Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2020/04/12
Update

『騙し絵の牙』原作小説ネタバレと結末までのあらすじ。塩田武士が大泉洋をイメージして執筆に取り組む|永遠の未完成これ完成である12

  • Writer :
  • もりのちこ

連載コラム「永遠の未完成これ完成である」第12回

映画と原作の違いを徹底解説していく、連載コラム「永遠の未完成これ完成である」。

今回紹介するのは2021年3月26日(金)より全国公開予定の『騙し絵の牙』です。

『罪の声』の映画化公開も待ち遠しい人気小説家・塩田武士が、大泉洋をイメージして主人公を「あてがき」した小説『騙し絵の牙』が、大泉洋本人の主演でいよいよ映画化です。

監督は、『髪の月』『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督。共演者には、松岡茉優、佐藤浩市、リリー・フランキーら実力派キャストが勢揃です。

交錯する邪推、画策、疑惑。舞台となるのは出版業界。人たらし編集長・速水が牙を剥く。仁義なき騙し合い合戦の末、速水が仕掛けた最後の大逆転劇とは。

映画公開に先駆け、原作のあらすじ、映画化で注目する点を紹介します。

【連載コラム】「永遠の未完成これ完成である」記事一覧はこちら

小説『騙し絵の牙』のあらすじとネタバレ


(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会

出版大手「薫風社」に勤める小山内甫(おさないはじめ)は、作家の二階堂大作のデビュー40周年記念パーティーに出席していました。

業界では「将軍」と異名をとる二階堂のパーティーなだけに、そうそうたるメンバーが集まっています。

「では、ここで各社の担当者から一言いただこうかな」。二階堂の無茶ぶりは有名で、トップバッター指名はお気に入りの証であり、編集者にとっては紛れもない栄誉となります。

「じゃあ、速水、君からいこうか」。二階堂が指名したのは、「薫風社」所属で今はカルチャー誌の編集長を務める速水輝也(はやみてるや)という男でした。

小山内と同期の速水は以前、二階堂の担当をしていたこともありますが、幹部でも現役でもない一介の雑誌編集長が先陣を切るという展開に、場内はざわつきます。

小山内の隣で雑談をしていた速水は、「先生、私、今、ロブスターに手をつけたところですよ」と、戸惑う幹部を他所にその場を笑いに変えました。

ロブスターを持ったまま壇上にあがった速水は、二階堂にロブスターを預け、さらに笑いを取り、「お待たせしました。薫風社の速水です」と挨拶。

「誰も待ってねぇよ!」と野次が飛び、二階堂も上機嫌です。嫌な緊張感を瞬時に和やかな笑いに変える彼の才能を、小山内はかっていました。

速水が編集長を務める月刊誌「トリニティ」は、半歩先の粋な情報を幅広い層の大人に届けるカルチャー誌で、文芸部出身の速水が物語を重視していることもあり、小説と漫画の連載を持つ稀な雑誌でした。

しかしネットが定着する現代では、社会問題やゴシップ、エンタメ情報誌や新聞は、電子化に移行し、雑誌がとにかく売れない時代です。雑誌「トリニティ」も売上に伸び悩みを抱えていました。

そんなある日速水は、編集局長の相沢徳郎に、行きつけの蕎麦屋の個室に呼び出されます。ここでの密談は初めてではありません。

速水の嫌な予感は的中し、相沢は雑誌「トリニティ」の廃刊の可能性を匂わせます。「持ってあと1年や」。ここから、速水の雑誌存続をかけた奔走が始まります。

雑誌の収入源は、販売、広告、コンテンツの二次利用の3つ。まずは、作家とのタイアップ広告の拡大です。

石鹸を売り出したい化粧品会社と作家・霧島哲也のタイアップ短編小説連載が決まりました。担当の篠田充は、編集の仕事に特別な思い入れもなく、察しが悪いタイプです。

石鹸にかけて「スベル」のお題が設けられた霧島の初回原稿は、面白みに欠けていました。霧島とデビュー以来の付き合いがある速水は、彼の性格を考慮し、改良点や自分の案を交え、ダメ出しと呼ばれる「エンピツ」作業に取り掛かります。

作家によっては怒りだす人もいるこの作業ですが、速水は作家と一緒に良い作品を世に出すための必要作業として、とても大事にしていました。

しかし、篠田の安請け合いで決まったスポンサー側と霧島の飲み会の席で、篠田が霧島に暴言を吐く事件が勃発します。怒った霧島は仕事を降りると言い出しました。

帰る霧島を追いかけた速水は、バリカンを掲げ頭を丸めようします。「原稿は作家の命です。それを預かるからには、編集者にも覚悟が必要です」。

速水の剣幕に霧島は、怒りを通り越し、笑ってしまいます。「速水さんに言われれば仕方がないね」。

どうにか危機を乗り越えた「トリニティ」。新たに人気女優・永島咲の小説連載の案も出てきました。決めてきたのは、フットワークの軽さで女性エッセイストと密な関係を築く、中堅社員・高野恵でした。

恵と速水とは、いわゆる不倫関係にあります。どちらも都合の良い時だけ会うドライな関係でしたが、仕事のサポートしてくれる速水を、恵は上手く利用しているようです。

最後の一押しとして、速水は勝負にでます。将軍と呼ばれる大物作家・二階堂の新作を雑誌「トリニティ」で連載しようと二階堂を接待します。

雑誌の危機、そして小説への熱意を率直にぶつける速水に、二階堂は新しい連載を承諾します。

二階堂の新作は、長年温めてきた世界を舞台に飛び回るスパイ小説の大作です。取材費は相当な額が必要になります。

速水は相沢の紹介で、パチンコメーカー勤務の清川徹と出会います。清川は、市場分析の研究実績を買われヘッドハンティングされたという、やり手でした。

パチンコ業界にありながら、アニメ制作会社を買収し、テレビアニメや映画と遊技台との連動を計っていました。

清川は、二階堂の過去作で映像化は難しいとされていた作品のアニメ化とパチンコ台への使用許可を条件に、新作の取材費と「トリニティ」の年間広告を約束します。

二階堂がその作品を大切にしていることを知っている速水は、無理な話だと一度保留にしますが、のちに清水の策略もあり、二階堂の許可を取り付けることに成功します。

すべては雑誌「トリニティ」存続のため。すべては順調に進むかに見えた矢先、速水は思わぬトラブルに巻き込まれていきます。それは、雑誌廃刊を示す予兆となりました。

以下、小説『騙し絵の牙』ネタバレ・結末の記載がございます。小説『騙し絵の牙』をまだお読みになっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会
速水の元に、ある書店から連絡が入ります。仕事の件かと思いきや、その内容は妻の万引きでした。

妻とは仕事が忙しいのを理由に、ここ何年も向き合っていませんでしたが、娘の美紀のためにかろうじて家族を継続していたようなものです。

孤独感に苛まれ万引きをした妻から、またしても目を背けた速水は、離婚を迫られます。

さらに、仕事でのトラブルも追い打ちをかけます。会社の権力争いが激しさを増し、速水も巻き込まれて行きます。

編集あがりの専務・多田派か、利益重視の新社長派か。専務派の相沢は、雑誌「トリニティ」の電子書籍化を勧め、もはや廃刊は避けられない所まできていました。

速水は、相沢がダメならばと、多田専務に電子書籍化の取り下げを直談判しに向かいます。気もそぞろで生返事を返す多田。

しばらくして、彼の不祥事が取り正され、多田は職を失います。多田派だった相沢は、多田の辞職で態度が一変。

社長派へと寝返った相沢は、社長のお気に入りで速水の同期・秋村を押すようになります。秋村の部では、いち早く紙を切り、オンライン化へと移行していました。それは、多くの人材切りにも繋がる行為です。

さらに内部でも問題が起きます。人気エッセイスト・久谷ありさの担当をめぐり、社員同士が険悪になる中、作品の権限をエージェント会社に奪われてしまいました。

所属する作家やアーティストに変わり、出版社と条件面を交渉しスケジュールを組んでくれるエージェント会社は、昨今の流行にのっていました。

立ち上げたのは、元薫風社の漫画編集部に所属していた三島雄二。お抱え漫画家を連れ、独立した三島を良く思わない同僚もたくさんします。

久谷ありさも、三島の所に所属となりました。今後、彼女との交渉は三島を通すこととなります。歯がゆい思いは募ります。

「出世より、一編集マンとして良い小説を世に出したい」。速水の思いは届きません。

そして、中央委員会の日となりました。会社の労働組合が部の存続をかけ、経営側の執行部と交渉する場です。速水は相沢に呼ばれ、経営側に良い様に発言しろと言われていました。

相次ぐ雑誌廃刊を問い質すと題し、マンガ・雑誌・情報誌等、各部の編集マンが熱い思いをぶつけあいます。相沢は、赤字の数字を出し、電子化へ移行できない部が悪いと一括。

「自分はなぜ編集者という人生を選んだのか」。速水は何度も自分に問い続けていました。速水に発言が求められます。

「創造には途方もない時間がかかり、破壊は一瞬で事足りる。雑誌を潰すと、才能が散逸し、決して元通りにはなりません」と、編集者たちの気持ちを代弁します。自分に反発してくる速水に、相沢は不服そうです。

最後に速水は、「小説薫風」廃刊時に寄せられた読者からの手紙を読んで聞かせます。読者の想いに寄り添い、人と人とのつながりが雑誌を生み育てる。

編集者という人材を切り、紙を失くし、切り詰めて、組織の根本を弱らせる未来に何が残るというのでしょうか。「出版社なんていらないっていうことですよ」。勝負はありました。速水は、雑誌を守ることが出来ませんでした。

そして追い打ちをかけるように、速水が気にかけていた若手小説家・高杉裕也が自ら命を絶ちました。

速水は、家庭のいざこざの中、高杉からのSOSの信号を先延ばしにしていたのです。

その後速水は、雑誌「トリニティ」と心中するように会社を退職します。薫風社は優秀な編集マンを失いました。

しかし、ここからが速水輝也という編集マンの覚醒が始まります。誰もが驚き、騙された速水の裏の顔。

奇しくもその会場は、作家の二階堂大作のデビュー40周年記念パーティーが行われた同じパーティーホールでした。

あの時と同じように会場を訪れた小山内でしたが、自らもまた薫風社を退社していました。

しかし、ステージに立っているのは二階堂ではなく、株式会社「トリニティ」代表取締役社長・速水輝也でした。大勢の取材陣に囲まれ、すっかり時の人です。

速水の側には、パチンコ業界の資金と総合コンテンツ企業を併せ持つ清川徹、エージェント会社のノウハウを持つ三島雄二、薫風社で働いていた真面目な派遣社員・内橋奈美の姿があります。

そして、所属作家には将軍と呼ばれ新作に意欲を沸かす二階堂大作、三島のエージェント会社に所属していた人気エッセイスト久谷ありさ、そして女優としても活躍し小説家デビューも果たした永島咲が顔をそろえました。

速水はこれまでの人脈をフルに使い、出版業界はもとより薫風社にとって脅威となる会社を立ち上げたのです。

会社「トリニティ」は、小説家、漫画家、ノンフィクションライターなどと企画から関り、取材サポートや原稿の編集まで寄り添う「創作」、電子出版に絞り読みやすいフォーマットのメールマガジンで連載を立ち上げた「創刊」、そしてメディアミックスで、他業種との連携を計り販売力を上げる「創業」に優れた会社となりました。

速水と仲が良かった小山内も、同期の秋村も、不倫相手だった恵も、速水がいつから独立を計画していたのか見当もつきません。「騙された」。誰もがそう思いました。

小山内はずっと気になっていたことがあります。「速水輝也とは何者なのか」。不思議なことに騙された後も怒りはなく、速水に対する好奇心が募ります。

小山内は速水の出生を調べるため、滋賀県に向かいます。速水の母親・淳子を訪ねました。息子に迷惑をかけたくないと静かに暮らす淳子は、速水の幼い頃の話をしてくれました。

最初の父親はギャンブルに溺れ暴力を振るう荒くれ者でした。度々暴れる父親から逃げるように、輝也は先生の元へ身を寄せます。そこで、少年は小説と出会うのでした。

事故で父親を亡くし、母が再婚した相手は健吉という真面目な男で、働きながらも小説を書いていました。

健吉と輝也は、小説を通して絆を深めていきます。健吉の書いた小説を、輝也が細かく手を加え編集する。その作業がたまらなく好きでした。

そして、いよいよ健吉の小説が世に出るタイミングが訪れます。しかし、同時に健吉の勤める会社の不正が発覚。健吉は捕らえられてしまいます。夢半ばにして、生き別れた健吉と輝也。

速水輝也が、紙媒体にこだわり、編集マンとして良い小説にすべてを懸けてきた背景には、健吉の小説を待ち続ける息子の気持ちがあったからです。

薫風社に届いた一通の手紙、速水が中央委員会で読み上げたあの手紙は、健吉からのものだと速水は気付いていました。そして、健吉が小説を書き続けていることも。

小山内は琵琶湖を渡る観光船で速水を待ちます。現れた速水は、これまで一度も表に出さなかった関西弁を話しました。「親父の原稿にエンピツを入れたかった、会いたいんや」。

「紙はやらんのか?健吉さんが原稿をどこに送っていいのか分らんやろ?」。すべてを知った小山内が、速水に聞きます。

「結局、過去に捕らわれてたんやな。そのせいで、若い才能を失ってしまった」。速水は、若手小説家・高杉の死を悔やんでいました。

新しい出版の創造を求めなければならない。速水の出した結論は、健吉との決別を意味していました。

小山内は、速水という男は、これからの出版業者にとって、新旧をつなぐ大きな橋になると確信するのでした。

映画『騙し絵の牙』の作品情報


(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会
【公開】
2020年(日本)

【原作】
塩田武士

【監督】
吉田大八

【キャスト】
大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、斎藤工、中村倫也、坪倉由幸、和田聰宏、石橋けい、森優作、後藤剛範、中野英樹、赤間麻里子、山本學、佐野史郎、リリー・フランキー、塚本晋也、國村隼、木村佳乃、小林聡美、佐藤浩市

映画『騙し絵の牙』ここに注目!


(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会
作家・塩田武士が大泉洋をイメージして「あてがき」しただけあり、主人公の大手出版社「薫風社」の編集長・速水輝也は、実に大泉洋であります。

ものまねのレパートリーから、人たらしな人柄まで。読者は初めから大泉洋を思い浮かべながら読み進めることが容易に出来ます。

映画化にあたり、実際に大泉洋がどのように演じるのかが見どころです。そして、その他の曲者揃いの登場人物を演じるキャスティングにも注目です。

原作と映画では、登場人物名が異なるものが多く、それぞれがどのような登場の仕方をするのか楽しみでもあります。原作にはない新たなキャラは登場するのでしょうか。

大泉洋という男


(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会
大泉洋が原作の解説に当てた文章には「不思議な感覚でしたねぇ」という書き出しがあります。舞台や映画では経験があっても、小説であてがきというのは初めてという大泉洋。

「塩田さんの技量の凄さを感じたのは、僕の中にある、けっしてわかりやすくないものを掘り出してくださった所です」とも言っています。

一般的に皆が描いている大泉洋のイメージをちゃんと捕えながらも、陰の部分や期待する部分を上手く足した速水という人物。もうひとりの大泉洋の誕生とも言えるでしょう。

哀愁を背負ったダークヒーロー・大泉洋は、映画『探偵はBarにいる』シリーズを彷彿とさせるかもしれません。

映画化に向け、大泉洋は「あなたの想像どおりになるのか、それとも、あなたの想像を裏切るのか、楽しみにしていただきたい」と締めています。

白熱する会議・中央委員会

主人公の速水は、小説へ愛情と力を注ぐ真の編集長です。一方で、会社組織のなかで、権力争いに巻き込まれ、上司の命令は絶対という歯がゆいサラリーマンの一面もあります。

出世のためにコロコロ態度を変える上司・相沢に、速水は散々振り回されます。会社と作家の板挟みになり、何度も危機を乗り越えて行きます。

しかし、とうとう堪忍袋の緒が切れる時がやってきます。経営陣と現場編集者たちの交渉の場「中央委員会」です。

相沢の命令で経営陣側の援護をするはずの速水が一変、雑誌存続に向けた発言を編集者たちを代表して言ってのけます。

この演説の上手さが速水の特徴でもあります。会議は白熱し、裏切者の存在もあぶりだされます。この会議の模様は、映画でも見どころ間違いなしです。

部下のために熱い演説をする大泉洋。ドラマ『ノーサイド・ゲーム』の君嶋隼人、再来です。

騙しの爽快感

『騙し絵の牙』の面白い所は、主人公の見事な裏切りにあります。爽快感あるどんでん返しに、誰もが驚かされることでしょう。

完璧な仕上がりなだけに、騙し絵ということにすら誰も気付かない名画のように、最後まで速水の裏の顔は明かされることがありません。

むしろ、作り上げた表の顔が、非の打ちどころない完璧な人間であり、愛嬌をもって好かれる性格であるなら、騙されていたとしても怒りを感じる人はいません。

巧みな話術とスマートな立ち振る舞いで人を愉快にさせる、そんな人たらしな一面も、素の大泉洋と重なります。

映画化でどのように大泉洋が大泉洋を演じるか。気持ちよく騙してくれることを期待します。

まとめ


(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会
『騙し絵の牙』の原作の紹介と、映画化に伴い注目する点をまとめました。

映画のあらすじは、出版社「薫風社」の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。速水が編集長を務める雑誌「トリニティ」の廃刊をめぐり、無理難題が降りかけられた速水はピンチに陥ります。

原作とは少し違う展開が待っていそうな映画化で、くせ者だらけの登場人物たちがどのように暴れまくるのか。とても楽しみです。

お調子者で世渡り上手の人たらし速水が、最後に見せる裏の顔とは。巧妙な騙し絵に隠された牙を、あなたは見抜くことが出来るのか。

映画『騙し絵の牙』は、2021年3月26日(金)より全国公開です。

次回の「永遠の未完成これ完成である」は…


(C)2020「青くて痛くて脆い」製作委員会
次回紹介する作品は『青くて痛くて脆い』です。

『君の膵臓をたべたい』の映画化で注目を集めた人気小説家・住野よるの作品が再び映画化となりました。

コミュ障の田端楓と、KYの秋好寿乃の大学生2人が巻き起こす青春サスペンス小説『青くて痛くて脆い』が、吉沢亮と杉咲花主演で映画化、2020年8月28日公開予定です。

2人が世界を変えると結成したサークル、秘密結社「モアイ」。途端に秋好が、この世からいなくなってしまいます。

取り残された田端は、腐食されていく「モアイ」に怒りと憎しみが爆発。秋好の意思を継ぎ、本当の「モアイ」を取り戻そうと、田端の世界への叛逆が始まります。

映画公開の前に、原作のあらすじと、映画化で注目する点を紹介していきます。

【連載コラム】「永遠の未完成これ完成である」記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

『永遠の門 ゴッホの見た未来』映画監督ジュリアン・シュナーベルが語る【ジュリアン・シュナーベル : 息と光を捕らえ】FILMINK-vol.2

FILMINK-vol.2「Julian Schnabel: Catching the Breath and the Light」 オーストラリアの映画サイト「FILMINK」が配信したコンテンツから …

連載コラム

映画『RECCE レキ 最強特殊部隊 』あらすじネタバレと感想。アクションものとして抒情深く描かれるアンゴラ紛争|未体験ゾーンの映画たち2020見破録12

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」第12回 世界各地の映画が大集合の「未体験ゾーンの映画たち2020」は、今年もヒューマントラストシネマ渋谷で開催。2月7日(金)からはシネ・リーブル梅 …

連載コラム

『子宮に沈める』あらすじネタバレ感想と結末ラストの考察。鬱(うつ)映画として話題の日本の児童虐待/育児放棄を扱う問題作を解説する|増田健の映画屋ジョンと呼んでくれ!3

連載コラム『増田健の映画屋ジョンと呼んでくれ!』第3回 この世には見るべき映画が無数にある。あなたが見なければ、誰がこの映画を見るのか。そんな映画が存在するという信念に従い、独断と偏見で様々な映画を紹 …

連載コラム

『アポストル 復讐の掟』感想と考察。映画における「宗教」の描かれ方を考える|SF恐怖映画という名の観覧車20

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile020 『ザ・レイド』(2011)の監督として世界で有名になったギャレス・エヴァンスによるNetflixオリジナル映画『アポストル 復讐の掟』( …

連載コラム

映画『ロッキー2』あらすじネタバレと感想評価。愛する者のために男は再びリングに上がる|すべての映画はアクションから始まる15

連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』第15回 日本公開を控える新作から、カルト的評価を得ている知る人ぞ知る旧作といったアクション映画を網羅してピックアップする連載コラム、『すべての映画はア …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学