Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ドキュメンタリー映画

Entry 2018/01/17
Update

ドキュメンタリー映画『ハーヴェイ・ミルク』あらすじとキャスト。上映トークイベント紹介も

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

ドキュメンタリー映画『ハーヴェイ・ミルク』は、1月27日(土)~2月16日(金)の連日am10:50より、新宿K’s cinemaにて上映されます。

また今回の上映期間中は豪華なトークイベントも実施されます。

2008年に公開されたショーン・ペン主演の映画『ミルク』を観て、ハーヴェイ・ミルクの存在を知った方も多いのではないでしょうか。

実はハーヴェイ本人のドキュメンタリー映画『ハーヴェイ・ミルク』の方も、おすすめな作品なのです!

1.映画『ハーヴェイ・ミルク』の作品情報

【公開】
1988年(アメリカ映画)

【原題】
The Times of Harvey Milk

【監督】
ロバート・エプスタイン

【キャスト】
ハーヴェイ・ファイアスタイン(ナレーション)、ハーヴェイ・ミルク、ダイアン・ファインスタイン

【作品概要】
ゲイを公言しながらもマイノリティの権利の獲得を訴えたサンフランシスコ市政執行委員ハーヴェイ・ミルクの人となりが垣間見られるドキュメンタリー映画。1984年の第57回米アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作品。

2.映画『ハーヴェイ・ミルク』のあらすじ

同性愛者がまだ市民権を得ていなかった時代に、ハーヴェイ・ミルクは社会の不平等を感じたことで、自らゲイであることを公表するとともに、同性愛者の公民権獲得や地位向上のために立ち上がります。

やがてサンフランシスコ市政執行委員となったハーヴェイ・ミルクは、同性愛者支援に留まらず、社会的なマイノリティである黒人やアジア人の人種や、高齢者や児童などの救済のために活動を繰り広げていきます。

次第に活動は支持者を増やしていきますが、1978年に同じ執行委員であった男に暗殺されてしまいます。

その事件を中心に追ってい真実の人間ハーヴェイ・ミルクとは…。

3.映画『ハーヴェイ・ミルク』の感想と評価

あなたは、ハーヴェイ・ミルクのドキュメンタリー映画があることをご存知でしょうか。

もしかすると、2008年に公開された名匠ガス・ヴァン・サント監督の伝記映画『ミルク』の方は、あなたもご覧になられたかもしれませんね。

ガス監督の作品は、第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネート、そして主演男優賞と脚本賞を受賞しました。

主演にはショーン・ペンを迎え、ゲイであることを公言した活動家ハーヴェイ・ミルクの最後の8年間を描いたものでした。

ガス監督ファンとしても楽しめるものでしたし、毎度のことではありますがショーンの演技も納得させる見事でしたね。

今回ご紹介するドキュメンタリー映画『ハーヴェイ・ミルク』は、全米初の公職(サンフランシスコ市の市政執行委員)のハーヴェイ・ミルクが殺害されたことを中心に描いています。

その内容はゲイであることよりも、人間としてのハーヴェイを知ることができ、人となりが見られる作品となっています。

そこがガス監督の『ミルク』は大きな違いと言えるでしょう。

もしも、映画『ミルク』ご覧いただいていたとしても、ショッキングな出来事は劇映画ではない実際の映像の方が、あなたの感情を鷲掴みにすることでしょう。

どうしてもゲイという分かりやすい一面や、特異な部分が扱いに焦点を当てがちになりますが、ドキュメンタリー映画として真相が見えた時、ハーヴェイはあなたと変わらない人間だと実感させられます。

ハーヴェイ同様にガス監督もゲイであることを公言していますし、監督としての腕前は現在のアメリカ映画を代表する1人です。

しかし、本作『ハーヴェイ・ミルク』をご覧になると、これほど同じ人物を映画にしても視点によって見え方が違うことに驚かされます。

まとめ

2017年11月29日のLGBT議員連盟主催の参議院会館での上映会も開かれたドキュメンタリー映画『ハーヴェイ・ミルク』。

本作は新宿K’s cinema、大阪シネ・ヌーヴォほかにて上映されます。

ゲイを公言して全米初の公職に選ばれたハーヴェイ・ミルクの活動と、その暗殺事件の裁判を記録したドキュメンタリーは、“民主主義の基本が描かれている”と多くの大学でも教材に取り上げられている名作です。

今回の新宿K’s cinema上映では、記念トークイベントも開催されます。

・1/27(土)上映前 ピーター・バラカンさん(ブロードキャスター)

・1/28(日)上映前 石川大我さん(LGBT議員連盟世話人/豊島区議会議員)細田智也さん(LGBT自治体議員連盟世話人/入間市議会議員)

・2月12日(月・祝)上映後 原一男さん(映画監督)

以上の方々がゲストになっています。

1984年アカデミー賞最優秀長編記録映画賞受賞作品した本作『ハーヴェイ・ミルク』は1月27日(土)~2月16日(金)に上映されます。

ぜひ、この機会にご覧くださいね。

関連記事

ドキュメンタリー映画

映画『イメージの本』あらすじネタバレと感想。ゴダールの希望とは“ささやかな愛のイメージ”

映画『イメージの本』は、2019年4月20日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。 生ける伝説、ジャン=リュック・ゴダール。 齢88歳、フランスに生まれスイスで育った大巨匠が私たちに投げかける …

ドキュメンタリー映画

映画『戦場記者』あらすじと感想評価。須賀川拓(TBSテレビ中東支局長)が真実と問題の正体を追い求めて“報道の在り方”を問う

映画『戦場記者』は2022年12月16日(金)より全国ロードショー! 多角的な視点で戦場の惨事とともに人々の声を臆することなく拾い上げ、戦地の真実に迫るドキュメンタリー『戦場記者』。 本作を監督したの …

ドキュメンタリー映画

映画『虚空門 GATE』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。UFOドキュメンタリーが行き着いた驚きの展開とは⁈

数々のアダルトビデオ、アントニオ猪木を追ったドキュメンタリー『猪木道』の制作に関わってきた小路谷秀樹監督が次に手がけた作品は、なんと「UFO」でした。 「月面異星人遺体動画」に触発された小路谷監督が、 …

ドキュメンタリー映画

映画『相撲道』感想レビューと評価。日本伝統の格闘技に宿るサムライ魂あふれる練習風景を撮影技法ドルビーアトモスで描く

映画『相撲道』は2020年10月30日(金)よりTOHOシネマズ錦糸町、10月31日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー! 日本という国の文化の中で長い伝統を誇る格闘技・相撲について、相撲 …

ドキュメンタリー映画

映画『人生ドライブ』あらすじ感想と評価解説レビュー。熊本県民テレビ発のドキュメンタリーから見える“大家族の絆”

何が起こっても大事なものはここにある。 人生の悲しみも喜びも、思い出も10倍! 熊本県で暮らす岸家は、7男3女の大家族。泣いて笑って全力投球の岸家の21年間を追い続けたドキュメンタリー番組が、劇場上映 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学