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Entry 2021/02/07
Update

映画『ガーディアン』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。ガンアクションと“家族愛”をドイツ人俳優ティル・シュワイガーが魅せる|B級映画ザ・虎の穴ロードショー20

  • Writer :
  • 秋國まゆ

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第20回

深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。

そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第20回は、ティル・シュワイガー監督が演出を務めた、映画『ガーディアン』です。

国際的に活躍するドイツの俳優ティル・シュワイガーが監督・主演を務める、2012年製作のドイツのアクションスリラー作品『ガーディアン』。

元軍人のマックスが、武器売買の実業家ハッカーに命を狙われている女性を守るため、圧倒的な重火器を駆使する傭兵団に立ち向かっていく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

ティル・シュワイガーとその娘ルナの父娘の共演が実現し、ドイツで大ヒットを記録したアクションスリラー映画『ガーディアン』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。

【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

映画『ガーディアン』の作品情報


(C)Barefoot Films GmbH 2012 / Warner Bros. Entertainment GmbH 2012

【公開】
2014年(ドイツ映画)

【脚本】
スティーブン・ブッチャード、ティル・シュワイガー、ポール・モーリス

【監督】
ティル・シュワイガー

【キャスト】
ティル・シュワイガー、ルナ・シュワイガー、モーリッツ・ブライブトロイ、カロリーヌ・シュッヘ、ハイナー・ラウターバッハ

【作品概要】
『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997)』『トゥームレイダー2(2003)』『キング・アーサー(2004)』『イングロリアス・バスターズ(2009)』など、国際的に活躍するドイツの俳優ティル・シュワイガーが監督・主演を務めたアクションスリラー作品です。

ヒロインのニナ役をティル・シュワイガーの実の娘、ルナ・シュワイガーが演じており、父娘の共演が実現した、新宿シネマカリテの特集企画『カリコレ2014/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2014』の上映作品でもあります。

映画『ガーディアン』のあらすじとネタバレ


(C)Barefoot Films GmbH 2012 / Warner Bros. Entertainment GmbH 2012

15歳の孤児の少女ニナは、ホテルのウェイターとして働く恋人トニーと一緒に、1泊1万2000ユーロもするスイートルームへ、ルームサービスを届けに行きました。

ニナはダイニングテーブルに置かれたノートPCを、冗談で持ち出そうとします。トニーが慌ててニナを追いかけていると、宿泊者の男性が部屋に戻ってきました。

宿泊者の男性は、トーマス・バッカーという、ドイツで最も影響力がある実業家です。

バッカーは主に武器の売買で財を築き、違法な資金洗浄や、検事局やドイツの連邦情報局『BND』に多額の賄賂を渡して繋がっている黒い噂が流れている人物でもありました。

ニナたちは咄嗟に、クローゼットの中に隠れます。バッカーは、ダイニングテーブルに置いたはずのノートPCがないことに気づきました。

バッカーはすぐに、警備主任である元外国人部隊中尉のヴルフに電話をかけ、部屋に来るよう命じます。

バッカーがダイニングテーブルを離れた時、息を潜めて様子を窺っていたトニーは、ニナが持ち出したノートPCを元に戻そうとしました。

しかしトニーは、すぐにバッカーと駆けつけたヴルフに見つかり、弁護する間もなく射殺されてしまいます。

ニナはクローゼットの中から聞いた、バッカーたちの会話と銃声から、トニーが射殺されたことを知りました。

バッカーたちは、トニーの手に銃を持たせ、彼を正当防衛で殺したことにしようと、偽装工作します。

のちにバッカーたちは、トニー殺害の容疑で逮捕されました。バッカーは正当防衛だったと、無実を主張します。

弁護士を買収し、無実で釈放されようと企むバッカーでしたが、女性検事サラ・リリー・ミュラーに、ニナという証人がいるから起訴できると主張されました。

事件現場にいたニナは警察に保護され、担当検事のサラに真実を打ち明け、法廷で証言することになっていたのです。

バッカーはニナの証言を阻止するべく、すぐに検事局のトップ、フォークナーに電話して何とかできないかと訴えます。

しかしニナは、既に証人保護プログラムが適用されており、警察の管轄下に置かれて手出しできません。

そこでバッカーは、売春婦2人に新たな証言を頼み、無理矢理ヴルフと一緒に釈放するよう仕向けました。

一方ニナは、警察が用意した隠れ家で保護され、警察が選任した現職の警官レオ・Sとヘレナ・K、マックス・フィッシャーの3人に警護して貰います。

この時ニナが見たニュース番組では、バッカーたちが釈放されたと報道されていました。バッカーは、証言もろともニナを消そうと考え、傭兵団を放ちます。

それを知らないニナは、レオたちと一緒に、交代から戻ってきたマックスの誕生日を祝おうとしていました。

レオはマックスと交代し、妊娠中の妻が待つ家へと帰ろうとします。しかしレオは、妻との通話中、武装集団に突如襲われ、命を落としてしまうのです。

レオを殺した武装集団の正体は、バッカーが放った傭兵団です。傭兵団は、レオが出てきた隠れ家へ侵入し、ニナを殺すためマックスたちと戦います。

マックスは圧倒的な銃火器を駆使する傭兵団と戦い、ヘレナはニナの上に覆い被さり、降り注ぐ銃弾から彼女を守ろうとしました。

マックスが傭兵団全員を倒し、ニナたちの元に駆け寄ります。しかしヘレナは、流れ弾に当たって死んでしまいました。

マックスはニナを連れて、隠れ家を脱出します。路上ですれ違った敵に襲われるも、マックスは冷静に路上に停まった車を盾にして、敵を倒しました。

マックスは警察署長のヘンリに電話をかけ、隠れ家の場所が敵に知られていたことから、警察内部にスパイがいるのではないかと伝えます。

その後、マックスはニナに、「俺は必ず君を守る。君を狙う者は俺が殺す」と約束しました。マックスはニナを連れて、ヘンリと合流予定のオペラ駅へ向かいます。

それは、今後どうするのかヘンリと話し合うことと、糖尿病を患っているニナに注射するインスリンを、彼から受け取るためです。

オペラ駅のホームで待っていたヘンリは、マックスが調達するよう頼んだ、インスリンが入った注射器を1本、彼に手渡します。

マックスは自分以外の警察内部の人間の中に、スパイがいると考えていましたが、ヘンリはマックスがそうではないかと疑っていました。隠れ家の場所を知るのは、ヘンリの班員と検事局だけでした。

なのにレオたち2人は敵に殺され、マックスだけが生き残っていることから、ヘンリは彼がスパイではないかと思ったのです。

マックスはこの時初めて、レオも殺されていたことを、ヘンリから聞いて知りました。ヘンリはニナを警察署で保護し、別の警官にニナの身辺警護を任せることを、マックスに伝えます。

しかしマックスは、自分以外を信用できないと言い、ヘンリの命令に背いて、ニナの警護を単独で続けることにしました。

ヘンリはマックスを止めようとしますが、元ドイツ軍特殊部隊の兵士だったマックスに力では勝てず、駅のホームのベンチに手錠で拘束されてしまいます。

ヘンリは2人が立ち去った後、部下に持ってこさせたボルトカッターで手錠を外し、警察署に戻りました。

そしてヘンリは、部下たちにニナの顔写真をありとあらゆる宿泊所へ配ることと、病院は勿論、インスリンが保管された施設全てに手を回して捜索するよう命じます。

マックスは武器を調達するため、ニナを連れて自宅マンションへ帰りました。ニナはマックスを待つ間、彼の元恋人リリーが、彼の誕生日を祝うメッセージが録音された留守電を再生します。

マックスたちが家を出た頃、警官たちはマックスの自宅の真下の部屋へ、間違って突入していました。

深夜のレストランに入ったマックスは、そこでニナから、ヨリを戻したがっているリリーと今後どうするのか聞かれます。

マックスは冷静に「昔の恋人だ。今は関係ない」と答えました。ニナは恋人がいないことについて、マックスの家族は何も思わないのかと尋ねます。

マックスは、「家族はいない。子供の頃父親が死に、再婚しなかった母親も死んだ」と答えました。

これを聞いたニナは、マックスに「私は父親を知らない。母親はお酒と薬に溺れていて引き離された。その後死んだと知らされた」と、辛い過去を打ち明けます。

ニナがお手洗いにと席を離れた直後、巡回中の男女2人組の警官がレストランに来ました。

マックスは、自分たちに気づいた警官たちより先に動き、男性警官を人質にとり、女性警官に銃口を向けます。

ニナは女性警官を庇うように、睨み合うマックスたちの間に割り込んで、「マックスお願い、この人を撃たないで」と懇願しました。

マックスは葛藤の末、警官たちを目撃者の店員と一緒に、トイレの手洗い場の排水管に手錠で繋ぐだけに留めます。

店を出たニナは、マックスが事前に手配した、ルディ・エーリッヒマンの車のトランクの中へ、マックスと一緒に隠れることにしました。

それは、街中に配備された厳しい検問を通過し、ルディが暮らす田舎の一軒家へ向かうためです。閉所恐怖症のニナを、マックスは必死に宥めます。

ルディは呼び止めてきた警官に、失った両足を見られたことで何の咎めもなく、検問を通過することができました。

ニナはルディの家に到着後、車椅子に乗るルディとマックスが、同じアフガニスタンの戦場で戦った親友であることを知りました。

そしてニナは、ルディから、両足の膝から下がないのは、戦場で地雷を踏んでしまったことが原因であると聞かされます。

明るい性格のルディに、心を開いていったニナは失っていた笑顔を取り戻しました。一方サラは、自宅で元恋人のマックスと撮った写真を眺めていました。

その直後、サラの自宅へ警官たちが押し入り、家宅捜索されます。その結果ヘンリーに、マックスと元恋人であることを知られたサラはやむを得ず、彼に関する資料を処分するようお願いしました。

しかしバッカーは、フォークナーからマックスに関する資料を、既に受け取っていました。マックスの正体を知ったバッカーは、「自分は法廷に出ない」と言い出すのです。

さらにバッカーは、続けてフォークナーへ、「死ぬ思いで築いた今の地位を失う羽目になるなら、君も道連れにする。君が大事に思う者たちも無事では済まん。この裁判を白紙にし、証人を消すんだ」と脅迫しました。

一方、ルディは翌朝、ニナにエアガンを使って、銃の撃ち方を指南します。これを見たマックスは、ニナに銃を持たせるなとルディを叱りました。

これに対し、ルディはマックスに、「身辺警護の基本は、警護対象と距離を置くこと。お前はニナと近付きすぎだ」と忠告します。

以下、『ガーディアン』ネタバレ・結末の記載がございます。『ガーディアン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

マックスは似た境遇で育ったニナを、いつの間にか娘のように思っていたのです。マックスはその後、街へ行ってルディの知り合いの医師からインスリンを貰おうとしました。

しかし、警察の監視があるため、医師はマックスにインスリンを渡すことができません。その頃、ルディはニナと一緒に朝食を食べながら、マックスに命を救われた話をします。

ルディは、マックスも持っている絆の腕輪をニナに渡し、「マックスはいい奴で、真の友だ。ヤツのことを頼むぞ」と言いました。

ニナは警察車両が近づいてきているのを見つけ、ルディに排気口の内側に隠れているよう言われます。ルディはマックスに連絡を取り、バッカーの息がかかった警官たちが来ることを知らせました。

ルディは銃を服の中に隠し、マックスが戻ってくるまで時間を稼ごうと、自慢の話術を使って警官たちの気をそらそうとします。

しかし、家宅捜索する警官たちに、2人分の朝食がテーブルにあることを知られてしまうのです。

ルディは警官たちに車椅子を倒されてしまいますが、隠し持っていた銃で攻撃してくる敵を3人撃ちます。

数は警官たちの方が多く、ルディは他の警官に数発撃たれ、ニナが見る前で死んでしまいました。

ニナは糖尿病による発作が起き、そのまま気を失ってしまいます。戻ってきたマックスは、車に乗って逃げようとした警官と、家から出てきた警官と戦い、彼らを殺しました。

マックスはルディの遺体を見た後、隠れていたニナを見つけて抱きかかえ、市立病院へ向かいます。ニナは病院で点滴をして貰い、昏睡状態から意識を取り戻していきました。

しかし、ニナを看ていた看護師はマックスたちに気づき、ヘンリたち警察や傭兵団に通報します。

それをガラス越しに見ていたマックスは、ニナを車椅子に乗せて逃げることにしました。

病院に駆けつけたヘンリと部下、傭兵団とマックスは、病院内で激しい銃撃戦を繰り広げていきます。

激しい銃撃戦の末、傭兵団を倒したマックスは脇腹に銃弾を受け、ヘンリも被弾しましたが、酒のボトルに当たって命拾いしました。

マックスはニナに抱えられながら、安いホテルに逃げ込みます。マックスは自分で応急処置しましたが、血は全く止まらず危険な状態でした。

ニナは涙を流しながら、マックスに病院へ行くか、いい警官を見つけることを提案します。

マックスは葛藤の末、車を盗んで運転するニナに、携帯のマップに表示した場所へ行くよう指示しました。

ニナは指示された場所へ行くと、そこはサラの自宅でした。マックスは病院でもなく、まだ愛しているサラを頼ることにしたのです。

サラに治療されて眠るマックスは、悪夢に魘されていました。ニナはマックスの汗を拭きとりながら、「独りにしないわ、約束する。大丈夫」と彼に告げます。

マックスが眠っている間、ニナの腕にある絆の腕輪を見たサラは、彼女からルディの死を知らされました。

サラにとってもルディは、大切な存在でした。戦争を嫌がっていたルディは、部隊の期待を裏切れないと言うマックスについていき、その結果両足を失いました。

しかしルディは、マックスを一切責めたりしませんでした。根っからの兵士だったマックスは、兵士として生きることを何より優先し、突然任務で行方不明になってしまいます。

何か月も音沙汰がなく、マックスの身に何かあったとしても質問してはならず、サラはただ、突然大怪我を負って戻ったマックスを治療するしかありませんでした。

サラはそれがとても辛く、愛していたけれど一緒にいることが出来ず、別れてしまったのです。

サラからそう話を聞かされたニナは、彼女に「マックスは今でもあなたを想っている。警察が来ているというのに、悲しい顔であなたからの留守電を聞いていた」と伝えました。

その後サラは、いつの間にか親子のように寄り添って眠るマックスたちを、優しい目で見つめながら寝室の扉を閉めます。

翌朝、サラはニナと朝食を食べながら、埠頭と遊園地のある海辺の町であるイギリスのブライトンへ、マックスと旅行した時が一番幸せだったと話しました。

そこでサラは、マックスといつかこの町へ戻り、2人の家族と友人だけが泊まれる小さな宿を営もうと約束します。この話を聞いたニナは、「今が一番幸せ」だとサラに言いました。

サラたちはマックスを連れて、車でルディの家へ向かいます。その道中、バッカーとヴルフ率いる傭兵団が乗る車とすれ違いました。

マックスは、置き去りにしてしまったルディの遺体をちゃんと弔いたかったのです。

マックスは涙を流しながら、2人に運ばれてベッドの上にいるルディの遺体から血を拭き取り、「向こうで会おうな」と言ってお別れをしました。

マックスはリビングに戻り、ソファーで隣に座ったサラの膝の上に頭を置き、初めて涙を流しながらポツリと弱音を吐きます。

そんな2人を見守っていたニナは、家の外にいる傭兵団の姿を見つけ、マックスたちに伝えました。

マックスはルディの家にある銃を持ち、サラたちに「狩猟用の隠れ場所に向かって丘を上り、森へ向かえ。2キロ進むと別の隠れ場所があり、そこを過ぎれば高速だ。そこでヘンリに電話しろ。埠頭で会おう」と告げます。

防弾ベストを着たマックスは1人残り、サラたちが無事逃げられるように足止めするべく、家にある武器を駆使して傭兵団を次々と射殺していきました。

傭兵団と激しい銃撃戦を繰り広げるマックスは、新たな傷を負いって苦しみながらも、ニナに話した夜のことを思い出し、「イヤだ、死にたくない」と強く思って最後まで諦めずに戦い抜きます。

森まで響いていた銃声がピタリと止み、不安になったニナがマックスの元へ向かうのを、サラは必死に止めて先を急ぎました。

一方、バッカーはヴルフと一緒に、ビルのオープンテラスに停めていた車に乗り込みます。

しかしヴルフがエンジンをかけた直後、車に仕掛けられていた爆弾が起動し、2人は死んでしまいました。

後日、幼い娘2人と一緒に街中を歩いていたフォークナーは、店にあるテレビで2人が爆死したニュースを見ます。

その直後、フォークナーの元へ1本の電話がかかってきました。フォークナーに電話をかけたマックスは、「あんたの悪事を知る者さ」と名乗り、バッカーたちについて教えます。

バッカーはアフリカや中東の武力衝突に、武器を供給していました。そんなバッカーを良く思わない者が、彼を罰するために車に爆弾を仕掛けたのです。

マックスはフォークナーに、「得意なウソをつけ。俺たちを忘れれば、俺も忘れてやる」と告げます。そう、バッカーと繋がっていたスパイは、フォークナーだったのです。

フォークナーから了承の返事を聞いたマックスは、イギリスのブライトン埠頭へ向かい、そこのベンチで待つサラとニナと合流します。

マックスとサラは、ニナを間に挟んで座ったままキスを交わし、3人で不動産の物件情報を眺めました。

その後、マックスたち3人は寄り添いながら、どこかへ向かって歩いていきました。

エンドロールの途中には、「同胞を救うため命を落とした、オグスティニアック上等兵を悼んで、安生ガスにスタンで殺され傷ついた全兵士に本作を贈る。そして今も戦う彼らに。トニー・スコットをしのんで」というメッセージが流れます。

映画『ガーディアン』の感想と評価


(C)Barefoot Films GmbH 2012 / Warner Bros. Entertainment GmbH 2012

マックス・ヘレナ・ルディが、バッカーが放つ傭兵団と激しい銃撃戦を繰り広げる場面は、ガンアクション好きにはたまらないほど、迫力満点の映像で描かれています。

しかも襲ってくる傭兵団の人数は、ニナを警護するマックスたちより倍以上いるのにも関わらず、最後まで諦めず戦うマックスたちの姿は本当に格好良かったです。

そして、初めは警護対象者と警護をする者でしかなかったマックスとニナが、似た境遇で育ったことを知って以降、本当の親子のようになっていく姿に感動します。

強くて冷静沈着に敵を倒すマックスが、親友のルディの遺体を前にして、初めて涙を流しました。

マックスが涙を流した姿に、観る人の多くは彼と同じように涙を流すこと間違いなしでしょう。

号泣必至のマックスとルディの別れの後は、再び傭兵団とマックスが銃撃戦を繰り広げる場面があります。

これが根っからの兵士だったマックスにとって、最後の戦いとなりました。

物語の最後には、ただの1人の男になったマックスが、ニナやサラと家族になって新しい人生を笑顔で歩んでいきます。この戦いを通して築かれた3人の家族愛は、本作最大の見所です。

まとめ

冷静沈着で強い兵士のマックスが、ニナの命を狙うバッカー一味と戦うガンアクション作品であり、迫力とスリルがあるアクションスリラー映画でした。

マックスやニナを匿ってくれたルディの死は、てっきり彼もマックスと一緒に戦うものだと思っていた人にとって、とても衝撃的だったことでしょう。

そしてマックス同様、一度はヘンリがバッカーと繋がるスパイだったのではと考えた人もいたと思います。

ところがそれは、バッカーに脅されているだけだと思っていたフォークナーでした。

マックスはヘンリと袂を分かってしまったかに見えましたが、最後の最後で頼ったのはヘンリです。

しかし、誰がバッカーたちを爆死させたかは、最後まで明かされていません。

その犯人はヘンリなのか、マックスなのか、はたまた別の誰かなのかと考察する楽しみもあります。

ティル・シュワイガー演じるマックスと、その娘ルナが演じるニナが親子の絆を育むハートフルストーリーと、様々な銃器が登場するガンアクションを両方楽しみたい人に、とてもオススメなアクションスリラー作品です。

【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

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