脚本・監督:福田雄一による実写映画『ヲタクに恋は難しい』は、2020年2月7日(金)公開。
累計発行部素900万部のベストセラーコミック『ヲタクに恋は難しい』を、「銀魂」シリーズのヒットメーカー福田雄一監督が待望の実写映画化。
『銀魂』『女子ーズ』『斉木楠雄のψ難』などで、すでに福田雄一監督の世界観の住人となっている高畑充希、山崎賢人、菜々緒に加えて斉藤工や今田美桜なども出演。
もちろん、“THE福田組”(=ムロツヨシ、佐藤二朗、賀来賢人、若月佑美などなど)とも呼べる、いつも見るキャストも集結しています。
映画『ヲタクに恋は難しい』の作品情報
【公開】
2020年(日本映画)
【原作】
ふじた
【脚本・監督】
福田雄一
【キャスト】
高畑充希、山崎賢人、今田美桜、ムロツヨシ、佐藤二朗、賀来賢人、若月佑美、菜々緒、斎藤工
【ミュージカル音楽】
鷺巣詩郎
【作品概要】
ふじたによる累計発行部素900万部のベストセラーコミック『ヲタクに恋は難しい』(通称“ヲタ恋”)が『銀魂』『今日から俺は‼』のヒットメーカー福田雄一監督によって実写映画化。長編映画化に合わせて大胆に取り込まれたミュージカルパートは『シン・ゴジラ』『新世紀エヴァンゲリオン』などの音楽を担当してきた鷺巣詩郎を起用する本格仕様です。
映画『ヲタクに恋は難しい』のあらすじとネタバレ
26歳のOL桃瀬成海は、転職先のIT系企業で幼馴染の二藤宏嵩と再会します。
軽い挨拶だけでやりすごそうとうした成海ですが、宏嵩は何気ない様子でコミケにはいくのか?と聞いていきます。
その場を何とかしのいだ成海は、夜に宏嵩を呼び出します。実は、成海はBL大好きな隠れ腐女子でした。
しかし、前の職場で同僚だった彼氏にヲタバレしたことから破局➡居難くなって退職となった成海は、新しい職場ではヲタクであることを隠し通そうと決意していました。
一方の宏嵩は極度のゲーヲタですが、そのことを職場で隠す気もなく周囲の人間にも知られていまが、仕事がデキるので、あまり問題視されていません。
そこで、宏嵩はヲタク同士で付き合えば、ヲタバレなどの余計な気遣いもしないで済むし、フォローもしあえるから自分と付合えばいいのではと提案します。
ヲタバレを気にしないで良いという言葉に飛びついて交際を始めることにした成海。ところが、成海は子供ころから知っている宏嵩を“恋人”として改めて見ることに大きく戸惑います。
気軽にヲタクライフを過ごすことができると思っていたものの、そんなことよりもはるかに難しい恋という障害に悪戦苦闘することになります。それはやがて、先輩社員カップルの樺倉太郎と小柳花子を巻き込んでいきます。
恋人としての関係性を作るために、”ヲタク行動・言動禁止縛り“のデートをしたり、自宅に成海を呼んだりして“普通の恋人”としてのステップを踏んでいこうとする宏嵩ですが、それはかえって成海に窮屈な思いをさせてしまうばかりでした。
映画『ヲタクに恋は難しい』の感想と評価
福田福田雄一監督は、原作の短いエピソードの中から主役二人の恋物語のエピソードを抽出して、大きな物語の縦軸を作ったうえで、ミュージカルパートをふんだんに盛り込み右に左に話を踊らせています。
入口こそ特殊ですが、そこを超えればシンプルな恋に不器用な者たちのラブストーリーとなっていて、とても楽しめ、多幸感に溢れた映画になっています。
高畑充希と山崎賢人のキャラクターへの寄せ具合も絶妙です。
先輩カップルも含めて役者の実年齢で見るとちょっとちぐはぐな感じもあるのですが、再現度が高くてあまり気になりません。主役2人に焦点を合わせた結果、先輩カップルの出番の短さが少し物足りなくも感じるので、早くも続きが欲しくなります。
“THE福田組”が演じる映画オリジナルキャラクターも多数登場することもあるので、彼らがもっとふざける部分が見たくなります。
まとめ
「銀魂」シリーズや「勇者ヨシヒコ」シリーズの福田雄一監督のもとに、高畑充希、山崎賢人、佐藤二朗、若月佑美、賀来賢人、今田美桜、ムロツヨシ、菜々緒、斎藤工といった豪華キャストが集結しました。
基本的にはコミックの一巻の中だけでエピソードで構成されているので、全体の流れで見れば、まだスタートラインにたどり着くまでのの物語になっています。
そのため、原作に触れていなくても予備知識が要らない作りになっていて、ビギナーでも充分に入り易く楽しめる作りになっています。
短いエピソードが続く原作を長編映画にするために福田雄一監督が選んだ手段が、なんとミュージカル映画への大胆なアレンジということにも驚かされますが、『シン・ゴジラ』などの鷺巣詩郎を起用するなど本格仕様。
2007年から2012年の間、ミュージカル舞台『ピーターパン』を5年務めただけあって、高畑充希の歌唱とダンスシーンは本格的です。
2019年に『ダンス・ウィズ・ミー』や『少年たち』と言ったミュージカル邦画がありましたが、本作ではヲタク・コスプレイヤーの世界という特殊な住人が出ることで、さらに一歩踏み込んでミュージカル映画の違和感をも丸々飲み込んだような作りになっています。
また、“自分にはダンサーの血が流れていない”と悪戦苦闘した山崎賢人に加えて、先輩カップルを演じた斎藤工と菜々緒もその手足の長さをしっかりと活かして映える画を創り上げています。
程よい笑いと苦笑いが混じった娯楽作品として、充分に機能した作品となっている作品です。