名優ロバート・ダウニー・Jr主演の感動のフアンタスティックなコメディ『愛が微笑む時』。
バスの事故で亡くなったはずのマイロ・ハリソン・ペニー・ジュリアが幽霊となり、赤ちゃんのトーマスに取り憑いて成長を見守り、大人になった彼に4人の人生の悔いを晴らす手助けをしてもらうファンタジー&ハートフルコメディ映画『愛が微笑む時』。
幽霊と人間の友情、ベタな設定と思いきや、良い意味で期待を外してきます。ハラハラしながらも笑ってしまう。しかし、ラストには何度も見返したくなる感動が待っています。
トーマス演じたのは『アイアンマン』(2008)『ジャッジ 裁かれる判事』(2014)など近年様々な作品に出演している、ロバート・ダウニー・Jr。当時28歳と若く、フレッシュな姿に注目です。
映画『愛が微笑む時』の作品情報
【公開】
1994年(アメリカ映画)
【原作】
HEART AND SOULS
【監督】
ロン・アンダー・ウッド
【キャスト】
ロバート・ダウニー・Jr、チャールズ・グローディン、アルフレ・ウッダード、キーラ・セジウィック、トム・サイズモア、デヴィッド・ペイマー、エリザベス・シュー、エリック・ロイド、B・B・キング
【作品概要】
4人の幽霊たちのやり残したことを青年の助けを借りて果たしていくファンタジー作品。
グレゴリー&エリック・ハンセン兄弟が制作した短編映画を元に、ブレント・マドックとS・S・ウィルソンが脚色をしました。主演は『アイアンマン』(2008)のロバート・ダウニー・Jrです。音楽は『アダムス・ファミリー』シリーズを担当したマーク・シャイマンが手掛けました。
映画『愛が微笑む時』のあらすじとネタバレ
レスリー夫妻は子供が生まれそうになり急いで車で病院に向かっていました。
オペラのオーディションに参加しても本番は緊張から歌えなくなってしまうハリソン、3人の小さい子供がいるシングルマザーのペニー、お金持ちだけを狙って盗みを繰り返していたマイロ、恋人にプロポーズされたウェイトレスのジュリーの4人を乗せたバスが、運転手の脇見運転により、レスリー夫妻の車と正面衝突の事故を起こしました。
ハリソン・ペニー・マイロ・ジュリアは気がつくと、幽霊となり赤ん坊の目の前にいました。その赤ん坊は正面衝突した車で生まれたレスリー夫妻のトーマスでした。何故かその赤ん坊は4人の幽霊が見えていました。
トーマスは壁に向かって笑っていたり、おもちゃにも見向きもしないので変わっている子だと思っていました。
突然“抱っこのくまさん”といいだしたトーマスに、夫婦は誰が教えたんだろうと驚きました。この歌はペニーが生前子どもたちに歌っていた曲で、トーマスにも同じように歌い聞かせていたのです。
トーマスは成長し小学校に通いだしました。トーマスは何故自分だけ姿の見えない友達がいるのか不思議に思い始めましたが4人とトーマスは仲良く一緒に学校生活を送っていました。
マイロの悪知恵でトーマスは競馬の券を買いに行きました。すると子供には売れないと断られてしまい、トーマスはお父さんに頼まれている、買って帰らないと殴られるとウソを付き、根負けしたおじさんはチケットを売ってあげました。
ジュリアとペニーは屋上で夕日を見ていました。ペニーは今日11歳の誕生日を迎える息子ビリーのことを考えていました。ペニーはジュリアに恋人のジョンのことを考える?と聞いたところ、“毎日よ”と答えるのでした。
翌日ライリー家に児童福祉局のチャールズが訪れてきました。トーマスが競馬場に通っていて、もし券を売ってくれなければお父さんに殴られると言っているというのです。
ライリー夫妻は全く知らない話に驚きました。そして、心配になった夫はトーマスは検査を受けたほうが良いと考えましたが、妻はそれに反対し喧嘩になりました。
この夫婦喧嘩を聞いていた4人は話し合いを始め、マイロが“これからは姿を見せずに、ただ側にいよう”という提案をしました。
4人は苦渋の選択をし、トーマスとお別れをすることにしました。寝ているトーマスを起こし、これからはパパとママとだけで暮らすのよ、私達は側で見守っているわ、と言葉を残しトーマスから姿を消しました。
時は経ちトーマスは成長し少しひねくれた銀行員になっていました。
トーマスは植物園に向かい、そこには恋人が待っていました。2人はランチをしながら話していると、恋人が今夜両親が家にくるので、紹介したいと言い出しました。トーマスは少し間を開け、条件つきで承諾をしました。
トーマスのデートを4人が見ていると、死んだ時に乗っていたバスが現れました。運転手もその時の人でした、ちょっと遅くなったが迎えにきたとのことでした。4人は運転手の不注意で亡くなったため、怒り始めました。
すると、運転手は罪として500年このバスを運転することになっており、あなた方のようなチャンスはなく、“あなたがたは人生でやり残したことを1つだけできることになっているんですよ”と話したのです。4人はようやく幽霊になってこの世に残っていた意味を知りました。
それから4人は急いで人生のやり残したことをトーマスに助けてもらいながら、晴らしていくことになります。
映画『愛が微笑む時』の感想と評価
本作『愛が微笑む時』の映画序盤、たまたま乗っていたバスで事故に遭い4人は突然人生を終えました。
何故か赤ちゃんのトーマスに取り憑き幽霊となり、トーマスを見守る暮らしを送っていました。事故を起こしたバスの運転手が何年も経ち4人を迎えにくるまで、この世に残った理由もわからず、生前の人生を何度も考え、悔やんでいました。
突然人生を終えてしまったからこそ、4人は人生で自分が一番大切にしていたことがわかったように思いました。
しかし、“今度・明日・いつか”機会があると思っていても、叶わないかもしれない。つい先延ばしにしてしまうことを悔やむ人生にはなりたくないと誰もがおもうことでしょう。
マイロ・ハリソン・ペニー・ジュリアがそれぞれ生きているトーマスへ伝えたメッサージは、鑑賞する者の心に必ずや届きます。
マイロは“弱いものいじめはいけない”。ペニーは“いつも人に優しく”。ハリソンは“勇気をもち挑戦する”。ジュリアは“想いを伝える”。トーマスは4人の手伝いをしたというより、4人からもらった素敵な教えがトーマスの今後の人生の手助けになったのではないでしょうか。
まとめ
年齢も性格も違う男女4人の幽霊が、取り憑いた赤ん坊のトーマスの成長を見守り、青年となった彼に人生の悔いを晴らす手伝いをしてもらうファンタジー&ハートフルコメディ『愛が微笑む時』。
ユーモラスたっぷりな幽霊達の一員になって一緒に歌いだしてしまうほど、作品の世界観に入り込んで観ると楽しさ倍増間違いない作品です。
幽霊とトーマスの掛け合いに笑い、度々起こるハプニングにハラハラし、人生の悔いを晴らし人生の幕を閉じるシーンに感動する。何度見ても温かい気持ちになり、鑑賞後には幸せの余韻が待っています。
本作では音楽も注目の一つでした。『アダムス・ファミリー』(1991)『天使にラブソングを』(1992)『ヘアスプレー』(2007)など数々の有名作品の音楽を担当したマーク・シャイマンが手掛けました。
特に、The Four Seasonsの『Walk like a man(男らしく歩け) 』は作品の中でも重要な役割を担っており、素晴らしい選曲と演出になっていました。