戦車を操る女子高生が対戦する人気アニメ「ガールズ&パンツァー」のOVA「最終章」の第3話劇場公開!
2017年、大人気アニメシリーズ「ガールズ&パンツァー」の最終章と銘打ち、全6話構成での公開を前提に始動した「ガールズ&パンツァー 最終章」。
2019年の第2話の公開から1年と半年以上を経て、遂にファン待望の最新作であり物語の中盤に差し掛かる第3話が劇場で公開されました。
今回は「変革」と「成長」と言う最終章のテーマがはっきりと浮かび上がった『ガールズ&パンツァー 最終章 第3話』(2021)をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
CONTENTS
アニメ映画『ガールズ&パンツァー 最終章 第3話』の作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【監督】
水島努
【脚本】
吉田玲子
【キャスト】
渕上舞、茅野愛衣、尾崎真実、中上育実、井口裕香、福圓美里、高橋美佳子、植田佳奈、菊地美香、吉岡麻耶、桐村まり、中村桜、仙台エリ、森谷里美、井上優佳、大橋歩夕、竹内仁美、中里望、小松未可子、多田このみ、山岡ゆり、秋奈、井澤詩織、山本希望、葉山いくみ、椎名へきる、瀬戸麻沙美、大空直美、米澤円、七瀬亜深、下地紫野、石上 美帆、能登麻美子
【作品概要】
2012年より放映され、舞台となった茨城県の大洗町に膨大な観光特需をもたらしたテレビアニメ「ガールズ&パンツァー」シリーズの「最終章」第3作目。
監督はアニメシリーズおよび劇場版から引き続き、アニメ「クレヨンしんちゃん」シリーズへの長年の貢献で知られる水島努が務めました。
映画『ガールズ&パンツァー 最終章 第3話』のあらすじとネタバレ
大洗女子学園は知波単学園を追い詰めたものの、初めての「撤退」を指示した知波単学園の隊長・西の決断によって、包囲殲滅をする好機を逃してしまいます。
知波単は撤退を続けながらも、大洗女子学園の頭脳である西住みほが乗る「あんこうチーム」のⅣ号戦車を狙うべく奇襲を仕掛けます。
視界の悪い森林地帯での戦いであり、試合開始から12時間の経過した深夜でもあるため大洗は苦戦を強いられます。
狙われる「あんこうチーム」は周囲を川で囲まれた中洲地帯に逃げ込み、大洗の他のチームは「あんこうチーム」を支援するため中洲へと踏み込みます。
しかし、フラッグ機である「カメさんチーム」と「アヒルさんチーム」は中洲へと入ることが出来ず、大洗は戦力を分断されてしまいます。
各チームは奮闘を重ねるものの、機動力に長けた知波単の奇襲に次々と大洗の戦車は討ち取られてしまいます。
また知波単の福田が乗る九五式軽戦車は、西の乗る隊長車を単身撃破するために行動していた「アヒルさんチーム」の八九式旧戦車と対峙。
かつて福田は「アヒルさんチーム」の面々に戦い方のヒントを教わるなど親交を深めており、その戦い方のヒントを活用し「アヒルさんチーム」の単独撃破に成功します。
大洗は残り車両を2機にまで追い込まれ、知波単は「あんこうチーム」をも撃破すべく総動員を続けます。
「あんこうチーム」は中州からの脱出に成功しますが、脱出した先で知波単車両に囲まれ撃破されてしまいます。
目論見通り西住みほの乗る戦車を倒したことで知波単は歓喜しますが、「あんこうチーム」が逃げ込んだ場所には「カメさんチーム」のヘッツァーが待機しており、知波単の歓喜の隙を狙い西の乗るフラッグ機を撃破しました。
フラッグ機の撃破により、試合は辛くも大洗女子学園の勝利となります。
負けはしたものの、今までとは違う新しい知波単学園の戦いのあり方を学び、戦いの中でさらに大洗女子学園との交流を深めたことに西や福田は満足していました。
映画『ガールズ&パンツァー 最終章 第3話』の感想と評価
緊張が途切れない大迫力の戦車戦
主砲の発射音から戦車の駆動音までも実在の戦車の音を利用しただけでなく、各国の戦車に詳しい軍事研究家を監修に起用することで、戦車戦のリアリティをとことん追求し続けてきた「ガールズ&パンツァー」シリーズ。
徹底したリアルさと非現実的な動きの美味しい部分を取り入れた、アニメでしか表現できないシリーズ特有の戦車戦の形は本作でもしっかりと踏襲されており、音響の整った設備で鑑賞することでまるで戦場にいるかのような感覚を味わうことが出来ます。
また視界の効かない密林地帯での夜間戦闘は、シリーズ過去作でも描かれたことがなく、敵がどこからどのタイミングで奇襲を仕掛けてくるかも分からない、初見ならではの手に汗握る緊迫感は本作でしか体験することはできません。
物語の大部分が戦車戦となる『ガールズ&パンツァー 最終章 第3話』は、長年シリーズの新作を待ち続けた人にも大満足となる大迫力の作品でした。
各々の成長と変革を描いた最終章
第2話の後半部分から続き、第3話の前半部分では知波単学園との試合がメインとなります。
知波単学園は『ガールズ&パンツァー 劇場版』(2015)で本格的に登場したものの、作戦のない突撃戦術のみの学園であり、相手チームに対策を取られあっさりと敗北する様子が印象的に描写されていました。
しかし、第2話での試合相手としての再登場以降では「撤退」を明確に指示し、陽動と奇襲を織り交ぜた戦法を選択したことで、大洗女子学園を追い詰めていくほどの成長を見せています。
最終章では本編にて描かれることのなかった強者以外の人物の成長がテーマとなっており、黒森峰女学園の副隊長であった逸見エリカが「隊長」へと昇任してからの苦悩と再起など、「世代交代」を思わせる要素も存在します。
知波単学園の隊長・西は、大洗女学園の頭脳は主人公の西住みほであると考え、大将機であるフラッグ機よりも前に西住みほが乗る戦車を集中攻撃させます。
結果としてはその作戦を逆手に取られ敗北してしまいますが、第3話後半部分にあたる継続高校の試合では、物語最終盤で西住みほの乗るⅣ号戦車が大破し物語が終幕。
西住みほが不在の中で戦わざるを得ない状況に追い込まれた大洗女学園のメンバーたちは、「頭脳」を失った状態でさらなる成長を見せつけ、準決勝での勝利を収めることが出来るのか。
次回作への期待が大いに膨らむラストは必見です。
まとめ
『劇場版』にて初登場し、哲学的な思想や言動を見せた継続高校の隊長・ミカ。大学選抜チームとの戦いでは大洗女子学園の勝利に多大なる貢献をしたものの、継続高校と言うチーム自体は謎に包まれたままでした。
知波単学園が大きな成長を見せつけ、継続高校がその謎に包まれたベールを脱ぎ棄てる怒涛の展開に圧倒されること間違いなしの映画『ガールズ&パンツァー 最終章 第3話』。
ド迫力の戦車戦と各人の成長が描かれる物語を、ぜひお確かめください。