MOOSIC LAB2019の受賞作品紹介
2019年11月23日~12月21日にK’s cinemaとアップリンク吉祥寺で開催され、大盛況のうちに終わった音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB2019」。
長編部門・短編部門のグランプリほか各賞がLOFT9Shibuyaで開催のクロージングイベントで発表されました。
長編部門では新鋭・金子由里奈監督の初長編『眠る虫』がグランプリの快挙を成し遂げました。
本記事では、そのほかの受賞作品についてもお伝えしていきます。
CONTENTS
MOOSIC LABとは?
「MOOSIC LAB」とは、2012年から始まった新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる映画制作企画を具現化する音楽×映画プロジェクト。
企画段階から映画作家とミュージシャン、映画と音楽との化学反応を意識的に制作、それらをコンペ形式・対バン形式で上映する異色の映画祭です。
長編部門グランプリ作品『眠る⾍』
長編部門グランプリは新鋭・金子由里奈監督の初長編『眠る虫』がグランプリの快挙を果たしました。
『眠る⾍』の作品情報
【監督・脚本】
金子由里奈
【音楽】
Tokiyo(And summer Club)
【キャスト】
松浦りょう、佐藤結良、高橋佳子、松㟢翔平、五頭岳夫、水木薫、渡辺紘文
【作品概要】
大ヒットオムニバス映画『21世紀の女の子』の公募枠200人の中からから選出され、短編『散歩する植物』がPFFアワード2019に入選を果たした金子由里奈監督が唯一無二のストレンジ・ポップな世界観で描く”死者”と”声”を巡る冒険。
『眠る⾍』のあらすじ
主人公・芹佳那子はバンド練習に向かう満員のバスの中で、魅力的なメロディーと出会います。
その歌を歌っていたのは優先席に座っていた見知らぬ老婆。
彼女は膝に小さな木箱を抱えていました。
佳那子はバンドメンバーの美那に「ごめん今日行けない」と伝え、降りるべき駅で降りずにバスに乗り続けることにするのですが…。
長編部門準グランプリ作品『ドンテンタウン』
準グランプリには2018年に『ドキ死』で短編部門グランプリを受賞した井上康平監督の作品『ドンテンタウン』が。
『ドンテンタウン』の作品情報
【監督・脚本】
井上康平
【音楽】
菅原慎一(シャムキャッツ)
【キャスト】
佐藤玲、笠松将、山本亜依、松浦祐也、牛尾竜威、岩崎咲、森田ガンツ、安楽涼、伊藤こうこ
【作品概要】
MOOSIC LAB 2018 短編部門でグランプリほか3冠に輝いた『ドキ死』の井上康平が、日本の「団地」を舞台に描く青春譚。
音楽にはシャムキャッツの菅原慎一、W主演に佐藤玲、笠松将という実力派を迎えて長編映画に初挑戦しました。
長編部門審査員特別賞・観客賞作品『眉村ちあきのすべて(仮)』
『眉村ちあきのすべて(仮)』は眉村ちあきがべスト・ミュージシャン賞、女優賞にも選出されました。
『眉村ちあきのすべて(仮)』の作品情報
【監督・脚本】
松浦本
【音楽】
眉村ちあき
【キャスト】
眉村ちあき
【作品概要】
日本を席巻中の大注目シンガーソングライター・眉村ちあきのドキュメンタリー?フィクション?
“あらかじめ用意されたストーリー”と“たったひとつの誤算”とは…?
長編部門松永天⾺賞作品『東京の恋⼈』
本作の『東京の恋人』に出演した川上奈々美は最優秀女優賞を受賞しました。
『東京の恋⼈』の作品情報
【監督・脚本】
下社敦郎
【音楽】
東京60WATTS
【キャスト】
森岡龍、川上奈々美、吉岡睦雄、睡蓮みどり、木村知貴、西山真来、辻凪子、階戸瑠李
【作品概要】
監督自身が音楽も手がける異才・下社敦郎がMOOSIC LAB初の日活ロマンポルノ的アプローチで送る逸品。
大人たちのくすぶり続きの青春と性愛、そして東京60WATTSの心震わすロックンロール・ミュージックのコラボレーションです。
短編部⾨グランプリ作品『蝸⽜』
短編部門では『蝸牛』がグランプリ、音楽のドアノブロックがベストミュージシャン賞、同ボーカルでもあ
る小日向ひなたが女優賞、諏訪珠理が最優秀男優賞の4冠を達成しました。
『蝸⽜』の作品情報
【監督・脚本】
都楳勝
【音楽】
ドアノブロック/東京○×問題
【キャスト】
諏訪珠理、小日向ひなた、弓ライカ、小川未祐、西本まりん
【作品概要】
新鋭・都楳勝監督が諏訪珠理とドアノブロックのヴォーカルにして女優の小日向ひなた(セックスフラペチーノ)がW主演しています。
性別、セックス、あらゆることが朧げな思春期特有の揺らぎをポップに突き抜けた表現で描く変態で純愛な物語。
短編部⾨準グランプリ作品『ソウル・ミュージック』
現役精神科医の副島正紀監督『ソウル・ミュージック』は準グランプリを受賞。
同作品はミュージシャン賞&男優賞と3冠を獲得しました。
『ソウル・ミュージック』の作品情報
【監督・脚本】
副島正紀
【音楽】
大島輝之、大谷能生、小山和朗
【キャスト】
大島輝之、小山和朗、大谷能生
【作品概要】
現役の精神科医という特殊な映画監督・副島正紀が、幽霊の声を録音して大島輝之&小山和朗&大谷能生という、手練れの即興音楽チームとセッションさせるという前代未聞のプロジェクトに挑戦!
果たしてその実験結果は…?
短編部⾨審査員特別賞作品
審査員特別賞には異色ドキュメンタリー『Afterimage』が選出されました。
『Afterimage』の作品情報
【監督・脚本】
大浦美蘭
【音楽】
HASAMI group
【キャスト】
街、建物、人
【作品概要】
MOOSIC LAB久々のドキュメンタリー作品を手がけるのはPFFアワード2017入選の大浦美蘭。
強烈な音を鳴らす謎の多いアーティスト“HASAMI group”の音楽を引っさげて、自身が出身の福島に生きる人たちを見つめた一作です。
まとめ
そのほかの受賞作品は『追い風』のDEGが最優秀男優賞とミュージシャン賞の2部門での受賞となりました。
また、外山文治が監督を務めた『海辺の途中』が観客賞・男優賞(大根田良樹)、女優賞(兎丸愛美)3冠を受賞。
さらに、『ビート・パー・MIZU』は主演の石川瑠華が最優秀女優賞、とけた電球がミュージシャン賞と3冠を果たしました。
MOOSIC LAB2019は年明けにアンコール上映(調整中)を経て、長編部門作品の単独の劇場公開を予定しています。
今後の開催もどうぞお楽しみください。