映画『ゴーストバスターズ』は1984年に公開された大ヒットホラーコメディ。
『ゴーストバスターズ』はニューヨークを舞台に、マシュマロマンなどのゴーストたちに立ち向かう4人組の活躍をコミカルに描いた作品です。
『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)のビル・マーレイが、ピーター・ヴェンクマン博士役を茶目っ気たっぷりに演じています。
ゴーストバスターズメンバーには、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミス、アーニー・ハドソンらが出演。息の合ったコミカルな演技を見せています。ヒロインには、「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバー。
当時の観客を興奮と笑いに包み込んだゴーストたちの造形や演出など、現代でも十分楽しめる本作。その魅力について、あらすじと共に解説していきます。
映画『ゴーストバスターズ』の作品情報
【公開】
1984年(アメリカ映画)
【監督】
アイヴァン・ライトマン
【キャスト】
ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミス、シガニー・ウィーバー、リック・モラニス、アニー・ポッツ、アーニー・ハドソン、ウィリアム・アザートン
【作品概要】
『ゴーストバスターズ』は1984年に公開されて大ヒットしたコメディホラー映画。
第57回アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされ、レイ・パーカー・Jrによるキャッチーな主題歌も大ブームを巻き起こし、主題歌賞にノミネート。また、第42回ゴールデングローブ賞最優秀作品賞と、ビル・マーレイが主演男優賞にノミネートされています。
その後、キャスト続投による続編『ゴーストバスターズ2』(1989)、メインキャストが女性となった『ゴーストバスターズ(2016)』が公開されました。
そしてシリーズ初代の監督アイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマンによる『ゴーストバスターズ アフターライフ』が2022年2月4日(金)に公開予定。
映画のモチーフとして人気を呼んだ「No Ghost」マークですが、日本版は実際の道路交通標識に合わせて、左右反転で斜線が右下がりとなっています。
映画『ゴーストバスターズ』ネタバレあらすじ
大学で超常現象現象を研究している博士のピーター(ビル・マーレイ)、レイモンド(ダン・エイクロイド)、エゴン・スペングラー(ハロルド・ライミス)は超常現象が目撃された図書館へとやってきました。
図書館は本が散乱し、謎の粘液が引き出しにべったりと着いていました。奥へ進むと老婆のゴーストが宙に浮いていました。
捕まえようととびかかると、その老婆は骸骨に姿を変えて飛び掛かってきました。驚いて逃げ出す3人。
研究大学に戻った3人は、学部長から研究が役に立たないので研究予算を打ち切られてしまいました。
3人だけでゴーストを捕まえる設備をを整えようと物件を借ります。ゴースト退治を請け負うゴーストバスターズと名乗ってテレビコマーシャルに出た3人。
ディナ(シガニー・ウィーバー)が買い物を終えて家に帰ると卵が勝手に割れ、冷蔵庫の中に悪魔のようなゴーストが現れました。
2日後、ゴーストバスターズの元に訪れたディナ。事情を聞くピーター達。ピーターは美女に目がないのですっかり張り切ります。
ディナと一緒に家に様子を見に行ったピーター。ディナは冷蔵庫のなかに広い空間があり、怪獣がズールと鳴いていたと必死に主張しますが、冷蔵庫の中に以上はありませんでした。
ピーターは必死にディナを口説こうとしますが、あきれて帰らされます。
ピーターらが夕食を食べていると、秘書のもとにゴースト退治の依頼の電話がかかってきます。ホテルからのゴースト退治の依頼を受け、作業着に着替えてマシンを背負って向かいました。
ゴーストがいると言われているフロアに入る3人。ゴースト探知機が反応を示しています。
三方に分かれて捜索していると、レイモンドがホテルの料理を食べ散らかしていた緑色のゴーストを見つけます。
すぐにゴースト用の銃を放ちますが、逃げられてしまいました。
3人がかりでどうにかゴーストを捕まえ、ホテルから報酬5000ドルを貰ったゴーストバスターズ。
その一件を境に彼らは一躍有名になり、ゴースト退治の依頼が絶えなくなりました。
ディナの元へ会いに行ったピーター。ディナの冷蔵庫に現れたのはズールという悪魔だと説明します。木曜の夜にディナーの約束を取り付けました。
ウィンストン(アーニー・ハドソン)がゴーストバスターズに志願しに来ました。大忙しの3人は喜んで雇います。
環境保護局の第3支局部長のウォルターがゴーストバスターズに会いにやってきます。捕らえたゴーストの貯蔵庫を見たいと言います。ピーターは追い返しました。
貯蔵庫は満杯なのにもかかわらず、凄まじく強大な心霊エネルギーがニューヨークにやってきます。
ディナのマンションに怪獣が現れて、ディナが連れ去られてしまいます。怪獣は街へ飛び出し、町中は大混乱。
ディナの部屋を訪れたピーター。彼女の様子はいつもと違いました。ズールに憑りつかれていました。
ディナと同じマンションに住んでいたルイスもズールに憑りつかれていました。ゴーザがやってくる準備をしているのだと話します。
環境保護局のウォルターが電源を切るようにと命令に来ます。貯蔵庫の電源を切ると危険だとピーターらは忠告しますが彼らは聞きません。そして、電源を切ってしまいました。
捕まえていたゴーストたちが一斉に逃げ出します。ゴーストたちが町中に解き放たれパニック状態になります。
映画『ゴーストバスターズ』の感想と評価
1980年代の最大のヒット作といわれる『ゴーストバスターズ』は、コメディとホラーそしてアクションという異色のジャンル映画として世界的ブームを巻き起こした作品です。
そのテンポの良さと、「ゴーストをビームで退治する」というシンプルながらも斬新な面白さが子どもから大人まで幅広く人気を集めた要因だと言えるでしょう。
ビル・マーレイをはじめとした出演者たちの個性豊かなキャラクターたちによるコミカルなやりとりは、今観てもとても魅力的。
台本通りに撮影されたシーンはほどんどなく、特にビル・マーレイのセリフはほぼアドリブなのだそうです。また、当時の技術と予算を駆使して撮影された超常現象シーンがとても印象深いです。
例を挙げるなら図書館の本が浮かび上がるシーン。これは実際に糸で本を吊って撮影され、飛び出すカードはスタッフが息を吹きかけて撮影されています。
また、道路が陥落するシーンは迫力満点です。当時の観客を驚かせた演出は、今見ると手作り感や生っぽさを映画の味わいとして楽しむことができるのではないでしょうか。
そして、『ゴーストバスターズ』といえば、思い出すのはやはり巨大マシュマロマンでしょう。身長約34メートルの巨大マシュマロマンの登場には、思わず笑顔になります。
頭に思い浮かべたものに変身すると言ったゴーザ(悪魔)に対して、レイモンドが「なるべく有害でないものを…」と思い浮かべたのがマシュマロマンでした。
赤ん坊のような丸いフォルムと可愛い笑顔のマシュマロマンが街を練り歩く姿は、何とも言えない迫力と可笑しみです。ビームを食らって顔をしかめるマシュマロマンの表情も必見。
ニューヨークにやってくる大きな生き物というとキングコングが代表的ですが、まさかマシュマロマンが街を危険にさらすなんて到底考えつかない発想ではないでしょうか。
ライトマン監督は200人の観客によるテスト上映の場で、マシュマロマンの登場に笑いと悲鳴が同時に上がったことで、この映画の成功を確信したのだそうです。
得体のしれない怖さと可笑しさ、そして愛らしさの絶妙なバランスを見せたといえるでしょう。
まとめ
なぜ『ゴーストバスターズ』は時代を超えて愛されるのか。
それは、コメディとゴーストという正反対の要素を見事に融合させたことと、親しみを持てる登場人物がヒーローとして活躍するという爽快感が多くの人を惹き付けるからではないでしょうか。
映画冒頭では、図書館にある薄暗い地下書庫で正体不明のゴーストから老婆が襲われるシークエンスにより、鑑賞者の好奇心と緊張感をあおります。
次に主要となるキャラクターを初めて登場させるシークエンスでは、主人公演じるビル・マーレイが、若い女性をイカサマな透視術を用いて口説こうとする芝居に笑わせられます。
しっかりと出だしから観客の心を「緊張と緩和の対比」で掴むことで、クライマックスに向かって臨場感たっぷりに描かれるニューヨークでのゴーストバスターズの活躍に心が躍ります。
2022年2月4日(金)には、『ゴーストバスターズ アフターライフ』が公開されますが、その前に“元祖”を鑑賞してみてはいかがでしょうか。