映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』は2022年4月15日(金)に公開
青山剛昌の人気コミックをアニメ化したシリーズ「名探偵コナン」の劇場版25作目は『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』。
舞台はハロウィンシーズンの渋谷。今回のキーパーソンは警視庁の高木刑事・佐藤刑事、さらに警視庁警察学校鬼塚教場の同期5人組(降谷零、諸伏景光、松田陣平、萩原研二、伊達航)です。
予告編に佐藤刑事の花嫁姿が登場しますが、とうとう高木刑事と結婚するのか。警察学校組メンバーは降谷以外、既に殉職しているけれど、どのようにストーリーに関わってくるのか。ファンが気になるのはこの2点でしょう。
事前に知っておきたいことをネタバレなしにまとめてみました。
CONTENTS
映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の作品情報
【公開】
2022年(日本映画)
【原作】
青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
【監督】
満仲 勧
【脚本】
大倉崇裕
【音楽】
菅野祐悟
【声の出演】
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷徹、高木渉、湯屋敦子 ほか
【作品概要】
青山剛昌の人気コミックをアニメ化したシリーズ「名探偵コナン」の劇場版25作目。
監督は劇場版「ハイキュー!!」シリーズを担当した満仲勧。音楽はこれまでの大野克夫に代わって菅野祐悟。
ゲスト声優は白石麻衣。クールな美女エレニカ・ラブレンチエワ役で初の声優に挑み、ロシア語のセリフにも挑戦しています。
主題歌「クロノスタシス」を、ロックバンド「BUMP OF CHICKEN」が担当。同バンドは、本作で「名探偵コナン」と初タッグを組みました。
映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』のあらすじ
ハロウィンシーズンで賑わう東京渋谷。
渋谷ヒカリエでとある結婚式が執り行われていました。そこには、ウェディングドレスに身を包んだ警視庁・佐藤刑事の花嫁姿が。
コナンたち招待客が見守る中、突然乱入してきた暴漢が襲い掛かり、守ろうとした高木刑事の身に危機が―!?
事態は収束し、高木は無事でしたが、佐藤の瞳には、3年前の連続爆破事件で、想いを寄せていた松田刑事が殉職してしまった際に見えた死神のイメージが高木に重なって見えていました。
時を同じくして、その連続爆破事件の犯人が脱獄。果たしてこれは偶然なのでしょうか?
公安警察の降谷零(安室透)が、同期である松田刑事を葬った因縁の相手を追い詰めますが、そこに現れた謎の仮装の人物に、首輪爆弾をつけられてしまいます。
首輪爆弾解除のために安室が潜伏している地下シェルターを訪れたコナンは、3年前に今は亡き警察学校時代の同期メンバーたちと正体不明の仮装爆弾犯「プラーミャ」と渋谷で遭遇した事件の話を聞きます。やがて、捜査を進めるコナンたちを狙う不穏な影が―。
火が灯された運命のスクランブル。今、祝祭のハロウィンが狂乱の夜行へと変貌します―!
映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』キーパーソンの紹介
佐藤美和子(さとう みわこ):警視庁刑事部捜査一課強行犯三係所属
捜査一課のマドンナ。しかし狙撃や格闘術の腕は男性に引けを取りません。気さくで親しみやすく、しかも美人。警視庁の男性陣から絶大な人気を誇っています。3年前に配属された松田陣平が爆弾事件で殉職する直前に送ってきたメールの言葉を忘れられずにいましたが、今は同じ捜査一課に所属する高木刑事と恋仲になっています。松田だけでなく、刑事だった父親も殉職していることもあり、大切な人を死神が連れ去ってしまうというトラウマを今でも抱えています。
高木渉(たかぎ わたる)警視庁刑事部捜査一課強行犯三係所属
温和で優しい性格で、コナンたちからもよく頼られています。おっちょこちょいなところもありますが、時には事件の核心をつくことも。佐藤刑事の父親が殉職した18年前の事件の真相を見抜き、犯人逮捕のきっかけを作りました。2歳年上の佐藤刑事に想いを寄せ、やっとの思いで恋人の座を勝ち取りました。サングラスをかけて変装した姿が松田に似ていて、佐藤刑事をどきりとさせたことがあります。
降谷零(あむろ れい):警察庁警備局警備企画課(通称:ゼロ)所属
「バーボン」のコードネームで黒づくめの組織に潜入捜査しています。また「安室透」の名で毛利小五郎に弟子入りし、探偵見習いの傍ら、探偵事務所の1階にある「喫茶ポアロ」でアルバイト中。「100億の男」というネット上の通称がありますが、これはキーパーソンなった『名探偵コナン ゼロの執行人』の興行収入を100億円にしようとファン同士が呼びかけ合ったことに寄ります。
松田陣平(まつだ じんぺい)
警視庁警備部機動隊爆発物処理班に所属していましたが、3年前に捜査一課に異動してきました。7年前に親友の萩原研二が爆発処理中に殉職。その爆弾犯を単独で追っていたのです。しかし、自身も同じ爆弾犯によって仕掛けられた爆弾を解体中に殉職。本来なら解体できたのですが、爆発3秒前にならないと次の暗号を手に入らないことが判明し、自ら犠牲となりました。死ぬ直前、佐藤刑事にメールで暗号を知らせるとともに「あんたの事、わりと好きだったぜ」と書き、佐事刑事の心に消えない思いを残しています。
萩原研二(はぎわら けんじ)
警視庁警備部機動隊爆発物処理班に所属。松田陣平とは幼馴染みで警察学校の同期。7年前に発生した爆弾事件でふたつの場所に爆弾が仕掛けられ、松田とともに解体を担当。松田は成功させましたが、萩原は止まっていたタイマーが急に動き出し、解体が間に合わず殉職しました。
伊達航(だて わたる)
元捜査一課の刑事。気さくな先輩で、老け顔ですが、年齢は佐藤のひとつ上。降谷零とは警察学校時代の同期でした。高木刑事の教育係を務め、下の名前が同じことから「ワタル・ブラザーズ」と勝手に命名。1年前に居眠り運転の車に跳ねられて死亡。高木刑事は伊達を尊敬しており、遺品から警察手帳を譲り受けました。
諸伏景光(もろふし ひろみつ)
警視庁公安部所属の潜入捜査官。幼いころに事件で両親を喪い、東京の親戚に引き取られました。そのころに降谷と知り合い、親友に。「スコッチ」のコードネームで黒ずくめの組織に潜入していましたが、正体が露見して自決。その場に赤井秀一がいたことから、降谷は赤井を激しく憎んでいます。
映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』感想と評価
「本庁の刑事恋物語~結婚前夜~」は見ておきたい
警察学校5人組のうち、存命なのは降谷のみ。亡くなった4人のうち、萩原と松田が爆弾事件で殉職したときのことを描いているのが、2003年1月に2時間スペシャルとして放送された「揺れる警視庁 1200万人の人質」(#304)です。この回はHuluで見られます。
松田が佐藤刑事に「あんたの事、わりと好きだったぜ」とメールしたのはこの話のときのこと。高木刑事がサングラスをかけて変装した姿に佐藤刑事が松田を重ねてしまったシーンも出てきますし、本作の予告編で佐藤刑事が「あいつ(松田)との1週間はだいたい覚えている。高木くんには内緒よ」といっている1週間も描かれています。しかも、あるシーンの前振り部分が本作に追加されているのです。知らなければそのまま見てしまうだけですが、「揺れる警視庁 1200万人の人質」を見ていれば、「あのシーンはこういう設定があったんだ」とより本作が楽しめます。
ただHuluに加入していなくても、日本テレビ系「金曜ロードショー」枠で4月15日(金)に、高木刑事と佐藤刑事のこれまでのエピソードをまとめた「本庁の刑事恋物語~結婚前夜~」が放送されます。
こちらには「本庁の刑事恋物語3」(#205~206)、「本庁の刑事恋物語4」(#253~254)、「揺れる警視庁 1200万人の人質」(#304)、「本庁の刑事恋物語5」(#358~359)、「古き傷跡と刑事の魂」(#535)、「命を賭けた恋愛中継」(#681~683)が収録されているとのこと。恐らくこの放送を見れば、必要な情報は網羅されているはず。
警察学校同期組5人の関係性をより深く知るには
降谷零、松田陣平、萩原研二、伊達航、諸伏景光の5人は警視庁警察学校鬼塚教場の同期でした。5人がどのように絆を深めていったのか。これに関してはコミック「名探偵コナン」のスピンオフ「名探偵コナン 警察学校編」上下巻に描かれています。
こちらの内容を原作に、2021年12月4日(土)に「警察学校編 Wild Police Story CASE.松田陣平」、2022年3月12日(土)に「警察学校編 Wild Police Story CASE.伊達航」がアニメとして放送されました。Huluで「名探偵コナン」の過去作が見られますが、残念ながらこの2つは2022年3月末現在、アップされておりません。ただ、本作はこれらの話は知らなくても理解できます。
まとめ
今回は警察学校同期5人組の友情に関わった事件に高木刑事と佐藤刑事のラブストーリーが絡んできます。
名探偵コナンは探偵ミステリーですが、作者の青山剛昌が『名探偵コナン』第49巻 巻末付録 完全キャラクターBookで「これもひとえにこの“殺人ラブコメ漫画”を見捨てずに読んでくださった読者の皆様のお陰です!」と書いているように、ラブコメの要素もミックスされているのです。
主人公の工藤新一と毛利蘭だけでなく、高木刑事と佐藤刑事、関西では名の通った高校生探偵の服部平次と遠山和葉、蘭の両親である毛利小五郎と妃英理、白鳥警部とコナン達の担任を務める小林先生などカップルが多いのはそのため。
劇場版を振り返ってみれば、前作『名探偵コナン 緋色の弾丸』は交通課の宮本由美とプロ棋士の羽田秀吉、前々作『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』は園子と京極真のことが描かれていました。
高木刑事にとって松田は最大のライバルでしたが、これまでに何度も危険な目に遭いながらも無事に帰ってきて、佐藤刑事が抱える“大切な人を死神が連れ去ってしまう”というトラウマを少しずつ解消してきました。
今回も2人の絆がまた少し強まります。そして“ハロウィンの花嫁”というタイトルは、ミスリードのようで最後まで見ると実はストレートであったことがわかり、タイトルも含めて作品の奥深さを感じます。
もちろん、主人公コナンの活躍ぶりはいつも通り。少年探偵団の面々の協力を受け、阿笠博士が新たに開発した発明品を活用して渋谷の危機を救います。そのアイデアのベースには警察学校同期5人組のある人物の行動があったことが後からわかり、胸が熱くなります。
そして忘れてはいけないのが降谷零。早々に首輪爆弾を仕掛けられてしまいますが、その後の的確な判断と行動力は目を見張るものがありました。今年こそ“100億の男”を達成するかもしれません。