、切断した彼の左脚を使った料理を振舞います。
アイズリーの肺にあった水から、バージニア州サマービルにある建物にたどり着いたジャックは、監禁されていたミリアムを見つけ出しました。
第7話 Yakimono(焼物)
切り裂き魔事件の生き証人であるミリアムは曖昧な記憶の中、切り裂き魔の特定のため、容疑のかかったレクターとの面通しに臨みます。
一方、殺人容疑が晴れて釈放されたウィルは、ジャックから事情を聞き、ミリアムが発見された場所へ向かいました。
ウィルは、アイズリーは切り裂き魔が長年かけて作り上げた作品で、自分にしたように誰かを嵌めるためにミリアムを見つけさせたのだとプロファイリングしました。
さらにウィルは、見つかった証拠の中には切り裂き魔から遠ざけるものも混じっていると言います。
事実、2年間レクターに光刺激の治療をされ、頭の中を支配されたミリアムは、彼は切り裂き魔ではないと断言しました。
久々に我が家に戻り、犬たちの面倒を見てくれたアラーナと再会したウィルでしたが、完全にレクターを信じきっている彼女から敵意を向けられてしまいます。
チルトンは、切り裂き魔事件の捜査協力と、ミリアムの記憶を取り戻す代わりに、自分に護衛をつけてほしいと、ジャックに要求するも拒否されてしまいました。
その後、ミリアムから採取した血液から、チルトンがウィルとギデオンの治療に使った催眠鎮静剤が検出されました。
帰宅したチルトンは、手足を切断され殺されたギデオンの死体を発見。その周りには、自分が彼を殺した証拠が揃っていました。
そこへレクターが襲来。チルトンはやってきたFBIの捜査官2人に助けを求めようとするも、その前に彼に捕まり眠らされてしまいます。
目が覚めた時には、FBIの捜査官2人はレクターによって殺されていました。ミリアムが思い出した負傷者の図がある本まで置いて。
チルトンはウィルに助けを求めます。ウィルは真実を話すためにジャックを呼び出すも、チルトンを切り裂き魔だと思い込んでいるため聞く耳を持ってくれません。
ジャック立ち合いのもと、逮捕されたチルトンと面通ししたミリアムは、彼が切り裂き魔だと思い込み、ジャックから奪った銃で射殺しました。
一方ウィルは、自分を取り戻すためだと言い、レクターにセラピーを再開させます。
第8話 Su-zakana(酢肴)
馬小屋の中で死んだ雌馬の腹の中から、女性の死体が発見されました。
被害者は先週から行方不明になっていた、遺体発見場所のブラックブライアー厩舎の厩務員サラ・クレイバー、死因は絞殺でした。
再びFBIの捜査に協力することになったウィルは、「犯人は馬が死産で死にかけていることを知っていて、サラと顔見知りだった」「獣医学の知識を持っていて、以前ここの厩務員だった人物」だとプロファイリングしました。
その結果、動物保護施設で働く元厩務員ピーターに行き着くも、彼は馬に頭を蹴られたせいで認知障害を抱えていました。
その後、サラの喉にあった土から行き着いた先で、埋葬された15人の女性の死体が発見されました。
信頼していたソーシャルワーカーのイングラムがサイコパスであると知り、心の弱さにつけこまれて操られたと、ウィルに告発したピーター。
しかしイングラムは、FBIの事情聴取をのらりくらりとかわしたことで、彼の告発はジャックたちに無視されてしまいます。
イングラムは告発したピーターに怒り、動物保護施設を荒らし、ハンマーで彼の頭を蹴った馬を撲殺。サラたち16人と馬を殺した罪を彼に擦りつけようとします。
我慢の限界を迎えたピーターは、彼に息ができない苦しみと、彼自身が招いた運命(さだめ)を味わせるために、馬の死体の中に閉じ込めました。
ピーターが心配で駆けつけたウィルとレクターはそれを目撃。しばらくすると、イングラムが自力で馬の腹から這い出てきました。
ピーターから事情を聞いたウィルは彼を殺そうとするも、レクターに阻止されます。
第9話 Shiizakana(強肴)
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トラックドライバーの男性と、1組のカップルが獣のような何かに襲われ殺された事件が発生。
内臓を取り出し手足をバラバラにしたその犯行手口は、事件現場周辺の家畜が襲われた事件と同じものでした。
最初、熊か狼の仕業だと思っていたウィルでしたが、2件目の殺人現場を見て、「犯人は捕食者に憧れ、獣になれるスーツを作れる技術者かその知識を持つ者」だとプロファイリングしました。
レクターは、何年か前に診た10代の患者がその犯人像に合致すると言いました。
その患者は現在自然史博物館で働くランドール、解離性同一症で自分は人間の姿に生まれてきた獣だと思っている男です。
事件に使われたホラアナグマの頭蓋骨の仕組みに詳しいランドールは、そのホラアナグマになれるスーツを作っていました。
それを知ったレクターは、ウィルを殺すための刺客として、彼を送り込みます。
ウィルは返り討ちにした彼の死体をレクターの元へ運びました。
第10話 Naka-choko(中猪口)
レクターを殺すつもりでランドールを殺したウィルは、彼の助けを得て自然史博物館にランドールの理想を叶えた姿を展示し、自分に容疑がかからないように画策します。
その一方で、ウィルは、食品加工業を営む大資産家の娘であるレクターの患者マーゴ・ヴァージャーと親密な関係を築きました。
切り裂き魔はレクターだと訴え続けていたのに、今になってチルトンこそ切り裂き魔だったと矛盾したことをいうウィルに疑問を感じたラウンズ。
独自に切り裂き魔の事件を調べてみた結果、元患者も含めて、レクターの患者が7人も死亡していることが判明。
さらに2人のセラピーが再開した後に、またレクターの元患者が死んだことを知ったラウンズは、アラーナに「ウィルは”レクターに勝てないなら彼に近づこう”と考えている」「ウィルとレクターは共謀している」と伝えます。
ラウンズは独占取材をしにウィルの自宅へ。しかしウィルは不在でした。
彼の家の近くの小屋が気になったラウンズは、ピッキングをして忍び込みます。そこにはランドールのスーツと、冷凍保存された彼の裂けた口や臓器などが保管されていたのです。
そこへウィルが現れ、ラウンズは抵抗むなしく捕まってしまいました。
ラウンズの悲鳴が録音された留守電を聞いたジャックは、発信場所がウィルの家の近くだと突き止め、彼に事情聴取を行います。
ウィルと同席したレクターは、「ラウンズを恨む敵は多い。その中の誰かが連れ去ったんじゃないか」と言いました。
その後、ウィルはレクターと一緒に、殺した彼女の肉を料理して食べました。
第11話 Ko no Mono(香の物)
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駐車場で、ラウンズの焼死体が発見されました。
彼女の検死に立ち会ったウィルとレクターは、「犯人の目的は彼女のジャーナリズムを排除するのではなく、神聖的な目的だ」「彼女は、神話にある破壊し創造する火の燃料にされた」とそれぞれ分析しました。
父の遺言で、自分を虐げる兄メイスンを殺しても自分には財産も何も得ることはできないと知ったマーゴは、子供を欲しがっていました。
彼女がウィルに近づいたのは、その子供を妊娠するためでした。
その後、埋葬されたはずのラウンズが、破壊神シヴァとなって蘇った姿が発見されました。
恵まれない子供たちや妹を虐げる異常者だと自覚しているメイスンは、レクターのセラピーを受けます。
その際、妹が父の遺言の抜け穴に気づいたと知ったメイスンは、手下のカイロや医者たちを使って、妊娠した妹の体を傷つけました。
それを知ったウィルは激怒し、メイスンを殴り銃を突きつけます。ですが殺しはせず、ウィルは「お前の豚にはレクター博士を食わせろ」と言って立ち去りました。
一方、2人を信じられなくなったアラーナは、ジャックに相談しに行きます。すると、死んだはずのラウンズがそこにいたのです。
第12話 Tome-wan(止め椀)
ウィルとレクターは、マーゴの体を傷つけたメイスンの処遇について話し合い、彼を殺すということで意見が一致しました。
その一方で、ウィルはジャックと、レクターを捕まえるための作戦を練っていました。
実はウィルは、ランドールの殺害とその遺体の切断について、ジャックに話していました。
また2人は、ラウンズの死を偽装するという危ない橋を渡っていたのです。
ウィルはジャックに、レクターの犯行動機は自分が「無礼」だと感じた人を排除することであり、メイスンも彼の標的となっていることを話します。
そのため確実な証拠を残さず殺人を犯している彼を捕まえるには、彼が人を殺そうとした時しかないと、ウィルは考えていました。
2人はレクターから離れるために身を隠していたモーリアとコンタクトをとり、協力を求めます。
以前、レクターから引き継いだ患者に襲われた話をジャックにした際、「その患者は自身の舌を呑み込んで死んだ」と言っていたモーリア。しかしそれは嘘で、本当はレクターの影響を受けていた彼女が、彼に誘導されてその患者を殺していたのです。
レクターはそれしか道はないと思わせて、愛する人を殺させるのだとウィルに打ち明けます。
ウィルが去った後、モーリアはジャックに、「ハンニバルを逮捕できそうだと思えるのは、彼がそう思わせているから」「彼が事態を掌握できていないはずがない」と忠告しました。
そんなある日、妹に余計な助言をしたレクターに殺意を抱いたメイスンは、カルロたち手下を使って彼を捕まえ、ブタの檻に放り込む前にウィルに彼の喉を切るよう命じます。
しかしウィルはそれに従わず、レクターの拘束を解いたのです。
直後にカルロに殴られ、気絶してしまったウィルが次に目覚めた時、カルロは豚の檻に放り込まれ餌にされており、レクターに数種の幻覚剤を吸わされたメイスンは自身の顔半分を、ウィルが面倒を見ている犬たちに食わせていました。
顔の半分と鼻を失ったものの一命を取り留めたメイスンでしたが、今度は今まで虐げてきた妹からの復讐という地獄が待っていました。
ウィルはレクターに、ジャックに真実を話すよう説得します。
第13話 Mizumono(水物)
晩餐の準備が整いました。レクターはジャックを夕食に誘う招待状を送りました。
ジャックは危険を承知の上で、彼からの招待に応じることに。この囮捜査は職権を乱用した違法捜査だと非難するFBIの監察官ケイディ・プラネルは、ジャックと、彼の違法捜査に加担したウィル(ランドール殺害の件も含めて)に対し、逮捕状を出しました。
そのことをアラーナから電話で聞いたウィルは、レクターに「バレてる」と電話をかけます。そして物語は、第1話の冒頭に戻るのです。
レクターとの死闘の末、喉を切られ重傷を負ったジャック。キッチンの貯蔵室に隠れた彼を殺そうとするレクターに、アラーナは銃を向けながら声を掛けます。
しかし彼女が持つ銃に弾は入っていません。レクターがあらかじめ弾を抜いておいたからです。
ジャックからアラーナに標的を変えたレクター。アラーナは2階の寝室で弾を込め、迫りくる彼との対決に臨もうとします。
するとそこへ死んだはずのアビゲイルが現れ、アラーナは突き飛ばされ2階の窓から転落。駆けつけたウィルにジャックが中にいることを教えます。
ジャックを救いに来たウィルは、キッチンにいるアビゲイルと再会。その背後に、自分が彼女を殺したと嘘をついたレクターが忍び寄り、彼の腹を突き刺します。
実はレクターは、前日にウィルの服についたラウンズの匂いを嗅ぎ、彼が自分の自由を奪おうと企んでいることに気づいていたのです。
ウィルの裏切りに怒ったレクターは、彼の目の前でアビゲイルの喉を切りました。そして瀕死状態の彼らを家に残し、その場から立ち去ったのでした。
ドラマ『ハンニバル シーズン2』の感想とシーズン3の見どころ
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シーズン2の見どころと感想
チェサピークの切り裂き魔の正体がハンニバル・レクターであると気づいたウィルが、ともに捜査してきたジャックたちに檻の中からも訴え続けるも誰も信じてくれません。友達以上恋人未満の関係で裁判中もウィルの無実を訴えてくれたアラーナでさえも、彼から離れていってしまうということは、ウィルの心情を考えるととても胸が痛いです。
孤立無援となったウィルが、自分を嵌めたレクターに勝つため、檻の中からチルトンたちと取引をし、どうかして諸悪の根源たる彼を陥れ殺すことができないかと策を講じる姿。
また、無実と分かり釈放された後のウィルが、レクターと共謀して犯罪を犯してしまうことに以前より迷いがなくなった姿に、今後彼がどう変貌してしまうのかハラハラドキドキさせられます。
そしてシーズン2の終盤で、やっとジャックがウィルの主張を信じ、レクター逮捕のために彼と死闘を繰り広げていく様や、ウィルとレクターの心理戦はシーズン2の見どころであり目が離せません。
シーズン3の見どころ
シーズン2の最終話にて、レクターをあと一歩のところまで追い詰めるも返り討ちにあってしまったウィルたち。
作中で「私は君を欺ける。君も私を欺ける」というレクターの言葉どおり、レクターを追い詰め捕まえられるのもウィルだけですし、またウィルを追い詰めるのも彼だけしかいません。
なのでシーズン3では、ウィルの生存は確実。ジャックたちの中から誰か1人でも生き延びることができたのか、はたまたウィル以外は全員死んでしまうのかどうかが気になるところです。
そしてFBIとの死闘を制したレクターの若かりし日々とはどんなものなのかが、なんといってもシーズン3の見どころと言えます。
まとめ
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チェサピークの切り裂き魔ことレクターをはじめとするサイコパスたちが、猟奇殺人事件を起こしていたシーズン1に対し、シーズン2では彼と彼の影響を受けた患者がシーズン1と同じか、それ以上に凄惨で残酷な猟奇殺人事件を起こしていきました。
そんなシーズン2のエンドロール中、FBIとの死闘を制したレクターがモーリアと飛行機に乗ってどこかへ向かう姿が描かれています。
そして未だ、このドラマの原作小説『レッド・ドラゴン』に登場する連続殺人鬼「噛みつき魔」は登場していませんので、誰がなってしまうのか気になります。
レクターの若かりし日々、ウィルたちFBIと彼の対決の行方を描いたシーズン3が楽しみですね。
ちなみに、シーズン3では「Antipasto(前菜)」や「Primavera(サラダやパスタなどの主菜)」、「Secondo(魚料理や肉料理などの主菜)」など、イタリア料理のコースの流れがサブタイトルとなっています。