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Entry 2019/11/25
Update

映画『インディペンデントリビング』あらすじと公開情報。2020年春に障害者の自立生活を描くドキメンタリー上映

  • Writer :
  • 松平光冬

“生きづらさ”を抱えた人たちが“自分らしさ“を取り戻すドキュメンタリー

重い障害を持つ者に、一人暮らしはできるのだろうか?


©ぶんぶんフィルムズ

自立生活を希望する障害者たちに密着したドキュメンタリー映画『インディペンデントリビング』が、2020年1月11日(土)より大阪・第七藝術劇場にて先行上映、春に東京・ユーロスペースほかで全国順次公開されます。

映画公開に先駆け、予告編及びティザービジュアルがお披露目となりました。

映画『インディペンデントリビング』について

©ぶんぶんフィルムズ

本作は、障害者の“自立生活運動”の現状をテーマとしたドキュメンタリーです。

自立生活運動とは、障害者が地域で暮らすために何が必要なのかを、地域や社会に訴え続けて様々な法律や制度を作る取り組みのこと。

本作の監督である田中悠輝自身、2016年よりヘルパー(介助者)として働いており、実際にこの運動が持つ社会を変革する力や出会った人を元気にする場面を見てきました。

ヘルパーとして出会ってきた数多くの障害者から、自立生活運動の価値を伝える映画を作ってほしいと言われたことが本作製作のきっかけとなり、3年の月日をかけて、自立生活を希望する人たちの姿を撮影しました。

プロデューサー・鎌仲ひとみのコメント


©ぶんぶんフィルムズ

本作は、自身もドキュメンタリー監督として『ヒバクシャー世界の終わりに』(2003)、『六ヶ所村ラプソディー』(2006)などを手がけてきた鎌仲ひとみが、初の製作を務めます。

本作を発表するにあたり、鎌仲は以下のメッセージを寄せています。

本作は、ほらこんなに頑張ってるよ、健気にやっているよ、ではなく、限りなく等身大に描いています。誰だって凸凹なんだから、障害者だってデコボコでいいじゃないか、と。この作品を観た後、どこかで障害者と出会ったら、気軽に声をかけたり、普通に話せたりできるかも、と思ってもらえたらいいなぁと思います。自立って、一人で頑張ることじゃないんだ、ということをこの方たちから学びました。あちこち、不自由なことがあっても、人は心を自由にひらきながら生きることができるんです。

このメッセージからも、不自由ながらも、自分らしく生きていきたいという者たちの思いが詰まった作品となっていることがうかがえます。

映画『インディペンデントリビング』のティザービジュアル


©ぶんぶんフィルムズ

このほど解禁となったティザービジュアルは、「障害者が自立生活を選ぶ」というメインキャッチコピーが示す通り、笑顔で写る障害者たちの姿を全面にフィーチャリング。

「ぜんぶ抱えてワガママに生きる。」というコピーも目を惹く、自らの意思でたくましく、強く生きようという彼らを示すデザインとなっています。

映画『インディペンデントリビング』の予告編

予告編では、異なる障害を抱えた人たちが、それぞれの個性を尊重しながら、 「自分らしく」生きようと奮闘する姿が描かれています。

突然の病気や事故で障がいを抱えた時、どのような選択肢があるのか? と不安になったことが、誰しもある事でしょう。

映画の出演者たちは、たとえ障がい抱えたとしても 人生は終わりではなく、そこから新たに始まることもあると、身を以て示してくれています。

映画『インディペンデントリビング』の作品情報

【日本公開】
2020年(日本映画)

【監督】
田中悠輝

【製作】
鎌仲ひとみ

【撮影】
辻井潔、田中悠輝、岩田まき子、小角元哉、マット・フィールド

【編集・構成】
辻井潔

映画『インディペンデントリビング』のあらすじ

©ぶんぶんフィルムズ

大阪にある自立生活センター。

ここでは障害当事者が運営をし、日常的に手助けを必要とする人が、一人で暮らせるよう支援をしています。

彼らは先天的なものだけでなく、病気や事故などにより様々な障害を抱えながら、家族の元や施設ではなく、自立生活を希望しています。

自由と引き換えに、当然ながらリスクや責任を負うことになる自立生活は、彼らにとってまさに“命がけ”のチャレンジ。

家族との衝突や、介助者とのコミュニケーション齟齬といった課題も多く、時には挫折・失敗することもあります。

しかし、自ら決断し、行動することで、彼らはささやかに、確実に変化をしていきます――。

まとめ


©ぶんぶんフィルムズ

障害者が被写体となったドキュメンタリー映画は多数ありますが、本作『インディペンデントリビング』が特徴的なのは、当の障害者だけでなく、彼らを支えるヘルパーたちにも焦点を当てている点にあります。

監督でありヘルパーでもある田中悠輝は、以下のようなメッセージを寄せています。

今回が私にとってはじめての作品です。経験や技術が足りないなか製作チームに助けられながら完成、そして劇場公開が決定しました。これからが本当に「この運動の価値を伝える」段階になっていきます。より多くの方にこの映画を観てほしいと考えています。

本作が、自立生活運動という、あまり聞きなれない取り組みについて知る機会を与えてくれることでしょう。

ドキュメンタリー映画『インディペンデントリビング』は、2020年1月11日(土)より、大阪・第七藝術劇場にて先行上映、春に東京・ユーロスペースほかで全国順次公開です。

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