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Entry 2017/01/26
Update

映画『理由なき反抗』あらすじネタバレ感想とラスト結末の評価解説。ジェームズ・ディーンの代表作にして“歴代の名作”

  • Writer :
  • リョータ

1955年に公開されたアメリカの青春映画『理由なき反抗』主演を務めたのは名優ジェームズ・ディーン

1955年に自動車事故により、24歳の若さでこの世を去った伝説的俳優、ジェームズ・ディーン。

愛称は「ジミー」と呼ばれ、人々が彼に対して抱くイメージの源泉ともいうべき映画『理由なき反抗』。

名匠ニコラス・レイ監督の原案を基に脚本が執筆され、音楽は『エデンの東』に引き続きレナード・ローゼンマンが担当。

青春映画の金字塔と呼ばれる名作をあらすじのネタバレを含めて、ご紹介いたします。

映画『理由なき反抗』の作品情報

【公開】
1955年(アメリカ)

【原題】
Rebel Without a Cause

【監督】
ニコラス・レイ

【キャスト】
ジェームズ・ディーン、ナタリー・ウッド、、ジム・バッカス、アン・ドーラン、ロシェル・ハドソン、ウィリアム・ホッパー、サル・ミネオ、コーリイ・アレン、デニス・ホッパー、ニック・アダムス、エドワード・プラット、フランク・マッゾラ

【作品概要】
第28回 アカデミー賞(1956年)助演男優賞(サル・ミネオ)、助演女優賞(ナタリー・ウッド)、原案賞(ニコラス・レイ)にノミネートされたニコラス・レイ監督による青春映画。

映画の封切り直前に亡くなってしまった主演のジェームズ・ディーンの代表的作品。

映画『理由なき反抗』のあらすじとネタバレ

午前3時、ロサンゼルス郊外の警察署内には面識のない3人の少年少女がいました。

泥酔してケンカ騒ぎを起こした高校生のジム・スターク。父親から嫌われていると思い込む家出少女ジュディ。親に見捨てられ、養育費だけが送られてくる生活に嫌気がさしたのか仔犬を撃ったプラトー。

やがてジムの両親フランクとキャロルが迎えにきたものの、泥酔状態のジムは手の付けられない状態。この街に引っ越してきたばかりのジムは、話を聞いてくれたフレミック警部に両親への不満をこぼします。気弱な父フランクと自由人の母キャロルの一緒にいることが我慢ならないのです。

フレミック警部に「いつでも顔を出しに来い」と優しく諭されたジムはやがて態度を軟化させ、両親に謝罪。他の2人同様帰宅の運びに。帰り際に、ジムは署内で見かけた少女ジュディが落としたコンパクトを拾います。

翌日、この日はジムがこの街へ越してきて初めて登校する日でした。昨夜警察署で見掛けたジュディとプラトーとは同じ高校。ジムがジュディに声を掛けますが、彼女のボーイフレンドであるバズ率いる不良グループに目を付けられてしまいます。

その日の授業で、彼らはプラネタリウム見学へと向かいます。孤立していたプラトーはよそもののジムに親しみを感じたのか、声を掛けます。バズとは関わらない方がいいとプラトーから忠告を受けるジム。

しかし、生意気な態度をみせるジムにバズら不良グループが絡んできます。ジムを待ち伏せし、ナイフで決闘する羽目に。

ジムの思わぬ強さにひるんだバズ。プラネタリウム館の守衛の仲裁でその場は事なきを得たものの、このままでは収まらないバズは、今夜8時にチキンレースで決着をつけることを提案して二人は別れます。

ジムの父フランクが食事の支度をしていたところへ、ジムが帰宅。父のエプロン姿に幻滅するジム。チキンレースに行くべきかを遠回しにアドバイスを求めるも、日和見的で煮え切らない父の態度にジムは家を飛び出します。

一方、家に帰ったジュディは父親にキスをせがみます。拒んだ父に無理やりキスをしたジュディは、殴られてしまい、彼女も家を飛び出したのでした。

以下、『理由なき反抗』ネタバレ・結末の記載がございます。『理由なき反抗』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

2人が向かった先は、崖のそばのバズとの約束の場所。チキンレースに挑もうというのです。崖に向かって車を並走させ、先に車を止めるか降りてしまうかした方が負けという度胸を競う危険なゲームです。

レースが始まりました。根性を見せたジムは崖ギリギリまで車を進め、何とか飛び出すことに成功。一方のバズはドアの取っ手に上着の袖が引っ掛かったことで手こずり、そのまま車ごと転落していったのです。

怖くなった不良グループの連中は途端に逃げ出し、ジムは居合わせていたプラトーと共にジュディを連れて車でその場を去ります。

ジュディを家まで送ると、警察署で拾ったコンパクトを手渡し二人は別れます。バズのボーイフレンドだったジュディはショックを受けながらも、ジムの優しさに心惹かれていきます。

家に戻ったジムは、両親に正直に打ち明けました。しかし、危険なことをしでかすことを分かっていて止めなかった父をなじる母の姿や、警察に届けるべきだと主張するジムを保身のために必死で止めようとする父の態度に、ついにジムが爆発してしまいます。

父親の胸倉をつかみ、床に押し倒してしまったのです。そしてそのまま家を出ていくジム。フレミック警部に会い行くも、不在のため会えずじまいでした。

その帰り道、ジュディに出会ったジムはプラネタリウム館の近くにある廃墟へと向かいます。この場所は、誰も知らない秘密の隠れ家としてプラネタリウム見学の時にプラトーから教わっていたのです。

一方その頃、バズの手下たちは今晩の事件の口封じをするため、プラトーを待ち伏せしていました。彼らに捕まったプラトーは、アドレス帳を脅し取られてしまいます。

ジムの家へと向かうバズの手下たちを、拳銃を手に追うプラトー。手下たちは父フランクを脅して居場所を聞き出そうとするも、上手くはいかず。追いかけてきたプラトーは、ジムがいないことに気付き、居場所を確信。フランクたちは警察に通報します。

その後廃墟で合流した3人。眠ってしまったプラトーを尻目に、別の部屋で熱い抱擁に耽るジムとジュディ。

しばらくの後、部屋に一人でいたプラトーにバズの手下たちが襲い掛かります。ジムの車を発見した彼らがここまで辿り着いていたのです。襲われたプラトーは持っていた銃で応戦。一人を撃ってしまいます。

動揺するプラトーの下へと駆け付けるジム。置き去りにされたという思い込みから精神的に追い込まれていたプラトーはジムを責め、プラネタリウム館へと逃げ込み、立て籠もります。そして彼を追うジムとジュディ。

その頃付近では、通報を受けた警察が一帯を包囲していました。ジムの両親やフレミック警部も到着し、拡声器で説得を試みますが、プラトーはこれに応じません。

中へと侵入することに成功したジムとジュディがプラトーに接触。ジムへの信頼感からか、安心したプラトーの拳銃から弾丸を抜くことに成功します。

外へと出る3人。しかし、プラトーが拳銃を所持していることを発見した警察によって、彼が射殺されてしまいます。

銃弾は抜かれていたのに…。悲痛な叫びと共に泣き崩れるジム。そして、そんな彼を抱きしめる父フランク。こうして、ほんの24時間の出来事に幕が下りたのでした。

映画『理由なき反抗』の感想と評価

Leeのブルーデニム、Hanesの白いクルーネックTシャツ、McGREGORの赤いジャケット、Converseのスニーカー…人々の頭の中でイメージされるジェームズ・ディーンの姿。

それは『エデンの東』でもなく、『ジャイアンツ』でもなく、この『理由なき反抗』に他なりません。高い演技力に加え、圧倒的なまでの存在感を放つディーンを存分に味わえるのがこちらの作品です。

また、ディーンと共にこの作品自体が高く評価されているのは、この作品が訴えるテーマ性によるところが大きいのかも知れません。

大人に対して、また社会全体に対しての不満の捌け口を探していた当時の若者たち。そんな彼らの気持ちを代弁してくれたのが、ジムであり、ジュディであり、プラトーなのです。

気弱で意志薄弱の父を持つジム。父の愛に飢えているジュディ。親からの愛情をお金という形でしか受け取れないプラトー。

彼らの反抗は起こるべくして起こったのです。それは決して理由なきものではありませんでした。『理由なき反抗』という言葉はあくまで大人の目線で見たものであり、理由はしっかりとそこにあったのです。大人がそれに気付いていないだけなのです。

こうした親(特に父親)の子に対する無理解・無関心といったテーマ性が多くの共感を呼んだことで、信仰にも似たジェームズ・ディーン伝説を生み出すに至ったのかもしれません。

公開から半世紀以上もの年月を経ているにも関わらず、こういった家族が抱える問題にさほど変化は起こっていないというのが現状です。ぜひとも親子でこの作品を観て頂き、お互いの心の内側にある言葉をぶつけ合ってみてはいかがでしょうか?

まとめ

とかくジェームズ・ディーンにのみ焦点があたりがちのこの作品ですが、他にも注目して頂きたいポイントをいくつかご紹介。

視覚的なイメージを前面に押し出すことで、余計な説明を省いたニコラス・レイ監督の演出手腕や、アカデミー賞にノミネートされるほどの評価を受けたサル・ミネオ(プラトー)のリアルな演技。さらには、不良グループの一人として若干18歳のデニス・ホッパーが出演していることなどなど。(次作『ジャイアンツ』でもディーンと共演)

とはいえ、ジェームズ・ディーンの存在なくして『理由なき反抗』を語るのは非常に難しいのは否めないというのが正直なところです。

そんなジェームズ・ディーン人気は、2015年にアントン・コービン監督、デイン・デハーン主演の伝記映画『ディーン、君ががいた瞬間』が公開されるなど、まだまだとどまる所を知らずといった感じです。恐るべし…ジェームズ・ディーン!

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