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映画『ターミネーター2』あらすじネタバレと感想評価。ラストまで子役を守るシュワちゃんに感動

  • Writer :
  • 薬師寺源次郎

「戻ってきた」ターミネーター!

迫りくる「審判の日」、人類の命運は!?

後に人類を導く主導者となる少年ジョンを抹殺しようと未来から新たなターミネーターが送られます。

ジョンを守るため送られたターミネーターと母親のサラの三人はこの危機を乗り越えることができるのでしょうか?

シリーズ最大のヒット作『ターミネーター2』をご紹介します!

映画『ターミネーター』の作品情報

(C) 1991 STUDIOCANAL – All Rights Reserved

【日本公開】
1991年(アメリカ映画)

【原題】
Terminator 2: Judgmant Day

【監督】
ジェームズ・キャメロン

【キャスト】
アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング、ロバート・パトリック、アール・ボーエン、ドン・スタントン、ダン・スタントン、ジョー・モートン、ジャネット・ゴールドスタイン

【作品概要】
全世界で大ヒットを記録した『ターミネーター』の続編でシリーズ最高のヒット作となった本作。

前作で悪役だったターミネーターがヒーローとして登場、アーノルド・シュワルツェネッガーの人気を決定づけました。

製作・監督・脚本は前作同様、ジェームズ・キャメロン、エグゼクティブ・プロデューサーも前作に引き続いてのゲイル・アン・ハード。

音楽もブラッド・フィーデルが続投しています。

映画『ターミネーター2』のあらすじとネタバレ


(C) 1991 STUDIOCANAL – All Rights Reserved

2029年、人類と機械の最終戦争が続く中、機械の軍隊を滑るネットワークコンピュータ「スカイネット」は再び過去にターミネーターを送ります。

今度は少年となったジョン・コナーを抹殺するために。

人類軍もまた、ジョン少年を守るため一人の戦士を送り込みました。

1994年、ロサンゼルス。

深夜のトラック置き場に雷光が走り、まばゆい光の中、一人の男が現れます。

一糸まとわぬその男は、10年前サラ・コナー抹殺しようとしたターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)でした。

ターミネーターは近くの酒場に入ると客の一人から、服とオートバイを奪い、追いかけてきた店主からショットガンを奪い、走り去ります。

同じ頃、電波障害が出ていると通報を受け、駆け付けた警官は全裸の男(ロバート・パトリック )に襲われ、パトカーを奪われます。

その現場ではコンクリートの地面やフェンスが円形にえぐられていました。

ジョン・コナー(エドワード・ファーロング)は養父母に引き取られ、日々を過ごしています。

実母のサラ・コナー(リンダ・ハミルトン )は人類と機械との最終戦争が始まる契機となる「審判の日」を止めるべく、後に「スカイネット」を開発するサイバーダイン社を爆破しようとしますが失敗し、逮捕、サラの証言は精神疾患によるたわごとだとされ、精神病院に収監されていました。

養父母との折り合いが悪いジョンはその日も友人と共にATMをハッキングして手に入れた金を持って、ショッピングモールへ向かいます。

そこで友人はジョンを探す警官の姿を目にします。

その警官こそ、パトカーを奪った男でした。

そのことを警官が探していることを知ったジョンは逃げ出しますが男はジョンを見つけ追いかけます。

従業員通路に逃げ込んだジョンの前に現れたのはターミネーターでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ターミネーター2』ネタバレ・結末の記載がございます。『ターミネーター2』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
ショットガンを構え近づくターミネーターに恐怖するジョンですが、ターミネーターは男に向け発砲します。

立て続けに発砲し倒れる男ですが何事もなかったかのように立ち上がり、体に出来た弾痕もすぐに消えてしまいました。

その隙に逃げ出すジョンを追おうとする男をターミネーターは止めようとしますが、振り切られてしまいます。

ジョンはバイクにまたがり、走り出しますが、追ってくる男はトラックを奪い、ジョンを追いかけます。

遅れてバイクで追いかけるターミネーターも加わり執拗に追いかける男のトラックを撃破、ジョンを連れ去りました。

ジョンはターミネーターから状況を聞かせられます。

男は未来からジョンを抹殺するために送られた新たなターミネーター、T-1000。

T-1000は液体金属で構成され、どんな人間にも擬態し銃撃が効かない驚異的な能力を持っていました。

人類の指導者、未来のジョンは少年のジョンを守るため、ターミネーターを捕獲、再プログラム、現在に送ったんです。

ジョンはターミネーターの存在と彼の言葉から、母、サラの言うことが現実だったと知り、母を疑っていたことを悔います。

ターミネーターはT-1000から逃げるため、遠くへ行くと言い、ジョンは養父母への義理立てから連絡しました。

しかし、養母の反応がいやに優しいことをいぶかしんだジョンの言葉にターミネーターはT-1000が先回りし、養父母を殺害、ジョンを待ち構えていることを見抜きます。

T-1000はジョンが立ち寄りそうなところへ先回りすることを予想するとターミネーターは言います。

ジョンはさらに危険が迫っている事を察し、助けに向かうことを決意。

その頃、サラの元に警察が訪れ、日中取られたターミネーターの写真を見せ、10年前の警察署襲撃犯と同じ容姿であることから、事件にかかわったサラから話を聞こうとします。

サラはターミネーターが再び出現したことにより、ジョンに危機が迫っていることを知ります。

サラは施設を脱走、職員の妨害を受けながらも、成功したかと思ったとき、T-1000が現れました。

窮地に立たされるサラですが駆け付けたターミネーターに救われます。

かつて、自分の命を狙ったターミネーターの登場にサラは戸惑いますが、ジョンに付き従う様子を見て味方だと認識しました。

T-1000の追跡をかわした三人はメキシコ国境近くのサラの旧友の元を訪れます。

そこで車や食料、そしてサラが準備していた大量の武器を手に入れます。

サラはターミネーターの話でマイルズ・ダイソン(ジョー・モートン)という人物が後にスカイネットの元となるコンピューター素子を開発していることを知り、単身、マイルズの元へ向かいます。

ジョンは「審判の日」を阻止するため、サラがマイルズを殺すつもりだと気が付き、すぐにサラを追いかけます。

マイルズの自宅についたサラはマイルズを殺害しようとしますが、死を覚悟し妻子をかばおうとする姿に殺害を躊躇、駆け付けたジョンに止められます。

「審判の日」を防ぐため、ターミネーターの存在、未来での出来事を説明マイルズに研究をやめさせる事を決意させるジョン達。

しかし、研究データが残っている限り別の誰かがスカイネットを生み出してしまう恐れがあるため、、これまでの研究データとそのもとになっている10年前に現れたターミネーターの片腕とマイクロチップを破壊するため、サイバーダイン社に忍び込みます。

順調に研究データを破壊、10年間に残されたターミネーターの腕のとマイクロチップを持ち出すことに成功しますが、包囲した警官隊が突入、マイルズが重傷を負います。

マイルズは自らの行いに責任を取るためにジョン達が逃げたのを見届けると自らの命と引き換えに研究室を爆破。

ターミネーターは警察のバンを奪い、警察隊の包囲を突破しますが、警察無線でジョン達の動向を探っていたT-1000が警察のヘリを奪ってジョン達に迫ります。

激しいカーチェイスの末、ジョン達は製鉄所に追い込まれました。

T-1000に立ち向かうターミネーターですが、圧倒的性能差の前に敗れ、機能が停止してしまいます。

必死に逃げるジョンとサラはT-1000に追い込まれます。

そこに現れたのが予備電源により機能を回復したターミネーターでした。

ターミネーターが放ったグレネードランチャーを受け、T-1000は溶鉱炉に落下、跡形もなく溶けてしまいます。

ジョンはサイバーダイン社から持ち出したターミネーターの片腕とマイクロチップを溶鉱炉に投げ込みます。

これですべて終わったかに思われましたがターミネーターはスカイネット誕生の最後の可能性、つまり、自分自身を抹消すると言い出します。

涙を流し止めようとするジョンを諭し、ターミネーターは溶鉱炉に消えていきます。

こうして「審判の日」は永遠にやってくることがなくなり、世界の平穏は守られました。

しかし、未来は決して確定したものではありません。

いつ、「審判の日」のような危機が訪れるのか常に人類は試されているのです。

映画『ターミネーター2』の感想と評価

前作『ターミネーター』から10年後の世界を描いた本作はターミネーターシリーズ最大のヒット作となりました。

前作で悪役だった、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるターミネーターがヒーローとして活躍する斬新な展開が人気を博しましたが、前作とは一転してターミネーターの人間味のあるキャラクターも本作の魅力の一つではないでしょうか。

殺人マシーンであるターミネーターがジョンとの交流により人間らしい表情、言動をするようになり、はじめは人間が涙を流す理由を理解できなかったターミネーターがラストで溶鉱炉に入っていく場面でジョンへ「涙を流す理由がわかった」と言う場面がただの機械ではなく、人間の心を学び、友人になれたかもしれないと思うと溶鉱炉に沈んでいく姿に涙を誘われました。

また、映像技術においても前作から大幅な進歩が見られます。

特に液体金属のターミネーター、T-1000のシーンの多くで当時、最新鋭だったCGによる演出が行われると同時に、特殊効果を組み合わせることで、迫力の映像を表現していました。

中でも、製鉄所でのアクションシーンで顔面から壁にたたきつけられたはずのT-1000が次の瞬間、体の全面と後面が瞬時に入れ替わり、襲い掛かるシーンは驚かされました。

まとめ

本作は低予算ながら大ヒットとなった前作『ターミネーター』の続編と言うことで世間の期待は高く、製作は困難を極めました。

予算は大幅にアップしたものの製作期間は約1年しか与えられず、そのうえで前作以上の成果を求められていたわけですが、監督のジェームズ・キャメロンはしっかりとその期待に応えました。

また、主演のアーノルド・シュワルツェネッガーはクライマックスのタンクローリーに飛び移るアクションシーンを自ら行っていたり、リンダ・ハミルトンは決まっていた別作品への出演を断り、過酷な軍隊式トレーニングを受け、本作への出演を果たしています。

そんな、プロフェッショナル達の妥協なき、こだわり、努力がこの作品をシリーズ最大のヒット作にすることができたのではないでしょうか。

そんな彼らがこれからも映画界を牽引していくことを期待します。


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