電話対応にコピー取り、お茶っ葉の補充にデータ入力。
OLの世界は力がすべてなんじゃい!
バカリズムの奇想天外なオリジナル脚本を、星野源など人気アーティストのMVを手掛けてきた映像作家・関和亮が映画化。
バカリズム作品といえば、OLの思考や日常の会話を描き出した『架空OL日記』シリーズがありますが、あのOLは「堅気のOL」だった!?
その裏では、OLのテッペンをかけた、壮絶な派閥争いがおこなわれていたのです。日々、ケンカに明け暮れるOLたち。
そんなOL戦国時代にいながら、普通のOLライフを楽しみたいと願う直子(永野芽郁)。彼女は、果たして素敵なOLライフを手に入れることが出来るのか?
物語の主人公は、誰の手に!? 地上最強のOLを目指せして、いま戦いの火蓋が切って落とされる。映画『地獄の花園』を紹介します。
映画『地獄の花園』の作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【監督】
関和亮
【脚本】
バカリズム
【キャスト】
永野芽郁、広瀬アリス、菜々緒、川栄李奈、大島美幸、勝村政信、松尾諭、丸山智己、遠藤憲一、小池栄子、ファーストサマーウイカ、近藤くみこ、かなで、室井滋
【作品概要】
芸人バカリズムが、OLの日常を描いた『架空OL日記』の映画上映から1年。今作『地獄の花園』では、OLライフの裏に潜む壮絶な派閥争いの実態を具現化。
監督は、Perfume、サカナクション、星野源など多くの人気アーティストのMV製作で知られる関和亮。
個性豊かなOLたちを演じたのは、主人公・直子役の永野芽郁をはじめ、広瀬アリス、菜々緒、川栄李奈、大島美幸、小池栄子ら豪華女優陣が集結。
それに加え、勝村政信、松岡諭、丸山智己、遠藤憲一らが扮する色物OLの登場がストーリーをより一層盛り上げます。
それぞれの凝りまくったビジュアルと、迫力あるOLケンカアクションに注目です。
映画『地獄の花園』のあらすじとネタバレ
田中直子は、三冨士会社に勤める普通のOLです。デスクワークをこなし、同僚と社食ランチ、化粧直しをして午後も頑張ります。電話対応にコピー取り、備品も補充しないといけません。オフィスレディーは、忙しいのです。
とは、「堅気のOL」のこと。OL裏社会では、「地上最強のOL」を目指し、日々派閥争いが行われていました。ケンカ上等、今日も戦いのゴングが鳴り響きます。
現在の2大勢力、「狂犬の紫織」率いる佐竹一派と「悪魔の朱里」率いる安藤一派が鉢合わせました。「今日こそケリつけてやるよ!」「てめぇこそ、ピラティスできねぇ体にしてやんぞ!」。
この戦いを制したのは「悪魔の朱里」。しかし、そこにムショ帰りの「大怪獣悦子」率いる神田一派がやってきます。(株)三冨士のテッペンをかけた戦い。この戦いをも制した朱里は、三冨士のOL全派を牛耳るトップへと成り上がります。
一方、直子たち「堅気のOL」は、仕事帰りの買い物を楽しんでいました。途中、同じ会社のイケメン社員マツウラが、佐竹一派に絡まれている現場に遭遇。
見守る直子たちの前に、スカジャンを着たヤンキー女が現れ、佐竹一派をボコボコにしました。のちに、彼女は三冨士の新入社員として直子の前にもう一度現れます。
「カリスマヤンキーOL」北条蘭。彼女の噂を聞きつけた各派のリーダーたちは、次々に戦いを挑むも、蘭の圧倒的強さに打ちのめされていきます。蘭は、一気に三冨士のテッペンへと君臨します。
そんな蘭でしたが、普通のOLとしても良い奴でした。痴漢から守ってもらったのを機に、直子と蘭も次第に仲良くなっていきます。
「私って、マンガの主人公の冴えない友達って感じ」。直子は、蘭の主人公キャラに押され気味です。
展開はそんな漫画のように進みます。夜道をひとりで歩いていた直子が、何者かに連れ去られてしまいました。
犯人は、一部上場企業トムスンを牛耳るお局OL「魔王の赤城」一派です。直子を助けに駆け付ける蘭。赤城一派の三強「七色の拳を持つOL早苗」「下関の虎河豚OL麻里」「青い稲妻OL妙子」が、蘭の前に立ちはだかります。
「きっと蘭は、漫画の主人公のようにボスまで一気に倒してくれるに違いない」。直子はどこか安心していました。
映画『地獄の花園』の感想と評価
バカリズム脚本による、空前絶後のOLバトルロワイヤル『地獄の花園』。華やかに見えるOLの世界。実の裏側は、血で血を洗う派閥争いの日々でした。
奇想天外なストーリーもさることながら、登場人物のキャラクターに惹き込まれます。それぞれの特徴を捉えたあだ名と、それでOL大丈夫?というビジュアルの濃さ。
そして、普通OLなら言うのを我慢しているであろう罵倒の数々。まさに「スカッとする」映画です。
日々、ケンカに明け暮れるOLたちですが、仕事に真面目な一面もあります。お茶ッ葉の補充、換気扇の消し忘れチェック、ゴミの分別はしっかりします。そのギャップがまた面白い。
仕事が出来るOLほど、ケンカも強い。OLのケンカは、“品”が大事。OLとは生き様。なるほど、なんとなく奥が深そうなOL世界。精神を問い、心と体を鍛え、テッペンを目指す姿は、まるで格闘家のようです。
それに加え、見ごたえ満載なのが、OLたちのケンカシーン。「女のケンカでしょ」とバカにしてはなりません。カッコイイ!んです。
ワイヤーアクションを取り入れた体当たりのケンカシーンは、男顔負けの大迫力となっています。
中でも主人公・直子を演じた永野芽郁は、本格アクション初挑戦となりました。クランクインの5ヶ月前からトレーニングを積んだという本気度が感じられます。
その他にも、個性豊かなOLたちを演じたのは、「あてがき」したかのようなハマリ役のキャストばかり。
主人公・直子の前に現れる「カリスマヤンキーOL」北条蘭。演じたのは、広瀬アリス。これまでの可愛いイメージをぶち壊し、単純明快なガキ大将キャラを豪快に演じています。
コーンロウヘアに奇抜メイクで「悪魔の朱里」を演じたのは、菜々緒。そのスタイルの良さをふんだんに生かした派手なケンカを見せます。
「地上最強OL」に君臨する鬼丸麗奈役には、小池栄子が登場。地で行ってます!? 直子との頂上決戦では、見事なアクションを披露しています。
鬼丸の手下たちには、勝村政信、松岡諭、丸山智己、遠藤憲一の女装組が勢揃い。違和感ないお局OLたちに笑いが止まりません。
蘭に「雑魚は引っ込んでろ!」「ムダに尺取んなよ、中ボスがっ!」と、散々言われる雑魚キャラには、近藤くみこ(ニッチェ)、かなで(3時のヒロイン)の芸人コンビに、ファーストサマーウイカと、くせ者たちが場を賑わせます。
ヤンキーOLたちは、皆それぞれが愛すべきキャラばかり。出演者全員が、楽しそうに悪キャラを演じきっているのが伝わってきます。
まとめ
華やかなOLの世界。その裏では、拳を戦わせる壮絶な派閥争いが巻き起こっていた。バカリズムが描き出す、OLバトルロワイヤル『地獄の花園』を紹介しました。
政界から一般企業まで、どこの世界にもある派閥争い。OLの世界も例外ではありませんでした。OLのテッペンを目指し、とにかく勝て! OLの世界は力がすべて。
明日会社に出勤したら、嫌な社員に言ってみましょう。「雑魚は、引っ込んでろ」と。映画鑑賞後は、言葉使いにお気を付けください。
明日の仕事のこと、厄介な職場の人間関係はひとまず忘れ、映画『地獄の花園』で思いっきり笑ってストレス発散してください。