米軍の特殊部隊vs異星人と巨大宇宙船を描いたSFアクション
ブレンダン・ペトリッツォが監督を務めた、2020年公開のアメリカのSFアクション映画『モンスターハントレス』。
カリフォルニアの砂漠地帯に降り立った、巨大宇宙船とさまざまな地球外モンスターと戦いを繰り広げていく、タフな女性兵士率いる軍隊の姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
地球外モンスターたちと米軍の対異星人防衛部隊、さらにモンスターを追って地球に降り立つ巨大UFOという、地球の命運をかけたバトルを描いた、SFアクション映画『モンスターハントレス』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
映画『モンスターハントレス』の作品情報
【公開】
2020年(アメリカ映画)
【脚本】
ジェレミー・M・インマン
【監督】
ブレンダン・ペトリッツォ
【キャスト】
アンソニー・ヤンセン、コニー・ジョー・セクリスト、トム・サイズモア、マーク・バレリアーノ、ジャリッド・マッセ
【作品概要】
『シャークネード エクストリーム・ミッション』(2015)や、『MEGALODON ザ・メガロドン』(2018)などを手掛けた映画監督、ブレンダン・ペトリッツォが監督を務めたアメリカのSFアクション作品です。
アンソニー・ヤンセンが主演を務め、『パール・ハーバー』(2001)や『パシフィック・ウォー』(2017)などに出演するトム・サイズモアら、豪華俳優陣が出演しています。
映画『モンスターハントレス』のあらすじとネタバレ
1947年、人類は宇宙船(UFO)と、それに乗ってきた異星人の存在を知りました。
それから数十年もの間、複数の知的生命体が地球に現れました。
異星人は大きく2つの種類に分けられます。それは、人類の前に堂々と姿を現す友好的な者と、地球を襲撃する敵対する者です。
そんな強力な地球の同盟者にも、地球を滅ぼす脅威にもなり得る異星人に対抗すべく、アメリカはある特殊部隊を創設しました。
それは、対異星人防衛部隊「ADU」です。米軍の兵士シェパード曹長がリーダーを務め、女性兵士のベンティスとマテオ、男性兵士のサムズとキングとロマン。
UFOマニアの民間人のデイルと、異星人テクノロジーの専門家ロバート・ドレイク(以下、愛称のボブと表記)で構成されています。
ADUが日夜、ネバダ州軍事秘密基地で異星人の研究および、異星人に対抗するための戦闘訓練していたある日、カリフォルニアの砂漠地帯に墜落した宇宙船を調査していたデイルが異星人に遭遇。
デイルは墜落地点周辺に築いた、宇宙船調査用のキャンプに避難し、そこに置いといた銃を使って異星人に立ち向かおうとします。
その際、デイルは無線機を使って、基地にいるシェパード曹長に、異星人と遭遇したことを報告。
しかし、異星人が存在するなど信じていない、根っからの軍人気質のシェパード曹長たち戦闘員。
そのため、シェパード曹長は、デイルの話に聞く耳を持ってくれませんでした。
シェパード曹長との通信が途絶えた直後、ディルは抵抗虚しく、周囲の風景に擬態したステルス機能を持つ異星人に惨殺・捕食されてしまいました。
シェパード曹長はその後、デイルと連絡が取れなくなってしまいました。
そんなシェパード曹長のもとへ、彼の上官であるメイウェザー大佐から通信が入ります。
メイウェザー大佐はここ最近、大勢の民間人から、墜落した宇宙船の目撃情報が相次いで米軍に報告されたことを受け、退役を控えたシェパード曹長に最後の任務を言い渡しました。
その任務とは、「人工衛星の目を掻い潜って地球に侵入し、墜落した宇宙船の目撃情報を分析し、墜落地点を特定。宇宙船や異星人を調査せよ」というものでした。
万が一、墜落した宇宙船に乗っていた異星人が、地球の脅威となり得る場合は、速やかに排除することも…。
任務を引き受けたシェパード曹長は、メイウェザー大佐に、行方が分からなくなったデイルのことを報告します。
メイウェザー大佐は、任務と同時進行でデイルの捜索にあたるよう、シェパード曹長に命じました。
そしてメイウェザー大佐は、その任務に付け加えて、シェパード曹長の後任として、ADUにある女性兵士が入隊する話をします。
その女性兵士の名は、ステラ・フェアチャイルド。彼女はマサチューセッツ工科大学(MID)を卒業後、アメリカの陸軍・空軍で経験を積んだ特技兵です。
異星人の生態を調査する専門家の台頭により、世界は異星人と戦うよりも、交渉することを望む新世代へと変わろうとしていました。
その新世代のエリートであるフェアチャイルドに、メイウェザー大佐はADUでの経験を積ませたいのです。
それからしばらくして、ベンティスが車で迎えに来てもらい、ネバダ州軍事秘密基地に到着したフェアチャイルド。
彼女は着任早々、シェパード曹長から、通信室で宇宙船の目撃情報を分析し、墜落地点の座標を割り出すよう命じられます。
シェパード曹長は、フェアチャイルド以外のADUメンバーに対して出撃命令を下し、サムズとキングと一緒にデイルを捜索するため、彼のキャンプへ向かいました。
その間、フェアチャイルドはボブの過去の研究論文を見て、自ら開発した異星人のコンピューターを使い、目撃情報と地殻変動の記録を照合します。
こうして割り出した墜落地点は、シェパード曹長たちが向かった、デイルのキャンプのすぐ近くでした。
もしかしたら異星人と遭遇するかもしれない、そう考えたフェアチャイルドは、すぐさまシェパード曹長に無線機で連絡しますが、宇宙船から発せられる妨害電波によって途中で遮断されてしまいます。
デイルのキャンプへ到着後。シェパード曹長は無人のキャンプで、ドラム缶に飛び散った大量の血しぶきと、何かを受信しているデイルの無線機を発見しました。
小屋の中にもデイルがいないことから、シェパード曹長はデイルの無線機を使って基地と連絡を取り、先ほど慌てた様子で連絡してきた、フェアチャイルドの話をちゃんと聞こうとします。
ところがそこへ、ステルス機能で小屋の中に潜んでいた異星人が、小屋の中を調べるために窓からのぞいたキングを殺したことで状況は一変。
シェパード曹長はすぐに攻撃態勢を取り、キングを殺して捕食した直後、体が大きく変化した異星人相手に、持っていた銃で攻撃を仕掛けます。
しかし、その異星人には銃弾が全く効いていません。シェパード曹長が絶体絶命のピンチに陥ったその時、トラックに乗って先に基地に退避するよう指示されたサムズが、彼を救おうとトラックで異星人を横から撥ね飛ばします。
異星人が倒れた隙に、シェパード曹長はサムズと合流。そのまま2人でその場を離れようとしますが、復活した異星人がサムズに襲い掛かってきました。
異星人に頭から噛みつかれたサムズは、最後の力を振り絞って手榴弾を起爆させます。
シェパード曹長はサムズの意思を察して、急いでその場を離れた直後、サムズと異星人は爆発によって炎に包まれました。
爆発の衝撃で吹き飛んだシェパード曹長は、暫くの間意識を失っていましたが回復し、トラックがある場所まで戻ります。
しかし、倒したと思った異星人の死体はなく、あるのはトラックと一緒に黒焦げになったサムズの死体と、地面にある青い体液だけでした。
一方フェアチャイルドは、シェパード曹長たちと通信が途絶えたことから、すぐにメイウェザー大佐に墜落地点の座標を送信。
ロマンに頼んで、戦闘訓練中だったボブとその教育係のマテオを招集してもらい、3人でメイウェザー大佐の通信を待ちます。
それから数分もかからないうちに、メイウェザー大佐から通信が届き、フェアチャイルドから現状報告を受けた上で、彼は新たな任務を言い渡しました。
「シェパード曹長の最後の発信場所を突き止め、シェパード曹長たちを救出しろ」
「そして、日没までに異星人を排除。それが出来なければ、ヘリオンを起動させる」
「ヘリオン」とは、軍事衛星から発射される熱核弾道、すなわち核ミサイルのことです。
ヘリオンが放たれてしまえば、基地周辺に住む民間人何十万人が死んでしまいます。
軍事機密であるヘリオンのことを、フェアチャイルドたちから教えて貰ったボブは、瞬時にそう考えてヘリオンの起動に反対。
さらに、民間人であることを盾に、戦場へは行かないと駄々をこね始めたのです。
フェアチャイルドは基地にいるマテオとロマン、ベンティスとボブと一緒に、ボブが異星人の遺物やテクノロジーを駆使して開発した、対異星人用兵器を車に積んで墜落地点へ向かいます。
墜落地点まであと少しのところで、車で通れる道が途絶えてしまい、フェアチャイルドたちは武器を装備したまま、徒歩で向かうことになりました。
そこへ、ステルス機能を持つ異星人が隠れて接近し、ロマンを背後から殺害。
フェアチャイルドとベンティスは、すぐさま異星人の兵器を使って攻撃を仕掛け、ロマンの隣にいたマテオを後退させます。
マテオが無事後退し、フェアチャイルドたちと合流したところで、女性陣3人で異星人の兵器を使って、見えない敵目掛けて一斉射撃。
その間、1人車の方に逃げたボブは、車の荷台に積んでいた地面に固定するタイプのビーム兵器を運び出します。
そしてボブは、異星人のビーム兵器を使って、見えない敵目掛けてビームを発射。
すると見えなかった異星人の姿が露わになり、その隙にフェアチャイルドたちが、異星人目掛けて一斉射撃し、やっとの思いで討伐します。
しかし残念ながら、討伐した異星人は、シェパード曹長の通信記録にあった、大きな声を出す異星人ではありません。
そう推測したフェアチャイルドの話を聞き、愕然とするマテオとボブの間でひと悶着ありましたが、彼女が仲裁に入ったおかげで収まりました。
フェアチャイルドはボブたちに、今後の動きについて説明します。
「マテオとベンティスが周囲の警戒に当たり、ボブがその間に墜落地点へ向かい、シェパード曹長と連絡が取れない原因である宇宙船の妨害電波を止める」と。
映画『モンスターハントレス』の感想と評価
突如地球に墜落した宇宙船から、3体の異星人が解き放たれ、米軍の特殊部隊が討伐に向かうSFアクション。
その最大の見どころは、やはり異星人vs米軍の特殊部隊「ADU」との戦いでしょう。
人類の武器ではまるで歯が立たない異星人相手に、異星人テクノロジーの専門家であるボブが開発した兵器を使って、シェパード曹長たちが戦っていくアクション場面は、観ているこちらまでハラハラドキドキしてきます。
異星人によるデイルたちの惨殺、捕食する場面は少しグロテスクで怖いので、観る時は心の準備が必要です。
さらに、最初は異星人なんて信じてもいなかったシェパード曹長たち戦闘員が、実際に遭遇・襲撃されてその存在を認知し、ボブと協力して戦っていく過程。
ただの引きこもりの科学者だったボブが、皆と生き残るために戦うことを決め、結果的に彼が編み出した作戦で人類が救われたその過程。
物語を最初から最後まで見ていると、それぞれの成長した姿が心にグッとくるものがあります。
まとめ
突如地球に現れた、宇宙の囚人である3体の異星人相手に、米軍の特殊部隊と異星人テクノロジーの専門家が力を合わせて、地球を救うために戦うSFアクション作品でした。
異星人によるグロテスクな惨殺する場面は怖いものの、シェパード曹長たちのハラハラドキドキした気持ちが画面越しに伝わり、異星人と戦うスリルと興奮を味わえます。
そして何より、異星人vsADUの戦いにおいて、ずっとモニター越しに通信で指示を出していたトム・サイズモア演じるメイウェザー大佐が、最後の最後で主人公たちのピンチを救う場面が格好良いです。
異星人に殺されたかと思ったボブが、無事生還した場面なんて、大事な仲間が生きていたことに喜ぶフェアチャイルドたち同様、嬉しくて涙が止まりません。
何だか続編があるような物語の終わり方だったので、次はどんな兵器でどんな敵と戦うのかと期待が膨らみます。
シェパード曹長たち米軍の特殊部隊が、異星人のテクノロジーを使った兵器で、危険な異星人と巨大宇宙船を倒すSFアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。