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Entry 2017/12/25
Update

『キングスマン ゴールデンサークル』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • 馬渕一平

キングスマンが年明け早々大暴れ!

本作には新たにアメリカのスパイ機関ステイツマンも登場!!

さらにパワーアップして帰ってきたマシュー・ヴォーン監督最新作。

2018年1月5日(金)公開の『キングスマン:ゴールデン・サークル』をご紹介します。

以下、あらすじや結末が含まれる記事となりますので、まずは『キングスマン:ゴールデン・サークル』の作品情報をどうぞ!

1.映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』の作品情報


(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

【公開】
2018年(イギリス映画)

【原題】
Kingsman:The Golden Circle

【監督・脚本】
マシュー・ヴォーン

【キャスト】
コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ハル・ベリー、エルトン・ジョン、チャニング・テイタム、ジェフ・ブリッジス、ソフィー・クックソン、ペドロ・パスカル、エドワード・ホルクロフト

【作品概要】
2015年に公開され、多くのファンを獲得した『キングスマン』の続編が年明け早々公開!

監督は前作に引き続きマシュー・ヴォーンが担当し、コリン・ファースやタロン・エガートンにマーク・ストロングら前作のキャストももちろん続投。

さらに本作にはアメリカのスパイ機関ステイツマンのエージェントとして、チャニング・テイタム、ハル・ベリー、ジェフ・ブリッジスら豪華スターが集結。

本作の敵となるゴールデン・サークルのボスにはジュリアン・ムーアを迎える盤石の布陣。

2.マシュー・ヴォーン監督のプロフィール

1971年3月7日生まれの46歳。手掛ける作品はいずれも独自の映画的嗜好が炸裂しており、過剰なバイオレンスアクションを格好良く演出するのに長けています。

イギリスを代表する映画監督の一人で、同年代にはガイ・リッチー(1968年9月10日生まれの49歳)やエドガー・ライト(1974年4月18日生まれの43歳)などがいます。

その名前が広く知れ渡るきっかけとなった作品『キック・アス』(2010)は、同時にヒットガール演じるクロエ・グレース・モレッツを世界的なスターにしました。

続いて手掛けた「X-MEN」シリーズのリブート第1作目『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)はシリーズ最高傑作との呼び声が高く、監督としてさらに評価を高めました。

そして、原作コミック『キングスマン:ザ・シークレット・サービス』を元に作った『キングスマン』(2015)は世界的な人気を獲得。

満を辞して放たれる今回の続編『キングスマン:ゴールデン・サークル』は出演者もさらに豪華にパワーアップ!

超キレキレのアクションも堪能できそうです。

3.キングスマンとは?


(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

ロンドンのサヴィル・ロウ(日本語の背広の語源と言われている)にある「キングスマン」という名の高級テーラー。

しかし、その実態は、どこの国にも所属せずに、事件やテロを解決するスパイ組織「キングスマン」。

前作『キングスマン』は労働者階級で育ったエグジーが、亡き父の師であったハリーの助けを借りながら、真のエージェントになるまでを描いた物語。

高級スーツに身を包み、スパイ・ガジェットで敵をバッタバッタとなぎ倒す『キングスマン』には今の「007」シリーズが手放してしまった子ども心をくすぐるワクワクドキドキ感、そして何よりもユーモアがたっぷりと詰まっていました。(イギリスらしいブラック・ユーモアですが)

おそらく本作においても物語の軸は、エージェントになってまだ日が浅いエグジーの成長譚になるとは思いますが、今回は前作ありきの作品なので、世界観の説明やエグジーの生まれを巡る葛藤など、そういう話を停滞させ気味な要素は一切ありません。

前作以上にやりたい放題、思い付いたアイディアをとにかく詰め込んだノンストップ娯楽活劇になることは間違いないでしょう!

4.映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』の出演者プロフィール

タロン・エガートン(ゲイリー・“エグジー”・アンウィン役)

映画デビューとなった前作『キングスマン』の大ヒットでいきなりスターの仲間入りを果たした新星。その後は、『レジェンド 狂気の美学』(2015)や『SING/シング』(2016/ジョニー役で歌声を披露)に出演。本作の後には、主演作『ロビン・フッド』が公開。

役者としてリアルに積んだ経験をどのようにエグジー役に生かすのでしょうか。

コリン・ファース(ハリー・ハート役)

舞台出身の俳優。『イングリッシュ・ペイシェント』(1996)や『恋に落ちたシェイクスピア』(1998)、『シングルマン』(2009)など様々な作品で高い評価を受け、『英国王のスピーチ』(2010)では吃音に苦しむジョージ6世を演じ、アカデミー主演男優賞など各賞を総なめに。

ドラマ俳優のイメージが強かった彼が激しいトレーニングを積んで挑んだ前作『キングスマン』で見せた大殺戮アクションシーンは各所で絶賛され、キャリアの中盤にして新境地を開拓。片眼となって戻って来たハリーは果たして何を語るのか。

マーク・ストロング(マーリン役)

『リボルバー』(2005)や『ロックンローラ』(2008)、『シャーロック・ホームズ』(2009)など、ガイ・リッチー監督作に多数出演。マシュー・ヴォーン監督作は『スターダスト』(2007)、『キック・アス』、『キングスマン』に続いてこれで4作目。「007」シリーズでいうQの役回りを担うマーリンを好演しています。

チャニング・テイタム(テキーラ役)

紆余曲折を経て大スターに上り詰めた苦労人。自身の経験を反映させた『マジック・マイク』(2012)のパフォーマンスが話題になり、同年の『ピープル』誌が選ぶ「最もセクシーな男性」に選出。『21ジャンプストリート』(2012)や『フォックスキャッチャー』(2015)に『ヘイトフル・エイト』(2016)、『ローガン・ラッキー』(2017)など、映画ファンの心をくすぐる絶妙な作品選びからは目が離せません。

本作ではアメリカの諜報機関ステイツマンの問題児テキーラを演じます。

ハル・ベリー(ジンジャー役)

ミス・ワールド6位に選ばれたことのある美人女優。『007 ダイ・アナザー・デイ』(2002)ではボンドガールに。アクション映画ファンには『X-メン』シリーズのストーム役でもお馴染み。本作にはエージェントへの憧れを持つメカニックのジンジャー役で出演しています。

ジェフ・ブリッジス(シャンパン役)

無冠の名優と揶揄された彼が遂に『クレイジー・ハート』(2009)で60歳にしてアカデミー主演男優賞を受賞。

その後も『トゥルー・グリット』(2010)と『最後の追跡』(2016)で、アカデミー助演男優賞にノミネートされ、キャリア終盤ながらその評価は高まり続けている稀有な俳優。本作ではステイツマンのリーダーであるシャンパンを演じています。

ペドロ・パスカル(ウイスキー役)

チリ出身のアメリカ人俳優。主にテレビドラマを中心に活躍し、『ゲーム・オブ・スローンズ』のオベリン・マーテル役や、『ナルコス』のハビエル・ペーニャ役としてお茶の間に知られています。本作で彼が演じるのはステイツマンのエースで女好きのウイスキー。

ジュリアン・ムーア(ポピー・アダムス役)

『めぐり合う時間たち』(2002)でベルリン国際映画祭女優賞、『エデンより彼方に』(2002)でヴェネツィア国際映画祭女優賞、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014)でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。

世界中で高い評価を受ける演技派女優。『アリスのままで』(2014)ではアカデミー主演女優賞を獲得しました。本作では世界的麻薬組織ゴールデン・サークルのボス、ポピーを怪演しています。

5.映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』のあらすじとネタバレ


(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

キングスマンから出てきたエグジーを待ち伏せしている人物がいました。

その人物は、キングスマンの試験に落ち、死んだと思われていたチャーリーです。

エグジーは隙を付いて車にチャーリーを押し込むと、運転手に車を出すように指示し、二人を乗せたまま車は発進。

エグジーとチャーリーは車内で激しい格闘を繰り広げます。その最中に運転手が死亡し、車止めに激突。

チャーリーは右手に付けた義手を車内に残したまま、外に放り出されました。

エグジーは運転席に座ると、猛スピードで走り出します。3台の車の激しい銃撃を受けながら、エグジーは街中を抜けて人気の少ない公園に向かいました。

マーリンから攻撃の許可が下りたため、エグジーは小型ミサイルによって3台の車を破壊すると、警察の捜査から逃れるためにそのまま車ごと池の中へと入っていきます。

エグジーは友達ブランドンの大切な誕生日パーティーに出席するために、汚水が流れる出口から家へと向かいます。

車内に残されたチャーリーの義手が遠隔捜査によって動き出し、キングスマンの全データを読み取っていることに、誰も気が付きませんでした。

エグジーはヴァレンタイン事件の時に出会ったスウェーデンの王女ティルダと交際を発展させ、ハリーがかつて住んでいた家で暮らしています。

ティルダの両親である国王と女王との食事会を控えた朝、エグジーは自分を紳士に育ててくれたハリーとの思い出を思い返していました。

キングスマンの会合では昨夜の襲撃事件を調べたところ、ゴールデン・サークルという麻薬組織が絡んでいることが判明。

チャーリーはエグジーが攻撃した際に使ったリングの電気によって首ではなく、声帯がつぶれ右腕が吹っ飛んだだけで命は助かっていました。

麻薬組織ゴールデン・サークルを取り仕切るのはポピー。カンボジアの奥地にポピー・ランドという王国を作り、そこに暮らしています。

ポピーは、ヘマをした部下を残虐な方法で躊躇なく始末するサイコパスでした。凶暴なロボット犬のベニーとジェットを使い、恐怖によって部下を支配しています。

さらにポピーは著名な歌手であるエルトン・ジョンを誘拐し、自分のために無理やり演奏を行わせていました。

その夜、食事会に出席したエグジーは眼鏡を通してロキシーから情報を得て、王子に必要な教養や知識を披露していました。

すると、エグジーの留守の間にJBの面倒を見ていたブランドンが部屋に隠されていたキングスマンのガジェットに気付き、眼鏡を通して話しかけてきました。

慌てるエグジーでしたがその瞬間、ゴールデン・サークルが発射したミサイルによってブランドンとJBは家ごと大破。キングスマンの各基地やエージェントの家が同じく破壊され、ロキシーやアーサーも帰らぬ人となりました。

キングスマンは文字通り壊滅し、残ったのはエグジーと留守にしていたマーリンのみ。

二人はこの時のための「最後の審判の日」を発動させ、ある店へ足を運びます。

ある部屋に通され、そこにあった金庫を開けると、出てきたのはバーボン・ウイスキーの瓶でした。

戸惑う二人でしたが、亡き友や同士を偲んで、その場で酒を酌み交わします。酔っ払ったエグジーが瓶に目をやるとそこには、ケンタッキーと書かれていました。

これが何かの手掛かりなのかもしれないと察した二人は、アメリカのケンタッキー州にあるウイスキーの蒸留所へと向かいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『キングスマン:ゴールデン・サークル』ネタバレ・結末の記載がございます。『キングスマン:ゴールデン・サークル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
そこに着いたエグジーとマーリンは、腕時計で生体認証スキャンをハッキングして蒸留所の中へ。基地の場所を探る二人に話しかけるある男が現れました。

二人を怪しんだ男とその場で格闘になり、エグジーとマーリンは気絶させられてしまいます。

目を覚ました二人の前に先程の男が立ち、二人の正体を明かせと脅してきます。

そして、この男の仲間ではないかと後ろにあるマジックミラーが開けられ、そこには死んだはずのハリーが立っていました。

そこに、ある女性が入ってきてキングスマンは我々の仲間であると男に伝えます。

その女性はジンジャー、男はテキーラと名乗り、二人ともステイツマンという独立諜報機関のエージェントであることが判明。

ヴァレンタイン事件の時に死んだはずのハリーは、ステイツマンが持っている医療パック、アルファ・ジェルのおかげで脳の損傷を修復し、一命を取り留めていました。

ただ、その副作用によってハリーはエージェントとしての記憶を完全に失っており、エグジーとマーリンのことも忘れています。自らをかつての夢であった鱗翅類学者だと思い込んでいました。

ステイツマンは酒造業の成功によって潤沢な資金を持っており、ボスであるシャンパンはキングスマン再建のために力を貸すことを約束してくれました。

ゴールデン・サークルのことを調べるために、チャーリーの元カノであるクララから情報を得るため、エグジーはステイツマンのエースであるウイスキーと共に彼女が参加する野外フェスへ向かいます。

そこでエグジーはクララと接触することに成功しますが、そのためには性的な関係を持つ必要がありました。

クララと関係を持つ前に、エグジーは恋人のティルダに正直に打ち明けますが、そのことを知ったティルダは怒り、連絡を絶ってしまいます。

エグジーは性的な接触を最低限に抑え、クララの体内に発信装置を仕込むことに成功。

その少し前からテキーラを含め、世界中で体に青い筋が発生する謎の現象が起こっていました。

ハリーの記憶をショック療法によって取り戻そうと試みますがなかなか上手くいかず、諦めかけていた時に、エグジーはヨークシャーテリアを使った方法を思い付きます。

キングスマンになるための最終試験、飼っていた愛犬を撃ち殺さなければいけないトラウマを思い出させ、エグジーはハリーの記憶を取り戻すことに成功。

しかし、ハリーの身体は2年ものブランクにまだ付いていけず、その能力は一流エージェントとは到底呼べないものでした。

ハリーに絡んできた酒場の連中をウイスキーが倒したちょうどその時、ポピーが世界中のテレビをジャックし、自らの商品の中に人工ウイルスを仕込んだことを告白しました。

そのウイルスはまず青い筋が発生し、次に躁状態になり、最終的に全身が麻痺していき、そして死に至る恐ろしいものでした。

ポピーの狙いはドラッグの合法化。合法化するなら解毒剤を世界中に配ることを約束すると宣言。それにより自らの存在を世界に示し、麻薬ビジネスをクリーンにスムースに行おうというものでした。

交渉相手に指名されたアメリカの大統領は、逆にそれを利用して麻薬戦争を終結させ、使用者を一掃しようと企んでいました。

そしてエグジーの狙い通り、ウイルスを発症したクララがチャーリーに連絡を取り、二人がイタリアの山奥で接触する情報を入手。

ウイルスを発症したテキーラは一時的にコールドスリープ状態に、ティルダもエグジーと別れたショックから麻薬に手を出していました。

ポピーの狙いも大統領の狙いも阻止するため、エグジー・ハリー・ウイスキーの3人がイタリアに向かいます。

解毒剤を1本手に入れたエグジーとウイスキーは、チャーリーの邪魔を受けながらもなんとか基地から脱出し、山奥の小屋の中でハリーの助けを待っていました。

ハリーが小屋に到着した時、後ろには大勢の敵軍がやって来ていました。

その銃撃を交わすためウイスキーがエグジーを突き飛ばしたせいで、入手した解毒剤の瓶は粉々に割れてしまいます。

小屋から飛び出したウイスキーはそのスキルで次々と敵を倒していきますが、その姿を見たハリーは彼が裏切り者であるとエグジーに伝えました。

そしてハリーは、敵を倒して小屋に戻って来たウイスキーの頭を撃ち抜きます。

驚いたエグジーはアルファ・ジェルによってウイスキーの脳を保護すると、ハリーに向かって怒鳴り散らしました。

エグジーはハリーが正気ではないと思いながらも、信頼するハリーのことを完全に見捨てることは出来ず、ウイスキーは敵との銃撃で負傷したと嘘の報告をします。

エグジーは再び解毒剤を取りに戻ろうとしましたが、チャーリーはクララもろとも基地を爆発させてしまいました。

イタリアの基地で得た情報を元にポピーの基地がカンボジアにあることを突き止め、エグジー・ハリー・マーリンの3人はそこへ向かいます。

負傷したウイスキーも回復し、ショック療法によって記憶も取り戻し、戦闘機シルバー・ポニーに乗って同じく基地に向かいます。

地雷がたくさん埋まっている森の中を進み、ポピー・ランドの目の前までやって来たエグジーたち。

そこでエグジーが誤って地雷を踏んでしまいますが、マーリンは持っていた凍結スプレーで起爆装置を一瞬凍らせることに成功すると、エグジーの代わりに地雷の上に。

二人のために犠牲になることを選んだマーリンは、大好きな歌手であるジョン・デンバーの「カントリー・ロード」を高らかに歌い上げ、引き付けた敵もろとも吹き飛びました。

エグジーとハリーはそのまま基地に突入し、ガジェットを駆使して次々と敵を倒していきます。

エグジーはケースを持って逃げたチャーリーを追い、ハリーはロボット犬と対峙します。

ハリーはボウリング場に逃げ込んで絶対絶命のピンチに追い込まれますが、そこにエルトン・ジョンが助けにやって来ました。

エルトンの顔は友達として認識されるため攻撃されることがないので、その隙をついてロボット犬を破壊することに成功。もう一体のロボット犬は高温の純金をかけて破壊しました。

エグジーは戦闘中に腕時計でチャーリーの義手をハッキングすることに成功し、優位に立つと、最後は素手で勝利しチャーリーの命を奪いました。

エグジーとハリーでポピーを追い詰め、彼女に無理やりドラッグを注射。マーリンが作った即効性の高いウイルスはすぐにポピーの身体に異常をきたし、青い筋が浮かび上がってきます。

自らの命は救うためにもポピーは解除コードを伝えると、その場に倒れ、息絶えました。

ハリーが解除コードを打ち込もうとしたその時、ウイスキーが縄をハリーの首にかけました。

かつて愛した恋人とそのお腹の中にいた子どもが、麻薬中毒者によって殺された過去によって、ウイスキーは麻薬使用者を恨み続けていました。

ハリーの読み通り、ウイスキーは解毒剤の配布は阻止しようと画策しており、解除コードを打ち込むことを止めるためにやってきていました。

エグジーとハリーは二人で力を合わせてウイスキーの命を奪うと、解除コードを入力し、世界中の麻薬使用者の命を救うことに成功。

麻薬使用者を一掃しようとしていたアメリカの大統領は逮捕され、弾劾裁判にかけられようとしています。

世界を救ったキングスマンの功績を讃え、シャンパンはキングスマンのためにスコットランドのスコッチ・ウイスキーの蒸留所を買い取り、キングスマンに新たな事業が生まれました。

空いたウイスキーのポジションにはジンジャーが立候補。全員がそれに賛同し、新たなウイスキーが誕生しました。

エグジーはティルダとの結婚式を行い、スウェーデンの王子となりました。

再建したサヴィル・ロウのキングスマンに、スーツに身を包んだテキーラが訪れます。

6.映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』の感想と評価


(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

2015年に公開された前作は、個人的にイギリスファッションが好みというのもあって、本当に大好きな作品でした。

期待値を高めて観に行った今回の2作目『ゴールデン・サークル』は、結論から書くと残念ながら明らかに魅力が落ちた作品になってしまっていました。

R15からPG12にレイティングが下がったため、ゴア描写は控えめに悪趣味なテイストは増大。イギリス映画らしいブラックユーモアが悪い方に走っています。

前作もよく出来たタイプのお話ではありませんが、本作はその何倍も脚本の粗が目立ちます。浮かんだアイディアを撮ることありきで、そこから無理やりお話を組み立てていったかのようなお粗末さ。

各キャラの行動原理の説明不足、エルトン・ジョンを重用しすぎて崩れたバランス、いくつもありますが例えばロボット犬の充電のズレといったご都合主義的な展開などなど。

そもそも前作の007パロディギャグのためだけに出てきたのかと思っていたスウェーデンの王女ティルダとその後も続いていたという設定自体がかなり飲み込みづらいものになっています。

また、本作で亡くなった多くのキャラクターの死に果たして必然性があったのでしょうか。

前作でチームワークが大切だと教えていたはずのキングスマンがあんなにあっさりと仲間の犠牲を受け入れるのも納得がいきません。

そして1番の問題点は、エグジーやハリーが全く魅力的なキャラクターに見えないこと。行動や発言を振り返るとよくわかりますが、単に嫌な奴になってしまっています。

レディには優しい英国紳士のはずが、卑怯な手で騙して、あげくには死んじゃったで終わりとは。もしコードを教える前に息絶えていたら一体どうしてたんでしょうか。

ステイツマンの中で一際魅力を放っていたテキーラが早々に退場してしまうのももったいない部分でした。

キングスマンの魅力は、敵を倒した直後にお酒を嗜む余裕をみせるような軽妙洒脱さ。そのテイストを薄め、単純にアクションを増すだけならこの作品である意味がなくなってしまいます。

ただ決して良かったところがないわけではありません。

ステイツマンやポピー・ランドで描かれるアメリカンテイストの面白さ。バーボンとスコッチの違いが象徴するように、間違いなくここが本作の1番の見どころだと思います。

特にポピーのファッションを含めたダイナーの色使いや、ステイツマンのブーツとバックルの形に強烈な南部訛りなど、そのあたりはアメリカ映画好きの方なら嬉しくなるところです。

アクションも、早回しとスローを組み合わせたお馴染みのカメラワークが存分に発揮され、ヒットガールを彷彿とさせるウイスキーの雪上での二丁拳銃さばきや、ラストの2対1でのエグジーの縄潜りなどはとても格好良いシーンでした。

ハリーを演じたコリン・ファースはさすがの演技で、記憶を失っている時と思い出した後の顔つきが全く違う人物に思える程の芸達者ぶりを披露。

ラストの展開から想像するに次作は間違いなくテキーラがメインで関わってくるはず。今作の出来には正直ガッカリしましたが、世界観は好きなので次回作に期待したいところです。

「007」シリーズも数ある作品の中で正直駄作と思えるものはいくつかあります。(今観るとそれすらもかわいらしいのですが)

「キングスマン」シリーズもこの先続いていくのだとしたらそれは仕方のないことです。

スピンオフを含めたユニバース化構想まであるそうなので、まだまだキングスマンの世界は広がっていくことでしょう。

まとめ


(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

続編制作の余地を残したマシュー・ヴォーンの狙い通り、成功を収めた『キングスマン』は、さらにパワーアップして帰って来ました。

今回の注目ポイントはアメリカのステイツマンがどのようなガジェットや精神性で戦うのか。

さらに、死んだはずのハリーはなぜ生きているのか? 片眼の理由とは!?

バジェットも拡大し、よりキレキレのスパイアクションをたっぷりと堪能出来ること間違いなし。

本作ですでに、第3作目の種蒔きをしていると語るマシュー・ヴォーン。

新たな人気シリーズの誕生をリアルに体感出来る今、劇場に足を運ばない理由はありません!

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