大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第24作!
サム・メンデスが監督を務めた、2015年製作のアメリカ・イギリス合作の大人気スパイアクション映画『007/スペクター』。
英国情報局秘密情報部「MI6」の諜報員ジェームズ・ボンドが、前作『007/スカイフォール』(2012)での戦いで爆破した生家「スカイフォール」から出てきた写真に隠された謎を追ってメキシコ、ローマと渡っていく姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。
ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドが謎の巨大組織と対峙する、「007」シリーズ第24作目『007/スペクター』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『007/スペクター』の作品情報
SPECTRE (C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved
【公開】
2015年(アメリカ・イギリス合作映画)
【原作】
イアン・フレミング
【監督】
サム・メンデス
【キャスト】
ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、デイヴ・バウティスタ、アンドリュー・スコット、ロリー・キニア、イェスパー・クリステンセン、ステファニー・シグマン、モニカ・ベルッチ、レイフ・ファインズ、アレッサンドロ・クレモーナ、ジュディ・デンチ
【作品概要】
前作『007/スカイフォール』(2012)に引き続き、『アメリカン・ビューティー』(1999)や『ジャーヘッド』(2005)などを手掛けるサム・メンデスが監督を務めた、アメリカ・イギリス合作のスパイアクション作品。
前作『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)と『007/慰めの報酬』(2009)、『007/スカイフォール』(2012)の続編である、「007」シリーズ第24作目です。
「007」シリーズのダニエル・クレイグが引き続き主演を務めるほか、これまでのダニエル・クレイグ版「007」シリーズ作品に出演した、『シンドラーのリスト』(1993)のレイフ・ファインズや『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩(うた)』(2008)のベン・ウィショー、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのナオミ・ハリスら共演陣も続投しています。
映画『007/スペクター』のあらすじとネタバレ
SPECTRE (C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved
「007」というコードネームを持つ英国情報局秘密情報部「MI6」の諜報員ジェームズ・ボンドは、メキシコの伝統文化「死者の日」が催されているメキシコシティで非公認任務に当たっていました。
メキシコシティでのボンドの任務は、マルコ・スキアラという男を殺すこと。スキアラはメキシコシティで、スタジアム爆破テロを企てているからです。
ボンドは建物の屋上へ行き、向かいの建物にいるスキアラを狙撃しようとしますが、ボンドが撃った弾は爆薬入りのスーツケースに被弾。
建物は爆発し倒壊したものの、何とか逃げおおせたスキアラは、自身の死を確認しに来たボンドと遭遇。仲間のヘリで逃亡を図ります。
そんなスキアラを追い詰めたボンドは、スキアラの手からある紋章が刻まれた指輪を奪うと、ヘリから地上へ突き落としました。
ロンドンにあるMI6本部に戻ったボンドは、Mことギャレス・マロリーからメキシコシティでの一件を叱責されます。
ですがボンドは、Mにもメキシコシティへ行った理由を話そうとしません。それ故、Mは真相を語ろうとしないボンドに、無期限の停職処分を言い渡しました。
するとそこへ、イギリスの内務大臣の管轄下にある保安局「MI5」の新局長Cことマックス・デンビーが現れ、「今回の組織再構築で、諜報世界は暗黒時代を抜け出す」とボンドに言いました。
実はCは、今回のボンドの行動を問題視し、「時代遅れ」と評している00部署を解体し、MI6をMI5に吸収しようと画策していました。組織を再構築中のMは、その対応に追われていました。
その日の夜。ボンドが住む新しいアパートへ、MI6の職員イヴ・マネーペニーが訪ねてきました。ボンドの生家「スカイフォール」の遺留物を届けるためです。
その時、マネーペニーはボンドに、「貴方は何か秘密を隠しているけれど、自分以外信用していないから誰にも話していない」と言いました。
図星だったボンドはマネーペニーに、MにもMI6の幕僚主任ビル・タナーにも見せていない、「スカイフォール」での戦いで命を落とした前任のMの遺言が記録された映像を見せることにしました。
「私に何かあったら頼みたいの。マルコ・スキアラという男を追って」「スキアラを殺して、彼の葬儀にも行って」
そう、ボンドがメキシコシティへ勝手に行ったのは、この前任のMの遺言に従うためです。
そう明かしたボンドはマネーペニーに、スキアラが言っていた「青白い王(ペイル・キング)」とは何者なのか、こっそり調べてもらいたいとお願いしました。
マネーペニーが去った後、ボンドは部屋で1人、遺留物の中から見つけた1枚の写真を感慨深そうに見つめていました。
その古い写真には、12歳のボンドと彼の養父ハンス・オーベルハウザー、そしてもう1人の少年の姿が写っていました。
翌日。ボンドはタナーに連れられ、MI6の特務装備開発課「Q課」の新任課長Qの元を訪れました。
その道中、ボンドはタナーからMI6の現状を聞きました。「MI6がMI5と併合するなんて序の口。今度の東京国際会議でCの提案が通れば、Cは世界9か国の機密情報も00部署の情報も一手に入手することになる」
「君の留守中に、ハンブルクの列車テロ、チュニジアの工場爆破が起きた。世界の危機拡大はCにとって好機到来、Mへのプレッシャーが増し続ける」
Qは直属の上司であるMの命令に従い、ナノマシンによって地球上どこからでも生体データが送られ、所在地を特定することができる追跡装置「スマート・ブラッド」を、ボンドの体内へ注入しました。
ですが、ボンドはQに頼んで、追跡開始まで48時間の猶予を得ます。さらにボンドは、009のために用意された車アストンマーティン・DB10をQ課から無断で持ち出し、イタリア・ローマへ向かいました。
SPECTRE (C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved
2日後。ボンドは前任のMの遺言に従い、スキアラの葬儀に行きました。そこでボンドは、未亡人となったスキアラの妻ルチアを見つけ、生命保険会社の者だと偽って近づきます。
ルチアは最初、夫を殺したボンドに不信感を抱いていました。ですが、突如現れた殺し屋に命を狙われた際、ボンドは華麗に登場し守ってくれたので、ルチアは彼の誘惑に負けてしまいます。
だからルチアは、今度も自分の命を守ることを条件に、夫が自分をほったらかしにするほど入れ込んでいた巨大組織の秘密会議が今夜、カルデンツァ宮殿で開かれることをボンドに教えました。
ボンドもこれに応え、友人であるCIAのエージェント、フェリックス・ライターにルチアの保護を頼みました。
ボンドはスキアラの指輪を使い、彼が属していた巨大組織の秘密会議へと潜入。そこでボンドは、巨大組織のボスが、幼少期を共に過ごした義兄フランツ・オーベルハウザーであることを知りました。
そして、ハンブルクでの列車テロもチュニジアの工場爆破も、メキシコシティでスタジアムを爆破しようとしたのも全て、彼が率いる巨大組織がやったことだということも………。
不意にフランツは、ボンドに「ようこそボンド。やっと再会できたな」と声を掛けました。フランツは最初から、ボンドの潜入に気づいていたのです。
ボンドは慌ててカルデンツァ宮殿を抜け出し、アストンマーティン・DB10に乗って逃走。スキアラの後任として「ペイル・キング」の始末をすることになった構成員Mr.ヒンクスが、その後を追いかけます。
Mr.ヒンクスとのカーチェイス中、ボンドはマネーペニーと連絡を取り合い、「ペイル・キング」の正体が、世界各地で暗躍する巨大組織の幹部Mr.ホワイトであることを知りました。
以下、『007/スペクター』ネタバレ・結末の記載がございます。『007/スペクター』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
SPECTRE (C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved
Mr.ヒンクスとのカーチェイスの末、アストンマーティン・DB10はテヴェレ川の川底へ沈んでしまいましたが、ボンドはその前に脱出。オーストリア・アルタウスゼーにいるMr.ホワイトの隠れ家へ向かうも、彼は既に瀕死状態でした。
実は先月、Mr.ホワイトはこれまで精一杯尽くしてきたフランツが、諜報機関を相手取った従来の方針を転換し、女子供まで犠牲にするようになったため彼と対立。
そのせいで携帯にタリウムの毒を盛られてしまい、タリウム中毒となってしまったのです。
それを明かしたMr.ホワイトは、「私の娘を救ってくれるのなら、娘が“アメリカン”という場所を教える」とボンドに言い遺し、彼に渡された拳銃で自決しました。
一方その頃、CはMとタナーを連れて東京国際会議に出席。世界9か国の情報網を統合するという議案「9つの目(ナイン・アイズ)」を提案しました。
もしこの議案が可決された場合、世界9か国の情報と00部署の情報は全て、Cの居城である「新国家保安センター(CNS)」で365日間収集・管理されることになります。
この議案の採決は、南アフリカが反対票を投じたため、賛成8に反対1と満場一致にはならず、否決されました。
ですがロンドンに戻った際、CはMに「じき南アフリカも賛成票を投じざるを得なくなる」と宣言したのです。
さらにCはMに、ボンドだけでなく、マネーペニーも監視対象であることを告げ、ローマで交わされた2人の会話を聞かせます。
Mr.ホワイトの死後から2日後。ボンドはオーストラリアの山岳地帯にある医療施設「ホフラー診療所」を訪れ、そこで医師として勤務しているMr.ホワイトの娘マドレーヌ・スワンに、患者を装って近づきました。
しかし父の死を知ったマドレーヌに拒絶され、追い出されてしまいます。そんなボンドの元へ、Qが登場。Qはクビになることを恐れ、Mの命令に従い、ボンドをロンドンへ帰国させようとします。
ですがボンドは、そんなQに指輪の調査を依頼し、彼の宿泊先のホテルで1時間後に落ち合おうと約束しました。
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するとその直後、Mr.ヒンクスとその部下たちがマドレーヌを誘拐。ボンドはすぐさま彼らの車を追跡し、マドレーヌを救出します。
マドレーヌは最初、ボンドを強く拒絶しますが、彼に「君を救えるのは僕だけだ」と説かれ、彼と行動を共にすることにしました。
同時刻。山を下りるロープウェイに乗っていたQは、組織の構成員と遭遇。彼らに命を狙われるも何とか追跡を振り切り、ホテルまで逃げおおせました。
ボンドはマドレーヌを連れて、Qと合流。彼から、これまで世界各地で戦ってきた男ル・シッフルもMr.ホワイトもグリーンも、シルヴァもスキアラも同じ組織に属していたことを聞かされます。
それと同時に、マドレーヌは「組織の名称は“スペクター”」だと、ボンドたちに教えました。
その直後、南アフリカのケープタウンで大爆発が起きたとの情報を入手。ボンドは「ロンドンに戻ってMを助け、僕を追ってくれ」とQに頼みました。
これに対しQは、「あなたは“アメリカン”を捜し、オーベルハウザーの行方を追ってください」とボンドに指示します。
するとマドレーヌが、「“アメリカン”は人じゃない、“場所”よ」と答えました。その言葉通り、「アメリカン」はモロッコ・タンジールにあるホテルの名前でした。
マドレーヌ曰く、Mr.ホワイトとその妻が新婚旅行で訪れて以来、毎年家族3人で泊まりに来ていた思い出の場所だと言います。
ホテルに到着後、ボンドはすぐに彼女たち家族がよく泊まっていた部屋を調べました。その結果、見つかったのは1本の酒だけでした。
その日の夜。これ以上手掛かりはつかめないと半ば諦めかけていたボンドでしたが、1匹のネズミが逃げ込んだ壁に貼りつけられている絵がズレていることに気づきました。
その壁を破った結果、ボンドたちは隠し部屋を発見。そこで2人は、Mr.ホワイトがずっと衛星電話を使ってフランツを追い続け、彼の拠点となる場所の座標を見つけたことを知りました。
座標の数字と地図を照らし合わせてみた結果、フランツがいる場所、スペクターの秘密基地は北アフリカの砂漠の真ん中であることが判明しました。
一方ロンドンでは、ケープタウンで起きた大爆発を受け、南アフリカが賛成票を投じたことにより、「ナイン・アイズ」が発足。提案したCがその委員長に推されました。
念願通りとなったCは、Mに「内務大臣と話したところ、72時間以内に行われる情報網の新体制の動きを考え、00部署は閉鎖することが決定した」と告げます。
その後、ボンドの行動の真意が分かったQとマネーペニーは、ボンドに協力することを決意。ですがMに、自分たちもCに監視されていると言われ、ボンドの追跡を諦め、スマート・ブラッドのデータを全て消去するよう命じられました。
一方ボンドたちは、特急列車に乗って、フランツがいるスペクターの秘密基地へ向かっていました。
その道中、ボンドはマドレーヌに護身用として、自動拳銃シグ226を渡しました。ですがマドレーヌは、銃が嫌いでした。
「子供の頃、父を狙う殺し屋が家に忍び込んできた」「でも台所の下に逃げ込んだ際、そこに自動拳銃ベレッタが隠されているのを見つけた、それ以来銃が嫌いになった」
その日の夜。列車内にあるレストランでディナーを楽しんでいた際、ボンドはマドレーヌから、「どうして人を殺す道を選んだの?」と聞かれました。
これに対しボンドは、「選択肢が他になかった、考える余裕もね」と答えました。
するとそこへ、2人を追ってきたMr.ヒンクスが襲来。狭い列車内での格闘戦の末、ボンドは対格差も腕力も上であるMr.ヒンクスに苦戦を強いられるものの、嫌いな拳銃を持って助けに来てくれたマドレーヌのおかげで、何とか撃退することが出来ました。
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熱い夜を過ごした後、砂漠の駅で特急列車を降りたボンドたちは、フランツが迎えに寄越した車1948年型のロールス・ロイスに乗って、クレーターの中に隠されたスペクターの秘密基地を訪れました。
そこで再度、ボンドは死んだと思っていた義兄フランツと対面します。フランツは2人に、世界各国の監視カメラの映像を傍受する大規模な監視施設を見せ、「ナイン・アイズ」を使って世界各国の機密情報を掌握し、支配することが目的であることを明かしました。
「君は私がそばを通っても気がつかなかった。ル・シッフル、グリーン、シルヴァ」「君が私の領域に入ってきた時は、君の仲間を消した」
「君の愛する女たちも皆死んだだろう?例えば君が本気で愛した女ヴェスパーとか、君が敬愛していたMとか」「全部私が仕組んだことだ。これまで、君に苦しみを与えてきたのはこの私だ」
そこでフランツは、マドレーヌにMr.ホワイトの最期が記録された映像を見せます。ボンドはその映像からマドレーヌの目をそらさせることが出来たものの、フランツの部下に後頭部を殴られ昏倒させられてしまいました。
意識を取り戻したボンドがいたのは拷問台の上、そこに手足を拘束された状態で寝かされていたのです。
フランツは、脳の機能を破壊するごく微細な針をボンドの頭に刺し、彼を痛めつけた上でこう言いました。
「ジェームズは幼くして両親を登山事故で亡くした」「そんな辛い時期に彼を育てたのは、私の父だった。父は私に、彼を“兄弟”だと、“自分の弟”なのだと思うようにと教えた」
「やがて父と彼に絆が出来たのを見て、私は雪崩事故を装って父を殺した」「自分の死さえ偽装した私はそれ以降、フランツではなく、“エルンスト・S・ブロフェルド”と名乗っている」
養父の死の真相を知ったボンドは、フランツ改めブロフェルドによる拷問を受けますが、Qお手製の腕時計に仕込まれていた小型爆弾を起動させ、マドレーヌに手渡します。
マドレーヌが受け取った腕時計を、ブロフェルドの方へ滑らせた直後に爆発。2人は爆発の混乱に乗じて脱出し、スペクターの秘密基地を破壊しました。
マドレーヌと共にロンドンに戻ったボンドは、MとQ、タナー、マネーペニーと合流。協力してブロフェルドの部下であるCの身柄を拘束し、ナイン・アイズが正式稼働するのを阻止しようとします。
しかし、スパイとして生きるボンドの顔を見たマドレーヌは、「あなたと一緒に行くことは出来ない」とボンドに別れを告げ、その場を立ち去っていきました。
ボンドたち5人だけでCNSにいるCの元へ向かおうとするも、Cの配下が乗った車が、Mとボンドが乗る車を急襲。ボンドが廃墟と化したMI6旧本部へ拉致されてしまいました。
意識を取り戻したボンドはCの配下を倒し、自力で拘束具を外して1人、MI6旧本部内に足を踏み入れます。
何とそこには、右目を含めた顔の右側を負傷したブロフェルドが待ち受けていたのです。ブロフェルドはボンドに、マドレーヌを拉致したことと、この建物があと3分後に爆破されることを告げ、起爆装置のタイマーを作動させます。
一方、間一髪のところで車から脱出できたMはQたちと合流し、MI6旧本部の対岸に建設されたCNSへ向かいました。
追い詰められたCは、Mにこう言いました。「君ら官僚や政治家どもが無能の腰抜けだから、私はそれを正す勢力に与しただけだ」
それから間もなく、Qがナイン・アイズのプログラムへのハッキングに成功。Mは悪あがきを続けるCと格闘の末、Cは転落死します。
ヘリに乗り高みの見物を決め込むブロフェルドと、CNSを出たMたちの目の前で、MI6旧本部が爆発し崩壊しました。
誰もがボンドは死んだと思ったその時、ボンドがMI6旧本部内に監禁されていたマドレーヌと共に、高速ボートに乗って登場。
テムズ川に脱出したボンドたちは、ヘリで逃走するブロフェルドを追跡。ボンドはエンジン部分を狙い撃ち、ヘリをウェストミンスター橋に不時着させました。
負傷したブロフェルドはヘリから這い出ましたが、駆けつけたボンドに行く手を阻まれ、銃口を突きつけられます。
ブロフェルドがいくら挑発しようにも、ボンドは彼を撃たず、銃を捨ててマドレーヌの元へ向かいました。残されたブロフェルドは、Mによって逮捕されました。
後日。引退したはずのボンドが、早朝のQ課に姿を現します。ボンドはQから、「スカイフォール」での戦いで大破し修理が完了したボンドカーを受け取り、マドレーヌと一緒にロンドンの街へ走り去っていきました。
映画『007/スペクター』の感想と評価
SPECTRE (C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved
ボンドとマドレーヌの熱い愛
ボンドはマドレーヌと会った時、宿敵Mr.ホワイトの娘としか思っておらず、またマドレーヌもボンドのことをあまりよく思っていませんでした。
そんな2人はいつしか行動を共にしていくにつれ絆が生まれ、互いに惹かれ合うようになっていきました。そのきっかけとなったのは、特急列車内でボンドたちが共闘してMr.ヒンクスを倒したことでした。
スペクターとの戦いの最中、互いに助け合おうとするボンドたちの仲睦まじい姿は微笑ましく、今まで辛い人生を送ってきた分、2人には幸せになって欲しいです。
ブロフェルドが率いる巨大組織「スペクター」
SPECTRE (C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved
これまでのダニエル・クレイグ版「007」シリーズ作品で、ル・シッフルやMr.ホワイト、グリーンら多くの敵が現れ、各作品でダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドを苦しめてきました。
ル・シッフルやMr.ホワイトたちは皆、フランツ・オーベルハウザー改め、エルンスト・S・ブロフェルドがボスを務める巨大組織「スペクター」に所属していました。
ボンドの義理の兄であるブロフェルドがなぜ、世界各国の機密情報を掌握し世界を支配するために、諜報機関を相手に戦うスペクターのボスとなってしまったのか。それはブロフェルドの過去に起因していました。
愛する父との間に絆が生まれたボンドが、他の巣に迷い込んだカッコウの子供が邪魔な巣の子供を排除するように、父の愛を一身に受けるためにブロフェルドを排除するのではないかという思い込み、彼は雪崩事故を装って父を殺害しました。
最愛の父とその愛を奪われんとした子供心と、ボンドへの嫉妬心が生んだ悲劇が、結果的にブロフェルドをさらに深い闇へ突き落してしまったのです。
それ故に、ブロフェルドはボンドへの復讐も兼ねて、スペクターを創設したのではないかと考察できます。
まとめ
SPECTRE (C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved
MI6の諜報員ジェームズ・ボンドが、ついに全ての悲劇の元凶たる巨大組織「スペクター」と、そのボスであるブロフェルドと直接対峙する、アメリカ・イギリス合作のスパイアクション作品でした。
これまでのダニエル・クレイグ版「007」シリーズ作品に登場した悪役全員、スペクターの構成員または幹部であるという衝撃的な事実に加え、ブロフェルドがボンドの義兄であることはボンドファンのみならず、本作を鑑賞する誰もが大変驚かされたことでしょう。
その巨大組織の名前は前々作『007/慰めの報酬』(2009)のタイトルである「クァンタム」かと考えられてきましたが、本当の名前は「スペクター」であると、作中マドレーヌの口から語られています。
因縁あるボンドたち義理の兄弟対決はもちろん、ボンドを信頼し共に戦うMたちMI6が、ブロフェルドの部下であったCと戦う場面も、見ごたえバッチリのアクション場面です。
過去の因縁に決着をつけるジェームズ・ボンドの姿を描いた、ダニエル・クレイグ版「007」シリーズ最大の熱きバトルが繰り広げられるスパイアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。