第70回ベルリン国際映画祭にて
銀熊賞(最優秀女優賞)・国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞受賞。
天才たちを惹きつけた魅惑的な”水の精“の神話について、名匠クリスティアン・ペッツォルトが、大胆に現代に置き換えて映画化した最新作。
ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞した『東ベルリンから来た女』をはじめ、『あの日のように抱きしめて』『未来を乗り換えた男』などで知られるドイツを代表する名匠クリスティアン・ペッツォルト監督の最新作『Undine』改め邦題『水を抱く女』が、2021年3月26日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開することが決定しました。
本記事では、見どころとあわせて、あらすじをご紹介します。
映画『水を抱く女』について
ドイツの激動の歴史を描き続けてきたペッツォルト監督の新作は、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水に戻る」という宿命を背負った美しき“水の精・ウンディーネ(オンディーヌ)”の神話がモチーフとなっています。
この魅惑的な神話は、古くから多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきました。
アンデルセンは童話「人魚姫」を書き上げ、チャイコフスキーはオペラ、ドビュッシーは楽曲を創作。
また、ゲーテが「ドイツの真珠」と絶賛したロマン派のフリードリヒ・フーケが発表した傑作小説「ウンディーネ」は、現代でも読み継がれています。
近年、再評価されている三島由紀夫の「仮面の告白」にも登場しています。
神秘的なウンディーネを妖艶に演じたのは、フランソワ・オゾン監督『婚約者の友人』や、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督『ある画家の数奇な運命』などの注目作に出演している若き実力派パウラ・ベーア。
本作でベルリン国際映画祭とヨーロッパ映画賞にて女優賞受賞という快挙を成し遂げました。
心優しい潜水作業員のクリストフ役にはダンサーや振付師としても活躍する『希望の灯り』のフランツ・ロゴフスキ。
この主演のふたりは、ペッツォルト監督の前作『未来を乗り換えた男』にも出演し、稀有な才能の親密な再タッグが、濃密な映像世界へと観客を誘引します。
映画『水を抱く女』の作品情報
【日本公開】
2021年(ドイツ・フランス合作映画)
【原題】
Undine
【監督・脚本】
クリスティアン・ペッツォルト
【キャスト】
パウラ・ベーア、フランツ・ロゴフスキ、マリアム・ザリー、ヤコブ・マッチェンツ
映画『水を抱く女』のあらすじ
ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ。彼女はアレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、博物館でガイドとして働いています。
恋人のヨハネスが別の女性に心移りし、悲嘆にくれていたウンディーネの前に、愛情深い潜水作業員のクリストフが現れます。
数奇な運命に導かれるように、激しく惹かれ合うふたり。
幸せで無垢な新しい愛を大切に育むも、彼女が必死に何かから逃れようとしているような違和感をクリストフが感じとった時、ウンディーネは再び自分の宿命と直面することになり…。
まとめ
本作は、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水に戻る」という宿命を背負った美しき“水の精・ウンディーネ”の神話をモチーフに繊細に描写されるミステリアスな愛の叙事詩。
官能的なバッハの旋律にのせて、描かれる濃密な映像世界をスクリーンでご覧ください。
クリスティアン・ペッツォルト監督の最新作『水を抱く女』は、2021年3月26日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次ロードショーです。