Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

サスペンス映画

Entry 2017/10/06
Update

台湾映画『目撃者 闇の中の瞳』あらすじとキャスト【チェン・ウェイハオ監督】

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

台湾映画『目撃者 闇の中の瞳』は、2018年1月13日(土)より新宿シネマカリテほか、全国順次公開されます。

10月1日に発表された台湾版アカデミー賞の「第54回金馬奨」の演技賞に、カイザー・チュアンは主演男優賞、メイソン・リーは助演男優賞。

また、視覚効果賞、編集賞、音響効果賞と5部門ノミネートの快挙を果たした。

1.台湾発の犯罪映画『目撃者 闇の中の瞳』とは


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

すべてが悪夢!事故車とは知らずに購入した高級車が、悪夢の連鎖を引き起こす。

©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.
ホラーやサスペンスなどジャンル映画が、この数年に渡って快進撃が続く台湾映画。

その先陣を切っているのが 33歳の新鋭監督チェン・ウェイハオ(程偉豪)。

興行・批評の両面で大成功を収めた長編デビュー作のホラー『紅衣小女孩』(日本未公開)に続く本作は、生身の人間の恐ろしさを描く犯罪スリラーです。

参考映画:チェン・ウェイハオ監督作品『紅衣小女孩』予告編

前作『紅衣小女孩』は残念ながら日本未公開ですが、この作品を見た際に、台湾発のホラー映画とは面白い監督が出てきたなと記憶しています。

チェン・ウェイハオ監督であれば、映画『目撃者 闇の中の瞳』の演出の冴えは、間違いなく観客のあなたを魅了するはずです。

2.映画『目撃者 闇の中の瞳』の作品情報


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

【公開】
2018年(台湾映画)

【原題】
目撃者 (英語題:WHO KILLED COCK ROBIN)

【脚本・監督】
チェン・ウェイハオ

【キャスト】
カイザー・チュアン、ティファニー・シュー、アリス・クー、クリストファー・リー、メイソン・リー

【作品概要】
台湾のアカデミー賞「2017年第54回金馬奨」の主演男優賞、助演男優賞、視覚効果賞、編集賞、音響効果賞と5部門ノミネートの快挙を果たした犯罪スリラー。

ある日の事故をきっかけに、過去に偶然目撃した自動車の当て逃げ事故との接点を告げられ、その事件の闇に落ちていく男の行方を描いた作品。

監督はホラー映画『紅衣小女孩』で長編デビューを果たしたチェン・ウェイハオ監督です。

3.映画『目撃者 闇の中の瞳』のあらすじ


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

2007年。新聞社の実習生シャオチーは、ある嵐の夜、郊外の山道で車同士の当て逃げ事故を目撃します。

被害者の男性は死亡、助手席の女性も瀕死の状態となります。

シャオチーは現場から走り去る逃走車を撮影しますが、記事にはならず、また犯人が捕まることもありませんでした。

時は過ぎ9年後…。


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

敏腕記者となったシャオチーは、取材の帰り道に買ったばかりの中古車をぶつけてしまいます。

破損した車を自動車修理工に見せると、その車は過去にも事故に遭っていることが判明。

さらに警察で調べたところ、以前の持ち主は9年前の当て逃げ事故の被害者でした。

シャオチーは先輩記者マギーの協力を得て、独自に事故の真相を調べ始めます。

事故の直後に失踪した被害者女性、彼女につきまとう影、消された証拠写真、そして逃走車の所有者として浮かび上がる意外な人物…。

関係者たちの証言がことごとく食い違うなか、シャオチーはある結論を導き出します。それは永久に続く悪夢の始まりだった…。

4.映画『目撃者 闇の中の瞳』の見どころ


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

この作品は、敏腕新聞記者のシャオチーは乗っている愛車が、9年前に山道で目撃した高級車2台の衝突死亡事故で、当て逃げされた事故車だったこと知り、やがて彼の周囲で起こる悪夢を描いたものです。

シャオチーをはめるために何者かが企て裏で手を引いているのか、それとも因果応報なのかと観る者を引きつけていきます。

それは当て逃げ犯、マスコミ、警察、政治家、修理工、被害者など事件に巻き込まれた者たちが証言することが、様々な思惑と嘘が入り混じっているからです。


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

また、シャオチーを悪夢の淵に立たせる“真実”を時空と視点が交錯する巧みな構成で描いたことで、ラストの瞬間まで観客の背筋を逆なでし続けています。

野心あふれる新聞記者の主人公を演じるのは、2016年の話題作『菜鳥』(原題)で台北映画祭最優秀助演男優賞を受賞した若手実力派のカイザー・チュアン。

主人公を翻弄する魔性の上司に、モデル出身で昨年の台北映画祭では『紅衣小女孩』 を含む3作品で最優秀主演女優賞に輝いたティファニー・シュー。


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

事件の鍵を握るワケありの被害者女性に、『モンガに散る』のアリス・クー(柯佳嬿)。


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

事故の真相が露になるにつれ、最初は片鱗も見せなかった本性を表していく三者三様の演技は台湾で絶賛されました。

これまでは青春映画ばかりが目立っていた台湾映画ですが、そのイメージを根底から一新させる問題作です。

チェン・ウェイハオ監督の緊張感ある映像の描写力と、予想を超えた展開は前作同様に今作でも炸裂します。

台湾発の犯罪スリラー映画『目撃者 闇の中の瞳』に注目しましょう。

まとめ


©Rise Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved.

この作品のプロデューサーはデヴィッド・タン。そのもとでこれまでにない台湾映画を作り続けるチェン・ウェイハオ監督。

監督は自ら脚本を書き下ろした渾身の一作が、彼にとっての日本公開デビューとなります。

映画『目撃者 闇の中の瞳』は、2018年1月13日(土)より新宿シネマカリテほか、全国順次公開されます。

追って当サイトで情報を紹介してまいります。ぜひ、お見逃しなく!

関連記事

サスペンス映画

【ネタバレ】パラフィリア・サークル|あらすじ感想と評価解説。夢と現実の境目を見失う予測不可能なサイコサスペンス

4人の男たちが狂気の世界を彷徨う 玉城裕規ら2.5次元舞台、ミュージカルで活躍する俳優陣がメインキャストを務めたサスペンス。 崖っぷちに追い詰められた小説家を中心に描く、4人の男たちの狂気の物語です。 …

サスペンス映画

『獣手』あらすじ感想と評価解説。バイオレンスサスペンス映画が描くのは“異形の姿”となった男と孤独な女の《壮絶な生き様》

映画『獣手』は2024年1月27日(土)より渋谷ユーロスペース公開後、6月17日より横浜シネマノヴェチェントにて上映! 失われた左手が異形ものへと変わってしまった男が繰り広げる凄惨な戦いを描く映画『獣 …

サスペンス映画

韓国映画『技術者たち』ネタバレ感想結末とあらすじ考察。キムウビンが詐欺師で欺く痛快エンターテイメント!

詐欺グループの技術力の高さに見る者も欺かれるラストの爽快さ 映画『技術者たち』は、サスペンス好きにはたまらない伏線につぐ伏線が冒頭から盛り込まれ、最後の大どんでん返しまで、一瞬たりとも見逃せないエンタ …

サスペンス映画

映画『赤い雪 Red Snow』あらすじネタバレと感想。永瀬正敏と菜葉菜が実話を基にしたミステリー作品にダブル主演!

あの雪の日、記憶からも現実からも弟は消えた。人の記憶ほど曖昧なものはない ──。 「記憶はウソをつく」榎本博明著にもありますが、記憶が必ずしも真実ではないということに焦点を置いたミステリーサスペンス映 …

サスペンス映画

映画『殺人の追憶』ネタバレあらすじとラスト結末の感想考察。犯人は誰だ⁈韓国実話の連続殺人事件をポン・ジュノ監督が描く

ポン・ジュノ監督による二番目の長編作品、東京国際映画祭アジア映画賞受賞の『殺人の追憶』 冒頭の稲穂の黄金色ではじまるシーンとエンディングが印象的な『殺人の追憶』は、『パラサイト 半地下の家族』で世界に …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学