韓国公開7日連続興行収入No.1大ヒットのミリタリーサスペンス!
韓国にて「公開7日連続興行収入No.1」という大ヒットを記録した映画『スティール・レイン』が、2021年12月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国ロードショーとなります。
韓国・北朝鮮・アメリカの首脳が、北朝鮮高官のクーデターに巻き込まれたことにより、歴史を揺るがす恐ろしい危機に直面するさまを壮大なスケールで描いた、本作の見どころをご紹介します。
映画『スティール・レイン』の作品情報
【日本公開】
2021年(韓国映画)
【原題】
강철비2:정상회담(英題:Steel Rain 2:Summit)
【監督・脚本】
ヤン・ウソク
【撮影・音楽】
キム・テソン
【美術】
ヤン・ホンサム
【キャスト】
チョン・ウソン、クァク・ドウォン、ユ・ヨンソク、アンガス・マクファーデン、白竜
【作品概要】
南北に分断されたまま長く冷戦状態が続く朝鮮半島を舞台に、韓国・北朝鮮・アメリカの3カ国の首脳たちが巻き込まれる陰謀を描く軍事サスペンス。監督・脚本を務めたのは、監督デビュー作『弁護人』(2013)が観客動員数1,100万人突破の大ヒットを記録したヤン・ウソク。
WEBコミック作家でもあるヤン・ウソクが自身の手がけた「鋼鉄の雨」シリーズを自ら映画化した『鋼鉄の雨』(2018)でも主演を務めた、チョン・ウソンとクァク・ドウォンを本作にて再び主演に起用。『鋼鉄の雨』からさらにスケールを広げて物語が展開されていきます。
北朝鮮の最年少指導者役に『愛を歌う花』(2017)のユ・ヨンソク、アメリカ大統領役に『クレイドル・ウィル・ロック』(2000)のアンガス・マクファーデンが出演しているほか、日本からは白竜も参加。韓国では「公開7日連続興行収入No.1」という大ヒットを樹立しました。
映画『スティール・レイン』のあらすじ
全世界が注目する「平和協定」の締結に向け、韓国大統領ハン、北朝鮮委員長チョ、アメリカ大統領スムートによる首脳会談が北朝鮮で開催されることに。
しかし、米朝間の意見が割れる中、核兵器放棄と国交正常化に強く反対する北朝鮮の護衛司令部パク総局長による軍事クーデターが勃発。三首脳は弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦「白頭号」に拉致監禁されてしまいます。
今にも核戦争に発展しうる危機的状況のなか、国家の威信と野心をかけた者たちの思惑が交戦し、逃げ場のない潜水艦は戦場さながらの激闘へと突入していくのでした…。
映画『スティール・レイン』の感想と評価
韓国人気WEBコミックを映画化!
本作『スティール・レイン』は、韓国で2011年に発表されたWEBコミック「STEEL RAIN(スティール・レイン)」が原作です。
WEBコミック作家のヤン・ウソクによる同原作は、北朝鮮で発生したクーデターを軸に描いた軍事サスペンスとして瞬く間に人気を博し、日本でも書籍版が小学館から刊行されました(現在は絶版)。
2018年には、ソン・ガンホ主演の『弁護人』ですでに映画監督デビューしていたウソクが、自作「STEEL RAIN」を『鋼鉄の雨』として実写映画化(Netflixで配信中)しました。
本作は、原題こそ『강철비2:정상회담(鋼鉄の雨2:首脳会談)』となっているものの、ストーリーに直接のつながりはなく、前作『鋼鉄の雨』の世界観を深めた姉妹編といったところ。したがって、『鋼鉄の雨』を未見でも楽しめるようになっています。
『鋼鉄の雨』で北朝鮮の元工作員を演じたチョン・ウソンと韓国の大統領秘書官役のクァク・ドウォンが再び主演を務めますが、本作ではウソンが韓国大統領ハン役、ドウォンが軍事クーデターを主導する北朝鮮のパク総局長役と、南北朝鮮の立場を逆転させたキャラクターに扮しています。
緊張と緩和が入り混じる三首脳会談
軍事クーデターを企てた北朝鮮のパク総局長により、原子力潜水艦「白頭号」の狭い艦長室に監禁されてしまう韓国・北朝鮮・アメリカの三首脳。
何事においてもアメリカが一番と豪語するスムート米大統領に、核を切り札に国際舞台に立ちたい北朝鮮のチョ委員長。言うまでもなくドナルド・トランプと金正恩がモデルの両者は、利害をめぐり激しく対立します。
そんな2人の調停役を必然的に務めることとなる韓国大統領のハン。ですが英語力が乏しいために両者の対話に上手く入れず、コミュニケーションを取るのに四苦八苦します。
実は本作の一番の見どころは、原題が示す通り、3人の“首脳会談”にあります。
実直すぎるハン、短気でヘビースモーカーなチョ、そしてジョーカーのように周囲をかき回すスムートという3人の人物像がスパイスとなり、密室での会談というシチュエーションながらも、緊張とユーモアのバランスが取れた展開が、観る者を飽きさせません。
さらにはクーデター首謀者のパクや、事態を把握していない白頭号の乗組員たち、政治的にも軍事的にもイニシアチブを取ろうとするアメリカ政府や日本(白竜が日本側のフィクサーを怪演!)の思惑も絡み、ドラマは予期せぬ展開へと転がっていきます。
もちろん、安易な物音が命取りとなるスリリングな潜水魚雷戦や、「白頭号」内で繰り広げられる激しい銃撃戦など、潜水艦映画ならではな醍醐味もしっかりと抑えています。
撮影にあたり、「白頭号」の内部のセットだけでも「北朝鮮ならば、ロシアの潜水艦をモチーフに自主的な変形を加えて作ったであろう」という想定をベースに、丸々2ヶ月もの日数を要して製作。また、実際に韓国海軍で艦長を務めたキム・ヨンウの監修により、リアリティを追求した出来映えとなっています。
まとめ
最初こそ衝突し合っていたものの、徐々に首脳ではなく一人の人間としての素顔を見せていく3人の関係は、一種のバディ・ムービーの様相を呈していきます。
紆余曲折を経ての三首脳による会談が着地する、一つの結論のゆくえは?
『U・ボート』(1982)、『レッド・オクトーバーを追え!』(1990)、『K-19』(2002)、『ハンターキラー 潜航せよ』(2019)などなど、秀作揃いの潜水艦映画において、本作『スティール・レイン』もその一本に連なるのは間違いないでしょう。
映画『スティール・レイン』は、2021年12月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー。