ベルリン映画祭を始め、世界各国で45以上の賞を受賞。
韓国の単館公開としては異例、公開1か月で観客動員数12万人超の大ヒットを記録した映画『はちどり』。
誰しも経験したことのあるであろう思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いた映画『はちどり』の日本公開が2020年2020年6月20日(土)に決定しました。
あわせてポスタービジュアルとシーン写真5点が解禁となりました。
映画『はちどり』について
本作の舞台は1990年代の韓国。
主人公である14歳の少女ウニ(パク・ジフ)は、何百もの世帯が暮らす無機質な姿をした集合団地で両親、姉、兄と共に生活しています。
思春期を迎え、大人の世界への興味も持ち始めていたウニは、学校にあまりなじめず、自分に無関心な大人たちに囲まれ、どこか孤独な思いを抱えていました。
そんななか、彼女は初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会い…。というストーリー。
38歳のキム・ボラ監督による初長編作品である本作は、監督自身の少女時代の体験がベースとなっています。
2018年釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門をはじめ国内外の映画祭で45を超える賞を受賞(2020年1月現在)。
2019年8月に公開され、単館公開規模ながら公開1か月で観客動員数12万人超、最終的に15万に迫る異例の大ヒットを果たし、かつて世界を熱狂させた韓国映画『息もできない』(2008年)を凌ぐ評価を得るなど、今韓国で最も話題の女性監督の一人です。
主人公・ウニは、2016年に韓国で発売されるやベストセラーとなった小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の主人公の少女時代とも重なります。
男性が優遇されることが当たり前だった時代、女性であるという理由で我慢しなくてはいけなかったこと、それがおかしいということに気がつかなかったこと…。
2つの作品に共通するのは、そんな時代に生きた女性の物語であり、声をあげようとする姿です。
そして、それは韓国の同年代の女性の共感を呼びました。
映画『はちどり』のポスタービジュアル
今回解禁されたポスタービジュアルは、主人公ウニの未来への強い意志を秘めた眼差しを捉えたもの。
「この世界が、気になった」というキャッチコピーが中心に添えられており、ウニがこれから出会う世界への希望と不安を感じさせるものになっています。
また、解禁されたシーン写真は5点。友人とともに教室で学習する様子や、放課後のデートシーン、友人とのたわいない時間など、ささやかでありふれているけれど決して忘れることのできない貴重な瞬間を切り取ったものとなっています。
映画『はちどり』の作品情報
【日本公開】
2020年(韓国・アメリカ映画)
【原題】
벌새
【英題】
HOUSE OF HUMMINGBIRD
【監督・脚本】
キム・ボラ
【キャスト】
パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ
映画『はちどり』のあらすじ
1994年、空前の経済成長を迎えていた韓国、ソウル。
14歳のウニは、両親、姉、兄と集合団地に暮らしていました。
学校に馴染めず、別の学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩女子とデートをしたりして過ごす日々。
両親は小さな餅屋を切り盛りし、子ども達の心の動きと向き合う余裕がありません。父は長男である兄に期待を寄せていましたが、兄は親の目を盗んでウニに暴力を振るっていたんです。
ウニは、自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていました。
ある日、ウニが通う漢文塾に女性教師のヨンジがやってきます。大学を休学中のヨンジは、どこか不思議な雰囲気を漂わせていました。
自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに、心を開いていくウニ。
ヨンジは、入院中のウニを見舞いに訪れ、「誰かに殴られたら黙っていてはダメ」と静かに励まします。
ある朝、ソンス大橋崩落の知らせが入りました。それは、いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯。
ほどなくして、ウニのもとにヨンジから一通の手紙と小包が届き…。
まとめ
世界で最も小さい鳥のひとつでありながら、その羽を1秒に80回も羽ばたかせ、蜜を求めて長く飛び続けるという「はちどり」。
それは希望、愛、生命力の象徴とされ、その姿が主人公のウニと似ていると思った、とキム・ボラ監督は語ります。
映画の中で、ウニは様々な感情を抱えながら、成長していきます。
この世界に羽ばたいていこうとする姿に共感し、多くの感動を呼ぶ本作『はちどり』は2020年2020年6月20日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショーです。