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Entry 2021/07/30
Update

映画『96時間』ネタバレ結末感想とラストあらすじ解説。リーアムニーソン演じる元CIA工作員の父が娘を助けるために犯罪組織と闘う

  • Writer :
  • 秋國まゆ

最強の父親による娘の救出劇を描くサスペンス・アクション

ピエール・モレルが監督を務めた、2008年製作のフランスのサスペンス・アクション映画、『96時間』。

友人とパリへ旅行に出かけた17歳の娘が何者かに誘拐されてしまい、元秘密工作員の父親が、娘を救出するために単身パリへ向かう姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

96時間以内に見つけ出さないと、永遠に行方不明になってしまうという、時間制限付きの救出劇。

娘を攫った犯人グループの身元を割り出し、娘を救出するためにパリへ向かった、元秘密工作員の父親の奮闘劇を描いたサスペンス・アクション映画、『96時間』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。

映画『96時間』の作品情報


(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

【公開】
2008年(フランス映画)

【脚本】
リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン

【監督】
ピエール・モレル

【キャスト】
リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、リーランド・オーサー、ジョン・グライス、デビッド・ウォーショフスキー、ケイティ・キャシディ、ホリー・バランス、オリビエ・ラブルダン、ザンダー・バークレイ

【作品概要】
『アルティメット』(2006)や『ローグ アサシン』(2007)などを手掛けた、ピエール・モレルが監督を務めた、フランスのサスペンス・アクション作品です。

『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』(1999)や『バットマン ビギンズ』(2005)、『トレイン・ミッション』(2018)などに出演しているリーアム・ニーソンが主演を務めています。

共演は、「X-MEN」シリーズのファムケ・ヤンセンと、『ジェイン・オースティンの読書会』(2007)のマギー・グレイスです。

映画『96時間』のあらすじとネタバレ


(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

元CIA工作員で、格闘・狙撃・爆弾のスペシャリストでもあったブライアン・ミルズは、現役時代に仕事と家庭の両立ができず、妻のレノーアと離婚してしまいました。

ブライアンは、離れて暮らす一人娘のキムとの関係を取り戻すべく、一線を退き、カリフォルニアで隠退生活を送ることにしました。

そんなブライアンの元へ、かつての仲間である元CIA工作員の友人、サムとケイシー、バーニーが訪ねてきました。

サムたちはブライアンに、自分たちが請け負った要人警護の仕事をしないかと誘います。ブライアンは、これを二つ返事で承諾。

翌日、ブライアンたちは、人気歌手シーラの護衛につき、彼女を暴漢から救い出します。

その際、ブライアンはシーラからお礼として、彼女のマネージャーと、ボイストレーナーの連絡先が書かれた名刺を貰いました。

そのまた翌日。ブライアンは、17歳になったキムにランチに誘われ、彼女にその名刺を渡そうとしました。

ところが、2人きりだと思っていたランチには、いくつもの会社を経営している大富豪、スチュワートと再婚したレノーアが同席。

キムとレノーアは、ブライアンにある同意書へのサインを貰いに来たのです。その同意書とは、未成年を渡航させることへの保護者の同意書でした。

実はキムは、2歳年上の親友アマンダから、彼女の従姉の家へ行かないか誘われており、美術館巡りがてら、フランス・パリへ旅行に行こうとしていました。

しかしブライアンは、キムが心配なあまり、保護者同伴なしのパリ旅行を反対。けれどキムに泣かれてしまったことで、彼は葛藤の末、条件付きでならいいと、同意書にサインすることを決めました。

その条件とは、「滞在先の住所や電話番号、外出先を教えること。到着時と毎晩、寝る前に電話すること」でした。

旅行当日。ブライアンは、キムを空港まで送り、車のトランクから荷物を取り出した際、地図に書かれた彼女の旅行日程を見ました。

するとそこには、パリ以外のヨーロッパ各国に、キムたちが足を運ぶ計画が記されていたのです。

驚いたブライアンは、見送りに来たレノーアを問い詰めた結果、キムたちの旅の目的は美術館巡りではなく、アイルランドのロックバンド「U2」のヨーロッパツアーに参加することだと知りました。

ブライアンとレノーアに見送られ、パリへと旅立ったキムたち。彼女たちはパリ=シャルル・ド・ゴール空港に到着後、タクシー乗り場に並んでいた時、ピーターと名乗る青年に声を掛けられました。

アマンダがピーターに一目惚れしたのもあって、タクシーに3人で一緒に乗り、スチュワートが手配した高級ホテルへ向かったキム。

高級ホテルへ着いた際、彼女はアマンダから、実は従姉は、スペインのマドリードにいることを聞かされます。

そのことに戸惑うキムとは対照的に、ホテル前で別れたピーターから、今夜パーティーに行かないかと誘われて有頂天のアマンダ。

心配して連絡してきたブライアンとトイレにいるキムが電話していたその時、部屋にいたアマンダが何者かに攫われてしまったのです。

恐怖心に駆られ、酷く怯えるキムは、電話越しのブライアンの指示に従い、寝室のベッドの下に隠れました。

それを確認したブライアンは、キムとの電話を続けながら、念のため彼女との通話を録音。そして彼は、キムにこう言いました。

「お前もじき捕まってしまうが、冷静に犯人の男たちをよく観察しろ」

「携帯を置き、パパに言え。何もかも、奴らの髪の色や特徴全てを」その直後、キムは自分を探しに来た男にベッドの下から引き摺り出されてしまいます。

しかしキムは、ブライアンの指示に従って携帯を置き、犯人の特徴、「ヒゲ、180センチ。右手に月と星のタトゥー!」と泣き叫びながらも伝えました。

キムの声が聞こえなくなった後、ブライアンは悔しさと怒りで体を震わせながら、キムから携帯を取り上げた男に、こう警告しました。

「俺には、長年の仕事で身につけた、お前らを震えあがらせるほどの非常に特殊な能力がある」

「娘を解放するなら、俺はお前らを見逃そう。お前を捜すことも追跡もしない」「だが、娘を解放しないならお前を捜し、必ず見つけ出す。そしてお前を殺す」

そう告げるブライアンに、終始無言を貫いていた男は、「幸運を祈る」とだけ告げて電話を切りました。

ブライアンはこの後すぐ、レノーアにキムが攫われたことを伝えるべく、彼女の今の家へ向かいます。

その道中、ブライアンはサムに連絡して、犯人の男の声が録音された音声ファイルの分析を頼みました。

ブライアンは、レノーアとキムが住む豪邸に到着後、スチュワートに外国に敵はいないか尋ねます。何故ならスチュワートは、外国と闇取引していたからです。

ブライアンは以前、大事な愛娘の継父になるスチュワートについて調べた際、彼が5年前、ロシアとの石油交渉に失敗したことを知りました。

しかしスチュワートは、闇取引を行っていることは事実でしたが、外国に敵はいませんでした。

キムを誘拐したのは、スチュワートに恨みを持つ商売敵による仕業ではない。それが分かったブライアンは、協力を申し出たスチュワートに、彼が契約しているプライベート・ジェットをすぐ手配するよう頼みます。

そんなブライアンの元に、分析を終えたサムから電話がかかってきました。「分析の結果、犯人グループは、トロポヤ県の訛りがあるアルバニア語を話すアルバニア人だ」

「お前が電話越しに話した男の名は、マルコ・オチャ。若い女の人身売買を行っている、フランスのアルバニア系犯罪組織”アルバニア・マフィア”のボスだ」

「キムが見た月と星のタトゥーは、組織のシンボルマークだ。半年前にパリへ向かった奴らは、東欧諸国の女たちに、”メイドや子守りの仕事がある”と誘う」

「勧誘した女たちを密入国させ、麻薬漬けにし、最終的には売春婦にさせるのが、奴らの主な手段だ。だが、最近はパリに来た旅行者を狙って、手っ取り早く調達しているようだ」

「キムを誘拐したのが奴らだとすると、誘拐後、96時間以内に見つけないと、キムたちは永久に戻らなくなってしまう」

その電話を横で聞いていたレノーアは、ブライアンの忠告も聞かず、キムをパリへ行かせてしまったことを悔やんで泣き叫んでしまいます。

ブライアンは、すぐさまプライベート・ジェットに乗り込み、キムを救出するべく、単身パリへ向かいました。

以下、『96時間』ネタバレ・結末の記載がございます。『96時間』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

パリ=シャルル・ド・ゴール空港へ到着後、ブライアンはまず、キムたちがいたホテルへ向かい、現場検証を行います。

その結果、ブライアンは割れた鏡から犯人の髪の毛を採取でき、犯人に壊されたキムの携帯から、撮った写真が記録されたメモリーを抜き取りました。

ブライアンはホテルを出て、近くの駅構内に置かれたプリンター機で、キムが空港からホテルまで撮った画像を1枚1枚確認していきます。

するとその中に1枚だけ、タクシー乗り場で撮られたキムたちのツーショット写真に、彼女たちの背後にある、公衆電話の扉に反射して映る撮影者の姿を発見。

おそらくこの男が、キムがホテルの場所を知っている人物として挙げた、ピーターだ。そう確信したブライアンは、空港へ急行します。

アルバニア・マフィアの一員であるピーターは、仲間と一緒に空港に張り込み、旅行者の若い女に声掛けを行っていました。

その手口は、キムたちの時と同じ、タクシー乗り場で並ぶ若い女性に、「相乗りしないか?」と誘うものでした。

その光景を見たブライアンは、先にタクシーに乗り込んだピーターに殴りかかり、キムの居場所と組織のことを吐かせようと尋問します。

しかし、ピーターの仲間に妨害されてしまい、その間にピーターはその場から逃走。仲間を倒したブライアンは、急いでピーターの後を追いかけました。

ところが、ブライアンに気を取られ注意散漫だったピーターは、逃走中にトラックに撥ねられ死亡。

残り80時間。ブライアンは、かつてフランスの諜報機関にいた工作員で、友人のジャン=クロードに頼ることにしました。

現在パリの内務省、治安部の副部長をしているジャン=クロード曰く、6~7年前は、パリに移住するアルバニア人は20人ほどしかいませんでした。

しかし今や、パリに来るアルバニア人の数は増え続け、数百人規模のフランスのアルバニア系犯罪組織、「アルバニア・マフィア」が出来上がってしまったのです。

アルバニア・マフィアが縄張りにしている場所は、ポルト・ド・クリシー周辺でした。それを聞いたブライアンは、ジャン=クロードから、アルバニア・マフィアは危険だから関わらないよう警告されるも聞かず、その場を立ち去ってしまいます。

ブライアンは次に向かったのは、人材紹介所とレンタカー屋です。そこでブライアンは、通訳を雇い、アウディのシルバーの車を調達します。

ジャン=クロードは、部下にブライアンを尾行するよう命じ、彼が危険な真似をしないか、監視することにしました。


(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

その夜、ブライアンは車でポルト・ド・クリシー周辺へ向かい、グレゴールと合流。彼は車にグレゴールを待たせて、路上で客引きをしている売春婦に声を掛けに行きます。

ブライアンが売春婦に聞き込みをしていると、売春婦たちを見張っていた、アルバニア・マフィアの一員である男が声を掛けてきました。

ブライアンはその男と示談交渉を行い、争わずに事なきを得ました。それはブライアンが、初めからアルバニア・マフィアの一員を引っ張り出すことが目的だったからです。

ブライアンは交渉の際、密かに仕込んでいた盗聴器を使って、車に戻った男の会話を聞きます。ブライアンはグレゴールに翻訳を頼み、男が「建設現場へ行く」と電話で話していることを知ると、グレゴールにアルバニア語の辞書を貰い、1人で建設現場へ急行しました。

近くにある建設現場は、アルバニア・マフィアが運営する売春宿と化していました。ブライアンは他の客同様、建設労働者を装い、売春宿へ潜入。

その結果、キムの上着を持っている売春婦を見つけました。ブライアンが、麻薬漬けにされた売春婦にそのことを尋ねていると、不審に思ったアルバニア・マフィアの一員である男が乱入。

ブライアンはその男を含め、駆けつけたアルバニア・マフィアの一員を、格闘術と奪った順を使った射撃で全員撃破。彼はキムの上着ごと売春婦を連れ出し、建設現場からの逃走を図ります。

売春宿での乱闘騒ぎに気づいた他のアルバニア・マフィアの一員が、車で逃げだしたブライアンを追走。ブライアンは卓越した運転技術と、建設現場の地形を利用し、執拗に追いかけ攻撃する男たちを撒き、建設現場から脱出します。

そしてブライアンは、建設現場から盗んだ車でジョン=クロードの部下を撒き、路上に停めてあった車を盗んで乗り換えました。

ブライアンは、知り合いの医者が運営しているホテルへ向かい、そこで麻薬漬けにされた売春婦に、麻薬を中和する薬を投与し治療します。

残り56時間。一晩ホテルで明かしたブライアンは、昨夜ホテルにいた時に電話をかけてきた、ジャン=クロードと待ち合わせした場所へ向かいました。

ブライアンは、ジャン=クロードとは直接顔を合わせず、彼の姿が確認できる位置から電話をかけます。

ジャン=クロードは、パリに来て早々、騒動を起こしているブライアンへの逮捕命令を、強制送還に変更させたことを告げました。

死者7名、負傷者3名、ビル1棟破壊。空港での乱闘。これらを起こしたブライアンへの逮捕命令を撤回することしかできないと告げるジャン=クロード。

そんな彼に、ブライアンは「俺はフランス政府に逆らいたいんじゃない、娘を救いたいだけだ」と言い残し、彼と彼の部下たちを撒いてホテルへ戻ります。

ホテルに戻ったブライアンは、目覚めた売春婦に、再びキムの上着をどこで手に入れたのかを尋ねました。

すると売春婦は震えながら、「パーティーに行こうとピーターに誘われてついて行った日、パラディ通りにある赤い扉の家に監禁された。その家にいたキムが、震えていた私に自分の上着をかけてくれたの」と答えます。

売春婦の話を聞いて、そこがアルバニア・マフィアのアジトだと分かったブライアンは、すぐさまパラディ通りにある赤い扉の家へ急行しました。

ブライアンは、ジャン=クロードに扮して、アルバニア・マフィアのアジトに潜入。実はジャン=クロードは、アルバニア・マフィアを見逃す代わりに、彼らから定期的に賄賂を受け取っていたのです。

ブライアンが、ジャン=クロードだと信じきっているアルバニア・マフィアとの取引終了後、彼は男たちに「幸運を祈る」をアルバニア語で訳してほしいと頼みます。

その結果、ブライアンは電話で話したアルバニア・マフィアのボス、マルコを発見。彼はマルコだけは生かし、他の連中は全て殺しアジトを制圧しました。

そして、アジトの部屋を隅々まで探し回った結果、麻薬中毒によって死んだアマンダの姿を発見。しかしここに、キムはいませんでした。


(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

そこでブライアンは、マルコを電気椅子に座らせ縛り付け、キムの居場所を吐くよう拷問します。その結果、マルコは「処女のキムは、パトリス・サンクレアという客に売り払った」と白状しました。

それを聞いたブライアンは、用済みとなったマルコをショック死させ、ジャン=クロードの家を訪問。

彼の子供2人が部屋に行った隙に、ブライアンは彼の妻イザベルの肩を撃ち、彼女を人質に取って、サンクレアという人物について吐くよう脅迫します。

その結果、ジャン=クロードのパソコンからサンクレアの居場所を掴んだブライアンは、偽造カードを使って、パーティーが開かれた彼の豪邸に潜入。

その地下では、サンクレアが買い取った女性を売り出した、闇のオークションが開かれていました。


(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

ブライアンは地下の闇オークションに忍び込み、1人の客を銃で脅して、出品されてるキムを落札させます。

しかし、あと一歩のところで、ブライアンはサンクレアとその部下に捕まってしまったのです。サンクレア本人と対峙したブライアンは、キムを返すよう要求するも、彼から「特殊な顧客を相手にした、大事なビジネスだから」と言われ、断られてしまいます。

サンクレアが立ち去った直後、ブライアンは彼の部下たちに殺されかけますが、繋がれた手錠がかけられたパイプの留め具が外れたことで、彼らを返り討ちにします。

手錠を外し、サンクレアの部下を全員倒したブライアンは、エレベーターに乗って逃げようとするサンクレアに銃を発砲。

彼はサンクレアを脅し、キムがセーヌに停泊中の船にいることを突き止めます。そして、キムを落札した男が裏口から逃げ、船へ向かうのを、ブライアンは走って追いかけました。

しかし、あと一歩のところで船は出てしまい、ブライアンは近くにいた男から車を奪い、猛スピードで船を追いかけます。

船が橋の下を通る瞬間、ブライアンは車を止めて飛び移り、船内に侵入し客のボディーガードたちを次々と倒していきました。

ナイフや機関銃を持つ敵相手に、ブライアンは銃と己の拳を使って、激しい死闘を繰り広げていきます。

死闘の末、キムを人質に取った最後の男を含めて、船内にいる敵を全て倒したブライアン。彼は無事キムを救出し、泣きじゃくる娘を抱きしめることができました。

後日、ブライアンはキムと一緒にアメリカへ帰国。空港で待っていたレノーアとスチュワートから、感謝を述べられました。

そのまた後日、ブライアンは歌手志望のキムを連れて、シーラの元を訪ねました。

映画『96時間』の感想と評価


(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

最強の父親vsアルバニア・マフィア

元CIA工作員であるブライアンが、愛する一人娘のキムを救出するべく、彼女を誘拐し人身売買にかけようとしているフランスのアルバニア系犯罪組織、「アルバニア・マフィア」にたった1人で立ち向かいます。

さすが元CIA工作員というべきでしょうか。ブライアンは現役時代から衰えていない知識と、卓越した格闘術・射撃を巧みに使い、犯人たちの居場所を割り出し、彼らを次々と倒していきます。

ブライアンの、格闘・狙撃・爆弾のスペシャリストならではの特殊スキルを使った、激しい追走劇と銃撃戦、拳を使った格闘戦はどれも迫力満点のアクション場面ばかりです。

そんなブライアンが、敵を次々と倒し、追い詰めていく姿はまさに「最強の父親」。手掛かりを失い、敵に捕まったとしても最後まで諦めないブライアンの戦いは、ハラハラドキドキするスリルを味わえます。

ブライアンとキムの家族愛

CIA工作員だった頃、仕事と家庭の両立ができなかったブライアンは、家庭を顧みなかったことへの妻レノーアの不満が募り、離婚してしまいました。

そのせいで、スチュワートと再婚した今も、レノーアはブライアンに対して当たりが強いです。

そんなレノーアとは対照的に、離れ離れの生活になってしまった今でも、キムはブライアンを慕っています。

そしてもちろん、ブライアンもまた、キムに深い愛情を注いでおり、彼女の17歳の誕生日にカラオケセットを贈りました。

そしてブライアンは、何があってもキムを救出することを諦めませんでしたし、シーラのおかげで、彼女が歌手になるための道を作ってあげることができたのです。

物語の前半でも仲睦まじい2人ですが、無事アメリカに帰国出来てからの方が、より一層親子の絆と家族愛を感じられます。

まとめ


(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

元CIA工作員の父親が、パリで何者かに誘拐された娘を救うべく、特殊スキルを使って奮闘する姿を描いた、フランスのサスペンス・アクション作品でした。

本作の見どころは、ブライアンによるキム救出劇と、元CIA工作員の最強の父親vsフランスの犯罪組織による戦いです。

ブライアンが、キムを誘拐したアルバニア・マフィアと戦うアクション場面。建築現場に置かれたドラム缶が爆発したり、激しい銃撃戦と格闘戦が繰り広げられていたり、建築現場で猛スピードで駆け抜けるカーチェイスが繰り広げられていたりと、大迫力でスリリングな描写ばかりで興奮します。

そして、ブライアンによって暴かれた、ジャン=クロードやスチュワートの悪事、フランス・パリの街に潜む闇は、どれも驚愕するものばかりです。

元CIA工作員の最強の父親が、引退しても衰えない特殊スキルを使って、最愛の娘を救出するサバイバル・アクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。

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