映画『クロール -凶暴領域-』は2019年10月11日(金)よりロードショー!
ホラー映画の巨匠であるサム・ライミが製作、『ピラニア3D』などを手掛けたアレクサンドル・アジャが監督を務めたモンスター×ディザスターを掛け合わせたサバイバル・スリラー映画『クロール -凶暴領域-』。
最大級のハリケーンのなか、人食いワニの巣窟となった自宅から、決死の脱出を試みる父娘を描いた作品です。
主人公ヘイリーを「メイズ・ランナー」シリーズのカヤ・スコデラーリオ、彼女の父を『プライベート・ライアン』のバリー・ペッパーが演じています。
手に汗握る展開が続く、『クロール -凶暴領域-』の魅力をご紹介します。
映画『クロール 凶暴領域』の作品情報
【公開】
2019年(アメリカ映画)
【原題】
Crawl
【監督・製作】
アレクサンドル・アジャ
【製作】
クレイグ・フローレス、サム・ライミ
【脚本】
マイケル・ラスムッセン、ショーン・ラスムッセン
【キャスト】
カヤ・スコデラーリオ、バリー・ペッパー、モーフィッド・クラーク、ロス・アンダーソン、チョチョ
【作品概要】
ハリケーンにより、かつてない洪水に見舞われたフロリダを舞台に、巨大ワニとの命がけの戦いを描くサバイバル・スリラー。
主人公のヘイリーに、2017年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』で、ヒロインとなるカリーナ・スミスを演じたカヤ・スコデラーリオ。
ヘイリーの父親デイブに、1998年の『プライベート・ライアン』で、ダニエル・ジャクソン二等兵を演じブレイクし、以降数々の作品に出演しているバリー・ペッパー。
また、『ドント・ブリーズ』のサム・ライミ製作のもと、『ヒルズ・ハブ・アイズ』のアレクサンドル・アジャ監督が演出を担当。
映画『クロール 凶暴領域』あらすじとネタバレ
大学で、競泳チームに所属しているヘイリー。
ヘイリーは、思うような成績が出せず、競泳チームから外され、奨学金が打ち切られる事を恐れていました。
そんな時、ヘイリーの姉のべスから連絡が入り、故郷のフロリダに超大型のハリケーンが迫っているなか、フロリダに住む父親と連絡が取れない為、べスはヘイリーに「父親の様子を見に行ってほしい」と頼まれます。
ヘイリーが、水泳を始めるキッカケを作ってくれたのは、父親のデイブでしたが、最近は何かと小言を聞かせてくる父親を疎ましく思い、ヘイリーはデイブと距離を置いていました。
べスに頼まれ、嫌々父親の様子を見に行く事になったヘイリーは、超大型ハリケーンの接近に伴い、交通規制を敷いている、地元の警察に遭遇します。
警察官の1人は、べスの元彼のウェインで「この先は危険だから通せない」と、ヘイリーに伝えます。
ヘイリーは、ウェインの忠告を聞いたふりをして、警察の交通規制を振り切り、そのままデイブの住居へと車を走らせます。
デイブの自宅へ到着したヘイリーですが、デイブの姿が見えません。
ヘイリーは、避難した可能性も考えますが、デイブが愛犬のシュガーを、自宅に置き去りにしていた事から「近くにいる」と考えます。
「両親が離婚するまで、家族で過ごした思い出の住居にいるだろう」と考えたヘイリーは、車を走らせ住居に向かうと、デイブの車がありました。
シュガーと共に、住居内を探索するヘイリーですが、デイブの姿は見当たりません。
その時、シュガーが地下室への入り口を発見します。
暗く湿った地下室へ、嫌々ながら降りていくヘイリー。
すると、地下室には工具が落ちており、工具をたどって行くと、そこには倒れているデイブの姿がありました。
デイブは意識を失っていますが、息はしています。
そして、肩口には何者かに襲われた爪のような傷が残っています。
ヘイリーは、デイブを外に連れ出そうとした時、突如、巨大なワニが姿を見せます。
映画『クロール -凶暴領域-』感想と評価
巨大ワニの恐怖を描いた『クロール -凶暴領域-』。最大の特徴は「住居に閉じ込められ逃げられない」という部分です。
本作の大半は、家族の思い出が詰まった家、特に地下室で展開され、重傷を負った父親と、巨大ワニの巣になった地下室から、どうやって逃げるのか?が主軸となっています。
絶望的な状況ながらも、途中で何度も助かるチャンスは訪れるのですが、その度に、巨大ワニがチャンスを潰すという展開は、本作の製作を務めたサム・ライミが、同じく製作で携わった映画『ドント・ブリーズ』を彷彿とさせます。
『ドント・ブリーズ』は、盲目で殺人鬼の、元軍人の老人が住む屋敷から、どうやって逃げるか?という展開でしたが、『クロール 凶暴領域』は更に狭い地下室で、常に2匹の巨大ワニが徘徊しており、脱出不可能さのレベルは上がっている作りになっています。
ただ、絶望的な状況ながらも「トランシーバー」「発煙筒」「拳銃」など、助かる為の小道具が存在し、ライフラインとも呼べる、これら小道具の使い方が上手く「何で、そんな物がそこに?」という展開はありません。
かなり丁寧に作られており、また、この作品は親子の絆を描いた映画でもあります。
両親の離婚に責任を感じているヘイリーと、ヘイリーと顔を合わせづらくて距離を置いているデイブ。
お互いに悪態をつきながらも、協力する関係性は、非常に面白いです。
特にヘイリーがボートに乗り込む場面では、猛スピードで接近してくるワニを振り切らせる為に、デイブがヘイリーを勇気づけ、その期待にヘイリーが応えるという、親子のコンビプレーを描いた素晴らしいシークエンスとなっています。
デイブとヘイリーにとって、家族の思い出の詰まった住居で、巨大ワニが産卵し、巣になってしまった辺り、皮肉的な展開ではありますが、そこはご愛嬌です。
まとめ
87分という、最近の映画としては短い上映時間の『クロール -凶暴領域-』。
しかし、巨大ワニが登場して以降は、手に汗握る緊迫の展開が続くため、理想的な映画の尺と言っても良いでしょう。
巨大ワニとのサバイバルを描いた本作は、撮影の際も、常に強風と豪雨の中で行われたため、過酷な状況となり、作り手側の緊張感が独特の迫力に変わり、作品を通じて伝わってきます。
鑑賞する際は、カヤ・スコデラーリオ演じた、娘ヘイリーを「もしも自分だったら」と置き換えた方が、さらに楽しめるはずです。
その分、観終わった後の疲労度は凄まじいことになることでしょう。