Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アニメーション

Entry 2021/04/25
Update

バンドリ約束映画ネタバレ|BanG Dream! Episode of Roselia Iあらすじ感想と結末ラスト。劇場版を大音響で音楽を楽しむ

  • Writer :
  • 糸魚川悟

大人気メディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」の映画化作品第2弾

2015年に始動したメディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」。

アニメ、漫画、ゲームに登場する架空のバンドが、演じる声優たちによる演奏で現実でも活動し日本武道館や横浜アリーナなど日本最高峰の舞台でライブを行ってきました

今回は「BanG Dream!」の中でも地上波音楽番組への出演を果たした人気バンド「Roselia」の結成に焦点を当てたスピンオフ映画『BanG Dream! Episode of Roselia I:約束』(2021)をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

アニメ映画『BanG Dream! Episode of Roselia I:約束』の作品情報


(C)BanG Dream! Project (C)Craft Egg Inc. (C)bushiroad All Rights Reserved.

【公開】
2021年(日本映画)

【監督】
三村厚史

【脚本】
柿本広大

【キャスト】
相羽あいな、工藤晴香、中島由貴、櫻川めぐ、志崎樺音

【作品概要】
全世界で2000万人のユーザ数を記録するスマホゲームなど、多岐に渡る作品で人気を誇るメディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」の登場バンド「Roselia」に焦点を当てた劇場版第1作。

監督を『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』(2015)でCG監督を務めた三村厚史が担当し、脚本を「BanG Dream!」のアニメシリーズ総監督の柿本広大が務めました。

映画『BanG Dream! Episode of Roselia I:約束』のあらすじとネタバレ


(C)BanG Dream! Project (C)Craft Egg Inc. (C)bushiroad All Rights Reserved.

幼少期、「湊友希那」と幼馴染の「今井リサ」は近所の公園で2人で遊び、友希那の歌唱力に見惚れたリサは音楽家である友希那の父と共にセッションを行っていました。

時が経つと共にいつしかセッションは行わなくなり、友希那の父は音楽を辞め、一方で友希那は人が変わったように音楽に打ち込むようになりました。

高校2年生、友希那は父が音楽の道を辞める契機となった音楽フェス「FUTURE WORLD FES.」に出演することを目標とし、そのためには全てを捨てる覚悟で音楽の道を追求していました。

「FUTURE WORLD FES.」のエントリー期限が迫ってもなおバンドメンバーが決まらない友希那は、メンバー探しで訪れたライブで高い実力を持つギタリスト「氷川紗夜」を見つけます。

紗夜は高い実力を追い求めるが故にメンバーと衝突し、バンドを辞め楽屋に出たところで友希那に勧誘を受けます。

友希那の実力を測るためにソロライブへと足を運んだ紗夜は、彼女の持つ圧倒的な声量と世界観に引き込まれ、バンドの誘いを了承。

翌日、友希那はバンド結成のことをリサに伝えると、その場に友希那のファンを自称するリサの後輩「宇田川あこ」が自身をドラマーとしてバンドに加えて欲しいと直談判しに現れます。

友希那はあこの実力を測るためにリサをあこのテストのための一時的なベーシストとして加えスタジオでセッションを行います。

そのセッションは友希那の想像を越えるほどにクオリティが高く、「場」と「時間」そして「メンバー」が時に実力以上の効果を生むことに気づき、あこをドラマーとして迎え入れます。

あこの懇願によって一時的にベーシストとして加えていたリサも正式にバンドに加入しますが、リサは中学1年の時に音楽を辞めてしまっておりブランクによる実力不足を実感していました。

4人は初のライブが近づきますが、理想とする音楽のために高い実力を持つキーボードの存在が不可欠であり、あこの紹介で彼女のネットゲームの親友「白金燐子」をセッションを経てメンバーに採用。

バンド「Roselia」として結成した5人はいくつものライブを重ね、その高い実力に注目が集まり始めます。

「Roselia」は「FUTURE WORLD FES.」の出場を賭けたコンテストに出演し入賞しますが、その高い実力がゆえにプロデューサーは入賞ではなく優勝してフェスに参加して欲しいと「Roselia」の参加を見送りました。

参加は果たせなかったものの確かな手応えを感じた5人は、さらなる飛躍のために練習を重ねることを誓います。

ある日、練習を終えた5人に「FUTURE WORLD FES.」に参加する実力者たちも参加する「SWEET MUSIC SHOWER」のプロデューサーが声をかけ、「Roselia」はジュニア枠の前座としてフェスに出場することになります。

しかし、フェスの当日、いつもと同じ演奏を行ったはずにも関わらず、観客とプロデューサー双方の反応は良くなく、明らかに失敗を感じさせました。

次の練習の日、苛立つ友希那はリズムを外したあこに強く当たり、翌日の練習でも同じ部分を失敗するあこにバンドからのクビを匂わせる発言をします。

あこは「SWEET MUSIC SHOWER」での失敗の原因も分からないままではいくら練習しても無駄とスタジオを出ていき、燐子も「メンバーがほかの人の音を聞いていない」とあこに同調し次の日以降も練習に現れなくなってしまいました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『BanG Dream! Episode of Roselia I:約束』のネタバレ・結末の記載がございます。『BanG Dream! Episode of Roselia I:約束』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)BanG Dream! Project (C)Craft Egg Inc. (C)bushiroad All Rights Reserved.

リサは友希那に苛立ちの理由を尋ねますが、彼女も失敗の原因が分からず練習不足以外にないと混乱しており、実力の向上に馴れ合いは必要ないと友希那も練習に現れなくなったことで「Roselia」は瓦解してしまいます。

しかし、実力至上主義を掲げていたはずの紗夜はリサしかいない練習の場にも現れ、個人ではなく「Roselia」の紗夜として培った実力を無駄にしたくないと5人での演奏を望みます。

実力はメンバーの中では劣っているものの精神的な面では間違いなく支柱となるリサに信頼を寄せる紗夜は2人で「Roselia」を守るために行動。

リサはあこと燐子の言葉を思い出し、「Roselia」に足りないものは個人の実力ではなく「他のメンバーの音を聞くこと」にあることを理解し燐子の家を訪ねます。

メンバーの衣装作りも担当していた燐子は自分のバンドにかける気持ちを形にするためにあこと共に新たな衣装を作成していました。

その頃、友希那は後輩バンド「Poppin’Party」のライブに招待されます。

楽しそうに空間を盛り上げる「Poppin’Party」のライブの終了後、友希那は「何を考えながら演奏しているのか」を問うと彼女たちは「自分たちが楽しまなければ見ている人も楽しくない」と答えます。

ひとり歌の練習を続ける友希那のもとに紗夜が現れ、「Roselia」が先に進むために必要なことを友希那に話し、次の練習に来るように求めます。

次の練習の日、4人の前に友希那が現れ5人は再び「Roselia」として集い、出演したライブでも彼女たちらしさを披露することに成功。

時は流れ高校3年生となったリサは今年の「FUTURE WORLD FES.」のコンテストが迫り、ひとり焦り始めていました。

実力が劣る自分がこのバンドに留まる意味を求め作詞を始めたリサでしたが、出来上がる詩は「Roselia」の表面をなぞっただけのものであり、友希那に「この曲は歌えない」と一蹴されてしまいます。

リサの異変に気づいた紗夜が彼女に話しを聞きますが、自分自身の能力を卑下するリサの言動に信頼を寄せていた人間として裏切られた気持ちになり、リサを叱責。

友希那と紗夜から受けた言葉によって「Roselia」にいる意味を考え始めたリサはあこと燐子にアドバイスを貰いながら、自身の気持ちを載せた詩を完成させます。

出来上がった詩を見た友希那は即興で詩に歌を載せ、この曲を使って「FUTURE WORLD FES.」のコンテストに挑むことを全員に話します。

帰り道、友希那は1年前のバンド結成時にはリサに「実力が劣ればリサでもバンドを抜けて貰う」と話していましたが、今は頂点を掴むその瞬間に隣にいて欲しいと思っていることを伝えます。

リサは友希那に「そのつもりだよ」と頷きます。

5人は「Roselia」として、「FUTURE WORLD FES.」を目指し次なるライブへと挑んで行きました。

映画『BanG Dream! Episode of Roselia I:約束』の感想と評価


(C)BanG Dream! Project (C)Craft Egg Inc. (C)bushiroad All Rights Reserved.

映画館の音響で楽しむ「ライブストーリー」

メディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」の目玉と言えば、なんといってもプロジェクトの中心にある「バンド」を題材とした楽曲と演奏にあります。

出演声優たちによるライブはそんな「BanG Dream!」のコンセプトを最大限に引き出した「現実面」でのアプローチでもありました。

一方で映画の面でもプロジェクトは「ライブ」を最大限に引き出す工夫がされており、映画化第1弾となる『BanG Dream! FILM LIVE』(2019)では、物語が存在せず架空のキャラクターたちのライブが実際に行われている感覚を楽しむという映画館で観るからこその作品を作り出していました。

映画化第2弾となる本作では、前作の「映画館で観るからこその作品」と言う要素を大迫力のライブシーンで受け継ぎつつも、「BanG Dream!」のもうひとつの魅力でもあるバンド活動を通して成長していく少女たちの物語を楽しむことのできる「ライブストーリー映画」となっていました。

音楽に必要なものを探す少女たちの物語


(C)BanG Dream! Project (C)Craft Egg Inc. (C)bushiroad All Rights Reserved.

本作の主題となるバンド「Roselia」は、「BanG Dream!」に登場するバンドの中でも特に「実力」や「完成度」を重視するバンドです。

「音楽を楽しむ」や「友人たちとの居場所」という他のバンドの目的と異なり、明確な目標を持つ「Roselia」は本気だからこそ失敗を「仕方がない」の言葉で済ませることなく、失敗そのものを許さないストイックさを持っています。

しかし、バンド活動はひとりでの演奏が上手い人間が集まってもバンド全体の完成度が上がるわけではなく、全員でひとつの音楽を奏でることが重要となります。

完璧な演奏を求めるがゆえに崩壊に向かっていく「Roselia」の挫折と復活、そして未来への歩み出しが詰まった本作はバンドだけでなく、あらゆるチーム活動を嗜む人に観て欲しい作品です。

まとめ


(C)BanG Dream! Project (C)Craft Egg Inc. (C)bushiroad All Rights Reserved.

「Roselia」に焦点を当てた本映画は2部作であり、物語は後編となる『BanG Dream! Episode of Roselia II:Song I am.』(2021)へと繋がっていきます。

父の無念を晴らすために音楽フェス「FUTURE WORLD FES.」を目指すボーカリストの友希那と彼女を支えること決心したリサ。

天性の才角を持つ妹にコンプレックスを抱えながらも対等な関係になるため高い実力を目指す紗夜。

「かっこよさ」を求め「Roselia」に加入したあこと、自身の表現のために奮闘する燐子。

少女たちの物語が音楽によって繋がっていく映画『BanG Dream! Episode of Roselia I:約束』をぜひ鑑賞してみてください。




関連記事

アニメーション

【ネタバレ感想】『劇場版 Fate/Grand Order神聖円卓領域キャメロット前編Wandering; Agateram』結末までのあらすじ紹介

『劇場版 Fate/Grand Order 神聖円卓領域キャメロット前編 Wandering; Agateram』ネタバレ感想と考察。 大人気のスマートフォン向けゲームアプリ「Fate/Grand O …

アニメーション

ネタバレ『アヴリルと奇妙な世界』感想考察レビュー。宮崎駿リスペクトなスチームパンクアニメの魅力に迫る

家族と平和を求め、少女アヴリルが奇妙なパリの街を駆けめぐる! 2019年7月開催の「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2019」(通称「カリコレ」)での限定公開で好評を博し、ユジク阿佐ヶ谷 …

アニメーション

『鹿の王』小説ネタバレあらすじと感想評価。結末までタイトルの意味が真価となる“壮大なる冒険”とは⁈

『精霊の守り人』で知られる上橋菜穂子による2015年の本屋大賞を受賞した ファンタジー小説『鹿の王』をアニメ化! 2022年2月4日(金)公開されるアニメ映画『鹿の王 ユナと約束の旅』。原作は、201 …

アニメーション

【ネタバレ】思い出のマーニー|あらすじ感想解説とラスト結末評価。怖い?切ない?杏奈が時を越えて思い出す“まるごとの愛”

ふたりの少女が出会い、ひと夏の思い出が永久のものになる……。 ジョーン・G・ロビンソンの児童文学作品を原作に、『借りぐらしのアリエッティ』(2010)の米林宏昌が監督を務めたアニメーション作品。 それ …

アニメーション

『ゲド戦記』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。映画監督 宮崎吾朗はアレンを通して若者の鬱屈と不安を描く

宮崎駿監督のの長男である宮崎吾郎が初監督を務めた『ゲド戦記』 アーシュラ・K・ル=グウィン原作ファンタジーをアニメ映画化した作品では、エンラッドの王子アレンの声の出演を務めたのは、V6のメンバーであり …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学