平成ガメラ3部作の第1作目『ガメラ 大怪獣空中決戦』は、2018年6月10日(日)に、TOKYO MXにて放送されます。
テレビ放送前に振り返ってみましょう。
本作は『ガメラ 大怪獣空中決戦』は、1995年度のキネマ旬報ベスト・テンの日本映画部門で、熊井啓監督の『深い河』や、崔洋一監督の『マークスの山』、また、橋口亮輔監督の『渚のシンドバット』を抑えて堂々たる第6位。大御所や中堅監督を抑えて、批評家たちから支持されました。
また、同部門の読者が選ぶベスト・テンでは、さらに注目すべき第2位を獲得。岩井俊二監督の『Love Letter』に次ぐ順位は、当時の一般の観客にどれほどの反響ぶりを見せたのかが分かります。
映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』の作品情報
【公開】
1995年(日本映画)
【脚本】
伊藤和典
【特技監督】
樋口真嗣
【監督】
金子修介
【キャスト】
伊原剛志、中山忍、藤谷文子、小野寺昭、螢雪次朗、本田博太郎、長谷川初範、本郷功次郎、久保明、松尾貴史、袴田吉彦、夏木ゆたか、石井トミコ、渡辺哲、渡辺裕之、風吹ジュン、真山勇一、木村優子、若林健治、永井美奈子、大神いずみ、中村明美、古賀之士、田辺稔、真鍋尚晃、鈴木潤、亀山ゆうみ
【作品概要】
『宇宙怪獣ガメラ』(1980)から15年ぶりに製作されたガメラ映画で、平成ガメラ3部作の第1作目。
監督は『DEATH NOTE デスノート』(2006)の金子修介。脚本は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の伊藤和典。
映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』のあらすじとネタバレ
1995年、プルトニウム輸送船「海竜丸」が岩礁のない海域で座礁。
海上保安庁の巡視船「のじま」がレーダーを確認すると、その環礁は動いていたのです……。
庁側の調査に参加できなかった巡視船「のじま」一等航海士の米森良成は、保険会社の草薙直哉に同行し環礁の調査に赴きます。
環礁には大量の勾玉と謎の碑文が刻まれた石板があります。
突如、揺れ出す環礁…、海に落ちた米森は環礁が巨大生物だということを知ったのです。
一方、五島列島・姫神島で島民が「鳥が……」という無線を残し消息を絶つという事件が発生。
鳥類学者の長峰真弓は、長崎県警の大迫と共に姫神島へ調査に向かいます。
長峰たちはそこで島民を喰らった怪鳥を発見します。
政府側は怪鳥を希少動物として保護することを決定。長峰はリスクが大きい事から怪鳥捕獲に反対しますが、決定事項として推し進める政府側。
長峰と大迫は、福岡ドームの開閉式屋根を利用して捕獲するアイディアを提案。
自衛隊による捕獲作戦が開始されます。
映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』の感想と評価
自衛隊と怪獣が実際に戦ったらというシミュレーション、怪獣特撮映画としてのエンターテインメント。
この両者のバランスが上手くいった事で高い評価を得た『ガメラ 大怪獣空中決戦』。
本作の後、『ウルトラマンティガ』(1996~97)、『仮面ライダークウガ』(2000~2001)の“ウルトラマン”、“仮面ライダー”という2大ヒーローがシミュレーションというアプローチから復活しました。
また、両者とも本作同様の超古代文明という設定がキーになります。
確実に、2作とも本作の影響下にある作品だと思います。
本作の成功がなければ、ウルトラマン・仮面ライダーの復活もなかったのではないでしょうか。
完成作品の脚本を執筆したのは伊藤和典ですが、それとは別に検討用台本が2つ存在します。
1つはコメディタッチのもので、執筆したのは連続テレビ小説『ひよっこ』(2017)の岡田惠和。
もう1つはジュブナイル的なもので、執筆は『ウルトラマンティガ』の小中千昭と『ウルトラマンダイナ』のメイン監督・小中和哉の兄弟。どちらも検討用には留まりましたが、後者からはガメラが生体兵器という設定が引き継がれました。
特技監督は『シン・ゴジラ』(2016)の樋口真嗣。
そのため本作の特撮スタッフは『シン・ゴジラ』に参加している人間も多数います(前田真宏、佐藤敦紀、三池敏夫ら)。
特撮的な見所は前半の福岡ドーム、後半の首都・東京でのガメラVSギャオスの場面でしょう。
生物的な描写が強調されたギャオス。現在でもその恐怖描写はトラウマ級です。
また夕陽の中、東京タワーに佇むギャオスのシーンは何とも言えない風情があります。
本作の監督オファーを受けた金子修介は、「ガメラかぁ……」と微妙な感情だったのが正直な所らしいです。
それは脚本の伊藤和典も同様だったようです。
しかし、逆に客観的な視点から“ガメラ”を再構築できたことで本作は成功しました。
また、昭和のガメラを意識した部分も登場します。
草薙浅黄とカメラの交心、吊り橋で逃げ遅れた子どもをガメラが庇うなど、昭和ガメラで描かれた“ガメラは子どもの味方”を意識したものです。
さらに、本作の冒頭に巡視船「のじま」船長役の本郷功次郎は昭和ガメラシリーズ3作に主演。それを意識して本郷はキャスティングされました。
まとめ
ガメラ誕生30周年記念に製作された本作『ガメラ 大怪獣空中決戦』。本作の公開から23年が経ち、3年前にガメラも誕生50周年を迎えました。
2016年、誕生50周年記念として石井克人が手掛けた『GAMERA』というショートムービーが発表されました。
しかし、それ以後なにか大きな発表はありません。
ゴジラが復活した今、ガメラの復活を心待ちにしている人間は少なくないはずです。
TOKYO MXでは、2018年6月10日『ガメラ 大怪獣空中決戦』、17日『ガメラ2 レギオン襲来』、24日『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』、平成ガメラ3部作が3週間連続放映されます。
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※紹介している情報は2018年6月時点のものです。配信作品の状況が変わっている可能性もありますので、詳細は公式ホームページにてご確認ください。