仮面夫婦の殺し愛の行方はどうなる? 2人の作家のリレー式執筆によるラブサスペンス
小説『昨夜は殺れたかも』は、お互いに裏の顔を持つ新婚夫婦同士が、ある日、相手に対して“浮気をしている”や‟仕事で不正を働いている”と勘違いしたことから、まさかの殺し合いへと発展していくラブサスペンスです。
「今からあなたを脅迫します」シリーズの藤石波矢と、『いなくなった私へ』で第13回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞した辻堂ゆめが、それぞれ夫視点パート、妻視点パートで書き分けました。

(C)2026 映画「昨夜は殺れたかも」製作委員会
日常生活の中での殺人計画もリアルそのもので、笑顔で会話をしながらお互いの死を願うという仮面夫婦の恐怖生活を、『リカ 自称28歳の純愛モンスター』(2021)の松本創監督が、吉野北人と鈴木愛理というフレッシュな2人を主役夫婦役に招いて実写化。
2026年10月23日(金)の映画公開に先駆けて、小説『昨夜は殺れたかも』をネタバレ有りでご紹介します。
CONTENTS
小説『昨夜は殺れたかも』の主な登場人物
【藤堂光弘】
平凡なサラリーマン。元ヤクザ
【藤堂咲奈】
光弘の妻。結婚後起業した敏腕社長
【明石】
咲奈に接近する会計士
【野中】
光弘の会社の事務員
小説『昨夜は殺れたかも』のあらすじとネタバレ
平凡なサラリーマンの藤堂光弘と、彼を支える専業主婦の藤堂咲奈の夫婦は、周囲から羨ましがられる仲の良い夫婦です。
ところがある日、平日の昼間に咲奈が若い男性と一緒に歩いているのを見たと、会社の事務員野中から言われたのがきっかけで、光弘は妻が不倫をしているのではないかと思い始めました。
光弘が少し早く帰宅出来た日、妻は不在中でした。そこで彼が見つけたのは、見慣れない香水の瓶と高価なバッグ類でした。
ますます妻の不貞を勘ぐった光弘。なんとかして不倫の証拠をつかもうとします。
一方の咲奈は、光弘に内緒で、近所に住む瑞希が店長を務めるエステティックサロンで週2日のアルバイトをしています。
サロンの経理を担う明石という青年とも仲良くなって、楽しく働いていました。
そんな時、光弘が務める派遣会社から紹介されたパート従業員若宮葵が、エステティックサロンでトラブルを起こします。
勤務態度も悪い若宮を紹介したのは、派遣会社の藤堂光弘という社員だと明石から言われ、咲奈はショックを受けます。
エステティックサロンでは、咲奈は旧姓を名乗っていましたので、明石たちは咲奈の本名が藤堂だとは知りません。
咲奈は何食わぬ顔で話を聞いていましたが、夫が仕事で不正を行っている気配を察し不信感を持ちます。
実は光弘と咲奈はそれぞれに相手に打明けていない裏の顔を持っていたので、それがバレたのではないかとも思い始めました。
こうして、夫婦の間に芽生えたお互いへの不信感と疑惑は、日に日に募っていきました。
小説『昨夜は殺れたかも』の感想と評価
愛し合っているはずの新婚夫婦が、パートナーに打ち明けずにいる秘密を持っているために、やがてお互いを殺そうとし始めます。
靴に細工をしたり、ジムで購入した運動器具で頭を打つような仕掛けをしたりと夫が罠をしかければ、一方の妻は、食事に毒を盛ったり、車の中に排気ガスが流れ込むような仕組みをしたりと、応戦します。
平凡な日常生活の中で、身近なものからこんなにも殺害できる要素があることにまず驚きました。
次に、本当に愛する人を殺せるのかと、強く思います。
殺人の用意をしながら相手との甘い過去を思い出すシーンに、やはり殺せないのではと、ラストが気になって仕方ありませんでした。
最後まで気を持たせながら、めでたし、めでたしの円満解決にホッと胸をなでおろしました。
そして得た教訓は、パートナーとなる人に、秘密は持たない方がいいということです。
本作は、夫・光弘パートを藤石波矢、妻・咲奈パートを辻堂ゆめという、2人の作家が担当しています。
会話劇のような要素も含み、軽快なリズムで最後まで楽しめる作品でした。
映画『昨夜は殺れたかも』の見どころ
本作の主役は新婚間もない若夫婦。夫は元ヤクザ、妻はデイトレードで大儲けをした実業家という裏の顔があります。
平凡なサラリーマンのフリをしたヤクザ・藤堂光弘役を演じるのは、THE RAMPAGEのメンバーとして活動しつつ、近年は俳優業にも躍進する吉野北人。
また、夫・光弘をこよなく愛する専業主婦でありながら、実は敏腕社長である藤堂咲奈役には、ドラマやバラエティでの活躍が目覚ましい鈴木愛理が扮しています。
2人が殺意を抱きながら笑顔で食卓を囲むシーンが小説ではたびたび登場します。表の笑顔とそれに反する心の声が聞えて来るようで・・・。
若手俳優の2人が演じるハラハラドキドキの殺意に満ちた食事シーンは見ものです。
映画の監督は松木創、脚本は『事故物件 恐い間取り』(2020)のブラジリィー・アン・山田です。ホラー要素も含んだ作品になるのではないかと、期待は高まります。
映画『昨夜は殺れたかも』の作品情報
【日本公開】
2026年(日本映画)
【原作】
藤石波矢,辻堂ゆめ『昨夜は殺れたかも』(講談社タイガ)
【監督】
松木創
【脚本】
ブラジリィー・アン・山田
【キャスト】
吉野北人、鈴木愛理、工藤阿須加、王林、佐津川愛美、ISSEI、田中美久、オラキオ、河本準一、菅田俊、本宮泰風
まとめ

(C)2026 映画「昨夜は殺れたかも」製作委員会
お互いを殺そうとする仮面夫婦のドタバタサスペンス物語、小説『昨夜は殺れたかも』をネタバレ有りでご紹介しました。
愛し合っているはずの新婚夫婦がなぜパートナーへの殺意を持ってしまったのか。
隠し持っている秘密を知られたと思い込んだことから巻き起こる殺人計画ですが、どこか落とし穴があってことは思うように進みません。
それがくすっと笑える要素となり、物語を面白くしています。
映画『昨夜は殺れたかも』は、2026年10月23日(金)に、全国ロードショー。スクリーンいっぱいに展開する、愛とスリル満点のサスペンスが今から楽しみです。

































