映画『グッバイ、リチャード!』は、2020年8月21日(金)ヒューマントラスト渋谷ほか全国順次公開!
映画『グッバイ、リチャード!』は、ジョニー・デップ演じる余命180日と宣告された大学教授が、残された時間をありのままに生きることで、自分らしく生きることの意味を見つめ直すヒューマンドラマです。
突然余命を告げられた大学教授・リチャードを演じるのは、ゴールデングローブ賞をはじめ数々の賞に輝くハリウッドを代表する名俳優であり、ファッション・アイコンとしても世界中で支持を受けるカリスマ、ジョニー・デップ。
監督は、本作で長編二作目となる新鋭監督ウェイン・ロバーツ。作品に花を添える共演者の一人として、ゾーイ・ドゥイッチがいます。ジョニー・デップ初主演映画から30年目にして、インデペンデント映画主演への回帰作となる作品です。
CONTENTS
映画『グッバイ、リチャード!』の作品情報
【日本公開】
2020年(アメリカ映画)
【監督】
ウェイン・ロバーツ
【キャスト】
ジョニー・デップ、ローズマリー・デウィット、ダニー・ヒューストン、ゾーイ・ドゥイッチ、ロン・リビングストン、オデッサ・ヤング
【作品概要】
ジョニー・デップのインデペンデント映画回帰作として力の入った本作。
プロデュースを務めたのは、第82回アカデミー賞6部門受賞の『ハートロッカー』(2008)プロデューサーのグレッグ・シャピロ。その他に『デトロイト』(2018)『チャイルド44森に消えた子供たち』(2015)『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)等担当しているベテランプロデューサーです。
監督のウェイン・ロバーツはオリヴィア・クック主演の『グッバイ、ケイティ』(2016)がマンチェスター映画祭など数々の映画祭で称賛され、本作で長編二作目となる新鋭監督です。
作品に花を添える共演者の一人として、ゾーイ・ドゥイッチ(クレア役)がいます。1994年11月10日生まれ。映画『ヴァンパイア・アカデミー』(2014)『エブリバディ・ウォンツ・サム!!世界は僕らの手の中に』(2016)『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』(2019)などで主人公やヒロインを務め、人気作『ゾンビランド:ダブルタップ』(2019)にも出演する注目の若手女優です。
また、娘役を務めるのはエルマガジンで「オーストラリアで最も明るい新星」と称され注目を集めている女優オデッサ・ヤング。1998年1月11日生まれ、オーストラリア出身。出演作は『アサシネーション・ネーション』(2018)『スィ―ト・ヘル』(2017)。
映画『グッバイ、リチャード!』のあらすじ
大学教授のリチャードは肺がんの為、余命180日と宣告されます。
妻と娘にはタイミング悪く、逆にそれぞれからカミングアウトをされ病気のことを打ち明けられずじまいになってしまいました。
残された余生を好きに生きようと決心したリチャードは自分の講義中に酒を飲んだり、マリファナを吸ったり、やりたい放題に振舞います。
真摯に想ってくれている親友や愛する娘、慕ってくれる学生との時間を過ごす中で自分の人生の意味を見つめなおすリチャード。そんな彼に死期が少しずつ迫ります。
映画『グッバイ、リチャード!』の感想と評価
ブラックジョークが効いた終活ストーリー
余命180日を宣告されたリチャードは何度も「ファック」と呟きます。絶望し落胆する姿よりも開き直ったように自分の死や境遇をいじるようなセリフが印象的で、ジョニー・デップのコミカルな演技の絶妙さは笑いを誘います。
シリアスなテーマながらも重さを感じることなく観られるのは本作の魅力の一つでしょう。
リチャードは最初の講義で、ただ単位が欲しいだけの学生や学ぶ姿勢が見られない学生に出ていくよう命じます。
講義中に酒を飲み、生徒と一緒にマリファナを吸う。型破りな方法で教鞭を振るうリチャードは、投げやりにも見えますが、大人の建前を取り払った彼の態度や発言が学生たちにダイレクトに響く様子はスカッとするし、思うままに好きに生きるリチャードの姿はあまりにも自由で羨ましくなるほど。
自分の気持ちに正直に、一瞬一瞬を楽しむことに全力を注ぐことこそ生きる喜びだと感じさせてくれます。
後半になるにつれて死が迫り、シリアスな雰囲気が増していきますが、最後までリチャードの思惑通りだったような印象を受けました。
自分の人生は自分の好きに生きたい、自分の愛する人に囲まれて。そんなストレートながら人生の神髄に迫るメッセージが込められた作品でした。
ジョニー・デップの魅力再発見
今年で57歳を迎えるジョニー・デップですが、本作では今だからこそ出せた渋さと味わいを感じられました。
プライベートでは元パートナーであるヴァネッサ・パラディとの娘(リリー=ローズ・メロディ)と息子(ジョン・クリストファー)をもち、元妻(アンバー・ハード)との離婚裁判が取りざたされてるデップ。
作中で夫婦関係に辟易する表情にはどうしても実体験からくる説得力のようなものを感じざるを得ません。また、娘を包容力のある愛で思いやる姿から優しいパパの顔が垣間見えます。
そして学生とのダイナーでのシーンでは、歳を重ねたデップの色気がまだまだ健在であることが証明されています。短いシーンですがファンならずとも必見です。
バラエティ豊かなジョニー・デップの略歴
ジョニー・デップといえばティム・バートンとの長年にわたるタッグ作品が印象的な俳優でしょう。
『シザーハンズ』(1990)をはじめ、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)や『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(2007)、『アリス・イン・ワンダー・ランド』(2010)『ダークシャドウ』(2012)など奇抜なビジュアルのキャラクターが目立っていました。
また、代表シリーズともいえる「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでは、2003年の1作目からジャック・スパロウ役を演じ、そのオリジナリティ溢れる魅力が世界中から人気を集めています。
最近では白塗りの奇人もしくはジャックスパロウとしてのイメージが強いのですが、過去には、実在の映画監督の伝記映画でデップがゴールデングローブ賞ほか数々の賞にノミネートされた『エド・ウッド』(1994)や、実在の犯罪者ジョン・デリンジャーを描いた『パブリックエネミーズ』(2009)などシリアスな映画にも出演しています。
レオナルド・ディカプリオとの共演作『ギルバートグレイプ』(1993)や、パントマイムを用いた妙演を見せた『妹の恋人』(1993)、アカデミー賞主演男優賞ノミネート作品『ネバ―ランド』(2004)などヒューマンドラマで見せる彼の演技力は確かなものです。
初主演映画『クライベイビー』(1990)の公開から30年の節目の年を迎え、本作でインデペンデント映画への回帰を果たしたデップ。彼の魅力を堪能できる作品になっています。
まとめ
映画『グッバイ、リチャード!』は、ジョニー・デップのチャーミングな色気と皮肉なジョークにニヤリとしつつ、豊かな生き方について考えさせられるヒューマンドラマ。
シリアスなテーマながら決して重くないので、気負いせず観ることができる作品です。
映画『グッバイ、リチャード!』は、2020年8月21日(金)よりヒューマントラスト渋谷ほか全国順次公開!