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Entry 2022/08/18
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『人質 韓国トップスター誘拐事件』あらすじ感想と評価考察。ファン・ジョンミンが「ファン・ジョンミン」自身を演じる脱出劇の行方は⁈|コリアンムービーおすすめ指南30

  • Writer :
  • 西川ちょり

映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』は2022年 9月9日(金)よりシネマート新宿他にて全国順次公開!

『新しき世界』(2013)、『ただ悪より救いたまえ』(2020)などの作品で知られる韓国のトップスター、ファン・ジョンミンが、凶悪犯に誘拐されたトップスター、ファン・ジョンミンを演じる映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』。

前代未聞の設定によるリアル・アクション・スリラーの脚本・監督を務めたピル・カムソンは、本作で長編映画監督デビューを果たしました。

ドラマ『イカゲーム』で一躍スターに駆け上ったイ・ユミや、ドラマ『梨泰院クラス』のリュ・ギョンス等が共演。

極悪非道の誘拐犯たちに監禁されたファン・ジョンミンは、果たして無事脱出することができるのでしょうか!?

【連載コラム】『コリアンムービーおすすめ指南』記事一覧はこちら

映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』の作品情報


(C)2021 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K & SEM COMPANY. All Rights Reserved.

【公開】
2022年公開(韓国映画)

【原題】
인질(英題:Hostage: Missing Celebrity)

【監督・脚本】
ピル・カムソン

【キャスト】
ファン・ジョンミン、イ・ユミ、リュ・ギョンス、キム・ジェボム、イ・ギュウォン

【作品概要】
『新しき世界』(2013)、『ただ悪より救いたまえ』(2020)など数多くの作品で知られる韓国屈指の名優ファン・ジョンミンが、極悪犯罪者に誘拐された俳優ファン・ジョンミンを演じるユニークな設定のアクション・スリラー。

イ・ユミや、リュ・ギョンスらが共演。監督・脚本を務めたピル・カムソンは、本作で長編映画監督デビューを果たした。

映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』のあらすじ


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ソウルで新作映画の記者会見に出席したファン・ジョンミンは、ひとりで帰宅する途中、馴染みのコンビニに立ち寄りました。

店員に朝まで車を置かせてほしいと頼み、キーを渡して外に出ると、彼の高級車に覆いかぶさるようにしている若者がいました。彼らは挙動不審で、妙な威圧感がありました。

ファン・ジョンミンが、歩いて帰宅していると、車が猛烈なスピードで近づいてきました。暴力を振るわれたファン・ジョンミンは意識を失い、連れ去られます。

気が付いたときは、薄暗い部屋の中でパイプ椅子に縛りつけられていました。

彼を拉致したのは先程の男たちとその仲間でした。彼らは最近、カフェ店主拉致殺害事件で世間を震撼させていた犯人で、身代金目当てにファン・ジョンミンを誘拐したのです。

情け容赦ない脅迫に屈して身代金5億ウォンの支払いを約束したファン・ジョンミンは、同じ部屋に監禁されていた女性ソヨンを励ましながら、必死に脱出策を模索しますが……。

映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』感想と評価


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ファン・ジョンミンが自分自身を演じる

『新しき世界』(2013)、『国際市場で逢いましょう』(2014)、『ベテラン』(2015)、『コクソン/哭声』(2016)、『アシュラ』(2016)『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(2018)、『ただ悪より救いたまえ』(2020)など、昨今の韓国映画を代表する錚々たる作品に出演し、ある時は、組織のボス、ある時は刑事、ある時は悪徳政治家、ある時は謎の祈祷師と、様々な役柄を演じてきたファン・ジョンミン。いわずと知れた韓国のトップ俳優です。

そのファン・ジョンミンが本作では、自分自身=韓国のトップ俳優・ファン・ジョンミンを演じています。

そのことにより、「有名俳優の拉致事件」というストーリーだけなら特にひねりのない物語が、現実とフィクションの狭間で交錯し合う臨場感あふれる作品として立ち上がってくるのが本作のユニークなところです。

絶望的な状況からなんとか抜け出そうと、ファン・ジョンミンは頭を働かせますが、彼が、同じく俳優であり友人であるパク・ソンウン(本人が演じています)に電話して、かつて自身が演じた刑事の名を連呼することで犯人に悟られないよう、危機を伝える場面など、映画ファンには嬉しいエピソードも盛り込まれています。

激しいアクションシーンの迫力もさることながら、こうした頭脳や演技力を駆使した駆け引きが緊迫感あふれるリアルな面白さを生み出しています。

リアルさを重視した配役


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ファン・ジョンミン、パク・ソンウンといった大物俳優が、自分自身を演じている一方、凶悪犯など他のキャラクターは、これまであまりその顔をスクリーンで観た記憶がない人々が選ばれています。

『イカ・ゲーム』などのドラマで知られるイ・ユミがファン・ジョンミンとともに囚われている女性を、『梨泰院クラス』に出演していたリュ・ギョンスが誘拐犯のひとりを演じているくらいで、犯罪グループのリーダーを演じているキム・ジェポムなどはまさに新しい顔といえます。

人質の見張り役を務めるヨンテを演じるチョン・ジェウォンや、運転手を務める大男コ・ヨンノクを演じるイ・ギュゥオンは、本作がスクリーンデビュー作です。ふたりとも厳しいオーディションで役を勝ち取りました。

こうした顔ぶれによって、作品はリアリティを損なうことなく、最後まで緊張感を維持し続けます。

犯人たちのそれぞれの個性や人間関係も丁寧に描かれていて、被害者、犯人グループ、警察のそれぞれが極限状態でぶつかり合う展開に目が離せません。

まとめ


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俳優が映画の中で自分自身を演じた作品はこれまでにもなかったわけではありません。が、犯罪、誘拐劇で本人を本人が演じたものに関しては、他に記憶がありません。

ドキュメンタリーとフィクションの狭間の攻防ともいうべき面白さが、本作の最大の魅力と言えるでしょう。

ファン・ジョンミンが自分自身をどのように演じたのか!? 是非劇場でお確かめください!

韓国映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』は2022年 9月9日(金)よりシネマート新宿他にて全国順次公開!

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