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映画『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』あらすじと感想レビュー

  • Writer :
  • 西川ちょり

2017年12月16日より、下北沢トリウッドにて「歳末青春大セール!ティーンムービー傑作選」という特集上映が行われます! 

日本未公開映画の紹介、上映を企画・運営するGucchi’s Free Schoolによる選りすぐりの傑作ティーンムービー8本が勢揃い!

今回ご紹介する映画はスティーヴン・ミルハウザーの短編小説を映画化した『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』(2014)です。

1.映画『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』の作品情報


『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』

【公開】
2016年(アメリカ映画)

【原題】
The Sisterhood of Night

【原作】
スティーヴン・ミルハウザー

【監督】
キャリン・ウェクター

【キャスト】
ジョージ・ヘンリー、カーラ・ヘイワード、オリヴィア・デヨング、ローラ・フレイザー

【作品概要】
15歳の少女メアリーが作り出した秘密のグループ「夜の姉妹団」。メアリーに選ばれた少女たちは夜な夜な森に集まり、とある儀式を行っていた。エミリーは、姉妹団に参加したくてたまらなかったが拒否されてしまう。

彼女がブログで姉妹団のことを暴露するとそれは街全体を巻き込んで思いがけない方向に動き始めます。

2.映画『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』のあらすじ


『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』

演劇部のオーディションで、メアリーに邪魔されたことに腹を立てたエミリーは、メアリーの携帯を盗んでメールを読み、彼女の母親のスキャンダルを自身のブログに暴露します。

誰も読む人がいなかったブログは学校内で注目の的になり、皆、メアリーの反撃を待っていましたが、彼女は沈黙します。

メアリーはSNSではなく、日記帳に文章を綴り始めました。「夜の孤独さが好き…」

すると、向かいの家に住む友人のキャサリンが、懐中電灯を点滅させ合図してきました。その時です。メアリーに「夜の姉妹団」の構想が浮かんだのは。

最初のメンバーはキャサリンとラビニアとメアリーの三人でした。

学内パーティーがホールで賑やかに開催されている時、三人は隣の別室に集まっていました。

キャサリンが「先週悪いことを考えたの」と話し始めました。「話して。それとも書く?」メアリーに言われて、キャサリンは紙片にそのことを書きました。「絶対言わないで」「約束するわ」

メアリーは紙をライターで燃やし、「私たちの秘密よ」と囁きました。すると、火災報知器が発動し、天井から水が落下してきました。

パーティー会場にいた生徒たちは、先生の支持に従って慌てて避難しますが、誰もいなくなったホールで三人は伸びやかに体を動かすのでした。

「夜の姉妹団」のことを知った少女たちは誰もが参加したがりました。参加の条件はメアリー次第。選ぶ基準も不明です。選ばれた子には秘密の紙片が渡されます。

夜、家を抜け出す子たちが増えていきます。集まりは森の中でした。

エミリーは、姉妹団に参加したくてたまりませんでした。彼女たちの秘密の紙片をみつけ、現場にたどりついた彼女は、姉妹団の行為を覗き見て、写真に撮ろうとします。

しかしフラッシュがたかれてしまい、彼女はみつかってしまいます。「あなたはお断り」とメアリーは言い放ちました。

エミリーはブログに写真をあげ、姉妹団が性的な行為を行っているという記事をアップしました。ブログのフォロワー数は急激に伸びていきました。

エミリーの手のひらにできた傷も姉妹団のせいだと聞き、エミリーの母親は告訴するといい始めます。

この騒動は学外にも伝わり、地元の新聞は、姉妹団のことを「性的カルトか?」などと面白おかしく書きたてました。

生徒指導の教師はメアリーを呼び出しますが、彼女は何も話しません。沈黙を保つことが姉妹団のルールだからです。

キャサリンは心配する父親に反発します。母親は癌で入院しており、彼女はそのことを受け入れられずにいました。

ラビニアも母親に問い詰められますが、何もしゃべりません。しかし母親は彼女のお腹にタトゥーを見つけます。姉妹団は全て同じタトゥーを入れているという噂でした。

姉妹団は一体どのような儀式を行っているのでしょうか。そしてなぜ少女たちは森に行きたがるのでしょうか?

好奇心にかられた人々の暴走が始まり、物語は思わぬ方向へと向かいます。

3.映画『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』の感想と評価


『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』

原作はアメリカの作家、スティーヴン・ミルハウザーの短編小説「夜の姉妹団」(『ナイフ投げ師』収録 / 白水社Uブックス 現在絶版)ですが、かなり大胆に脚色されています。

原作の「私たち」が少女たちの行動を憶測する街全体の代表であるのに対して、映画の「私たち」は少女たち自身です。「よく聞いて。私たちの真実を」というナレーションで映画は始まります。

「夜の姉妹団」が果たしてどのような儀式を行っているのか、映像はあえて謎を残しながら、当事者である少女たちに寄り添い、彼女たちの不安や孤独を浮き彫りにしていきます。

俯瞰で撮る森の景色。夜の森を移動していく少女たち。夜の森は彼女たちにとって、開放を意味し、自分たちだけの世界を可能にしてくれる場所なのでしょう。

しかし、世間から見ると夜の森は恐怖そのものです。小さな町では恐怖の種は取り除かねばなりません。

少女たちは隠れ場所もままならず、詮索され、干渉されるのです。

彼らはまるで魔女狩りのように、何をしているのか「話せ」と盛んに彼女たちを問いつめるのですが、彼女たちの本当の心の叫びには決して耳をかそうとはしないのです。

子どもでなく大人でもないこの年頃の少女たちの居場所のなさと寄る辺なさが繊細なタッチで描かれ、多感な少女を描く作品が好きな人にはたまらない作品になっています。

「夜の姉妹団」の真の姿とは?

彼女たちの友情の行方は?

ラストに見せる少女たちの燐とした美しい表情を是非映画館で目撃してください!

4.まとめ


『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』

監督も脚本もプロデューサーも全て女性というこの作品、監督のキャリン・ウェクターは、本作で「Tangerine Entertainment」による最優秀女性監督に選出されています。

出演者もほぼ女性ばかり。なにげに豪華な面子です。

メアリーを演じたジョージ・ヘンリーは『ナルニア国物語』(2005~)シリーズのルーシー役でお馴染みです。

エミリーを演じたカーラ・ヘイワードは、2012年、ウェス・アンダーソン監督の『ムーンライズ・キングダム』のスージー・ビショップ役に抜擢され、本作は出演二作目。

ジム・ジャームッシュの『パターソン』(2016)では『ムーンライズ・キングダム』で共演したジャレッド・ギルマンと再び恋人役で出演して話題になりました。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』にも出演しています。

ラビニアを演じたのはオリヴィア・デヨング。本作が初長編出演作で、翌年には M・ナイト・シャマラン監督の快作『ヴィジット』に抜擢されています。彼女の息を呑むほどの美少女ぶりを堪能してください!

若い出演者がキャリアをあげていく様をリアルに目撃できるのが青春映画を観る楽しみの一つでもあるわけですが、本作ではラビニアの母親を演じたローラ・フレイザーにも注目です!

本作ではどこにでもいそうな普通の母親を演じていますが、人気テレビドラマ『ブレイキング・バッド』のシーズン5(2012–2013)では、マフィアにドラッグ原料を横流ししていた悪女リディアを演じていました! 

…と、少々脱線してしまいましたが、『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』は青春映画の隠れた名作です!

貴重な上映機会ですので、是非お見逃しなく!

12月16日より、下北沢トリウッドにて開催される「歳末青春大セール! ティーンムービー傑作選」の1本として公開されます。

上映時間など詳しくはトリウッドのHPでご確認を。

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