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ドラマ『THIS IS US』シーズン1・2のあらすじネタバレ。キャストの感想解説も|海外ドラマ絞りたて2

  • Writer :
  • 奈香じゅん

ドラマ『THIS IS US』シーズン1・2のあらすじとキャストの詳細まとめ

2017年から放送開始になった直後から反響が大きく、視聴者を虜にした感動のファミリー・ドラマ『THIS IS US』。

クリエイターは、『ラスベガス』のダン・フォーゲルマン。泣かせようと書いた訳では無かったと話すフォーゲルマンは、“許す”ことを描いた愛の物語だと本作を表現しています。


© 2017-2018 NBCUniversal Media, LLC. All rights reserved.

シーズン4は9月24日に北米で放送開始。日本では、10月からシーズン3が始まります。

このコラムではドラマの魅力と関連情報等をご紹介し、番組をこれから観ようと思っている方や既にファンのあなたへ向けてお伝えして行きます。初回は、シーズン1から2までのあらすじ、メインキャストをご紹介します。

【連載コラム】『海外ドラマ絞りたて』記事一覧はこちら

ドラマ『THIS IS US/ディス・イズ・アス』の3つの魅力を解説


© 2016-2017 NBCUniversal Media, LLC. All rights reserved.

①他に追随を許さない密度の濃い構成

フラッシュバックを多用し、過去の異なる時間に戻りながら、その度に現在のピアソン家それぞれの人物が紐解かれます。

通常は、行ったり来たりする手法は観ている人の集中を欠くことに繋がりますが、本作は全く逆。家族の人間模様がより深く理解でき、登場人物達に更に引き込まれます。

②正直で真実味のある物語

兄弟間の確執、夫婦問題、世間の目、人種差別、母娘の摩擦と万国共通誰もが共感できる事柄をピアソン家に置き換え、詳細且つ豊かに描いています。

人物造形も大変丁寧で、「こういう人知っている!」と思うほど。また、観ている人が自分の個人的な体験に立ち返られるエピソードが散りばめられています。

温かく、悲しく、嬉しく、そして家族って良いなと心から感じる物語。脚本が素晴らしい、その一言に尽きます。

③BGMが個々のシーンに合う絶妙な選曲

本作を更に引き立てる大きな役割をBGMの選曲が果たしています。

『君の名前で僕を呼んで』(2018)でもお馴染みのスフィアン・スティーヴンスの『Death with Dignity』や『Only at Christmas』。

ラビ・シフレの『Watch Me』、『さらば愛しきアウトロー』(2019)でも使われた『Blues Run the Game』。

そしてアレクシ・マードックの『Someday Soon』等、柔らかくて優しい歌声が登場人物の心情を代弁するように挿入されています。

ドラマ『THIS IS US』の主要キャラクター

ジャック・ピアソン (マイロ・ヴィンティミリア)
ピアソン家の大黒柱。苦労した幼少時代を過ごす。ベトナム戦争へ従軍。

レベッカ (マンディ・ムーア)
ジャックの良き妻。プロ級の歌唱力を持つ頑張り屋の母親。

ケヴィン (ジャスティン・ハートリー)
ピアソン家の三つ子の長男。

ケイト (クリッシー・メッツ)
ピアソン家の三つ子の長女。

ランダル (スターリング・K・ブラウン)
ピアソン家に養子で引き取られた次男。

ベス (スーザン・ケレチ・ワトソン)
ランダルの妻。

トビー (クリス・サリヴァン)
ケイトの恋人。

ウィリアム (ロン・シーファース・ジョーンズ)
ランダルの実父。

ミゲル (ジョン・ウエルタス)
ジャックの親友であり、レベッカの再婚相手。

ソフィー (アレクサンドラ・ブレッケンリッジ)
ケヴィンの幼馴染で元妻。

ドラマ『THIS IS US』シーズン1のあらすじとネタバレ

1972年、歌手を夢見るレベッカがバーで歌っている姿を見たジャックは一目ぼれ。

ブラインドデートの相手だったことを知った2人は急接近。深く愛し合い結婚します。レベッカが妊娠4ヶ月を迎えた検針日に三つ子を身ごもっていることが判明。

現在。子供達が36才になる誕生日。ジャックが3人の父親になった時と同い年を迎えます。レベッカは、ジャックの死後1人で長く生活していましたが、夫の親友・ミゲルと再婚しています。

ケヴィンはテレビのコメディ番組「マニー」に主演していますが、役に満足できず観客が居るスタジオでの撮影中に辞めると公言。ブロードウェイの舞台を目指し、ニューヨークへ向かいます。

肥満に悩むケイトは体重を減らすサポートグループで、参加者のトビーと出会います。内気で自分に自信が無いケイトと明るいトビーは気が合い親しくなります。

ランダルは、天気予報に基づいた分析で先物を売るサラリーマン。優秀なランダルは企業の即戦力です。

36才の誕生日、ランダルは探し出した実の親・ウィリアムの自宅を訪ね、自分がウィリアムの捨てた子供だと名乗り出ます。

ウィリアムが末期の癌を患っていることを知ったランダルは自宅へ招きますが、妻のベスは夫の突然の決断に戸惑います。

そして、レベッカがウィリアムの存在を知っていたことが判明。レベッカは麻薬中毒だったウィリアムからランダルを守ろうとして遠ざけていたのでした。

しかし、実の父を幼い頃から探していたランダルは、レベッカが黙っていた理由を直ぐには理解できず腹を立てます。

1980年。ジャックは建設業を営む会社に勤務しており、いつか自分で事業を起こしたいと思っていました。

しかし、妊娠のストレスと子供を育てる環境が整わないことに苛つくレベッカを思うジャックは自分の夢を諦めます。そして、アル中で幼い自分と母を虐待した父・スタンリーを訪ね、お金の無心をします。

何も知らないスタンリーは、ジャックがギャンブルの借金で首が回らなくなったと決めつけ、ジャックも否定しません。

相変わらず駄目な人間だと思い込んだまま、スタンリーは息子にまとまったお金を渡します。

ジャックはレベッカにこのことを言わず、妻と新しく生まれてくる子供達の為に家を購入。ベビーベッドを置く場所を熱心に説明する夫を、レベッカは満面の笑顔で抱きしめます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『THIS IS US』シーズン2のネタバレ・結末の記載がございます。『THIS IS US』シーズン2をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
1980年、8月31日。陣痛に襲われたレベッカはジャックに伴われ来院。担当医師に代わり、老齢のカタウスキーがレベッカの担当。

お産後眠っているレベッカ。カタウスキー医師は、男の子と女の子が無事に生まれたものの、3人目の男児が死産だったことをジャックに伝えます。

その頃、近所の消防署に黒人の男児が捨てられている所を隊員が発見し、レベッカと同じ病院へ運び込みます。

新生児室の窓を通し自分の子供を見つめていたジャックは、同じ日に生まれた親のいない赤ん坊を引き取りたいと考えます。

しかし、レベッカは3人目の息子・カイルの死を知り、ショックを受けていました。

ジャックに付き添われたレベッカは同じように新生児室を覗き、運命的にこの日出会った小さな命を家族として迎える決意を固めます。

子供達はすくすくと育ちますが、家の中はまるで戦場。レベッカは3人の後を追い掛けながら気を配り、ジャックを会社へ見送る毎日。

ハンサムなケヴィンは学校の人気者でソフィーと仲良しです。幼い頃から太り目のケイトは、周囲の目を気にするお父さんっ子。ランダルは成績優秀で聞き分けの良い子供です。

レベッカにとって、自分を困らせないランダルは、頼りになる存在でした。ケヴィンはそんなランダルに焼きもちを焼き、いつもランダルに冷たく当たり、レベッカとジャックを悩ませていました。

現在。マニーは人気テレビ番組に出演したお蔭で舞台に配役されます。ケイトのボーイフレンド・トビーから本当に好きな人と一緒に時間を過ごすべきだとアドヴァイスを受けたケヴィンは、元妻で幼馴染のソフィーを突然訪問します。

ケイトは、スーパーボールをテレビで観戦しながら涙ぐみます。理由を尋ねたトビーに、自分のせいで父が死んだと明かしますが経緯は話したがりません。

大型プロジェクトを抱えたランダルがストレスを感じている中、ウィリアムから化学療法が効かなくなり中止したいと言われ、更にプレッシャーを受けます。

娘がイベントに参加する同じ日に大事なミーティングを抱えたランダルは、ベスから家族を優先するよう忠告を受けた後、遂にノイローゼに陥ります。

一方、ケヴィンは舞台の初日を迎えます。ランダルから電話を受けたケヴィンは、完璧主義のランダルが自分にプレッシャーを掛け過ぎる傾向を知っており、声を聞いてピンチだと気が付きます。

劇場は観客で席が埋まり、有名批評家も観劇に来ている中、ケヴィンは劇場を飛び出します。オフィスでうずくまるランダルを見たケヴィンは、隣に座りランダルの肩を引き寄せます。

ランダルは、父の故郷・メンフィスへウィリアムを連れてロードトリップへ出掛けます。疎遠になっていた従弟と再会したウィリアムは、関係を修復。

翌日、意識がもうろうとするウィリアムを「お父さん」と初めてランダルは呼び、幼い頃育ての父・ジャックがしてくれたように、ウィリアムの頬を両手で挟み温かく励まします。

ウィリアムは静かに永眠。

やっかいな人だと最初は感じながらも、ウィリアムの世話をするうちに心を配るようになっていたベスは、メンフィスからウィリアムが郵送した葉書を受け取ります。

2人で時々行った公園を訪れたベスは、ウィリアムに思い馳せ涙を流します。

過去。3人の子供がある程度成長した頃、レベッカは再びバーで歌い出し、昔のボーイフレンドでバンド仲間のベンからツアーへ参加しないかと声が掛かります。

ジャックは元彼と一緒に行くことを反対しますが、レベッカは長年家庭の為に奮闘してきた自分のささやかな自由だと感じていました。

2人は滅多にない大喧嘩。初演の夜、泥酔して現れたジャックは、ベンがレベッカにキスをしようとしたことを知り、ベンを殴り倒してしまいます。

レベッカはショーの出演を諦め、酔った夫を乗せて帰路に着きます。お酒を断ったはずのジャックは、自分が憎んでいた父同様アル中であることを認めます。

歌手になりたい夢を壊されたと感じるレベッカとジャックは口論に発展。ジャックは会社の同僚で親友のミゲル宅へ身を寄せます。

ドラマ『THIS IS US』シーズン2のあらすじとネタバレ

ジャックとレベッカは子供達を“ビッグ・スリー”と呼びます。最初に歩いたケヴィンがNo.1、ケイトがNo.2、そして3番目に歩いたランダルがNo.3。

まだ3人が幼児だった頃、ジャックとレベッカはランダルの養子手続きの為、裁判所へ行きます。

黒人が白人の家庭で育つと自分のアイデンティティを確立できず、子供が苦しむと言う理由で却下。

諦めないレベッカは裁判官へ手紙を書きます。そして、「絶対に息子を失うのは嫌!ランダルにとって私達夫婦が相応しくならなきゃ」そうレベッカはジャックに訴えます。

そんな中、裁判所の許可が下り、ランダルは晴れてピアソン家で育てられます。

ランダルが9才の時、空手教室へ参加するランダルに夫婦は付き添います。クラスの殆どが黒人の男児。同じ人種であることが、息子のアイデンティティ構築を助けるものと信じてのことでした。

インストラクターは、ランダルを背中に乗せて腕立て伏せをするようジャックに促します。

これからランダルが育って行く社会は厳しく、ジャックの背こそランダルが成長する基礎だと説明。

「彼を強い男に育てる自信がありますか?」そう尋ねるインストラクターに「はい」とジャックは答え、「もう充分です」と言われても尚ランダルを背に乗せて腕立て伏せを続けます。

レベッカは、その様子を誇らしく思いながら感動的に見つめていました。

ある日、ジャックは2人の息子をキャンプに連れて行き、兄弟の関係修復を試みます。

家に残ったレベッカとケイトは、女性だけのお出かけを計画。しかし、そこへ病院から電話があり、ジャックの父が危篤だと知らせを受けます。

ジャックと2人の息子がチャックインしたキャンプ場事務所へ電話しますが、直ぐにジャックとは連絡が付きそうもありません。

レベッカは1人でジャックの父を病院に訪れます。自分がジャックの妻だと自己紹介したレベッカは、ジャックが世界一の夫且つ最高の父親であり、スタンリーの虐待などで壊れる男ではなかったと言います。

やっとジャックに連絡できますが、スタンリーの容態を知っても尚、ジャックは父に会うことを拒絶。

ティーンエイジャーのケイトはレベッカの才能を受け継ぎ歌が得意で、学校のイベントで歌おうと張り切っています。そんな娘をレベッカは励まします。

しかし、母がシャワーを浴びながら上手に歌うのを聞いたケイトは、一気に自信を失い歌わないとふて腐れ、レベッカに八つ当たり。

現在。ケイトはトビーのサポートもあり、歌手を目指すことを決めます。

オーディション会場でスリム体型の女性達を見たケイトですが、痩せているとか太っているとかではなく実力が足りないとはっきり言われ、逆に気持ちを切り替えて歌を続けて行く決心をします。

トビーは、ケイトを必要以上に頼るケヴィンに対し、自分がケイトを守るべき相手なのだと話します。

ケヴィンは、唯一自分が得意なのは、ケイトの兄であることだけだと本音をこぼします。

ランダルは養子をもうけたいと言い出し、ベスをまたしても当惑させます。しかし、夫を理解しようと努力するベスは、引き取り手が無い年頃の子供を受け入れるべきだと主張。2人は養子縁組の手続きを取ります。

ケヴィンは舞台を観たロン・ハワードから映画の出演依頼を受け、やる気一杯。映画にはシルヴェスター・スタローンが主演しており、現場に来たケイトは、ジャックがスタローンの映画を繰り返し観ていたことを話します。

撮影開始前、スタローンはケイトから聞いたジャックの話をケヴィンに伝え、ファンのサポートは嬉しいと言葉を掛けます。

ケイトだけではなく、長くジャックの死を抑え込んでいたケヴィンは、スタローンの言葉をきっかけに父の思い出で頭が一杯になり、自分の台詞が飛んでしまいます。

更に、戦場シーンの撮影中、ケヴィンは高校生の時にアメフトで痛めた古傷をぶり返します。

一方、ランダルは多感期の養子を受け入れて上手くやっていけるのか急に不安になり、ストレスを抱えるようになります。

振り回されるベスはうんざり。その時、ケヴィンからランダルが1度だけ失敗すると恐れながらもリスクを負ったことがあると明かされます。

それは、大学で出会ったベスにデートを申し込む時だったと聞かされたベスは、夫を抱きしめ、夫婦で養子を受け入れ家庭を上手くやっていけると力強く励まします。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『THIS IS US』シーズン2のネタバレ・結末の記載がございます。『THIS IS US』シーズン2をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
過去。アルコールの誘惑と闘うジャックは、依存症のサポートミーティングへ参加。更に、仕事帰りにボクシングジムへ訪れサンドバッグにストレスを発散します。

高校卒業間近、ケヴィンはアメフトの花形選手で大学からスカウトがやって来ます。スター気取りで傲慢な態度をジャックは叱ります。

優秀なランダルは大学進学を控え、ジャックがワシントンD・Cに在る志望校の見学へ連れて行きます。

その日はケヴィンの試合の日で、ランダルは応援に行かれないことを謝りますが、ケヴィンは素っ気ない態度。

帰り道にジャックはランダルをベトナム戦争慰霊碑へ連れて行きます。ランダルは、自分だけが黒人であることに対する周囲の態度に不安定な気持ちになると父に打ち明けます。

ジャックは、自分も戦争から帰った時、同じような気持ちになったと話して聞かせます。ジャックは、ランダルなら自分でバランスを取れるようになると信じている、そう温かく励まします。

ケヴィンは試合途中に膝を痛めて退場。病院へ搬送されます。選手生命は絶望的となりショックを受けます。

病室へ駆けつけたジャックは、他にも才能があると力づけ、息子であるケヴィンこそ自分にとって生きる目的だと語りかけます。

ジャックは、自分が人生の底を彷徨っていた時に貰った物だと言い、身に着けていたペンダントをケヴィンに手渡します。ケヴィンは、自分の至らぬ態度を謝りました。

現在。ケイトはトビーの子供を妊娠していることが分かります。

ケヴィンは撮影を進める為、膝の手術を受けますが、服用された鎮痛剤で中毒になってしまいます。

よりを戻したソフィーに恥をかかせ、関係がぎくしゃくとしてしまいます。

ランダルとベスは、服役している母を持つデジャを初めて養子として迎えますが、あちこちの家をたらい回しにされた経験で人を信頼できないデジャに手を焼きます。

そんな頃、ケイトは流産。大きなショックを受けたケイトは、トビーを遠ざけ1人で悲しみに暮れます。

知らせを聞いたレベッカは、娘の家に駆けつけます。母の顔を見たケイトは、初めて泣き崩れます。

ケヴィンは飲酒運転で掴まり、更生施設へ入所。家族皆が訪れ、一緒にカウンセリングを受けることになります。直属の家族だけと言われたベス、ミゲル、そしてトビーは退室。

そこで、ケヴィンは、幼い頃のことを引き合いに出し、両親に愛情を十分に貰えなかったと主張。カウンセラーはすっかりケヴィンの話を鵜呑みにして、レベッカを責めるような態度です。

ケヴィンは、自分の依存症も父の影響で、ランダルが母の愛を一身に受けたと勝手な言い分を展開し、ランダルが諌めます。

責め立てられたレベッカは泣きだし、気分屋で自分に八つ当たりばかりするケイトや我がままばかり言うケヴィンとは異なり、自分を困らせないランダルは愛しやすかったと吐露します。

一方、締め出されたミゲル、ベス、そしてトビーはお酒を飲みながら時間を潰します。

ピアソン家の話になり、ジャックはスーパースターでアンタッチャブルだとベスがこぼします。

トビーも話を聞きながら頷いていると、ジャックを心から尊敬できる親友だったとミゲルが語り始めます。

ジャックとレベッカは2人の個人ではなく硬い結束で結ばれた1つのチームであり、ジャックがいかにこの家族にとって特別な存在であるか自分が一番よく分かっていると2人を暗に戒めます。

程無くして、ランダルはウィリアムが住んでいた古いアパートの建物を購入して運営して行きたいと突然言い出し、ベスはまた忙しくなります。

薬やお酒の誘惑を忘れられると言い、ケヴィンが修理を手伝います。

過去。1998年1月。スーパーボールの試合を家族全員でテレビ観戦することがピアソン家の長い慣例でした。

しかし、年頃になった子供達はそれぞれ予定があり、ジャックとレベッカは夫婦だけで試合を観ることになります。

夜、電源を切ったスロー・クッカーから出火。ケヴィンはソフィーの家に泊まっていました。

火が瞬く間に燃え広がり、ジャックは家族3人を2階の窓から無事脱出させます。

凄まじい炎が家を焼く中、ジャックは再び家の中へ。

ケイトが可愛がっていた家族にとって初めての犬を抱いたジャックがすすだらけで窓から出て行きます。

家族の写真が収まるアルバムとケイトの歌う姿を撮ったビデオも持ち出していました。

「大切なものだから」そう言った夫をレベッカは安堵して抱きしめます。

病院へ手当てに来たジャックは医師の診察を受けます。その間にレベッカが電話をしていると、担当医師がジャックの死亡を伝えに来ます。

煙を大量に吸い込んだジャックは、心臓発作を起こしたのでした。

現在。ケイトとトビーの結婚式当日。

娘がドレスに着替えた姿を見たレベッカは感動し、パーフェクトな1日になるよう自分は控えめにするといつもの様に気を使います。

ケイトは、自分にとって母がずっと憧れだったことを初めて口にします。レベッカのような歌手、母、そして結婚をしたいと望んでいたと話します。

ケヴィンが乾杯の音頭を取り、ジャックが生きていたら今日の娘が一番美しいと喜ぶだろうと言い、長く父の死を受け入れられず心に抑え込んでいたことに触れます。

家族4人でその想いを分かち合い、ランダルに音頭をバトンタッチ。兄弟は固く抱き合います。ベスの従妹・ゾーイは、良いスピーチだったとケヴィンに声を掛けます。

ミゲルはケイトとダンスをし、ケヴィンは母を抱きしめ、ランダルはベスと踊ります。

まとめ

誰もが経験する喪失感、家族間の行き違いを美しく紡ぐ『THIS IS US』。

凡常なことを物語にするのは一番難しいはずなのに、毎回まぶしいほど鮮やかに描かれるエピソードは、抱きしめたくなるくらいの懐かしさを覚えるストーリーです。

スタジオジブリの『耳をすませば』(1995)や『おもいでぽろぽろ』(1991)に似た心地良い温もり…。「よーく分かる!」そんな気持ちで一杯になる一気見必至のドラマです。

シーズン2最終話で描かれる老齢のジャック。演じるマイロ・ヴィンティミリアがメイクに3時間掛かったと話すシーンで、初めて30代の子供達を務めるキャストと一緒に登場する格別な場面でした。

シーズン3では、これまでの過去に加えて未来も描写されて行きます。次回は、そのシーズン3を2話ずつネタバレで掲載し、撮影秘話や考察も含めてご紹介します。

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