Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2017/11/27
Update

映画『探偵はBARにいる3』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『探偵はBARにいる3』は、大泉洋&松田龍平のコンビが還ってきた人気シリーズ第三弾

アジア最北の歓楽街ススキノを舞台に女子大生の失踪事件から始まる大きな事件に挑む。

ヒロインは第一作の小雪、第二作の尾野真千子に続くヒロインは北川景子

シリーズ通してのお馴染みの田口トモロヲ、マギー、安藤玉恵、篠井英介、松重豊、片桐竜二たちも登場。

1.映画『探偵はBARにいる3』の作品情報


(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

【公開】
2017年(日本映画)

【原作】
東直己

【監督】
吉田照幸

【キャスト】
大泉洋、松田龍平、北川景子、前田敦子、鈴木砂羽、リリー・フランキー、田口トモロヲ、志尊淳。マギー源、安藤玉恵、正名僕蔵、篠井英介、松重豊、野間口徹、坂田聡、土平ドンペイ、斎藤歩、前原滉、天山広吉、片桐竜次、今村美乃

【作品概要】
東直己の「ススキノ探偵」シリーズを人気の大泉洋と松田龍平のコンビで実写映画化した「探偵はBARにいる」シリーズの第3作。

演出は『疾風ロンド』の吉田照幸監督。脚本はシリーズ全作を担当する古沢良太。

2.映画『探偵はBARにいる3』の登場人物

探偵(大泉洋)

ススキノのプライベートアイを自認する二枚目半。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

高田(松田龍平)

探偵の助手を務める、北大の万年助手。空手の黒帯。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

岬マリ(北川景子)

モデル派遣事務所の美人オーナー。探偵と過去が?

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

諏訪麗子(前田敦子)

事件の発端となる女子大生。高田の後輩の恋人。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

モンロー(鈴木砂羽)

探偵と旧知の仲のススキノの伝説の娼婦。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

北城仁也(リリー・フランキー)

ススキノに進出してきた実業家。裏の顔を持つ。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

波留(志尊淳)

北城の若き用心棒。高田を上回る格闘技スキルの持ち主。

3.映画『探偵はBARにいる3』のあらすじとネタバレ


(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

女子大生周防麗子を隣に乗せたトラック運転手の椿が道を塞ぐように止まっている車に注意に向かったところ、運転席にいた人間に銃撃されてしまいます。

運転手はトラックの積み荷の毛蟹を全て奪って去っていきました。

探偵のもとに極々簡単な依頼が助手の高田経由で舞い込みます。

内容は高田の後輩、原田の恋人の行方が分からないというのもの。実はその女子大生こそ周防麗子でした。

調べていくうちに麗子はピュアハートというモデル派遣事務所で高額な収入を得ていたことがわかります。

ピュアハートは表向きこそモデル派遣事務所ということになっていましたが、実態は登録されたモデルと合意を得れば何をしてもいいという新手の風俗でした。

事務所に訪れた探偵はそこで岬マリという美人オーナーと出会います。マリは探偵のことを知っている様子でした。

麗子の収入源を知って、それを原田にどう伝えるか悩む探偵と高田。

その二人の前に怪しげな男たちが立ちふさがり、ピュアハートを探りに来た探偵に警告を発します。

男たちをさばいて逃げようとする二人、しかし一団の用心棒の波留の格闘技スキルはあの高田をも上回る実力で二人は絶体絶命の危機に。そこに割って入ったのはマリでした。

ともにボコボコにされた探偵と高田の二人ですが、簡単に引き下がるわけにはいきません。

調べていくうちにピュアハートもバックには関西系暴力団花岡組傘下の北城仁也率いる北城グループがあることを知ります。

ススキノ進出を図る花岡組と探偵と旧知の仲の相田が若頭を務める桐原組とは対立関係にあって、探偵がチラッと名前を出しただけで真冬の漁船の舳先に括り付けられ深入りしないように警告されます。

探偵は事の大きさに気付き始めます。新聞記者の松尾に当たると椿の射殺事件がすべての発端だという警察の捜査情報を得ます。

実は椿のトラックの積み荷は毛蟹の箱の底には大量の覚せい剤が隠されていて、椿と同行していたと思われる麗子の行方を北城グループが血眼になって追っていたのでした。

マリを尾行すると隠れ家に潜んでいた麗子を発見します。しかし、また北城グループに見つかり最後通牒を突き付けられます。

探偵は古い記憶の中からマリのことを思い出します。

数年前、古い付き合いだったススキノの伝説の娼婦モンローに頼まれて行方を捜したことがあった風俗嬢こそマリでした。

客の横暴な要求もすべて受けるマリは心身ともにボロボロの状態で雪が降る路地裏に倒れていました。

探偵とモンローに助けられたマリは熱い酒と食べ物、そして探偵とモンローの優しさに触れてやっと笑顔を見せます。

そんなマリを見て探偵は酔った勢いで他人から見ればくだらないものに見えるかもしれないかもしれないけれど、必ず“命を燃やすもの”との出会いがあるから命を粗末にせず、生きていけと語るのでした。

探偵はマリの過去を探るために今は堅気の妻のなっているモンローを訪ねます。

今のモンローは一児の母として食堂を切り盛りする女将となっていました。

再会を喜ぶモンローからマリは探偵に出会う直前に身ごもっていたこと、母になる喜びを感じていいたこと、そして子供は死産だったことを知ります。マリが変貌したのはこの直後からでした。

札幌に戻ってきた探偵をマリが遊ぼうよと笑顔で誘い出します。

虚を突かれた探偵ですが、過去を思い出したこともあって、二人は夜のススキノに繰り出します。

以下、『探偵はBARにいる3』ネタバレ・結末の記載がございます。『探偵はBARにいる3』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
探偵とマリはススキノの観覧車で向かい合っています。探偵は推理をマリにぶつけます。

探偵の推理はこうでした。椿を襲撃したのはマリで麗子も最初からグルだということ、毛蟹の箱に覚せい剤が仕込まれていたことも知っていて強奪したのでした。

マリはこの覚せい剤を使って自分のボスである北城と取引をすること考えていました。この計画に探偵に一枚かんでほしいと狙っていました。

酒の勢いで思わず一夜を共にしてしまった探偵はマリのバックに大量の処方薬があるのを見てしまいます。

翌朝、目覚めるとマリの姿はなく変わりに覚せい剤のパッケージと100万円の札束が置かれていました。

事態の急変に高田に助けを求める探偵ですが、高田がやってくる前に北城グループが探偵を襲撃、アジトに連れ去っていきます。

探偵が連れ込まれたアジトにはマリの姿もありました。二人を北城のサディスティックな尋問が待っていました。

高田の機転で何とか脱出した探偵たちですが、北城グループとの対決は避けられないものとなりました。

マリは最後の仕掛けとして覚せい剤を自力で捌くのではなく北城に買い戻させるという奇策に打って出ます。

そのボディガード役を探偵に改めて依頼するのでした。

探偵は断り切れず依頼を受けます。

取引の場所は札幌のショッピングモール。イベントでにぎわう中で覚せい剤と現金の引き渡しを行うことになりました。

取引現場に行く直前、唐突に探偵は高田にクビを言い渡します。

高田が実は間もなく留学することを知った探偵が高田を危険な目に合わせまいとした配慮でした。

探偵は決死の覚悟でマリとともに北城と対峙します。取引を終えた北城たちは探偵たちをそのまま返す気はありませんでした。

すぐさま二人を負います。追手の姿を見たマリは後を探偵に託し、空に向かって拳銃を放ちます。

銃声にショッピングモールの来場客は大混乱に陥り、マリはその場で取り押さえられます。

その混乱を利用して探偵は逃亡、しかしその前に最強の敵波留が立ち塞がります。

そんな探偵を助けたのは別れを告げたはずの高田でした。凶悪な用心棒・波留は高田としても決着をつけなくてはいけない相手です。

後を託した探偵は会場から脱出しますが、北城の追手に捕まり現金の入ったバッグを奪われてしまいます。

しかし、探偵は逃亡の途中でカバンを取り換えていて本物のバッグは会場に居合わせたススキノの仲間の手を経て探偵のもとに戻ってきました。

一方、波留とのリベンジマッチに挑んでいいた高田。

やはり波留のスキルの高さに大苦戦する高田ですが、なりふり構わない高田の戦法に波留もリズムも崩れ、最後は高田の飛び蹴りで激闘に終止符が打たれました。

混乱ののち北城グループは花岡組から見放され警察に一網打尽にされます。

そもそもの依頼だった麗子は原田のもとに帰ります、いくつかのことは秘密にしたまま…。

そして最後の依頼を果たすため探偵の姿はとある病院にいました。そこには難病に苦しむ少女がいました。

彼女の病の治療には多額の費用が掛かるものでした。マリは北城との取引で得た全額を彼女の治療に寄付しようとしていたのです。

探偵が少女の誕生日を見て驚きます。彼女の誕生日はマリの子供の出産予定日でした。しかし少女はマリの子供ではありませんでした。

マリは病に倒れ、入院生活を過ごしていた中で少女と出会い彼女の誕生日を知ります。

そしてマリとって少女を救うことがかつて探偵に言われた“命を燃やすもの”だったのです。

探偵は自分の酔った勢いで軽く言った一言のために命の火を燃やしたことを知るのでした。

探偵と高田はBARケラーオオハタでマリにグラスをささげました。

BARを出た探偵はニュー時ランドの酪農を学ぶために留学に出る高田にまたいつか、どこかでなと別れを告げます。

・・・・数日後。
探偵の姿は札幌の隣町江別市にいました。そこには酪農にいそしむ高田の姿がありました。

ニュージーランドの酪農を学ぶじゃないのかと突っ込む探偵に、高田は在北海道のニュージーランド人から学んでいるとひょうひょうと語ります。

札幌・江別間は快速電車20分しかかりません、おまけに探偵が渡した選別を使って高田は札幌競馬場にも来ていました。

二人のコンビはまだまだ続きそうです。

3.映画『探偵はBARにいる3』の感想と評価

原点回帰のシリーズ第3作


(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

第3弾製作決定が宣言されたのは2013年の第二作の大ヒット御礼舞台あいさつの中でのことでした。

それから売れっ子の主演コンビのスケジュール確保に加え、シリーズファンを納得させる脚本を作るために4年の歳月が経っていました。

そして満を持して、放たれたシリーズ第三弾はヒロイン=ファムファタルの存在感、ストーリーとがっちりと絡み合ったバランスの良いアクション、そして切ないエンディング


(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

シリーズ第一作を彷彿とさせるハードボイルド映画の見本のような映画に仕上がっています。

敵役のリリー・フランキーや高田を上回る戦闘スキルを持つ用心棒波留を怪演する志尊淳の存在感も抜群でした。


(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

まとめ


(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

『探偵はBARにいる3』はシリーズ3作目、もちろん大泉洋と松田龍平の掛け合いは円熟の極みに達していて、それこそ「釣りバカ日誌」の浜ちゃん&スーさんのようです。

第一作が登場した時“プログラムピクチャーの再来”と形容されましたが、まさしく今回の落ち着きはその通りの安定感です。

本作から原作を離れてオリジナル脚本になったこともあって、原作の持ち味をある程度守りながらも、縛りが減ったので今後のシリーズ化も少し楽になったのではないかと思いました。

第4作はもう少し短いスパンで公開されることを願うばかりです。

『探偵はBARにいる3』は2017年12月1日より、丸の内TOEI、ユナイテッド・シネマ豊洲、TOHOシネマズ上野、新宿バルト9の各所での舞台挨拶を皮切りに、全国劇場にて公開!お見逃しなく‼︎

関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『若草の頃』あらすじネタバレ感想とラスト結末の評価解説。ミュージカル名作傑作でジュディー・ガーランドが踊る!

『若草の頃』は、『巴里のアメリカ人』『バンド・ワゴン』で知られるヴインセント・ミネリの出世作です。 今でも多くの人に愛される本作の魅力はどこにあるのでしょうか?  Cinemarche&nb …

ヒューマンドラマ映画

映画『ショック・ドゥ・フューチャー』感想評価と解説レビュー。アルマホドロフスキーが未来の⾳楽を作るミュージシャンを好演

映画『ショック・ドゥ・フューチャー』が、2021年8月27日(金)より新宿シネマカリテ、渋⾕ホワイトシネクイントほかにて全国順次公開! 本作は、電⼦⾳楽の黎明期にその⾳⾊に魅了され、男性優位の音楽業界 …

ヒューマンドラマ映画

映画『それでも夜は明ける』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

今回取り上げるのは第86回アカデミー賞作品賞をはじめ、数々の賞を受賞した衝撃の実録映画『それでも夜は明ける』です。 悲惨な歴史の真実を、名優たちが体当りで挑んで描いた本作について詳しくご紹介します。 …

ヒューマンドラマ映画

『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』あらすじ感想と考察解説。首都防衛の最前線に投入された若き兵士たちの“勇気と犠牲”

『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』が、2021年11月19日(金)より東京・グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショー ロシア映画『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』は、モスクワ …

ヒューマンドラマ映画

『東京遭難』あらすじ感想と評価解説。木原勝利×秋谷百音で加藤綾佳監督が描く人生に“遭難”した男女の“明日”

加藤綾佳監督・脚本作『東京遭難』は2023年11月18日(金)より新宿K’sシネマほかで全国順次公開! 互いを知らない男女が東京近郊を舞台に織りなす3日間の旅をつづったロードムービー『東京 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学