特殊部隊の兵士が未知のモンスターと戦うアクションアドベンチャー
ポール・W・S・アンダーソンが脚本・監督を務めた、2020年製作のアメリカのアクションアドベンチャー映画『モンスターハンター』。
シリーズ累計6500万本も売り上げる、カプコンの大ヒットゲームシリーズ「モンスターハンター」を、ハリウッドで実写化した映画です。
エリート特殊部隊を率いる軍人が、突如超巨大な砂嵐に巻き込まれ、近代兵器が通用しない巨大なモンスターと戦うことになる姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。
モンスターの狩猟を生業とするハンターと軍人がタッグを組み、迫りくる巨大モンスターと激闘を繰り広げていく、映画『モンスターハンター』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
映画『モンスターハンター』の作品情報
【公開】
2021年(アメリカ映画)
【脚本・監督】
ポール・W・S・アンダーソン
【キャスト】
ミラ・ジョヴォヴィッチ、トニー・ジャー、ティップ・“T.I.”・ハリス、ミーガン・グッド、ディエゴ・ボニータ、ジョシュ・ヘルマン、オウヤン・ジン、ロン・パールマン、山崎紘菜
【作品概要】
「バイオハザード」シリーズや『エイリアンVS.プレデター』(2004)などを手掛けた、ポール・W・S・アンダーソンが監督を務めるアメリカのアクションアドベンチャー作品です。
「バイオハザード」シリーズのミラ・ジョヴォヴィッチが主演を務め、『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)のトニー・ジャーや、「ヘルボーイ」シリーズのロン・パールマンら豪華キャスト陣が出演しています。
映画『モンスターハンター』のあらすじとネタバレ
モンスターと人間が戦う新世界。
ある任務を任された大団長率いるハンターたちは、嵐の中に聳え立つ巨大な塔を目指して、砂漠の海を船で航海していました。
しかしその道中、ハンターたちの行く手を阻む者が現れます。それは、砂漠に棲むモンスター「ディアボロス亜種」です。
巨大で強靭な一対の角を持つ、雌のディアボロス亜種は、妊娠中で警戒心が強く、気性が荒くなっていました。
ディアボロス亜種は、突如砂漠に現れた侵入者のハンターたちに容赦なく襲い掛かります。
上下左右に激しく揺れる船、ついにディアボロス亜種に船底から押し上げられ、弓を持つハンターが砂漠の海に投げ出されてしまいました。
一方、我々が住む世界。
ある任務を任されたベテラン兵士、ナタリー・アルテミス大尉率いるエリート特殊部隊「ファルコン」は、バギー2台に乗って砂漠の中を走っていました。
しかし突如、別部隊のブラボー隊が嵐に飲み込まれ、その先で何かに襲われてしまい、ナタリーたちに無線で救援要請します。
ナタリーはベテランの特殊部隊の兵士リンクと、機械工のダッシュ軍曹と通信担当のマーシャル、兵士アックスとスティーラーと一緒に、ブラボー隊の救援に向かいました。
その道中、砂漠の砂すら巻き上げ飲み込む嵐の中に入ってしまったナタリーたち。嵐の中で発生した青白く強烈な雷は、ナタリーたちの近くに2列に並んでいた石碑に直撃します。
その瞬間、地面が割れて亀裂が生じ、ナタリーたちはバギーごと、為す術もなく裂け目に落ちていってしまいました。
次にナタリーたちが目覚めたのは、地図に載っていない砂漠と建造物、山、塔がある新世界でした。
戸惑うナタリーたちは、砂漠の海の中でブラボー隊の装甲車とバギーを見つけ、V字体型をとりながら近づいていきます。
ところがバギーや装甲車、ブラボー隊の隊員は全員、火炎放射器以上の火力を持つ何かに燃やされてしまっていました。周囲には敵に襲われた痕跡が一つも残っていないのに、ブラボー隊員の遺体は大きく欠損しています。
よく見ると、ブラボー隊がいる場所の砂は、燃えたことでガラス化していました。
それを見て呆然とするナタリーたち。彼女たちはすぐに、この事態を他の部隊に知らせようとしましたが、無線もコンパスも壊れて使えません。
ナタリーたちはとりあえず、元の世界に戻ろうとバギーに乗って、砂漠の中を走ります。その道中、ナタリーたちは巨大な恐竜の骨のようなものを発見。
その直後、ナタリーたちから離れた岩山にいるハンターが弓を構え、骨目掛けて矢を放ちます。
その衝撃で目覚めたディアボロス亜種は、矢を放ったハンターではなく、偶然その場に居合わせたナタリーたちに襲い掛かってきました。
ナタリーたちはバギーに乗りつつ、背後に迫ってくるディアボロス亜種目掛けて銃を連射。しかし、体全体を黒い甲殻で覆っているディアボロス亜種にはまるで歯が立ちません。
アックスとスティーラーが乗るバギーは、ディアボロス亜種による突進攻撃で吹き飛んでしまいます。
その衝撃でアックスは死亡。スティーラーは横転したバギーから這い出て、仲間の助けを借りてバギーの荷台に乗り込みました。
しかしミサイルを撃つ前、ナタリーたちが乗るバギーは、ディアボロス亜種に横転させられてしまいます。
スティーラーはその際、ディアボロス亜種の角に身体を刺されますが、死ぬ直前に持っていた手榴弾を、ディアボロス亜種の大きく開いた口に放り込みました。
ナタリーたち4人は、急いで近くの石の建造物が連なる場所へ逃げ込みます。その間、ハンターは火薬を仕込んだ特殊な矢を、ディアボロス亜種の角に命中させましたが、倒すには至りません。
ディアボロス亜種は、洞窟に入ったナタリーたちに近づけず、一旦諦めて砂漠の海の中に潜っていきました。
ナタリーたちは、突然正体不明の巨大なモンスターに襲われ、仲間2人が殺されたことに動揺しましたが、何とか気を取り直して先へ進みます。
しかしその瞬間、突如頭上から現れた蜘蛛のモンスター「ネルスキュラ」にナタリーが捕まってしまい、身体の至る所を刺されてしまいました。
重力に従って地面に落ちるナタリー。リンクたちは持っていた救急キットを使い、重傷を負った彼女の傷の手当てをしようとします。
ところが、洞窟内に大量のネルスキュラが集結してしまい、リンクたちはやむを得ず、ナタリーを置き去りにして洞窟内を逃げ回りました。
マーシャルはネルスキュラが出す糸に捕まり、そのまま捕食されて死亡。リンクとダッシュは必死に逃げましたが、別のネルスキュラに捕まってしまいます。
ナタリーはリンクたちの悲鳴を聞きつけ、意識が朦朧としながらも、彼らを救おうと這って動きました。
しかしそれよりも先に、ナタリーは別のネルスキュラの糸に捕まってしまいます。ネルスキュラの繭の中で目覚めたナタリーは、何とか繭の中から脱出。
そこにはナタリーがいた繭の他にも、複数の繭があり、近くには無数のネルスキュラの卵がありました。
ネルキュラの巣の中にいたナタリー。彼女は他の繭の中にダッシュを見つけたものの、既に彼女は死んでいたことに絶叫します。
ナタリーは、地面に落ちていたマーシャルのネームタグを見つけ、彼の死を悟りました。
その後、ナタリーは辛うじて生きていたリンクに肩を貸し、彼の救急キットから発煙筒と銃弾をいくつか、酸素ボンベ1本を持って脱出を試みます。
しかし、発煙筒の明かりに引き寄せられたネルスキュラと遭遇しました。
リンクは絞めつけるような左胸の痛みに耐えきれず、左胸を掻き毟りながら服を脱ぎます。
その時ナタリーが見たのは、リンクの左胸と脇腹に生みつけられたネルスキュラの卵。
その直後、ネルスキュラの卵は孵化し、ネルスキュラの子供がリンクの上半身を這いずり回りましたが、ネルスキュラにリンクごと捕食されてしまいました。
ナタリーは発煙筒の火に酸素ボンベの酸素を噴射し、目の前にいるネルスキュラを火炙りにして、その隙に洞窟の出入り口を昇って出ようとします。
火だるまになってもなお、ネルスキュラはナタリーを執拗に追いかけ、彼女の右足首を鋭い手で突き刺し、洞窟内へ引き摺り込もうとしました。
ナタリーはネルスキュラの顔を何度も左足で蹴り、右足から手が離れた瞬間、地上へ繋がる出口から無事脱出。
ネルスキュラは洞窟から出たナタリーに襲い掛かろうとしましたが、陽の光に弱いのかそれ以上前には出ず、暗い洞窟内へ引き返していったのです。
ナタリーはそんなネルスキュラに悪態を吐いた後、銃弾から火薬を取り出して右足首に置き、ナイフを擦ってできた火花に引火させて焼いて治します。
何とか足を動かせるようになったナタリーは、岩山の頂上に登り、そこにあった石ころを苛立ちついでに砂漠の海へ放り投げました。
その衝撃で再びディアボロス亜種が出現。ディアボロス亜種は、岩山の陰に隠れたナタリーを見つけられず、砂漠の海の中へ潜っていきました。
その後、ナタリーは難破し大破した複数の船を発見。そこに偶然いたハンターと出会います。
ナタリーたちはお互い、別の世界の言葉を喋っているため言葉が通じず、お互いを敵だと認識して警戒していました。
それ故にハンターの棲み処に連れて行かれてもなお、ナタリーはハンターと子供みたいな喧嘩と、死闘を繰り広げていきます。
そんなナタリーたちは取っ組み合いの末、ハンターの棲み処から転げ落ちてしまい、ネルスキュラの棲み処へハンターが落ちてしまいます。
映画『モンスターハンター』の感想と評価
ナタリーたち特殊部隊に突如襲い掛かる、巨大モンスター「ディアボロス亜種」。
ゲームの中ではそこまで大きさを感じなかったものの、実際に人間と比べると物凄く大きいのだなと実感します。
しかもディアボロス亜種も巨大リオレウスも、近代の兵器が何一つ効かないところに驚いた人が多いことでしょう。
モンスターの狩猟の仕方も弱点も、攻撃を与える隙すらさえ分からないナタリーの仲間が、為す術なく散っていった場面に愕然とします。
そんな中で唯一生き残ったナタリーは、本当に奇跡に近いのではないでしょうか。
ナタリーとハンター、ナタリーと大団長率いるハンターたち、それぞれの共闘する場面は、ゲーム以上に迫力があって面白いです。
実際に『モンスターハンター』のゲームを一度でもやったことがある人にとっては、自分が使っていた武器で、自分が戦った敵と戦っていることに大興奮することでしょう。
ただ残念だったのは、ディアボロス亜種が脳天を刺されただけで呆気なく死んでしまったところと、モンスターと戦う場面の少なさ、ハンターたちの活躍の場の少なさです。
もう少し色々なモンスターが現れ、ハンターたちが激闘を繰り広げていくのを想像していた人にとって、少し物足りなく感じてしまいます。
まとめ
ナタリーたち特殊部隊と、モンスターの狩猟を生業とするハンターたちが、巨大モンスターと激闘を繰り広げるアクションアドベンチャー作品でした。
ナタリーを演じるミラ・ジョヴォヴィッチや、ハンターを演じるトニー・ジャーが繰り出すアクション場面は、アクション映画で活躍する彼らだからこそできる、迫力満点の戦いばかりです。
「ディアボロス亜種」や「巨大リオレウス」との戦いは、実際にモンスター相手の戦いはこんなものかと実感できるような、手に汗握るスリルと臨場感を味わえます。
戦車も戦闘機も銃弾も効かないモンスターたち。そんなモンスターを協力し合いながら討伐したナタリーたちが、次に挑んだ「ゴア・マガラ」の討伐。
まるで続きがありそうな終わり方なので、続編があったら是非観たいと思えるほど、本作はアクションアドベンチャー映画好きにはたまらなく面白い作品です。
近代の武器が通用しない巨大モンスターと、特殊部隊の兵士とハンターが激闘を繰り広げていくハリウッドのアクションアドベンチャー映画が観たい人に、オススメの作品となっています。