モーツァルト生誕260年記念の本作『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』。
あの名作『アマデウス』に続き、遂に新たなるモーツァルト映画の誕生。1787年のプラハを舞台に天才音楽家を巡る愛と、またしても陰謀が錯綜するのか?
音楽ドラマ『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』は、12月2日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか順次劇場公開!
CONTENTS
1.映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』の作品情報
【公開】
2017年(イギリス・チェコ映画合作)
【原題】
Interlude in Prague
【脚本・監督】
ジョン・スティーブンソン
【キャスト】
アナイリン・バーナード、モーフィッド・クラーク、ジェームズ・ピュアフォイ、サマンサ・バークス、デブラ・カーワン
【作品概要】
モーツァルトがプラハにて名作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」を初演したという史実を基にプラハの上流階級の闇で繰り広げられた愛と嫉妬の渦巻く陰謀にまみれた様を描いた作品。
主人公モーツァルト役を『ダンケルク』のアナイリン・バーナードが演じ、スザンナ役を『高慢と偏見とゾンビ』のモーフィッド・クラーク、サロカ男爵役を『ハイ・ライズ』のジェームズ・ピュアフォイが務めます。
2.映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』のあらすじ
1787年、プラハはオペラ「フィガロの結婚」の話題で持ちきりでした。
上流階級の名士たちは晩餐の際に、モーツァルトをプラハに招き入れて新作を作曲させることを決めます。
その頃、モーツァルトは三男を病気で亡くし失意のどん底にいました。
そんな陰鬱な記憶に満ちたウィーンを逃れるために、彼は喜んでプラハに向かいます。
友人ヨゼファ夫人の邸宅に逗留して、「フィガロの結婚」のリハーサルと新作オペラの作曲に勤しむモーツァルト。
やがて彼はオペラ「フィガロの結婚」のケルビーノ役に抜擢された若きオペラ歌手のスザンナと出会います。
モーツァルトはスザンナの美貌と才能に一目で魅了されてしまいました。
一方のスザンナも、モーツァルトが妻帯者と知りつつも、彼の才気溢れた天才ぶりに引き付けられずにはいられなかった。
2人は急速にその距離を縮め惹かれあっていきます。
しかし、オペラのパトロンであり、猟色家との噂のあるサロカ男爵もまた、毎度のように育成したスザンナを狙っていたのです。
3人の思惑が愛と嫉妬と陰謀の大きな渦となって命と才能が引き込まれていく…。
3.映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』の感想と評価
映画ファンなら誰もが知るアカデミー賞8部門受賞作した名作『アマデウス』は、1984年制作の作品。
それから久々に登場して本格的にモーツァルトを主人公に描いた映画の誕生です。
今回はモーツァルトがプラハで「ドン・ジョヴァンニ」を初演したという史実を基に、華麗なる恋と陰謀のストーリーが“百塔の都”プラハの上流階級を舞台に繰り広げられます。
主演のモーツァルトには、2017年に公開された『ダンケルク』にも出演する新進気鋭の俳優アナイリン・バーナード。
世紀の天才に才能を認められつつも悲運の歌姫となったスザンナ役に、『高慢と偏見とゾンビ』のモーフィッド・クラークが愛らしくも美しくオペラ歌手を演じています。
また、悪の男爵サロカを『ハイ・ライズ』の名優ジェームズ・ピュアフォイが演じ、重厚な演技力で観客の感情を逆撫でする名演を見せます。
中世の街並みが色濃く残るプラハ市でオールロケを敢行し、チェスキー・クルムロフ城劇場をはじめ、実際にモーツァルトが訪れた市街や建物を映画の舞台として再現しました。
特に本作を観たあなたはいくつかの場面で、雪が舞う自然の様子に、まるで街並みがスノードームの中にあるような、幻想的かつ静寂な儚さを目撃することでしょう。
そして稀代の天才として知られるモーツァルト。
本作では彼は鼻歌交じりに楽曲を嗜み作曲する姿ではなく、等身大の人間として描くことに重点を置きます。
どのような状況で、そしてどんな表情でモーツァルトは新曲オペラ「ドン・ジョヴァンニ」を書き上げたのか。
そしてタクトを振ったモーツァルトは何を思い誰のために指揮をしたのでしょう。
モーツァルトファンやクラッシック好きにはたまらない新作公開です!
まとめ
本作では物語の鍵となるオペラ「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」を初めとする音楽を演奏したのは、プラハ市立フィルハーモニー管弦楽団。
1934年に指揮者のルドルフ・ペカーレクによって創立され、チェコのプラハを拠点とするオーケストラです。
活動のスタイルを「フィルム、オペラ、コンサート」と定義したことで、略称“FOK”交響楽団として知られています。
チェコスロヴァキア放送での定期的な出演により名を広めつつ、ヴァーツラフ・スメターチェクが大規模な交響楽団へと育み、1942年より首席指揮者として30年ものあいだ率いて、国際的な名声を得たオーケストラへと発展させました。
また、1952年にプラハ市の公認オーケストラとなり、“首都プラハの交響楽団FOK”として国内のみならず、近隣ヨーロッパをはじめ、南米やアジアといった海外各国まで訪れては音楽を披露しています。
本作を観る者の視覚のみならず、聴覚を楽しませてくれる挿入楽曲の演奏を、“FOK”のプラハ市立フィルハーモニー管弦楽団が行ったことで、映画の魅力は倍増。
今冬一番の歴史ロマン音楽ドラマとして完成度の高い芸術作品となっています。
さらには、『ジム・ヘンソンの不思議な国の物語』で知られるジョン・スティーブンソン監督の人間味ある細やかな演出も注目です。
映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』は2017年12月2日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー!