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Entry 2017/06/11
Update

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

  • Writer :
  • 馬渕一平
  • リョータ

“すべての国民が、この男に狂わされる”

韓国映画『殺人の告白』を入江悠監督がリメイクしたクライムサスペンス映画『22年目の告白 私が殺人犯です』をご紹介します。

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映画『22年目の告白 私が殺人犯です』の作品情報

【公開】
2017年(日本)

【監督】
入江悠

【キャスト】
藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平、石橋杏奈、竜星涼、早乙女太一、平田満、岩松了、岩城滉一、仲村トオル

【作品概要】
『SR サイタマノラッパー』、『ジョーカー・ゲーム』でおなじみの入江悠監督が、2012年の韓国映画『殺人の告白』を基に描いたサスペンススリラー。

主演に藤原竜也さんと伊藤英明さん、共演に夏帆さん、野村周平さん、石橋杏奈さんら若手俳優に加え、平田満さん、岩松了さん、仲村トオルさんなどのベテラン俳優陣が脇を固めた豪華キャストが集結している。

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』のキャスト一覧

曾根崎 雅人 / 藤原竜也


(C)2017 映画「22年目の告白 私が殺人犯です」製作委員会

1997年、蜷川幸雄さん演出の舞台『身毒丸』の主役オーディションでグランプリを獲得し、俳優デビューを飾った藤原竜也さん。

その後も舞台へ出演する傍ら、映画界では深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』(2000)の主演に抜擢され、一躍脚光を浴びました。

2001年、今度はテレビドラマにおいても活躍を見せます。日本テレビドラマ『新・星の金貨』で連続ドラマで初主演を果たし、ますます注目を集めることに。

2004年にはNHK大河ドラマ『新選組!』で沖田総司役、2006年の映画『デスノート』では夜神月役を演じ、さらに人気を博します。

さらには映画『カイジ』シリーズや『藁の楯』(2013)、『僕だけがいない街』(2015)、TBSテレビの2017年春ドラマ『リバース』など、様々な話題作で個性的なキャラクターを演じ、常に強烈なインパクトを残し続けてきました。

そんな藤原竜也さんが本作で演じているのは、22年目の告白をすることになる男、曾根崎 雅人。

まさに藤原さんのためにあるような役柄で、一体どのような怪演を見せてくれるのか…今から楽しみですね!

なお、映画『22年目の告白 私が殺人犯です』はU-NEXTの31日間無料トライアルキャンペーンを活用すれば、無料でご覧いただけます。

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牧村 航 / 伊藤英明


(C)2017 映画「22年目の告白 私が殺人犯です」製作委員会

1993年に第6回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」準グランプリを受賞したことで、芸能界デビューを果たした伊藤英明さん。

2000年にはテレビ朝日ドラマ『YASHA-夜叉-』でテレビドラマ初主演、同年の映画『Blister 〜ブリスター〜』では映画初主演を果たし、この作品で高崎映画祭新人賞を受賞するなど、高評価を獲得します。

さらにフジテレビドラマ『救命病棟24時』シリーズや『白い巨塔』(2003)でも素晴らしい演技を披露してくれましたが、やはり伊藤さんといえば『海猿 ウミザル』(2004)ですよね。

この『海猿』シリーズの大ヒットによって一躍スターへの階段を駆け上がった伊藤さんは、その後も様々な作品に出演し続け、2012年には三池崇史監督の『悪の教典』で悪役としての新境地を開拓するなど、俳優としての幅を広げていきました。

本作『22年目の告白 私が殺人犯です』で伊藤さんが演じているのは、かつて犯人を追い詰めながらも逃してしまった刑事の牧村航。

22年目に犯人として名乗り出た曾根崎だが時効が成立していてどうにも手が出せないという状況に、一体どう対応し、また伊藤さんがどう演じているのかに注目です!

岸 美晴 / 夏帆

2003年にCMに出演して芸能界デビューを果たした夏帆さんは、2003年から(2005年まで)ファッション雑誌『ピチレモン』でモデルとして活躍していました。

2004年には、これまで数々の名女優を輩出してきた登竜門的存在である「三井のリハウス」のCMで11代目リハウスガールに抜擢。

それ以降『ケータイ刑事 銭形零』(2004~05)を皮切りに、女優として活動するようになります。

2007年の主演を務めた映画『天然コケコッコー』では、その高い演技力が評価され、第31回日本アカデミー賞新人俳優賞、第29回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第32回報知映画賞最優秀新人賞などといった様々な賞レースを席巻。

2008年には『東京少女』、『うた魂♪』、『砂時計』と立て続けに主演映画が公開され、女優・夏帆の名が日本中に知られるようになりました。

その後も様々なテレビドラマや映画に出演し、2015年の是枝裕和監督作『海街diary』では第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞するなど、女優としてますます脂が乗っているといったところでしょうか。

そんな夏帆さんが本作で演じているのは、被害者遺族の娘である岸美晴。曾根崎の命を狙うことになるのですが、いつもの可愛らしい夏帆さんとはまた一味も二味も違った一面を見せてくれることに期待大です!

小野寺 拓巳 / 野村周平

アミューズ全国オーディション2009「THE PUSH!マン〜あなたの周りのイケてる子募集〜」で、見事グランプリを受賞し、芸能界デビューを果たした野村周平さん。

翌年にはMBSドラマ『新撰組 PEACE MAKER』でテレビドラマデビューを果たし、その後も何ドラマや映画への出演が増えていきますが、彼が本格的にブレイクを果たしたのは、フジテレビドラマ『恋仲』(2015)でしょう。

この作品で、ミステリアスな蒼井翔太という役柄を演じ、一躍注目を集めることに。翌年にはフジテレビドラマ『フラジャイル』、『好きな人がいること』などに出演し、ますます人気に火が付きます。

映画では『ちはやふる』(2016)や『森山中教習所』(2016)、『ミュージアム』(2016)など立て続けに話題作に出演。

2017年には本作の他に、『サクラダリセット前篇/後篇』(2017年3月25日・5月13日公開予定)、『帝一の國』(2017年4月29日公開予定)の公開が控えており、現在の若手俳優の先頭を切っている存在といえますね。

そんな野村周平さんが本作で演じているのは、牧村刑事の妹・里香の恋人である小野寺拓巳。どうような立ち位置になるのか詳細は不明ですが、今大注目の若手俳優の演技に注目しましょう!

牧村 里香 / 石橋杏奈

2006年に第31回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し、芸能界入りを果たした石橋杏奈さん。

翌年にはテレビ朝日ドラマ『失踪HOLIDAY』(2007)でいきなり主演として女優デビューを果たします。

2008年には廣木隆一監督の『きみの友だち』で映画でも初主演を務め、30回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞するなど、新人女優であるにも関わらず高い評価を得ていました。

その後も日本テレビドラマ『銭ゲバ』(2009)、TBS系ドラマ『MM9-MONSTER MAGNITUDE-』(2010)、フジテレビドラマ『無痛〜診える眼〜』(2015)などに出演しています。

本作『22年目の告白 私が殺人犯です』で石橋さんが演じているのは、牧村の妹である里香。一体どのような役回りになるのかに注目して見ていきましょう!

春日部 信司 / 竜星涼

2010年のフジテレビドラマ『素直になれなくて』で、俳優デビューを果たした竜星涼さん。

翌年にはTBSドラマ『桜蘭高校ホスト部』(2011)に出演し、2012年の映画版『桜蘭高校ホスト部』で映画デビュー。

2013年には『獣電戦隊キョウリュウジャー』で 桐生ダイゴ(キョウリュウレッド)を演じ、一気に日本中の注目を集めます。

その後も『orange』(2015)、『泣き虫ピエロの結婚式』(2016)、『君と100回目の恋』(2016)などの話題の映画に出演。

2017年のNHK連続テレビ小説『ひよっこ』にも出演することが決まっており、今後の活躍がますます期待されている若手俳優の一人ですね!

そんな竜星さんが本作で演じているのは、牧村航の部下である熱血刑事の春日部涼。牧村とは何かとコンビを組むことになるそうですが、気が短いようで曾根崎の挑発にも簡単に乗ってしまうのだとか。

注目若手俳優の竜星さんが一体どのような演技を見せてくれるのか…非常に注目度は高まっています!

戸田 丈 / 早乙女太一

 
4歳の頃(1995年)に初舞台に立ち、すでに存在感を発揮していたという早乙女太一さん。

映像媒体に初めて登場したのは、北野武監督作品の『座頭市』(2003)。続く『TAKESHIS’』(2005)にも出演し、一気に注目を集めます。

2007年以降は女形として舞台に立つ傍ら、テレビドラマ界にも進出し、NHK大河ドラマ『風林火山』(2007)やフジテレビドラマ『信長協奏曲』(2014)、テレビ東京ドラマ『信長燃ゆ』(2016)など主に時代劇などで活躍していました。

他にも映画『少年H』(2013)、『クローズEXPLODE』(2014)、『HiGH&LOW THE MOVIE』(2016)などに出演しています。

そんな早乙女太一さんが演じるのは、橘組という暴力団の若手構成員である戸田丈。22年前の事件に深い関わりがあるようで、曾根崎の命を狙っているのだとか。果たして早乙女さんがチンピラをどう演じているのか…非常に興味深いですね!

山縣 明寛 / 岩松了

俳優としてはもちろん、劇作家・演出家・映画監督としても知られる岩松了さん。

最初に頭角を現したのは劇作家もしくは演出家としてでした。1980年代初頭から活動をしていた岩松さんは、1989年に『蒲団と達磨』で岸田国士戯曲賞、1993年には紀伊國屋演劇賞、1998年『テレビ・デイズ』で読売文学賞と、様々な受賞歴を誇っています。

1990年代からは俳優としても活動を始め、『のだめカンタービレ』や『転々』などといった様々なテレビドラマや映画で脇役として存在感を発揮し続けていますね。

そんな岩松さんが本作で演じているのは、かつて曾根崎に目の前で妻を殺された医師の山縣明寛。

曾根崎と対面したことで新たな騒動に発展することになるのですが、岩松さんの渋い演技に注目です!

橘 大祐 / 岩城滉一

ロックバンド“クールス”のメンバーとして知られる岩城滉一さんは、1975年に東映映画『新幹線大爆破』で俳優デビューを果たします。

その後、日本テレビドラマ『前略おふくろ様』(1977)に出演し、1981年には『北の国から』で北村草太役を演じ、一躍国民的人気者となりました。

1980年代からはレーサーとしても活動を始め、俳優としても様々な作品に出演し続けていますね。

本作で岩城滉一さんが演じているのは、かつて恋人を曾根崎に殺されてしまった橘組の組長・橘大祐。

曾根崎の登場で彼の命を狙うことになるのですが、岩城さんのド迫力の演技に注目です!

仙堂 俊雄 / 仲村トオル

1985年に映画『ビー・バップ・ハイスクール』で俳優デビューを飾った仲村トオルさん。翌年からは『あぶない刑事』シリーズに出演し、人気を博します。

その後もフジテレビドラマ『29歳のクリスマス』(1994)、映画『きけ、わだつみの声 Last Friends』(1995)、フジテレビドラマ『眠れる森』などの話題作に次々と出演。

さらには『救命病棟24時 第3シリーズ』(2005)、『海猿』(2005)、『華麗なる一族』(2007)、『チームバチスタ』シリーズなど、常に第一線で活躍し続けていますね!

そんな仲村トオルさんは、人気報道番組「NEWS EYES」でメインキャスターを務める仙堂俊雄。

時効を迎えた曾根崎に対し、メディアの力を使って彼を裁こうと奮闘することになる訳ですが、一体どのような結末を迎えるのか…要注目です!

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』の監督紹介

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』の監督を務めるのは入江悠さんです。

日本大学藝術学部映画学科で映画製作について学んでいた入江監督は、短編映画『OBSESSION』(2002)でゆうばり国際ファンタスティック映画祭2003オフシアター部門に入選

また、『SEVEN DRIVES』(2003)でもゆうばり国際ファンタスティック映画祭2004オフシアター部門に入選するなど、大学在学中からすでに大きな注目を集めていました。

2003年に大学卒業後、『部屋の片隅で、愛をつねる』(2004)で第2回うえだ城下町映画祭グランプリに輝き、2006年には長編映画『JAPONICA VIRUS ジャポニカ・ウイルス』が全国劇場公開されるなど、さらに評価を高めます。

入江監督の代表作!『SR サイタマノラッパー』(2009)

2009年、埼玉でくすぶるヒップホップグループを描いた『SR サイタマノラッパー』を発表し、第19回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター・コンペティション部門でグランプリを獲得。

この作品は他にも第13回富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭でNETPAC AWARD(最優秀アジア映画賞)、第50回日本映画監督協会新人賞を受賞するなど、入江悠の名を日本のみならず世界に知らしめることに。

その後も『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』(2010)、『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(2012)、『日々ロック』(2014)、『ジョーカー・ゲーム』(2015)などの話題作を次々と発表していますね。

そんな入江さんが本作に取り組むにあたり…

この映画の企画を実現するのに、約2年半をかけ脚本は37稿の改定を重ねました。映画の精度と質を徹底的に高めるためにディティールを叩いては壊し、また積み上げていく作業にそれだけかかりました。(公式サイトより抜粋)

…とのコメントを残しており、この作品にかける意気込みが伝わってきますね!

韓国で起きた華城連続殺人事件をモチーフにした!『殺人の告白』(2012)

そもそも本作は、2012年のチョン・ビョンギル監督の映画『殺人の告白』(この作品自体2003年の華城連続殺人事件を題材にした映画『殺人の追憶』に着想を得たもの)のリメイク。

元の作品を忠実に再現しているのか…はたまたオリジナリティを加えているのか…その辺りが非常に注目ポイントになりそうですね!

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』のあらすじ


(C)2017 映画「22年目の告白 私が殺人犯です」製作委員会

22年前 ―

5人の命が奪われる凄惨な連続殺人事件が発生。犯人はいずれも被害者と親しい者に殺人の瞬間を見せつけており、目撃者は殺さずに犯行の様子をメディアに証言させるというルーティンで犯行を重ねていました。

捜査を担当していた刑事・牧村は犯人を追い詰めるも、罠にはまってしまい、結果として上司を殺されてしまいます。

それから22年 ―

曾根崎雅人という一人の若い男が開いた記者会見で再び事件の幕が上がります。

その会見で曾根崎は不敵な笑みを浮かべながら、ある1冊の本の出版を発表しました。

タイトルは「私が殺人犯です」。

なんと22年前のあの連続殺人事件の犯人が自分だというのです。

すでに時効を迎えているこの男の登場で、日本中が大混乱に陥りました。

顔を晒し、肉声で殺人を告白する曾根崎の残忍な殺人犯とも思えぬほど美しい容姿にマスコミの報道も過熱します。

SNS上でも一気に人気者になってしまい、一躍時の人となった曾根崎。

賛否両論が巻き起こる中、出版した本もベストセラーになりますが曾根崎の企みはそれで終わった訳ではありませんでした。

マスコミを連れて被害者遺族への謝罪行脚をおこなったり、刑事を挑発したり、はてはサイン会を開いたりとさらに報道やSNSを過熱させてしまいます。

そしてそんな時…あらたな事件が巻き起こり…。

かつて事件を担当し、直前で犯人を捕まえ損ねたことを今でも悔やみ続けていた刑事・牧村は、再び起きた事件を曾根崎の仕業だとにらみ、今度こそ捕まえようと奔走します!

果たして…曾根崎の目的とは一体…?!

牧村は事件の真相に辿り着けるのか?!

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『22年目の告白 私が殺人犯です』ネタバレ・結末の記載がございます。『22年目の告白 私が殺人犯です』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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曾根崎はもっと世間を盛り上げるために、担当編集者にテレビ出演を依頼します。

各局が尻込みする中、曾根崎が起こしたと自称する東京連続絞殺事件の取材によってジャーナリストとして評価され、今や夜の人気報道番組「NEWS EYES」でメインキャスターを務める仙堂俊雄が生出演を依頼してきました。

世間の注目が集まる中、ついに曾根崎と仙堂が生放送で対峙。仙堂は出版された本を読んで、生じた疑問を曾根崎にぶつけます。

まず一つは殺人の動機が書かれていないこと。そしてもう一つは、実はもう一つの隠された殺人があったのではないかということでした。

当時の取材から、最後の5つ目の事件の現場である牧村刑事のアパートには、阪神淡路大震災によって家がつぶれ、居候していた妹の里香がいたことはわかっていました。

しかし、その事件の後、里香の消息は不明。仙堂のするどい追求に慌てて取り繕う曾根崎。結局、謎が残ったまま番組は終了しました。

1995年の事件当時、牧村のアパートには妹の里香とその恋人である小野寺拓巳が住んでいました。

牧村は心神喪失状態の里香を心配しながらも、誠実そうな拓巳を信頼し仕事へ。

ある日、牧村が家に帰ってくるとなにか言い争う声が隣の部屋から聞こえてきました。それは、拓巳のプロポーズに対して里香が迷っているからでした。

震災で亡くなったり傷ついたりしている人たちを残して自分だけ幸せになるわけにはいかないと里香は訴えます。

しかし、これから二人で支えあって世の中のためになることをしていこうと拓巳が里香を必死で説得し、婚約指輪を里香の指にはめました。

しかし、事件後に里香は失踪。犯人の仕業に違いないと確信した拓巳は真相の行方を追っていました。

2010年に事件は時効を迎え絶望した拓巳は、牧村の目の前で里香の婚約指輪が見つかったビルの屋上から飛び降り自殺を図りました。

事件に新しい動きがありました。

仙堂がキャスターを務める「NEWS EYES」に、曾根崎は偽物で自分こそが真犯人だと名乗る人物から連絡がありました。

その真犯人と名乗る人物が動画サイトに投稿した動画には、5番目の事件の発生前から発生後、そして捕えられた牧村の妹・里香の姿が映っていました。

その後、仙堂の番組に曾根崎、牧村、そして真犯人の3人が生出演することが決定。牧村は現職の刑事として出演するわけにいかず、退職願を提出し、上司もその気持ちを汲み取ってくれました。

まず、スタジオに仙堂、曾根崎、牧村が登場。遅れてやってきた真犯人は、マスクで顔を隠し、ある映像が映っているDVDを持ってきていました。

その映像はとても放送できる内容のものではなく、4人だけで視聴し、真相に迫っていくことにします。

その映像は投稿されたものの続きで、犯人が里香を絞殺した後、指から婚約指輪を抜き取り現場に残していくところで終わりました。

涙にくれる牧村、言葉を失う仙堂、楽しそうな様子の真犯人。その中で一人、曾根崎の様子が変でした。

曾根崎は仙堂の万年筆を奪うと、そのまま真犯人とされる男に飛びかかっていきました。

騒然とするスタジオ、曾根崎は取り抑えられました。激昂した仙堂は曾根崎に真実を語れと怒鳴ります。

観念した様子の曾根崎は、自分は犯人ではないことを明かしました。

そして、牧村があの本を執筆したのは自分だと語り出します。捜査で知り得た情報と現場の状況を考察、犯人像をイメージして執筆。曾根崎の正体は自殺を図った拓巳でした。

何とか一命を取り留めた拓巳は、牧村に別人として生きていくことを誓いました。

自己顕示欲と復讐心が強い犯人は、別人が犯人と名乗り出てきて、告白本を出し世間で話題になることは許せないはずだとふんでいました。

そのため二人で画策して、より話題になるように被害者遺族への訪問やテレビ出演にサイン会など色々と仕掛けていました。

注目を集められるような美しい顔への整形は妻を殺された被害者遺族の山縣明寛が執刀し、秘密裏に計画は進められました。

壮大な計画の告白に驚くスタジオでしたが、真犯人と名乗り出てきた男の正体は金で雇われたただの一般人でした。

真犯人への光が再び消えてしまった拓巳と牧村は成すすべがありませんでした。

新たな証拠として手に入れた里香が殺害される映像を何度も繰り返して見ていた牧村はある事実に気付きました。

そこに、拓巳が犯人の真相にたどり着いた様子で、車を借りてどこかへ出掛けたと山縣から連絡が来ました。牧村は急いで車を飛ばし、拓巳の元へと急ぎます。

拓巳が向かった先は、仙堂の別荘でした。

仙堂は戦場カメラマンの時に、反政府勢力に囚われ、目の前で大切な友人を絞殺され、なぜか自分だけ解放されたトラウマを経験。

心的外傷によって自分がやられた行為を他人にも行う事例があることをわかっていました。

彼の部屋で殺害時の全ての映像を発見した拓巳は、仙堂に詰め寄り、包丁で腹を突き刺しました。

仙堂は過去のトラウマによって自分の中に闇が生まれ、同じ境遇の人がいるということが救いになると語り出しました。

そのやるせない想いや憎しみによって人は頑張れるのだからと言い、顔や戸籍を変え、別人にまでなった曾根崎こと拓巳は私が生み出した最高傑作だと喜びます。

刺殺は美しくないから首を絞めてくれと、仙堂は自らの首にコードを巻き、拓巳に懇願します。

拓巳が仙堂の首を絞めているところに牧村が駆け付けました。そして、仙堂はまだ法律で裁くことが出来ると訴えます。

実は最後の殺人、里香の絞殺途中に日付が変わり、殺人事件の時効が適用外となる第一日目を迎えていました。

映像の後ろに微かに映る東京タワーが深夜0時になるとライトアップが消えることから、牧村はその事実に気付きました。

復讐心に駆られる拓巳の目の前に、犯人によって首を絞められて苦しむ里香の映像が映っています。

その姿を見て拓巳は、自分が犯人と同じ行いをしていることに気付くと、仙堂の首を絞める力を緩めていきました。

仙堂の別荘の近くから里香の白骨遺体が発見され、事件は終焉を迎えました。

日本で顔を晒し過ぎた拓巳は、里香の命日には帰ってきますと言い、海外へと旅立って行きました。

一方、投獄された仙堂は獄中で手記を執筆し、大きな話題になります。

獄中の仙堂が移動している後ろで、清掃員に変装していた遺族の戸田丈がナイフを手に、仙堂に飛びかかっていきました。

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』感想と評価


(C)2017 映画「22年目の告白 私が殺人犯です」製作委員会

今作は、日本で2012年に公開された韓国映画「殺人の告白」を原作としています。

韓国映画が好きな私は、当時予告で観て気になって劇場まで観に行った覚えがあります。

パク・シフのとても綺麗な顔と、荒いCGによる思わず笑ってしまうような豪快なアクションシーンが印象に残るなかなか楽しめるエンタメ作品でした。

監督は「SRサイタマノラッパー」シリーズで一躍有名になった入江悠

この作品はファンの多い人気シリーズで、もちろん私もその一人です(ただ、現在放送されているドラマは途中で脱落してしまいましたが…)。

このシリーズは自主制作であり、その映画愛とも言うべき熱き想いが鮮烈に刻まれています。これは必見なので、未見の方はぜひ!

話は逸れましたが、その後商業監督として「ジョーカー・ゲーム」に「日々ロック」や「太陽」、「ふたがしら」といったドラマなど、人気映像作家として着実に歩みを進めています。

個人的にはやはり「SRサイタマノラッパー」シリーズが最高傑作であることに変わりはないのですが、今作もよく脚本が練られた良作でした。

日本でリメイクするにあたって大きな壁となるのは、死刑に相当する殺人に関しては、時効が適用されないという法律

そこを逆手にとって練られたプロットは、1995年が殺人の舞台にならざるを得ないということ。

つまり、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件など日本にとっては忘れられない出来事がいくつも起きた年です。

私自身はこの時まだ小さな子どもでしたのでほとんど記憶にありませんが、当時を知る人はこの時代のよどんだ空気感をよく覚えているのではないでしょうか。

そこをうまく利用した設定の改変がスムーズに物語の中に落とし込まれています。

特に良いなと感じたのは冒頭の事件を絡めた1995年の見せ方。当時の映像や音声、そしてざらついた質感であの時代の映像を再現

駆け出しの頃の伊藤英明の違和感のなさにさすがだなと唸りながら、時が経つにつれ次々とビルが建てられていく映像を挟み、現代のシーンに帰ってきます。

映画好きとしてはもうここだけで満足感いっぱいといった感じです。

そして、日本で実際にこんな事態が起こったら世間がどのような反応をするのかというリアリティ

1997年「神戸連続児童殺傷事件」の犯人、通称少年Aが記した「絶歌」という本が世間を騒がせたこともありましたが、そこの描き込みは徹底していました。

TwitterやInstagramなどSNSでの拡散、LINEスタンプ、ネット番組での配信、週刊誌での特集、報道番組での討論、出版社への抗議デモなど今の日本で起こり得ることを想定した事態がいちいちありそうと思えるものばかり。

国民からの支持も厚く、ジャーナリストとして期待されているキャスター仙堂は、今だと池上彰などのイメージでしょうか。

今作は日本テレビが制作ながら、メディアに対する批判を明らかに意図的に描いています。

ただ見ていて想起したのは「筑紫哲也 NEWS23」や「報道ステーション」。それに、密着型の番組は「情熱大陸」や「プロフェッショナル 仕事の流儀」でしょうか。いずれも他局なのももしや意図的?

今作の見せ場は、原作の韓国映画とは違ってアクションではなく、緊張感の走る心理戦

藤原竜也と伊藤英明という実力派の二人が主演として非常に頑張っています。

個人的には野村周平の1995年の感じがジャルジャルの福徳っぽくていいなと思ったり、夏帆は出演時間が短いながら強烈なインパクトを残すし、エンドロールが流れるまでまさかあのチンピラが早乙女太一とは思いませんでした。

ただ、今の時代はおそらく塩顔の方が若い子に好まれているので、顔は野村周平のままの方がいいのではとも思ったり…。

でも7年前ではそれは予想できないよなとか一人悩んだりなど、色々楽しめます。

伏線の効かせ方も非常に巧みで、夏帆が本に突き刺したカッター、曾根崎の番組を見つめる岩松了の絶妙な表情、何かを拾う動作の反復などなどそこら辺の細かな演出にもよく目を光らせてみてください。

主演が藤原竜也、制作が日本テレビ、そして配給がワーナー・ブラザース映画。この陣容で思い出すのが、2006年公開の「デスノート」。28億円を超える大ヒットを記録し、海外の配給会社が邦画の配給にも乗り出すようになったきっかけの作品です。

ワーナー・ブラザース映画はその後も、2012年~2014年に公開された「るろうに剣心」シリーズで3作合計125億円を超える特大ヒットを記録。

ワーナー・ブラザース映画は邦画配給に関して、依然トップを走っています。今作の告白本が実際の書籍として発売されていたり、ソネさまのLINEスタンプも実際に購入することが出来たり、このあたりの宣伝へのお金のかけ方は流石だなと感心するばかりです。

果たして今作もその前例に習うことが出来るのか?

映画ファンとしては興行収入の推移にも注目していきたい一作です!

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まとめ


(C)2017 映画「22年目の告白 私が殺人犯です」製作委員会
藤原竜也さんがハマり役になること間違いなしの本作『22年目の告白 私が殺人犯です』。

豪華キャストも集結し、常に最高の評価を得ている入江悠監督がメガホンを取るとあれば、これはもう面白いに決まっているでしょう!

主題歌も今話題のロックバンド・感覚ピエロが本作のために書き下ろした『疑問疑答』に決定したという事で、こちらの方でも注目が集まっていますね!

注目の劇場公開は2017年6月10日(土)より始まります!ぜひ劇場で事件の真相をお確かめ下さい!

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ブラジルの新鋭クレベール・メンドンサ・フィリオ監督の『バクラウ 地図から消された村』 第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、シッチェス・カタロニア国際映画祭でも監督賞を含む3冠を達成し数々の映画 …

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映画『轢き逃げ』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。水谷サスペンスは人間の複雑な心境に焦点を当てる

俳優、水谷豊が『TAP THE LAST SHOW』に続き、監督を務めたサスペンス映画『轢き逃げ 最高の最悪な日』。 轢き逃げ事件を軸に、人間の内面を描いた本作をご紹介します。 CONTENTS映画『 …

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映画SAW(ソウ)全シリーズあらすじ解説。動画無料視聴方法も

ギネスブック公認世界で最も成功したスリラーシリーズ「SAW」が復活。 2017年11月10日より公開される新感覚ソリッド・シチュエーション・スリラー『ジグソウ:ソウ・レガシー』。 公開直前!あの最前列 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学