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映画『ウインド・リバー』あらすじとキャスト。日本公開の劇場はどこ?

  • Writer :
  • 若松れん

映画『ウインド・リバー』は、7月27日(金)より、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー

実際に起こった事件を参考に制作された映画で、カンヌ映画祭で監督賞を受賞し、Rotten Tomatoes他、各レビューサイトでも高く評価された作品。

アメリカ合衆国ワイオミング州にあるネイティブアメリカンの保留地“ウインド・リバー”を舞台に、ジェレミー扮するハンターと、オルセン演じる新米エージェントが、この地で起こった連続殺人事件を追うのです。

映画『ウインド・リバー』の作品概要


(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原題】
Wind River

【監督】
テイラー・シェリダン

【キャスト】
ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ギル・バーミンガム、ジョン・バーンサル、ケルシー・チャウ、ブラハム・グリーン、ジュリア・ジョーンズ

【作品概要】
映画『ウインド・リバー』は、『ボーダーライン』の脚本を務めたテイラー・シェリダンの初監督作品で、迫害にあったネイティブアメリカンの歴史の闇を描いています。

主演は、映画『ハート・ロッカーや』『アベンジャーズ』シリーズに出演したジェレミー・レナーと、同じく『アベンジャーズ』シリーズに出演したエリザベス・オルセン。

なぜこの地では少女だけが殺害されるのか。インディアンの保留地で実際に起こった事件に近い形で制作したと謳うシェリダン監督が、アメリカが忘れ去った闇をスクリーンで暴きます。

監督は『ボーダーライン』のテイラー・シェリダン

関連映像:『ウインド・リバー』(2015)

映画『ウインド・リバー』の脚本と監督を務めたのは、『ボーダーライン』(2015)や『最後の追跡』(2016)で知られる脚本家テイラー・シェリダンです。

アメリカの社会問題に着目したこの2作品は、評論家からも高く評価され2年連続でアカデミー賞脚本賞にノミネート。

本作ではシェリダンが初めてメガホンをとり、極寒のウインド・リバーを舞台に、現在も横行しているアメリカの差別や偏見という闇に切り込みます。

映画『ウインド・リバー』の主要キャスト

コリー・ランバート役/ジェレミー・レナー

参考映像:『ハート・ロッカー』(2009)


ジェレミー・レナーは『28週後…』(2007)や『ボーン・レガシー』(2012)を初めとする人気作品に出演し、アカデミー賞作品賞を受賞した『ハート・ロッカー』(2009)では、主演男優賞にノミネートされました。

また、翌2010年には映画『ザ・タウン』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、実力派俳優として名を馳せています。

近年では、マーベルコミック実写化映画のキャラクター、ホーク・アイ役として知られており、『アベンジャーズ』シリーズにも多々出演しました。

ジェーン・バナー役/エリザベス・オルセン

参考映像:『マーサ、あるいはマーシー・メイ』(2011)

エリザベス・オルセンは、2011年公開の映画『マーサ、あるいはマーシー・メイ』で主人公マーサ役を演じて注目されました。

その後は、日本でも御馴染みのSF映画『GODZILLA ゴジラ』(2014)に出演し、現在は「アベンジャーズ」シリーズや「キャプテン・アメリカ」シリーズのワンダ役としても知られています。

かつては、『フルハウス』で知名度を上げた双子の姉ミシェル・オルセンとメアリー=ケイト・オルセンの撮影現場によく遊びに来ていたようで、子役として番組に出演したこともありました。

映画『ウインド・リバー』のあらすじ


(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

ある日、アメリカ合衆国ワイオミング州にあるネイティブアメリカンの保留地ウインド・リバーの地元ハンター、コリー・ランバートが、ナタリー・ハンソンという18歳の少女の凍死体を発見しました。

ナタリーは、極寒の地とは思えないような軽装。事件性があるかを調べるため、新米捜査官ジェーン・バナーが現地を訪れ調査しました。

翌日、ジェーンは被害者少女の父親から、娘にはボーイフレンドがいたことを聞かされましたが、彼の素性も住所も知らなかったのです。

検視の結果、少女には殴打と性的暴行の痕跡が見られ、極寒の中放置されたことが原因で肺出血を起こして死亡したとのことでした。

検視では犯人が特定出来なかったため、捜査チームを結成することが出来ず、ジェーンはコリーに捜査協力を依頼します。

後日、コリーは少女のボーイフレンドが近くの石油掘削現場の警備員として働いているマットという青年であることを突き止めました。

しかしその翌日、今度は放置されていた男性の全裸遺体が発見。

ジェーンはその遺体が少女のボーイフレンドであるマットという青年だったと聞かされたのです。

コリーは、ジェーンに3年前に亡くなった娘のことを話しはじめます。コリーが妻と町を離れていた日、自宅でパーティを開いていたはずの娘が、雪のなか遺体となって発見されたということだったのです。

ジェーンは、警察長のベンや警察官らと、マットが働いていた石油掘削現場を訪れ、マットとナタリーのことを聴取していました。

すると、警備員たちはナタリーとマットが口論となってからマットの姿は見ていない、ナタリーの事はラジオで知ったと話します。

しかしジェーンは、ラジオではナタリーの名は伏せられていると指摘。

すると、警官のひとりが自分たちが警備員に取り囲まれていることに気づき、両者が一発触発の状態となりますがジェーンが権力を持って収拾させました。

この後、フラッシュバックでナタリーとマットの一部始終が描かれます。

ジェーンを殺害したのはマットなのか、マットを殺害した犯人は誰なのか、光が闇を照らし全てを暴いていくのですが…。

映画『ウインド・リバー』の感想と評価


(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

『ウインド・リバー』は海外で反響も大きく、大手レビューサイトのRotten Tomatoesでも高く評価されている作品です。

アメリカ制作の映画では、『父親たちの星条旗』でも描かれていたように、先住民に対する人種差別が根強いものであると感じていました。

本作での被害者もすべて先住民であり、ニュースにも取り上げられなかった事件ということで、脚本も務めたシェリダン監督が人種差別問題や不条理を訴えていているのが犇々と伝わってくると思います。

過激かつ残虐な復讐をテーマにすることで、忘れてはいけない闇を浮き彫りにし、現代における社会的問題を表現しているのだと感じました。

カンヌ国際映画賞「ある視点部門」で監督賞を受賞し、アカデミー賞の候補ともなっている作品『ウインド・リバー』。

実話を基にしたクライムサスペンスとして派手な描写はないものの、人とは何かを考えさせられるようなリアルな描写に、最後まで釘付けになる作品であることは間違いないでしょう。

なお、この作品には性的暴行シーンも含まれて居ますので、ご視聴の際はご注意ください。

本作を上映する劇場情報

【北海道地区】
北海道 ディノスシネマズ札幌劇場 7/27〜

【東北地区】

宮城 フォーラム仙台 7/27〜

【関東地区】
東京 角川シネマ新宿 7/27〜
東京 角川シネマ有楽町 7/27〜
東京 イオンシネマ板橋 7/27〜

千葉 千葉劇場 7/27〜

埼玉 ユナイテッド・シネマ ウニクス南古谷 7/27〜

栃木 小山シネマロブレ5 9/22〜

【北陸地区】
新潟 ユナイテッド・シネマ新潟 7/27〜

石川 ユナイテッド・シネマ金沢 7/27〜

【中部地区】
愛知 センチュリーシネマ 7/27〜

愛知 ミッドランドシネマ名古屋空港 7/27〜
愛知 ユナイテッド・シネマ豊橋18 7/27〜

【近畿地区】
大阪 シネ・リーブル梅田 7/27〜
大阪 なんばパークスシネマ 7/27〜

兵庫 シネ・リーブル神戸 7/27〜

京都 MOVIX京都 7/27〜

【山陰・四国地区】
岡山 シネマ・クレール丸の内1・2 9/01〜

広島 広島サロンシネマ1・2 順次公開

愛媛 シネマサンシャイン大街道 8/25〜

【九州・沖縄地区】
福岡 KBCシネマ 7/27〜

熊本 Denkikan 順次公開

長崎 長崎セントラル劇場 9/28〜

大分 シネマ5 順次公開

宮崎 宮崎キネマ館 9/01〜

鹿児島 天文館シネマパラダイス 9/15〜

沖縄県 CINEMA PALETTE(シネマパレット) 7/27〜

*上記の『ウインド・リバー』の上映スケジュールは、5月22日現在のもの。作品の特性からセカンド上映や順次公開されることが予想されます。

ご希望の映画館の公式サイトやSNS等でご確認のうえご来場ください。また、上映時間も該当劇場にてご確認をお願いいたします。

まとめ


(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

いかがでしたでしょうか。闇に埋もれている事件や迫害、差別といったものはまだまだ数え切れないほどあると思います。

しかし、たとえひとつだとしても闇に光を当てたいという監督の気持ちが伝わってくるので、世界で起こっている”悲しい出来事”に目を背けないでいただければと思います。

映画『ウインド・リバー』は、7月27日(金)より、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー

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