陰謀渦巻く王朝に迫りくる“夜鬼”! 朝鮮王朝の存亡をかけた死闘がはじまる!
ヒョンビンとチャン・ドンゴンの二大スターが激突する映画『王宮の夜鬼』が9月20日(金)より、シネマート新宿他にて全国ロードショーされます。
世界をあっと言わせた韓国版ソンビ映画の傑作『新感染ファイナル・エクスプレス』に続くパニック・ゾンビアクションが誕生しました!
舞台は朝鮮時代。増え続ける“夜鬼”はやがて王宮の中になだれ込んで行きます!
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映画『王宮の夜鬼』のあらすじ
朝鮮時代。生者でも死者でもない“夜鬼”が外国船を通じて朝鮮半島に到来。咬まれると、その人もまた目が白目になり、牙が生え、人の生き血を求める“夜鬼”へと変貌する、恐ろしい疫病が広がっていました。
王朝では、西洋人と密かに銃と火薬を取引して謀反を企んだという疑いで、何人かの家臣が囚われの身となっていました。
王の側近で全官庁を統べる長、兵曹判書(ピョンジョンパンソ)のキム・ジャジュンは、誰が首謀者なのか吐かせるよう命令します。
しかし、彼らは固く口を閉ざして答えようとしません。ついに王のイ・ジョの前に引き出され、家族ともども処罰されかけた時、世子である長男のイ・ヨンが現れました。
民の暮らしより王座を守ることに汲々する父親に何度も考え直すよう説得したにもかかわらず、王は聞く耳をもたなかった、そのため、彼らは自ら清を追い出すための武器を調達していたのだとイ・ヨンは説明しました。
しかし王は首謀者は誰だと繰り返すばかり。首謀者というのもがいるとすればそれは私です、私が責任をとりますから他の者はお助けくださいと言うと、イ・ヨンは自ら腹を切り自決します。
世子を失い、王が悲しみにくれている間に、キム・ジャジュンは世子の嬪を幽閉してしまいます。嬪は子を身ごもっていました。キム・ジャジュンは国家転覆を企て自身が王になる野望を抱いていました。
イ・ヨンの弟で、若い頃に清に渡ったイ・チョン王子は、兄からの手紙を受け取り数十年ぶりに朝鮮に返ってきました。
しかし、その地、済物浦(チェムルボ)には“夜鬼”がはびこっていました。咬まれた人間もまた“夜鬼”となり恐ろしい勢いで感染が広がっていました。
王宮内に渦巻く陰謀と、王宮に襲いかかる“夜鬼”の群れ。朝鮮王朝存亡の運命がイ・チョン王子に委ねられていました。
映画『王宮の夜鬼』の解説と感想
朝鮮時代に現れた恐るべき“夜鬼”
ヨン・サンホ監督の大傑作『新感染ファイナルエクスプレス』(2016)や、同じくヨン・サンホ監督のアニメーション・ホラー映画『ソウル・ステーション/パンデミック』(2016) 、コメディ・パニック映画『感染家族』(2019)など、韓国産ゾンビ映画のレベルの高さについては今更述べるまでもないでしょう。
今回新たに登場した『王宮の夜鬼』は、朝鮮時代にゾンビが現れるという時代劇パニック・ムービーです。
まだ“ソンビ”という言葉がない時代ですからその名もズバリ“夜鬼(やき)”。夜になると姿をみせ、人血を求め徘徊し、“夜鬼”に咬まれた人間も“夜鬼”となり、恐るべき勢いで感染が広まっていきます。
人間を脅かす悪霊という存在が現代よりも信じられていたこの時代に、“夜鬼”は最も恐ろしい存在であり、またそれは防ぐことが出来ない“疫病”の象徴でもあります。そこに西洋から伝達した“ゾンビ”の概念を取り入れたところにユニークさが現れています。
時代劇とゾンビ(夜鬼)といえば、Netflixドラマで、ファーストシーズンが公開されたチュ・ジフン主演の『キングダム』が思い出されます。
『キングダム』の脚本を担当したキム・ウニは、ドラマ『シグナル』などの代表作を持つ名脚本家ですが、彼女によれば、2つの作品はほぼ同時期に立ち上がったとのこと。まさに生まれるべくして生まれた待望の企画だったといえるでしょう。
スタッフの力が結集し生み出された“夜鬼”のリアル
監督のキム・ソンフンは、ヒョンビンが北朝鮮の刑事に扮した『コンフィデンシャル/共助』(2017)の監督としてよく知られています。
パワフルなアクション演出には定評があり、今回もアクションに心血を注ぐため、キャラクターごとに別々の武器を設定し、空間や状況によってそれらを使い分けました。
“夜鬼”のビジュアルは、朝鮮時代の人々の歯の状態や、変異する肌の状態にまでこだわり、特殊メイクとCG作業で完成させました。
特殊メイクを監督したピ・デソンによれば、“夜鬼”に扮する俳優1人のメイクに2~3時間もの時間をかけたそうです。また、CG監督のパク・ウイドンは、「骨格と血管のねじれが発現する瞬間、服の動きなど演技では表せない部分を緻密に表現できるように努めた」と語っています。
“夜鬼”の演出指導を務めたチョ・ハンジュンは、動きのコンセプトデザインだけに半年かけ、動作から声の出し方まで長時間練習を重ねたそうです。
スタッフが心血を注ぎ創り上げた“夜鬼”が、嵐のように増殖し人々を襲い翻弄していく姿を是非大きなスクリーンで体感してみてください。
ヒョンビンとチャン・ドンゴン、魅惑の二大スター激突!
国王・イ・ジョ(キム・ウィソン)の次男で、若い頃から清で育った王子イ・チョンに扮するのは、『コンフィデンシャル/共助』、『ザ・ネゴシエーション』(2018/イ・ジョンソク)とヒット作を飛ばすヒョンビンです。
甘いマスクと確かな演技力に加え、本作では剣を使った華麗なアクションを見せてくれます。また一方で、本作は、彼の成長物語の側面も持ち、その豊かな人間性が開花されていくさまを映し出しています。
そんな彼の前にたちはだかるのが、チャン・ドンゴン扮する兵曹判書(ピョンジョンパンソ)のキム・ジャジュンです。
チャン・ドンゴンは言わずとしれた韓国映画の大スターのひとり。2018年の作品『七年の夜』(2018/チュ・チャンミン)で、初の悪役に挑戦し、その冷徹無比なキャラクターが話題を呼びましたが、ここでも密かに国家転覆を企て、目的のためには手段を選ばない極悪人を演じています。
一筋縄ではいかない執念を見せるこのキャラクターは、チャン・ドンゴンほどの名優だからこそ、説得力を持つものとなって迫ってきます。
二大スターの激突をとくとお楽しみください!
まとめ
ヒョンビンの従者には『アシュラ』(2016/キム・ソンス)、『ありふれた悪事』(2017/キム・ボンハン)などでおなじみの名脇役チョン・マンシクが扮しています。
人情味たっぷりの人物をこの作品唯一のコメディリリーフとして演じ、大いに笑いを誘います。
また、朝鮮の運命を冷静に見渡し、行動を起こすパク従事官には、『鋼鉄の雨』(2017/ヤン・ウソク)などのチョ・ウジンが扮し、正堂での大太鼓打ちのシーンでは迫真の演技を見せています。
弓の名手トッキには、歌やダンスにも定評のあるエンターティナーとして評価の高いイ・ソンビンが、王には『新感染ファイナル・エクスプレス』で、自分だけが助かろうとするサラリーマンを演じていたキム・ウィソンが扮しているのにも注目です。
映画『王宮の夜鬼』は、シネマート新宿、シネマート心斎橋他にて9月20日(金)より全国ロードショーされます!
次回のコリアンムービーおすすめ指南は…
次回は10月25日(金)より公開されるチョ・スンウ主演『風水師 王の運命を決めた男』を取り上げる予定です。
お楽しみに。