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Entry 2020/08/14
Update

映画『弱虫ペダル』ネタバレあらすじと感想。キンプリ・永瀬廉が過酷なロードレースに挑むスポーツ青春ドラマ

  • Writer :
  • 村松健太郎

人気コミックを映画した『弱虫ペダル』。千葉からママチャリで毎週のようにアキバに通い続ける高校生がロードレースと出会い、自身を深め、仲間との絆を強めていく物語です。

映画『弱虫ペダル』は、2020年8月14日(金)から全国ロードショーされています。

渡辺航のベストセラーコミックを『植物図鑑、運命の恋ひろいました』『旅猫リポート』の三木康一郎監督が映画化しました。

主演にはKing&Princeの永瀬廉。共演に伊藤健太郎、柳俊太郎、竜星涼、橋本環奈など注目の若手キャストが揃いました。

映画『弱虫ペダル』の作品情報


(C)2020 映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008
【公開】
2020年(日本映画)

【原作】
渡辺航

【脚本・監督】
三木康一郎

【キャスト】
永瀬廉、伊藤健太郎、橋本環奈、坂東龍汰、栁俊太郎、竜星涼、菅原健、井上瑞稀、皆川猿時、

【作品概要】
映画『弱虫ペダル』は、渡辺航の同名のスポーツ青春コミックを実写映画化された作品です。運動が苦手で友達がいないアニメ好きの高校生・小野田坂道が、ひょんなことから高校の自転車競技部に入り、自転車選手として思わぬ才能を発揮する物語。

監督は、『植物図鑑、運命の恋ひろいました』(2016)『旅猫リポート』(2018)の三木康一。主演の永瀬廉ほか、伊藤健太郎、柳俊太郎、竜星涼、橋本環奈などヒット作、話題作に欠かせない若手キャストが集結しました。出演者たちに限界を超えたと言わせたほどの本格的なロードレースシーンにも注目です。


映画『弱虫ペダル』のあらすじとネタバレ

(C)2020 映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008

地元千葉から秋葉原へママチャリで通う、運動が苦手で友達がいないアニメ好きの千葉県立総北高校生・小野田坂道。

高校では、念願のアニメ研究部に入ろうとしていましたが、部員数減少のため休部ということを知り、ショックを受けます。

そんな時、坂道の自転車の走りを見た同級生の今泉俊輔から自転車レースの勝負を申し込まれます。

勝負後、初めて感じた自転車で走る楽しさ、充実感を味わった坂道は、秋葉原で出会った同級生・鳴子章吉に誘われて自転車競技部に入部することにしました。

マネージャーの寒咲幹や部長の金城真護、巻島裕介、田所迅ら尊敬できる先輩たちとの出会いによって、 自転車選手としての思わぬ才能を発揮していきます。

そして、坂道は、男子インターハイ予選・千葉県大会に出場するチーム総北のレギュラーメンバーに選ばれました。

こうして、坂道は自分の限界や壁を越え、 初めて出来た「仲間」とともに、レースで走る喜びを見出していきます。

以下、『弱虫ペダル』ネタバレ・結末の記載がございます。『弱虫ペダル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

レースは一年生エースの今泉俊輔を勝たせるための布陣を弾いた総北高校を、対抗する高校が囲む布陣になりました。

坂道に割り振られた役割は、終盤の勝負所、長い山登りでクライマーとして今泉を引っ張ること。

しかし、レース途中で集団が転倒するトラブルが起き、坂道も巻き込まれてしまいます。

リタイアするかと尋ねられる坂道ですが、初めて人に必要とされたことに喜びと使命感を感じた坂道は、レースに復帰することを選びました。
 
「まだ、間に合うか?」と、幹に問いかける坂道。それに対して、「100人抜けば間に合う」と幹は応えます。

その言葉を信じて、坂道は再びペダルをこぎ始めます。

クライマーが一人欠けた総北に他校が襲い掛かりました。しかし、総北のメンバーは後ろから坂道が迫ってくるのを感じます。

そして、メンバーの思いが通じ、坂道が追いついてきました。

上り坂で、今泉を引っ張り始める坂道。自分の役目を全うして、頂上にトップで今泉を送り届けます。

坂道の、そしてメンバーの思いを受け継いだ今泉は、その後、激走を続けゴール直前で先頭に立ち、そのままトップでゴールを切ります。

役割を全うできたことに喜びを感じる坂道、勝ち切ることを成し遂げた今泉は、メンバーたちと勝利を分かち合いました。

しかし、まだインターハイの出場権を得ただけです。これからも彼らの闘いは続くのです。

映画『弱虫ペダル』の感想と評価

(C)2020 映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008

映画『弱虫ペダル』の見どころは、なんといってもロードレースシーンでしょう。

俳優たちが口をそろえて「限界を超えた」と言う生身のロードレースは、実際に俳優たちが汗をかいて自転車をこいでいるからこそ、手に汗握る熱量が伝わってきたと言えます。

主演を務める永瀬廉のいかにも漫画的なキャラクター造形が気になりますが、ストーリーが進むうちには、そんなに気にならなくなりました。

そして、もう一人の主人公ともいうべき伊藤健太郎は、抜群の演技力を見せてくれて、映画を締めています。

共演の橋本環奈、竜星涼、柳俊太郎、坂東龍汰らもいい仕事をしています。

三木康一郎はこういう青春群像劇の見せ方が分かっているので、安心して見られました。

まとめ

(C)2020 映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008

原作についてその存在は知っていたものの、コミックやアニメ、2.5次元舞台といったほかの作品にも全く触れずにいたので、初めての『弱虫ペダル』でした。

映画のストーリーとしてはとてもシンプルです。その分込められたメッセージが伝わり易く、居場所を得られた人間はここまで輝けるのだという、人間の可能性を全肯定する映画になっていて、とても気持ちの良い作品です。

少し気が早いですが、インターハイを描く続編が見たいと素直に思いました。

ボリューム的に前後編連続公開ぐらいの形になってしまうかもしれませんが、この座組ならやってくれるのかなと、期待が高まります。




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