Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2018/06/20
Update

『このまちで暮らせば』あらすじ感想レビュー。“ご当地映画”の傾向と特色を紐解き解説!

  • Writer :
  • 村松健太郎

高橋秀綱監督作品『このまちで暮らせば』

最近、映画の中で土地柄を強く前に出した映画が多い。

フィルムコミッションが定着したこともあるが、下手な宣伝キャンペーンより映画のスクリーンに街並みを写しこむことのPR効果の高さを感じる人が増えているからだろう。

そこで、地方自治体が自発的に映画を誘致して映画を盛り上げることで、結果的に地元を強くPRしようと利用してくる流れもでき始めている。
この辺りの流れは、2013年の映画『県庁おもてなし課』でもよくわかる。

ご当地映画の傾向は

“餃子”でご当地映画


(C)2018「キスできる餃子」製作委員会

例えば、今年2018年6月22日公開の『キスできる餃子』は、宇都宮を舞台にした餃子店を営むシングルマザー(=足立梨花)の物語。

宇都宮といえば餃子の町、その部分を敢えて、前面に打ち出して盛り上げた。

映画は宇都宮で先行公開されたのちに全国公開がされる。

伊坂幸太郎原作のご当地映画


(C)2007 伊坂幸太郎/新潮社 (C)2012「ポテチ」製作委員会

似たような例でいえば、2007年に『アヒルと鴨とコインロッカー』があり、2010年には『ゴールデンスランバー』、そして2012年には『ポテチ』の伊坂幸太郎の仙台サーガの映画化

前二者『ゴールデンスランバー』と『ポテチ』は仙台で先行公開された

『ゴールデンスランバー』は東宝の全国公開映画ということで、流石に先行公開はなかったものの主演の堺雅人&竹内結子が登壇した仙台プレミア上映が行われた

北海道のご当地映画はどうでしょう


(C)2011「探偵はBARにいる」製作委員会

こういったものの究極な例を挙げると大泉洋主演の北海道を舞台にした諸作品。「探偵はBARにいる」シリーズ、『しあわせのパン』(2012)、『ぶどうのなみだ』(2014)など。

北海道ローカル番組『水曜どうでしょう』が全国的に波及していき、全国区になった大泉洋は拠点を東京中心に移しながらも、北海道という土地柄を強く感じさせる稀有な立ち位置の主演級俳優

古くから知っている北海道民からすれば、まさに“おらが郷のスターがおらが郷を舞台にした映画に主演している”ということになるのだから、その思い入れの強さは何倍にもなる

映画『このまちで暮らせば』

2018年7月14日から公開される映画『このまちで暮らせば』も、黒川温泉や小国杉を抱える九州熊本の南小国町を舞台にした親子の物語。

代々植樹と剪定、そして伐採を繰り返して育まれる森と人の成長と親子の繋がりを重ねあわせた物語になっている。

この映画も地元の全面協力で作られた映画で、地元出身のベテラン俳優勝野洋が出演しているところも地元に根をはった映画だということが感じられる。

林業に関わり、自分の在り方を模索する若者二人を若手俳優の注目株の笠松将と芋生悠が演じている。

土地柄と映画をうまく盛り込んだ映画が多いなか、スクリーンに主人公たちの背景に移る日本各地の風景を楽しむのもいい映画の楽しみ方と言っていいだろう。

映画『このまちで暮らせば』のあらすじ

熊本県にある南小国町。ある思いを胸に、一人前の林業作業士を目指している青年、樹。

彼は母親町子と不仲となり、福岡にある実家から家出をしてきました。

師匠の茂に樹は両親はいないと嘘をついて暮らしています。

ある日、樹を訪ねて母親の町子がやって来ました。

師匠の茂に嘘がばれてしまった樹、しかも、東京から逃げて来た茂の孫娘の緑からも責められてしまう始末。

それでも母町子を受け容れようとしない樹は、町子は命に関わる病気であると茂から知らされます…。

まとめ

熊本県阿蘇郡南小国町の全面的な協力を得て、地元出身のベテラン俳優勝野洋も出演し、まさにご当地映画ともいうべき本作は完成42分の短編映画です。

高橋秀綱監督の『このまちで暮らせば』は、2018年7月14日(土)より、新宿K’scinemaにて1週間限定ロードショー


Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/demachi2026/cinemarche.net/public_html/wp-content/themes/stinger8-child/single.php on line 150

関連記事

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】スターリングラード|あらすじ感想と評価考察。ジュード・ロウが戦争映画の攻防戦で伝説のスナイパーを演じる

激戦をくぐり抜ける狙撃兵の生き様 第二次世界大戦時にソビエト連邦の狙撃兵として活躍し、英雄となった実在の人物ヴァシリ・ザイツェフを主人公に、スターリングラードの激戦を描く戦争映画です。 主演は「ファン …

ヒューマンドラマ映画

映画『Love Letter』ネタバレあらすじ結末と感想評価の解説。岩井俊二監督による恋文(ラブレター)が引き寄せた“偶然と奇跡”

映画『Love Letter』は岩井俊二監督の長編デビュー作 映画『Love Letter』は『Undo』『花とアリス』の岩井俊二監督の長編第1作。 雪山の遭難事故で恋人を亡くした女性に、彼の昔の住所 …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】映画『山の音』あらすじ結末感想と評価解説。原節子が夫に裏切られた悲しい妻をやるせなく演じる珠玉のヒューマンドラマ

やさしい舅と不憫な嫁との絆を美しく描く 川端康成原作小説を、女性ドラマの名匠・成瀬巳喜男監督が実写映画化した傑作ヒューマンドラマ『山の音』。 鬱屈した家族関係の中で、初老の舅と苦しみに耐える嫁との絆を …

ヒューマンドラマ映画

ハネケ映画『ハッピーエンド』あらすじとキャスト。公開日と上映館も

ミヒャエル・ハネケ監督の映画『ハッピーエンド』は、3月3日より角川シネマ有楽町ほか全国順次公開! 『白いリボン』『愛、アムール』と2作連続でカンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高金賞)を受賞した奇才ミ …

ヒューマンドラマ映画

『恋愛裁判』あらすじ感想と評価レビュー。深田晃司監督がアイドルから引き出した言葉と引き出さなかった結論【広島国際映画祭2025】

映画『恋愛裁判』は2026年1月23日(金)より全国順次公開! 華やかな活動を続けるアイドルが起こした、一つの事件を題材に描いた、深田晃司監督によるオリジナル映画『恋愛裁判』。 「恋愛禁止ルール」とい …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学