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映画『最初の晩餐』ネタバレ感想とレビュー評価。キャストの演技力で昨今の家族問題に根源的なあり方を示唆

  • Writer :
  • 伊藤博章

常盤司郎監督が満を持して演出を務めた長編デビュー作。

父の死をきっかけに暴かれる家族の秘密と再生が描かれます。

監督の常盤司郎は、サザンオールスターズのドキュメンタリー映画で注目され、CMやミュージックビデオで活躍してきました。さらに、短編映画では国際的な評価も受けてきました。

キャストには、染谷将太、戸田恵梨香、窪塚洋介、斉藤由貴、永瀬正敏。日本を代表する実力の演技派が集結しました。

今回は家族の根源的なあり方を描いた『最初の晩餐』をご紹介します。

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映画『最初の晩餐』の作品情報


(C)2019「最初の晩餐」製作委員会

【公開】
2019年(日本映画)

【監督】
常盤司郎

【キャスト】
染谷将太、戸田恵梨香、窪塚洋介、斉藤由貴、永瀬正敏、森七菜、楽駆、牧純矢、外川燎

【作品概要】
ある家族の再生を描いた涙溢れる感動の物語です。演出を務めた常盤司郎監督の長編デビュー作。

染谷将太が主人公の麟太郎役を演じるほか、姉の美也子役を戸田恵梨香、兄のシュン役を窪塚洋介、両親役を斉藤由貴と永瀬正敏が務め、実力派のキャストが集結しました。

撮影は『昼顔』『今夜、ロマンス劇場で』『億男』で知られる山本英夫が担当。

映画『最初の晩餐』のあらすじとネタバレ


(C)2019「最初の晩餐」製作委員会

久しぶりに田舎に帰ってきた麟太郎は、フリーのカメラマン。父・日登志の死をきっかけに、田舎に帰ってきました。

葬儀の準備を進める中、通夜ぶるまいの弁当が届かないというトラブルが発生。困惑する姉の美也子。そんな中、母・アキコから「通夜ぶるまいの弁当は私がキャンセルしてしまった」と、予想外の言葉が告げられます。

そして、更にアキコから「亡き父からの遺言で、料理は私が作る」と、驚きの告白が告げられます。

やがて、最初の料理が麟太郎、美也子、他の親戚たちの元に運ばれてきました。それは『目玉焼き』でした。

それを食べた麟太郎は、あることを思い出します。目玉焼きは日登志が初めて作ってくれた料理で、麟太郎は20年前、彼らが家族になった日のことを思い出しました。

20年前。日登志とアキコは互いに再婚で家族となりました。麟太郎は当時7歳、美也子が当時11歳。

アキコはシュンという17歳の息子を連れてやって来ました。こうして、日登志、アキコ、シュン、美也子、麟太郎は家族になりました。

5人が家族となった日、一家をピンチが襲います。アキコが虫垂炎で緊急入院をしてしまいました。そんな中で日登志がアキコに代わって子供たちに作ったのが目玉焼きでした。

目玉焼きに続いて料理が次々と運ばれて来ます。合わせ味噌の味噌汁、骨の抜かれた焼き魚、焼き芋、父が山で焼いてくれたピザ。それらは全て、彼ら家族が絆を強めた料理の数々です。

麟太郎と美也子は、家族5人が絆を強め「家族になっていった」瞬間を思い出しました。そんな中、次の料理の準備が始まります。

次の料理は『餃子』でした。それは家族の記憶に暗い影を落とす、ある出来事を思い出させる料理だったのです。

5人が家族になって5年が経ったある日、家に一本の電話が入りました。電話を受け、崩れ落ちるアキコ。その後すぐに、アキコは黙ってどこかに出かけてしまいました。

アキコが戻ってきたのは1週間後。彼女は何が起きたのか何も語りません。家族の秘密としてアキコと日登志の胸の中に秘められたのです。

その日以降、家族の間には亀裂が入りました。その後、兄弟でただ一人事実を伝えられたシュンは家を去ってしまいました。麟太郎と美也子はそんな辛い記憶を思い出しました。

やがて、通夜ぶるまいも残り一品となった時に、ある人物が現れます。それは、家を出ていたシュンでした。そして彼は、母に代わり最後の通夜ぶるまいの支度を始めたのでした。

最後の通夜ぶるまいをきっかけに家族の秘密が明らかになっていきます。

以下、『最初の晩餐』ネタバレ・結末の記載がございます。『最初の晩餐』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2019「最初の晩餐」製作委員会

シュンがふるまった料理は、すき焼きでした。すき焼きは父とシュンが最後に一緒に食べたものだったのです。

すき焼きを食べ終えた麟太郎と美也子は、アキコに父の部屋へと呼ばれます。アキコは「父とは不倫関係にあった」と、家族の秘密を語り始めるのでした。

アキコは日登志と出会い、2人は恋に落ちてしまいました。そして2人は家族になることを決めました。しかし、アキコにはある秘密がありました。

アキコには結婚している夫が既にいました。彼女の夫は重い病気で、長い間意識不明の状態でいました。そのことを日登志にもアキコは隠し続けていました。

そして、ある日の電話は、アキコの夫が入院していた病院からで、夫が亡くなったという連絡でした。

その時に初めて、アキコは自分には別に夫がいることを日登志に告げました。アキコの秘密を受け入れた日登志は、そのことを秘める決意し、しかし、ただ一人、シュンにはそのことを伝えていました。

家族の秘密を知った麟太郎と美也子は、動揺と怒りを隠せませんでした。重い空気の中で、アキコは「後悔はない」と発します。

不倫という形ではあったが、決して日登志や子供たちとの出会いや、彼らと過ごした時間に後悔はないとアキコは告げました。

アキコからの強い愛を感じた麟太郎と美也子は、アキコのことを許し、家族の絆を再度強めました。

通夜の翌日、彼らは写真を撮ります。そこには、紛れもなく強い絆で結ばれた家族の姿がありました。

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映画『最初の晩餐』の感想と評価


(C)2019「最初の晩餐」製作委員会

「家族って何だろう?」そんな、疑問を抱く人は多いときっと多いことでしょう

家族の多様性が多くなっている昨今においては、この疑問への答えを出すことが更に難しくなっています。

そんな疑問について、「最初の晩餐」では最も根源的な回答を観客に提示してくれていました。

それは「家族とはなにかは分からない。ただ、離れようとは思えない。」というものでした。

例え、血の繋がりがなかったとしても、どこかで通じ合ってしまう。そして、決して離れようとは考えられない関係。

血縁や肩書きは関係がなく、離れようとは考えられない関係。それこそが家族なんだと「最初の晩餐」では提示されていました。

家族について描く映画はいつの時代にもあり、また核家族化が進み、その関係に希薄さの溝が増えた昨今に、問題定義を示した本作です。

最も根源的な回答を描いている『最初の晩餐』では、見ている最中には、自分の家族との絆を感じる些細な記憶が、いろいろと頭を巡ることでしょう。

本作を観ることで、「“家族”とは何なのか?」について考える優しい時間になることは間違いありません。

まとめ


(C)2019「最初の晩餐」製作委員会

今回は常盤司郎監督による『最初の晩餐』を紹介しました。この作品は、家族の秘密と再生を描いた涙溢れる感動の映画でした。

その感動の物語を、美しい映像と俳優たちの見事な演技が彩ってくれています。

最も根源的な家族の姿を捉えた『最初の晩餐』を鑑賞することで、自分自身の家族を重ね合わせて思い見ることをオススメいたします。

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