映画『のぼる小寺さん』は2020年7月3日(金)ロードショー
映画『のぼる小寺さん』は、ボルダリングに青春をかけるヒロイン小寺と彼女に影響を受け、自分の青春時代を燃やす“何か”を見つける若者たちの姿を描いた青春劇です。
監督は古厩智之、脚本は吉田玲子という青春劇の達人が、珈琲による話題のコミック『のぼる小寺さん』を映画化しました。
ヒロイン小寺には元「モーニング娘。」のメンバーでその後女優に転身、特撮モノ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で注目を浴びた工藤遥。映画初主演を務めます。
共演に『悪の華』『東京ラブストーリー』の伊藤健太郎、『恋はつづくよどこまでも』『十二人の死にたい子どもたち』の吉川愛、鈴木仁、小野花梨など。
映画『のぼる小寺さん』の作品情報
【公開】
2020年(日本映画)
【原作】
珈琲
【脚本】
吉田玲子
【監督】
古厩智之
【キャスト】
工藤遥、伊藤健太郎、鈴木仁、吉川愛、小野花梨、両角周、田中偉登、中村里帆、小林且弥
【作品概要】
「珈琲」による話題のコミック『のぼる小寺さん』を古厩智之監督、吉田玲子脚本という青春劇の達人が映画化しました。ボルダリングに青春をかけるヒロイン小寺と彼女に影響を受け、自分の青春時代を燃やす“何か”を見つける若者たちの姿を描いた青春劇。
ヒロインの小寺役に工藤遥、共演に伊藤健太郎、吉川愛、鈴木仁、小野花梨など若手注目キャストが揃いました。
映画『のぼる小寺さん』あらすじ
クライミング部に所属している小寺さんは大好きなボルダリングに夢中。小寺さんは何事にも一生懸命だけど、球技は苦手で、鉛筆はナイフで削る風変りな一面の持ち主です。
卓球部員としてクライミング部の練習風景を隣で見ている近藤。
なんとなくやる気もなく部活に所属していた近藤でしたが、自分の目標・目の前の壁に対して一心不乱に挑み続ける小寺さんの姿を見て徐々に影響を受け、知らず知らずのうちに小寺さんに惹かれていきます。
しかし、小寺さんの独特の存在に惹かれていたのは近藤だけではありません。中学から小寺さんと同じ四条、ネイルが趣味で不登校気味のギャル系女子梨乃、密かに小寺さんの姿を写真に収め続けるありか。
小寺さんの不器用だけど一生懸命な姿に影響を受けて、周りの人たちの心もまた動き出していきます。
映画『のぼる小寺さん』の感想と評価
映画『のぼる小寺さん』をはじめ、『ロボコン』(2003)『武士道シックスティーン』(2010)などの古厩智之監督と『きみと、波にのれたら』(2019)『映画聲の形』(2016)の脚本を手掛けた吉田玲子のコンビが新たに送り出す青春劇です。
原作はコミックということもあって、過去にも数多くあった学園モノ、青春モノとカテゴライズされがちですが、この『のぼる小寺さん』はこれまでの作品とは一線を画すといいますか、一味違う映画に仕上がっています。
約4カ月のトレーニングを経て本格的にボルダリングに挑む工藤遥の独特の存在感、この世代では頭一つ抜けた感のある若きテクニシャン伊藤健太郎、子役時代のイメージを脱却して新たなステージに入りつつある吉川愛などなど、ホープという言葉がぴったりな面々が揃いました。
映画の中で白眉にあたるのは文化祭のシーンでしょう。小寺さんの純粋さ、シンプルさを一瞬で表すシーンで、クライマックスでも何でもない一風景の描写ですが、とても心に響きました。
まとめ
他人から見れば無駄に見えるかもしれないモノに熱中する青春という時代。時に無駄な努力として切り捨てられることもありますが、この映画『のぼる小寺さん』はそんな青春時代を全肯定してくれる映画です。
進路調査票にプロのクライマーと素直に書いてしまう小寺さん。とりあえずはそれを目指してみますと言い切る小寺さん。
工藤遥の好演もありますが、この突き抜け感はとても心地よく、周りの人間が彼女にいい意味で影響を受けるのもわかる気がします。
また、その時、小寺さんがある方向に変にあれこれ言ったり導いたり、諭したりしないのも好感が持てます。とても爽やかな風が吹くような映画で、今年の一本に選びたくなる作品になりました。
映画『のぼる小寺さん』は2020年7月3日(金)ロードショー。