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Entry 2019/10/25
Update

仲代達矢と大林宣彦監督に特別功労賞授与が決定!【東京国際映画祭2019】

  • Writer :
  • 石井夏子

第32回東京国際映画祭は2019年10月28日(月)~11月5日(火)の9日間にて開催。

東京国際映画祭は、永年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい方々へ贈る “特別功労賞”を、俳優の仲代達矢と大林宣彦監督に授与することに決定しました。

©「帰郷」時代劇パートナーズ

仲代達矢については、黒澤明監督作品の顔として世界中に知られ、数多くの日本を代表する監督の作品にも出演し、国内外の映画祭での受賞は数え切れなく、今も現役として舞台、映画で活躍を続け、正に日本を代表する俳優であるという思いからの授与となります。

大林宣彦監督については、自主映画、CM、長編映画と長年に亘り、多彩で膨大な数の映画や映像作品を世に送り出し、今なお新たな試みにチャレンジするその存在は正に圧倒的である、という思いから授与を決定た。

本年の映画祭期間中に仲代達矢出演の映画『帰郷』は特別上映作品として上映されます。本作はフランス・カンヌMIPCOMでアジアの作品として初めてワールドプレミアに選出された史上初の8K時代劇です。

大林宣彦監督は本年度のJapan Now部門において、「映像の魔術師 大林宣彦」と題し、最新作の『海辺の映画館-キネマの玉手箱』を含む5作品の上映をいたします。

「東京国際映画祭」記事一覧はこちら

特別上映・仲代達矢出演映画『帰郷』の作品情報

【原作】
藤沢周平

【監督・脚本】
杉田成道

【キャスト】
仲代達矢、常盤貴子、 北村一輝、緒形直人、谷田歩、佐藤二朗、田中美里、前田亜季、三田佳子、橋爪功、中村敦夫

【作品概要】
フランス・カンヌMIPCOMでアジアの作品として初めてワールドプレミアに選出された史上初の8K時代劇。

作家・藤沢周平が一人の老渡世人の姿を描いた傑作短編を役者・仲代達矢をはじめ豪華キャストで映像化しました。

【特別功労賞授与日時】
11月4日(月)16:49~17:34予定
『帰郷』上映終了後、舞台挨拶中(変更になる可能性もございます)

【特別功労賞授与会場】
TOHOシネマズ六本木ヒルズスクリーン7

仲代達矢のプロフィール

©「帰郷」時代劇パートナーズ

『帰郷』に出演している俳優・仲代達矢は1932年、東京生まれ

幼い頃から映画に憧れましたが、父親が病弱で早逝したため家計は苦しく、第二次大戦下に過酷な幼少期を過ごします。

戦後、解禁となった洋画をはじめ、貪るように映画を観る青春時代の中で俳優を志し、俳優座付属養成所に4期生として入所

千田是也に師事し、『ハムレット』『四谷怪談』など多数の舞台に出演しました。

映画界では小林正樹監督に見いだされ、『黒い河』『人間の條件』『切腹』などに出演、黒澤明監督『用心棒』『影武者』『乱』、また成瀬巳喜男、岡本喜八、市川崑、五社英雄など、日本を代表する名監督の作品に多数出演し、舞台と映画を両輪としてキャリアを重ねました。

アカデミー賞と世界三大映画祭(カンヌ・ヴェネツィア・ベルリン)の全てで出演映画が受賞した実績を持っています。

近年は若き才能と組んだ作品も多く、小林政広監督『日本の悲劇』、稲塚秀孝監督『NORIN TEN—稲塚権次郎物語』など。テレビドラマの代表作では『新平家物語』『大地の子』ほか多数。

俳優を育成する私塾『無名塾』を、亡き妻・宮崎恭子(女優・脚本家・演出家)と共に1975年に設立。次代を担う俳優を数多く育て、また、塾員・塾生と共に無名塾公演で全国を巡演。

『どん底』『リチャード三世』『ドライビング・ミス・デイジー』などの舞台で、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞、紀伊国屋演劇賞、読売演劇賞ほか数々の賞を受賞しています。

Japan Now部門・大林宣彦監督映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』の作品情報

©「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」製作委員会/PSC 2020

【監督】
大林宣彦

【キャスト】
厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、成海璃子、常盤貴子

【作品概要】
映画は戦争を止められるのか?

今夜限りで閉館する最終オールナイト上映で3人の若者たちが映画の世界にタイムリープするファンタジー。

20年振りに故郷「尾道」で撮影を敢行した、圧倒的なメッセージで贈る大林宣彦監督最新作です。

【特別功労賞授与日時】
11月1日(金)19:49~20:34予定
『海辺の映画館―キネマの玉手箱』上映終了後、舞台挨拶中(変更になる可能性もございます)

【特別功労賞授与会場】
TOHOシネマズ六本木ヒルズスクリーン2

大林宣彦監督のプロフィール

©「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」製作委員会/PSC 2020

『海辺の映画館―キネマの玉手箱』監督の大林宣彦は1938年、広島県尾道市生まれ

3歳の時に自宅の納戸で出合った活動写真機で、個人映画の製作を始めました。

上京後、16㎜フィルムによる自主製作映画『ÈMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ』が、画廊・ホール・大学を中心に上映されジャーナリズムで高い評価を得ます。

『喰べた人』(1963)はベルギー国際実験映画祭で審査員特別賞を受賞。この頃からテレビコマーシャルの草創期に本格的に関わり始め、チャールズ・ブロンソンの「マンダム」、ソフィア・ローレン、カトリーヌ・ドヌーヴなど外国人スターを多数起用、その数は3000本を超えます。

1977年『HOUSE/ハウス』で商業映画にも進出。同年の『瞳の中の訪問者』と共に“ブルーリボン新人賞”を受賞。

故郷で撮影された『転校生』(1982)『時をかける少女』(1983)『さびしんぼう』(1985)は“尾道三部作”と称され親しまれています。

『異人たちとの夏』(1988)で“毎日映画コンクール監督賞”、『北京的西瓜』(1989)“山路ふみ子監督賞”、『ふたり』(1991)“アメリカ・ファンタスティックサターン賞”、『青春デンデケデケデケ』(1992)“平成4年度文化庁優秀映画作品賞”、『SADA』“ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞”、宮部みゆき原作『理由』(2004)は“日本映画批評家大賞・監督賞”、“藤本賞奨励賞”を受賞。

東日本大震災を受けた『この空の花-長岡花火物語』(2011)ではTAMA映画賞・最優秀作品賞ほか多くの賞を受賞。

最近の作品に、少年少女版『この空の花』として製作されたAKB48のPV『So long ! THE MOVIE』(2013)、北海道芦別市を舞台にしたふるさと映画『野のなななのか』(2014)等があります。

『この空の花』『野のなななのか』に続く『花筐/HANAGATAMI』(2017)は、余命宣告を受けながら完成させた大林宣彦的“戦争三部作”です。

第32回東京国際映画祭の開催概要

【開催期間】
2019年10月28日(月)~11月5日(火)

【会場】
六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)

※詳細につきましては東京国際映画祭公式サイトにてご確認ください。

東京国際映画祭とは

東京国際映画祭(通称 TIFF)は日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭です。

1985年、日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生した TIFFは、日本およびアジアの映画産業、文化振興に大きな足跡を残し、アジア最大級の国際映画祭へと成長しました。

いまや最も熱気溢れるアジア映画の最大の拠点である東京に世界中から優れた映画が集まり、国内外の映画人、映画ファンが新たな才能とその感動に出会い、交流する場を提供しています。

まとめ

©「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」製作委員会/PSC 2020

国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい映画人へ贈られる、東京国際映画祭の“特別功労賞”。

2019年の授与は日本を代表する俳優・仲代達矢と、今なお新たな試みにチャレンジする唯一無二の映画監督・大林宣彦に決定しました。

授与式でどんなコメントが聞けるのか、期待が高まります。

第32回東京国際映画祭は2019年10月28日(月)~11月5日(火)に開催です。

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