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映画『ゴールド/金塊の行方』感想とあらすじネタバレ!ラスト結末も

  • Writer :
  • 西川ちょり


実在の事件を題材に、マシュー・マコノヒーが自身の制作・主演で映画化した犯罪サスペンス『ゴールド/金塊の行方』をご紹介します。

以下、あらすじやネタバレが含まれる記事となりますので、まずは『ゴールド/金塊の行方』映画作品情報をどうぞ!

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1.映画『ゴールド/金塊の行方』作品情報

【公開】
2017年(アメリカ)

【原題】
Gold

【監督】
スティーブン・ギャガン

【キャスト】
マシュー・マコノヒー、エドガー・ラミレス、ブライス・ダラス・ハワード、 コリー・ストール、トビー・ケベル、クレイグ・T・ネルソン、ステイシー・キーチ、ブルース・グリーンウッド

【作品概要】
採掘事業を営むケニー・ウェルスは、破産寸前に追い込まれていたが、インドネシアで金鉱にたどりつく夢を見て、実際にインドネシアに乗り込む。地質学者マイケル・アコスタと組み、ついに巨大金脈を発見する。ケニーは一躍時の人となり、巨大投資銀行、大手採掘業者などが近づいてくるが、ある日、170億ドルの金塊が一夜にして消えたというニュースが飛び込んでくる。

2.映画『ゴールド/金塊の行方』あらすじとネタバレ

1981年、ネバタ州、リオ。
ケニー・ウェルスは祖父の代から続く採掘会社ワショー社に勤務しています。社長である父から呼び出されたので社長室に行ってみると、父は現在行われている事業の進み具合について質問し、全てをお前にまかせようと告げました。

そのあとすぐに父は急死してしまうため、それが、ケニーが父親を見た最後となりました。

7年後、事業は低迷し、株価は一株4セントまで下降。事務所も追われ、今ではケニーの恋人、ケイが働くバーが事務所代わりとなっていました。

自宅は取り押さえられ、ケニーの家に転がり込んでいますが、それもまもなく取り押さえられてしまうでしょう。

出資者を探しても、つれなくあしらわれる日々。ある日、ケニーは夢を見ます。

場所はインドネシア。金鉱の夢でした。ケニーは直感的に呼ばれている、と感じます。

インドネシアには環太平洋火山帯理論を唱え、最高の銅鉱を掘り当てたことで知られる地質学者マイケル・アコスタがいるはずです。ケニーは早速、マイケルにアポを取り、飛行機で出かけていきました。

ケニーが夢の話しをするとマイケルは「ゴールドはある」と告げました。二人はボートにのり、川をくだり、ジャングルの奥深くへと入っていきました。

そこは5000年も前から先住民たちが砂金をとっている場所でした。まさにそれはケニーが夢で見た土地そのものでした。

ケニーはあらゆる手を使って資金を集め、採掘作業が始まりました。

ナプキンに書いた契約書を渡しサインするように求めるケニー。サインして戻そうとするマイケルの手を抑えて「持っておいてくれ」と告げるのでした。

採取したものをラボに出し、Gold 含有量を調査してもらうのですが、結果は思わしくなく、掘れば掘るほどどんどん悪くなっていきます。

作業員が次々に去ってしまい、状況は悪化していきました。

挙句の果てにケニーはマラリアにかかってしまいます。床にふせながら、マイケルになけなしの金を渡し、浄水器を買って作業員たちに配るように頼みました。

水が悪いために浄水器は歓迎され、労働者たちが帰ってきました。

ようやく病から脱したケニーに朗報が告げられました。ついに金鉱を当てたのです! ラボからの報告も確かなものでした。

ワショー社の株は急上昇。事務所も元の場所に戻ることができました。そしてついにニューヨークの巨大投資銀行から連絡が入ったのです。

ケニーはニューヨークのホテルの部屋をケイの好きなバラでいっぱいにし、ケイを迎えました。あまりにもすてきな部屋に目を丸くするケイ。しかし、パーティーに出席しているうちにそこに集う人々のまやかしに気付き始めます。

皆、お金に群れている。ケニーに色目を使う女にも我慢できません。不満を口にすると、ケニーは怒り出し、「不遇の時代を支えてきただと? 一度も俺を信用したことなどなかっただろう」と刺々しく言い放ち、ケイは泣きながら部屋を飛び出ていきました。

投資銀行は、現地の開発、運営は自分たちがまかない、利益の何%かをワショー社におさめるという条件を出してきました。

ケニーは金だけが欲しいわけではありません。採掘という行為が彼のロマンであり、生きがいなのです。事業に投資してくれるのを望んでいたのに随分話が違うではありませんか。激怒した彼は即座に申し出を断るのでした。

ワショー社は上場し、上場初日から株価は急上昇しました。

そこへ現れたのが世界の金山を牛耳ってきた黄金王、マーク・ハンコックです。彼の手口はほとんど乗っ取りでした。サインすれば先祖代々、金に困らずにすむ、そのかわり、運営からケニーとマイケルの名前を消すという条件を突きつけてきました。

とても受けられないとケニーは話を蹴ります。しかし思いがけない展開が待っていました。

インドネシアの採掘場にインドネシア軍が介入し、現場を占領されてしまったのです。

ハンコック率いるニューポート社はスハルト大統領と親しく、運営権をケニーたちから力づくで奪ったのでした。

ワショー社株は急落してしまいます。

何もかも失ってしまったケニーとマイケル。しかしケニーは諦めませんでした。帰国したマイケルと二人、なんとか手はないものかと思案します。

「スラウェシ島にいた1980年の話だ。そのころ、俺はボーキサイトを探していた。ところが目的地に進めなくなった。泥のせいだ。何もしないよりは何かしたほうがいい。そこで嘘を申告した。目的地を変えた。すると銅が出たんだ。ラッキーだったよ」

マイケルの話を聞いてケニーは笑いました。「ボーキサイトを探して銅をみつけた、か。俺は金を探して友を見つけた」。

彼らはスハルトの息子に注目しました。やんちゃで親の悩みの種だという噂です。「俺達と気が合うはず」。

ケニーとマイケルはインドネシアに飛び、スハルトの息子に接近。思った通りの人物です。息子はケニーにトラの檻に入り、頭を撫でてきたら、条件を飲もうと告げます。ケニーは見事にやってのけました。

ニューポート社から金鉱を取り戻したワショー社。株価も復活し、絶好調のケニーのもとに「金のツルハシ賞」が送られるという知らせが届きました。採掘業者にとって、もっとも権威のある賞。父も喜んでくれることでしょう。ケニーは胸がいっぱいになりました。

受賞式にはマイケルも来てくれました。ケニーが舞台上で挨拶している途中で彼は席を立ち、ドアの前に立ってケニーと目を合わせました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ゴールド/金塊の行方』ネタバレ・結末の記載がございます。『ゴールド/金塊の行方』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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そんな絶頂の最中、彼のもとに、一本の電話がかかってきました。一体何事かとやってきた会社の前には大勢の人々が詰めかけ、怒声が飛び交っています。

それは信じられない知らせでした。金鉱に金はなかったというのです。

ラボの検査に間違いはありませんでしたが、それはマイケルが本物の金を意図的に混ぜていたから。彼は浄水器を交換する代わりに、現地の人々から砂金を貰っていたのです。

全てはマイケルが行った詐欺行為でした。

どうして誰も気づかなかったのか? 誰も本当に調べようとしなかったからです。誰も採掘責任者が詐欺を行っているとは想像もしなかったのです。

ワショー社の株式は停止。上場廃止。多くの人が損害を受けることに。ケニーはFBIに取り調べられ、共犯者と疑われ、厳しい質問を受けるのでした。

マイケルは株を売り、1億6400万ドルを手にしたと聞かされます。インドネシアに戻ったマイケルは、ラボを襲われ、インドネシア軍に拘束されたのだそうです。ヘリコプターに乗せられ、地上300メートルの高さから飛び降りたといいます。

ジャングルの中で遺体が発見されますが、顔と手足は野生動物に食べられており、近くにあったパスポートから彼の遺体だと断定されたとのこと。1億6400万ドルは未だ行方がしれません。

「うそだ! 彼が飛び降りるわけがない」俄には信じられないことでした。マイケルはこの業界から見放された男でした。その男を自分は信用し、友情を育んだと思っていたのです。

「細工されたサンプルと知っていたか?」FBIの質問に「ノー」と応えながら、彼は哀しみにくれていました。

FBIの捜査官は調査を終え、録音していたテープのスイッチを切り、告げました。「あなたは自由です」。彼はケニーを信じてくれたのでした。

騒動が少し収まり始めた頃、ケニーはケイの家を訪ねました。一輪のバラを持って。驚くケイ。しかしすぐに彼を快く招き入れてくれました。

「そうそう、あなた宛の手紙が来ているのよ」と言うと、手紙の束を彼に手渡しました。

その中に一通の航空便がありました。開けてみると、なんとそこから出てきたのは、かつてマイケルと交わした契約書ではないですか。あのナプキンに書いたものです。そこには「見返してやろうぜ。儲けは山分けだ」とケニーが書いた文章がありました。

手紙には小切手が同封されていました。そこには、丁度1億6400万ドルの半分の金額が記載されていました。

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3.映画『ゴールド/金塊の行方』の感想と評価

本作は、1990年代に北米、カナダの株式市場に大混乱をもたらした、通称「Bre-X事件」をもとにしています。実際の事件はもっと組織ぐるみの犯罪だったようですが、映画の方はマシュー・マコノヒー扮するケニーとエドガー・ラミレス扮するマイケルの二人にしぼり、時代も1980年代に設定し、オリジナルな展開を見せています。

採掘業というと一発あてれば莫大な富が入ってくる一方、失敗すれば、破産も同然の状態になるなど実に浮き沈みの激しいものに思えます。実際、ケニーの生活もジェットコースターのように激しく変動します。

欲と道連れの世界で、そこには金の亡者たちが自然に集まってきます。中でもケニーたちの功績を横取りしようとするウォール・ストリートの巨大投資銀行や大手採掘会社などのやり口は「えげつない」という言葉が相応しいでしょう。

ただし、ケニー自身は一攫千金を夢見る金の亡者とは一線を画しています。自分の職業に誇りを持ち、父親を尊敬しています。そこがマネーゲームを題材にしたウォール・ストリートを舞台とした映画群とはひと味違うところです。

彼はハリウッド映画に相応しいロマンチストです。莫大な金が入ってくる条件をはねつけて、自分も現場に立ち、泥に塗れることを望む男。そうした彼のキャラクターが、映画を快活なものにしています。

さらに注目したいのは、ケニーとマイケルの友情です。ケニーの「金を探していたら友を見つけた」という言葉は嘘偽りのない本音。終盤、あっといわせる展開に、友情が崩れたかに見えましたが、ラストの紙ナプキンが泣かせます。

脚本を書いたのは、『トゥームレイダー』のパトリック・マセットとジョン・ジンマン。作品数は少ないようですが、記憶しておきたい名前です。

4.まとめ

マシュー・マコノヒーは本作では制作も兼ね(脚本のパトリック・マセットとジョン・ジンマンも制作に名を連ねています)、ケニーという男を体当たりで演じています。

『ダラス・バイヤーズクラブ』(14)では、HIVに感染した主人公を演じるために38ポンドの減量をしたことで知られていますが、今回は逆に、お腹がぽっこり飛び出した、だらしない体を作り上げています。

ズボンをはかず、ブリーフだけという姿も何度かあるのですが、そのブリーフもなんだかしわくちゃで、ぱりっとしていないダメな感じがよく出ていました。

そんなアウトローな主人公は、採掘業を天職とし、絶体絶命の中でも決して諦めず、頭を使い、大胆な行動をとって(一度は)立場を逆転させます。

そのせいで巨大投資会社をクビにされてしまうブライアン・ウルフを演じるのは、スキンヘッドが特徴的なコリー・ストール。テレビドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(13~)でブレイクし、あちこちで顔を見るようになりましたが、こういう役が実に似合う人です。

物語自体は、ピカレスクロマンの一種と定義してもよいかと思われますが、前述したように、夢と友情が基盤になっています。そこが実にアメリカ映画らしく、だからこそ筆者はアメリカ映画が好きなのだ、と確信したのでした。

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