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【最終回10話ネタバレ】約束(ドラマ)考察感想とラスト解説。最後驚愕の“16年前の約束”が明らかになる!

  • Writer :
  • 谷川裕美子

すべての謎が解ける悲しみと再生の第10話

予測不能で、真犯人は一体誰なのかと考察せずにはいられない、スリルたっぷりな完全オリジナルの心理サスペンスドラマ『約束~16年目の真実~』

16年前に生まれ育った町で起きた連続殺人事件で人生を奪われ、故郷に戻って事件の真相に迫ろうとする女性刑事。しかし帰郷後、殺人事件が再び起こり始めます。

主演の中村アンをはじめ、横山裕、岡部たかし、杉本哲太ら豪華キャストが紡ぐスリリングなストーリーが病みつきになる一作です。

とうとう最終回を迎え、すべての謎が解き明かされます。葵と桃の感情が激しくぶつかり合った末に見えてきた「真実」とはいったいどんなものだったのでしょうか。

ドラマ『約束~16年目の真実~』の作品情報

【放送】
2024年(日本ドラマ)

【演出】
山本大輔、今和紀、吉川祐太 ほか

【脚本】
小峯裕之、本田隆朗、富安美尋

【音楽】
木村秀彬

【キャスト】
中村アン、横山裕、細田善彦、佐津川愛美、森永悠希、織田梨沙、坪倉由幸、樋口幸平、森優作、長谷川朝晴、井上肇、向里祐香、山田キヌヲ、川床明日香、岡部たかし、杉本哲太

【作品概要】
16年前に起きた連続殺人事件によりすべてを奪われた女性刑事・桐生葵が、父の無実を証明するために故郷に戻り、事件の真相に迫るさまをスリリングに描くサスペンスドラマ。

葵が帰郷した途端に再び事件が次々に発生し、青春時代をともにした同級生らまでも容疑者に。登場人物全員、互いが互いを疑い疑われるストーリーから一瞬たりとも目が離せません。考察必至の極上ミステリーです。

主演を中村アンが務め、バディの刑事を横山裕が演じます。細田善彦、佐津川愛美、森永悠希、織田梨沙が元同級生役を演じるほか、杉本哲太、岡部たかしらベテラン実力派が脇を固めます。

ドラマ『約束~16年目の真実~』第10話「未来」のあらすじとネタバレ

井出の雑貨屋で真犯人を示す決定的な証拠を見つけた葵でしたが、その時、飛鳥桃が葵の前に現れました。連続殺人の真犯人の正体が桃だと知り、葵は衝撃を受けます。

桃は葵に約束を破ったことを責めますが、葵はその約束を思い出せません。桃は被害者全員を自分が殺したと言ってから、スタンガンで葵を気絶させました。

香坂は、通話状態になっていた葵のスマホを通じて葵と真犯人のやりとりを聞いていました。事件現場で目撃された男が井出であり、桃をかばうためにアリバイ工作をしていたと推察する香坂。突然音が途切れて葵の身に異変が起こったと気付いた香坂は、すぐに井出を本部から呼び戻します。

木崎らが駆けつけますが井出の雑貨店にはすでに葵と桃の姿はなく、裏庭に葵の携帯とミサンガが残されていました。ただちに緊急配備が行われます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアにはドラマ『約束~16年目の真実~』第10話「未来」ネタバレ・結末の記載がございます。ドラマ『約束~16年目の真実~』第10話「未来」をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

葵が目を覚ますと、椅子に縛りつけられていました。桃は自分が母から虐待されてきたこと、動物も殺してきたことを話し始めます。

桃は、葵の代わりにほかの人を殺して補っていました。すべての始まりは不破のシナリオでした。ビー玉を口につめる殺人方法を官能的だと感じた桃は、主役の葵が殺される姿を想像して興奮。そこから殺人衝動を覚えた桃は、葵の苦しむ顔が頭から離れなくなり、練習のために葵の面影のある女性を殺し始めました。

葵に似ているというだけで不破の妹・玲も殺した桃。家出を止めようとする葵に向かい、やさしい父親が待っているからいいよねと玲が反発するのを聞いた桃は、葵の家庭を揺さぶりたいと考えました。父親が殺人容疑をかけられたら、葵は自分を頼ってくれるかもしれないと思ったからです。

桃は葵の家の庭からロープを持ち出し、玲を絞め殺してから口にビー玉を詰め、指切りをしました。しかし、葵がやってきたため、落としたミサンガから身バレするのを恐れて後ろから葵を襲って気絶させます。

葵の父が本当に逮捕されたことには、桃も驚いていました。やがて父親が死に、そのせいで葵が町を出て行ったことを反省した桃は、これで殺人は終わりにしようと考えます。しかし、最後に自分に暴力をふるっていた母だけは殺し、処分するのに井出を使いました。

一方その頃、井出は香坂に向かい、親に見捨てられ、施設でもいじめられていた自分に桃だけが話しかけてくれたと話します。井出は桃の母の遺体を葵の家の庭に埋める手伝いをし、そのお礼に桃のミサンガをもらっていました。

映画シナリオの続きも井出が書いていました。井出は桃を守りたい一心から、葵を牽制したり、罪をかぶろうとしたことを話します。桃に生きていてほしかったと涙をこぼす井出に、彼女をかばった結果多くの犠牲が生まれたといって香坂は厳しく糾弾しました。

桃は告白を続けます。葵が町を去った後、葵の様子を見るために都心まで行った桃は、気づくかなという軽い気持ちで新たに一人殺していました。それから桃は殺害を再開し、願い叶って葵が帰郷した時に、「この町で葵を殺したい」という自分の本心を再確認します。

遺体は葵に見てもらうために隠さなくなり、古い作品も見てもらいたくなった桃は、葵の実家の庭に埋めた遺体についても井出に通報させました。

自分を最初から殺せばよかったと言う葵に、「親友を殺せるわけない」と言う桃。それから、「やっぱり葵はあの約束を忘れたんだね」と寂しげに言いました。

高校時代、「いつまでも親友だ」と言ってくれた葵に対し、嬉しくなった桃は「この町で最高の作品を作り上げるから待っていてね。約束」と言って指切りをしました。それは桃にとって、葵を殺すことを意味していました。

葵を殺したいけれど、親友を殺すことはできないと、桃は葛藤していました。それなのに親友のはずの自分を軽蔑する目で見たという理由で、桃は葵に怒りをぶつけます。もう親友じゃないから殺してもいい、そう桃は考えました。

香坂は、桃がこの町ですべてを終わらせようとしていることに気づき、結末のヒントはシナリオにあると考えます。以前葵が言っていた、「昔からこの町では、悲しいことがあったら北見が丘に登り景色を見るといいと言われている」という言葉を香坂は思い出しました。

葵が桃によってまさにロープで首を絞められそうになった瞬間。ふたりの居場所に気づいた香坂が飛び込んできて、葵を助けました。

一緒に不破も現れます。妹を殺した理由が「たまたまだっただけ」という桃の言葉を聞いて逆上した不破は、ナイフで襲いかかりました。しかし、葵が必死で止めます。桃は裁かれなくてはならないという強い一心からでした。

「これはあなたがつきとめた真実だ」と言って、香坂は葵に手錠を渡しました。葵に助けられたことに喜んでいる桃の手に、葵は手錠をかけます。

桃の行動に気づけなかったことを悔やむ葵に、二面性を持つ犯人には近くの人間ほど気づかなかったはずだと話す香坂。映画シナリオにより殺人欲求が目覚め、主役の葵に桃は殺意を向けましたが、もし別の人物が主役ならターゲットも変わっていただろうと話します。

それから、「大切な人を失わないよう強く生きる。見るべきは未来だ」と香坂は言いました。

葵はそば屋で再会した一条から、父・康男から自分宛ての手紙を受け取りました。16年間申し訳なかったと頭を下げる一条に、葵は感謝を伝えます。

父からの手紙には、自分の潔白を信じて欲しいとありました。そして、本当は心に傷を負った娘の近くにいたかったこと、仲間と自分を大事にしてほしいという思い、この町への父の愛情が書かれていました。「いつかまた心から葵が笑える日がくることを願ってる、そして真実が明らかになる日を信じたいと思う。」という文を読んだ葵は、真実が明らかになり約束を果たしたと空に向かって報告します。

本部に戻ることとなった香坂は、葵を本部に誘いますが、彼女はこの町を守ることを選びます。葵はこの町に自分の過去も未来もあることを実感していました。

3ヶ月後の事件の現場で、応援要請を受けた葵は香坂と再会。再びバディを組んだ2人は、新たな事件の解決に向けて共に歩き出しました。

ドラマ『約束~16年目の真実~』第10話「未来」の感想と評価

驚愕の連続殺人事件の全容がとうとうすべて解明されました。

前回第9話のラストで、シリアルキラーの正体が、葵の高校時代からの友人で、困っている人たちの駆け込み寺的カフェを営む心やさしい桃だったことが明かされます。

桃には二面性がありました。善人の仮面の裏には、人を殺すことにまったく罪悪感を覚えないサイコパスの顔が隠されていたのです。

桃がなぜこんなにも葵に執着したのかすべては不破の書いたシナリオが発端でした。殺人衝動を呼び起こされた桃は、口にビー玉を詰められた死体に官能的な美しさを感じ、主役の葵が苦しむ顔を思い浮かべて興奮するようになったのです。

まるで幼い子どものような精神性の桃は、大きな刺激を受けて虚構と現実の境をなくしてしまいます。葵本人というよりも、自分の「作品」の主人公としての葵に固執するようになっていったと言えるでしょう。

葵という最終ターゲットを殺す前に、練習台として葵に似た何人もの女性を罪悪感を抱くことなく殺していく桃。葵の目まで欺いた桃にとって、被害者らをだますことはとてもたやすいことでした。

母親から虐待を受けて育ち、動物を殺していた桃には、もともとシリアルキラーとしての素地があったに違いありません。彼女は、困っている人を助けたり、居場所のない井出にやさしい言葉をかけるなど善意に見える行動をとりますが、そこには心はまったくありませんでした。

井出に対して「捨て犬に餌をやるような感じ」と言っていますが、それが本心でしょう善に対しても悪に対しても、普通の人が抱くような感情は芽生えていなかったように見えます。

「葵を殺したい」という歪んだ願望に反して、「葵は自分の親友」だという思いから桃は殺害するかどうか迷い苦しみます。殺したいけれど、殺してはならない。しかし、葵から軽蔑の視線を受けたことが決め手となり、とうとう葵の首にロープをかけて絞めようとしました。

そこに駆けつけ、葵を救ったのはやはり香坂でした。彼のプロファイリングは事件を通して見事に的中していました。被害者は葵の身代わりに殺されていたことや、桃がこの町ですべてを終わらせようとしていることなどをことごとく当て、桃が葵を連れ込んだ場所の特定にも成功したのです。

タイトルの「約束」には、もうひとつ別の「約束」も秘められていました。葵の父からの手紙にあった「真実が明らかになる日を信じたい」という言葉。初めて読むものでありながら、ずっと父の思いを知っていた葵は、空に向かって「約束を果たせたよ」と呟きます。

きっと真犯人を明らかにする。それが葵が心の中で父に誓った約束でした。その約束を果たした葵は前を向き、父の愛したこの町を守ることを決意します。

ところが、わずか3ヶ月後には、葵は香坂の捜査の応援に駆けつけることとなります。有能な彼女を必要としている香坂。2人は、これからもずっとかけがえのないバディであり続けるに違いありません。

まとめ

複雑な伏線が引かれた極上ミステリードラマ『約束~16年目の真実~』がついに完結しました。

主人公の葵と共に、長い時をかけて事件を解決してきたような思いにとらわれます。悲しみや苦しみを乗り越えて葵がたどり着いたのは、父の愛した町をこれからも守っていくという強い信念と、仲間と自分を大切に生きていくという明るい希望でした。

しかし、世の悪は終わることはありません。ラストシーンに象徴されるように、葵と香坂の戦いはまだまだ続きます。彼らの新たな活躍をいつか観てみたいと思わずにはいられません。


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