家族のために髪を切り“少年”になった勇気ある少女の物語。
第90回アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネートをはじめ、アヌシー国際アニメーション映画祭観客賞・審査員特別賞・最優秀音楽賞受賞、アニメ界のアカデミー賞と言われるア
ニー賞最優秀インディペンデント作品賞受賞。
42の国と地域、102の映画祭で上映され、数多くの観客賞を受賞した、ノラ・トゥーミーの単独初監督作『ブレッドウィナー』の日本公開日が2019年12月20日(金)と決定しました。
YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開される本作の予告編も解禁されましたのでご紹介します。
映画『ブレッドウィナー』の予告編
物語性を際立たせ、主人公パヴァーナの目の表情に恐怖や怒り、そして希望を語らせる細やかな演出によって、家族のために髪を切り“少年”になった少女の勇気ある姿に胸を打たれる本作。
おとぎ話の勇気ではなく、本当の勇気を見せ、家族が愛し合う姿をアニメーションで見せたかったという監督の思いと、常に変化していく主人公パヴァーナの作り出すドラマから目が離せない予告編となっています。
パヴァーナはノラ・トゥーミー監督自身
自らをストーリーテラーと呼ぶトゥーミー監督は、思春期、自分の居場所を見つけられずに高校を中退。
工場で3年間働いた後に、アニメーションという自分を表現する方法を発見した経験があります。
境遇は大きく違っても、自分の力で人生を切り開く主人公に、監督自身の姿が重なります。
母親でもある監督は「現実の世界には問題が山積しています。それでも、その問題に向き合い、時には他の人に微笑みかけ、誰かとつながること、問題を深く考え理解しようとすることに未来への希望があります」と語ります。
他人を思う優しさを忘れず、どんな困難の中でも生き抜くパヴァーナは、ノラ・トゥーミー監督自身でもあるんです。
映画『ブレッドウィナー』の作品情報
【日本公開】
2019年(カナダ・アイルランド・ルクセンブルク合作映画)
【原作】
デボラ・エリス「生きのびるために」(さ・え・ら書房)
【原題】
THE BREADWINNER
【監督】
ノラ・トゥーミー
【脚本】
アニータ・ドロン
【エグゼクティブ・プロデューサー】
アンジェリーナ・ジョリー
【字幕翻訳】
天野優未
【声のキャスト】
サーラ・チャウディリー、ソーマ・チハヤー、ラーラ・シディーク、シャイスタ・ラティーフ、カワ・アダ、アリ・バットショー、ヌリーン・グラムガウス
映画『ブレッドウィナー』のあらすじ
2001年アメリカ同時多発テロ事件後のアフガニスタン、カブール。
11歳のパヴァーナは、お話を作って家族に聞かせるのがとても上手な女の子でした。
しかしある日、父がタリバンに捕まり、パヴァーナたちの暮らしは一変。
女性一人での外出が禁じられているため、パヴァーナは髪を切り「少年」になって、一家の稼ぎ手(ブレッドウィナー)として町に出ます。
パヴァーナが目にした新しい世界とは?家族たちの運命は…。
まとめ
本作の制作を手がけた、アニメ制作会社カートゥーン・サルーンはアイルランドで“ポスト・スタジオジブリ”と称され、『ブレンダンとケルズの秘密』(2009)、『ソング・オブ・ザ・シー海のうた』(2014)とファンタジックな映像を手がけてきました。
本作では、綿密な調査と伝統的な2Dの手描きアニメーションによって再現されるリアルなパヴァーナが生きる世界と、切り絵のアニメーションでファンタジックに描かれる彼女が語る世界を描き、対比させています。
トゥーミー監督に助言をし、共に本作を作り上げたのは、アフガニスタンで少女たちの学校教育を支援している、女優のアンジェリーナ・ジョリー。
どんなに困難な境遇にあっても人を思いやる優しさを忘れずに、強く生き抜いていく少女の勇気の物語『ブレッドウィナー』は2019年12月20日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開です。