見届けよ!最後のウルヴァリンの雄姿を、その魂の叫びを!
アメコミ映画を超越した崇高なまでにエモーショナルなドラマ『LOGAN ローガン』をご紹介します。
CONTENTS
映画『LOGAN ローガン』の作品情報
【公開】
2017年(アメリカ)
【原題】
Logan
【監督】
ジェームズ・マンゴールド
【キャスト】
ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、リチャード・E・グラント、ボイド・ホルブルック、スティーブン・マーチャント、ダフネ・キーン、エリザベス・ロドリゲス、エリク・ラ・サル、エリゼ・ニール
【作品概要】
シリーズ前作『ウルヴァリン:SAMURAI』も手がけたジェームズ・マンゴールドがメガホンを取った『ウルヴァリン』シリーズの第3作にして最終章。
引き続きローガン(ウルヴァリン)にヒュー・ジャックマン、チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)にパトリック・スチュワートを起用し、物語の鍵を握る少女ローラ役には期待の新星ダフネ・キーンを抜擢している。
映画『LOGAN ローガン』のキャスト一覧
ローガン(ウルヴァリン) / ヒュー・ジャックマン
地元オーストラリアで、90年代前半からテレビドラマや映画『アースキンヴィル・キングス』や『ペーパーバック・ヒーロー』などで活躍していたヒュー・ジャックマン。
彼が最初に世界的知名度を手にしたのは、本作『LOGAN ローガン』でも演じることになるブライアン・シンガー監督の『X-メン』のウルヴァリン(ローガン)役でしょう。
元々はラッセル・クロウをこの役にキャスティングしようとしていたブライアン・シンガーでしたが、諸事情により断られ(『グラディエーター』の直後だったこともあり)、同郷のヒュー・ジャックマンを推薦したのだそう。
この作品で一気にスターダムを駆け上がったヒュー・ジャックマンは、続いて本作でもタッグを組むジェームズ・マンゴールド監督の『ニューヨークの恋人』(2001)、ドミニク・セナ監督の『ソードフィッシュ』(2001)など、話題作に次々出演。
スピンオフから人気に火が!
『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(2009)
2003年には『X-MEN2』に出演し、リブート作品(『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』)やスピンオフ作品(『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』)などの同シリーズの全てに出演し続けます。
2006年にはクリストファー・ノーラン監督の『プレステージ』、ダーレン・アロノフスキー監督の『ファウンテン 永遠につづく愛』、ウディ・アレン監督の『タロットカード殺人事件』など、様々な名監督に起用されたことで、その評価の高さが窺われますね。
その後も『レ・ミゼラブル』(2012)、『プリズナーズ』(2013)、『イーグル・ジャンプ』(2016)など、常に映画界の中心的ポジションにその名を連ねています。
本作は『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』と『ウルヴァリン: SAMURAI』の続編にあたるもので、ヒュー・ジャックマンがウルヴァリン(ローガン)を演じる最後となるのだとか。
果たして、どんな演技で締めくくることになるのか…世界中が注目しています!
プロフェッサーX / パトリック・スチュワート
イギリス人俳優パトリック・スチュワートは、1975年の映画『怒りの日』でスクリーン・デビュー。
1984年にはデヴィッド・リンチ監督の『デューン/砂の惑星』に出演した後、テレビドラマ版『新スタートレック』(1987~94)でジャン=リュック・ピカード艦長に抜擢され、人気を博します。
『ジェネレーションズ/STAR TREK』(1994)などの映画版スター・トレックにも出演し、2000年に『X-メン』でプロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア)を演じ、さらに注目を集めました。
その見事なハマりっぷりで、その後の同シリーズにはヒュー・ジャックマン同様欠かせない存在になっていくことに。
本作でも当然プロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア)を演じることになる訳ですが、パトリック・スチュワートもまたこれでシリーズ最後の出演になるようです。
現在76歳という年齢にもかかわらず、変わらず素晴らしい演技を見せてくれてるパトリック・スチュワートが、プロフェッサーXとしての最後の雄姿をどう表現してくれるのか…要注目です!
ローラ・キニー(X-23) / ダフネ・キーン
イギリス人の父とスペイン人の母(両者とも役者)の間に生まれたダフネ・キーンは、2005年生まれなのだとか。
2014年頃から芸能活動をスタートさせ、テレビドラマ『The Refugees』(2014~15)でレギュラー出演したのが世に知られるきっかけだったよう。
本作『LOGAN ローガン』がスクリーン・デビューとなり、絶滅の危機に瀕したミュータントの最後の希望となるローラ・キニーという少女を演じているダフネ・キーン。
原作では『X-メン エボリューション』(アニメ作品)に初登場し、その後コミックの方へと逆輸入されたという珍しいケースですね。
設定としてはウルヴァリンのクローンのようなんですが、本作では一体どのように描かれ、またダフネ・キーンがどんな演技を見せてくれるのか…非常に楽しみです!
ドナルド・ピアース / ボイド・ホルブルック
グッチやジャン=ポール・ゴルティエなどといった名高いブランド(デザイナー)の下でモデルとして人気を博していたボイド・ホルブルック。
その後、ニューヨーク大学やコロンビア大学で映画制作について学び、2007年にガス・ヴァン・サント監督にシナリオを送ったことがきっかけで、ショーン・ペン主演の映画『ミルク』(2008)への出演が決定したのだそう。
2010年代に入ると本格的に俳優業に取り組み始めたボイド・ホルブルックは、アンドリュー・ニコル監督の『ザ・ホスト 美しき侵略者』(2013)、スティーブン・ソダーバーグ監督のテレビ映画『恋するリベラーチェ』(2013)などに出演。
その後もリーアム・ニーソン主演の『誘拐の掟』(2014)、デヴィッド・フィンチャー監督の『ゴーン・ガール』(2014)、ナタリー・ポートマン主演の西部劇『ジェーン』(2016)など、次々と話題作に出演し続け、着実に俳優としてのキャリアを積み上げています。
そんなボイド・ホルブルックが本作で演じているのは、ウルヴァリンの敵となるドナルド・ピアース。
時系列では初めストーリー「X-MEN」結成と成り立ち!
『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011)
原作では、部分的にサイボーグ化されている男で、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』に登場したセバスチャン・ショウ(ケヴィン・ベーコン)が率いていたヘルファイア・クラブの元メンバーなのだとか。
ミュータントを嫌っており、ウルヴァリンやローラと対峙することになるのだと思われますが、一体どのような展開が待ち受けているのか…注目して見ていきたいと思います!
ザンダー・ライス / リチャード・E・グラント
スワジランド出身(1957年当時はイギリス領だった)の俳優リチャード・E・グラント。
スクリーン・デビューとなったブルース・ロビンソン監督の『ウィズネイルと僕』(1987)でいきなり主演を務め、一気に知名度を上げることになります。
その後は『ザ・プレイヤー』(1992)、『プレタポルテ』(1994)、『ゴスフォード・パーク』(2001)など、ロバート・アルトマン監督作品には欠かせない俳優に。
他にも『ドラキュラ』(1992)、『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(1993)、『十二夜』(1996)、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(2011)などに出演し、その地位を確立しました。
2017年には、ナタリー・ポートマン主演の映画『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』(3月31日より劇場公開中)にも出演していますね。
本作ではザンダー・ライス(博士)を演じているリチャード・E・グラント。原作ではローラ・キニー(X-23) を生んだプロジェクトの責任者のようですが、果たして原作通りのキャラクターとなるのか、要注目です!
ウィル・マンソン / エリク・ラ・サル
1962年生まれのアメリカ人俳優エリク・ラ・サルは、舞台やテレビドラマの世界で活躍した後、エディ・マーフィ主演の『星の王子 ニューヨークへ行く』(1988)で映画デビュー。
アキーム王子(エディ・マーフィ)の恋敵で整髪料を塗りたくっていたことが印象に残っているダリル・ジェンクスを演じ、一躍脚光を浴びました。
1990年にはエイドリアン・ライン監督の『ジェイコブズ・ラダー』に出演、1994年からはテレビドラマ『ER緊急救命室』(1994~2000)で外科医ピーター・ベントンを演じ、この役柄の印象を強くお持ちの方は多いかもしれませんね。
本作『LOGAN ローガン』ではウィル・マンソンという人物を演じるということは分かっていますが、まだ詳細については明らかになっていません。一体どのような役で登場するのか…注目して見ていきましょう!
映画『LOGAN ローガン』の監督紹介
映画『LOGAN ローガン』の監督を務めるのは、ジェームズ・マンゴールドです。
1963年ニューヨーク生まれのジェームズ・マンゴールドは、アレクサンダー・マッケンドリック(カリフォルニア芸術大学)やミロス・フォアマン(コロンビア大学)ら巨匠の下で映像制作について学んでいたのだとか。
1988年にディズニーのアニメーション映画『オリバー ニューヨーク子猫ものがたり』の脚本を担当する一人として名を連ねたのがキャリアのスタートでした。
監督を初めて務めた(脚本も兼務)のは、リブ・タイラー主演の『君に逢いたくて』(1995)。
1997年にはシルベスター・スタローン主演の『コップランド』、1999年にはアンジェリーナ・ジョリーの出世作となった『17歳のカルテ』で一気に注目を集めることに。
2001年の『ニューヨークの恋人』で本作でも主演を務めるヒュー・ジャックマンと出会います。
2003年に監督を務めたサスペンス映画『“アイデンティティー”』は、賛否両論が巻き起こる話題の作品となり、ジェームズ・マンゴールドのこれまでにないスタイルを打ち出します。
伝説的カントリー・ミュージシャンであるジョニー・キャッシュの伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)では、主演のリース・ウィザースプーンが見事オスカーに輝いた他、ゴールデングローブ賞では作品賞を受賞するなど、最高の評価を得ました。
2007年には異例の大ヒットとなった西部劇『3時10分、決断のとき』、2010年にはトム・クルーズ主演のアクション映画『ナイト&デイ』を発表。
そして2013年『ウルヴァリン: SAMURAI』で初のアメコミ作品に挑戦し、本作『LOGAN ローガン』に至るという訳です。
このように見ていくとジェームズ・マンゴールドという監督が、いかに多彩な人物であるかが良く分かると思います。
西部劇もアクションもサスペンスもロマンティックコメディも伝記ものも撮れる(しかも高い評価を得ている)という点が非常に特筆すべき特徴だと言えるでしょう。
さらには俳優たちを活かすのが上手く、彼の作品に出演した俳優は一様に高い評価を受けていますね。
果たして、ウルヴァリン・サーガ最終章となる本作『LOGAN ローガン』を一体どのような形で締め括ることになるのか…世界中から注目が集まっています!
映画『LOGAN ローガン』のあらすじ
ミュータントがほぼ絶滅した荒廃した近未来。
年齢を重ねたローガン(ウルヴァリン)は治癒能力を失いつつありました。
ドライバーとして生計を立てていたローガンは、仲間のキャリバンと共にメキシコとの国境沿いの家でチャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)の世話をしている日々。
ある日、看護師のガブリエラがある頼みごとをローガンの下へと持ち込んできます。
それは、少女ローラをエデンと呼ばれる隠れ家に連れて行くこと。
渋々その頼みを引き受けたローガンが早速行動を開始すると、ドナルド・ピアース率いるサイボーグの集団に襲われてしまい、キャリバンは捕まってしまいます。
やがてガブリエラが殺害されていたことを知ったローガンは、同時にある秘密機関が子供たちにある実験をしていたことを知ることに。
なんとそれはミュータントのDNAを子供たちに注入するというものでした。
ガブリエラがローラを連れてきたのは、この計画が完了次第殺されてしまうことを知ったから。
そしてさらに驚愕すべき事実は、ローラがローガンのDNAを注入された彼のクローンであったということ。
ドナルド・ピアース率いる強大なサイボーグ集団の襲撃を何とか切り抜けつつ、車で荒野を旅する3人の行く手には想像を絶する運命が待ち受けていました…。
果たして、彼らは無事エデンへと辿り着けるのか?!
映画『LOGAN ローガン』感想と評価
この作品はヒュー・ジャックマンが演じたウルヴァリン(ローガン)からの卒業するために作られたものです。
つまりはネタバレになりますが、ローガンはこの物語で命を落とすことになります。
ローガンの運命を見抜いた謎の予言があった前作!
その結末はすでに前作『ウルヴァリン:SAMURAI』の中で、福島リラが演じた赤毛が印象的なアサシン・ユキオが、「血まみれになり、あなたは心臓(ハート)をその手に握って死ぬ」という予言で、ウルヴァリンの末路は観客に語られていました。
「心臓(ハート)」とは、ローガンの娘ローラのことですね。
ローラは劇中で超少女として、思わず素晴らしいと叫んでしまうほど大活躍をします。
それが老いてしまったローガンやプロフェッサーXとの対比にもなっていて、喜びとともに一抹の寂しさと相まって複雑さも感じさせてくれます。
また、ローガンは自らの命を娘ローラを守るために使うのだろうと、すぐに気がつくことでしょう。
さらには、ヒュー・ジャックマンが信頼を抱き、ウルヴァリン最終章の監督してほしい依頼したジェームズ・マンゴールド監督は、物語をメタファーとして語ることや遊び心に長けた監督。
随所に映画ファンやアメコミファンならではの楽しみな場面もたくさん出てきます。
例えば、コミックスに登場する黄色いコスチュームを着たウルヴァリンが劇中に人形として登場。
物語の最後の方で新たなミュータントの黒人でちょっと太めで可愛らしい少年が手にしています。
もちろん、コミックスの雑誌も、少女ローラが手にしていて、劇中のストーリーとシンクロしていきます。
ただし、このコミックスは原作としてではなく、映画の物語に合わせて作られたものです。
『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』のアダマンチウム製の銃弾や『X-MEN』の軍用認識票「ローガン」、また、『ウルヴァリン:SAMURAI』の日本刀も登場したりします。
ぜひ、見落とさないようしてくださいね。
『ローガン』を観るならこれも観た方がいい『シェーン』
中でも物語に大きく関わり、引用として出てくる映画『シェーン』はローガンの心境の代弁としてセリフが大きく使われています。
そのことは、プロフェッサーXにも言えることで、どんな理由であれ、人を殺した人間は、正義であっても“普通の暮らし”はできないことを、映画『シェーン」の台詞そのままで使用されています。
映画『ローガン』の中では、“普通”の幸せな家族として黒人一家の登場するくだりでそれを見せています。
『シェーン』の場合はそこに人妻への恋も見え隠れしますが、それは『ローガン』にはありません。
でも、『ローガン』をぜひ深掘りをするためにも、名作『シェーン』は観ていただきたい作品です。
他にも、ジェームズ・マンゴールド監督の映画『17歳のカルテ』や、ヒュー・ジャックマンの映画『レ・ミゼラブル』を思い出す人もいるかもしれません。
だって、ローガンとローラ…、ジャン・バルジャンとコゼットとかね。
また、パトリック・スチェワートを太陽号という船に乗せよう話すくだりで、『スタートレック』と『ノスフェラトウ』とか、
さらには、『マッドマックス2』のカーチェイスや『マッドマックス3』の未来ある子供たちとかも…。
映画『ローガン』の楽しみ方は、物語を綴るような一方向な楽しみではなく、あらゆる方向に分散させてくれるのが魅力なのかもしれませんね。
それこそがヒュー・ジャックマンが17年間に渡り、演じてきたウルヴァリン最終章『ローガン』の結末として、愛され続けてきたローガンを自らの手で完結させた作品の祝祭なのかもしれません。
まとめ
『X-MEN』シリーズ史上最高の人気を誇るウルヴァリンというキャラクターを17年間も勤め上げて来たヒュー・ジャックマン。
その姿がもう見られなくなるのかと思うと、非常に感慨深いものがありますよね!しかも本作『LOGAN ローガン』では、治癒能力が衰えズタズタになっていく彼の姿を見なければいけないという事もあり、ファンにとっては非常に辛い所でしょうか…。
そんな注目の作品の劇場公開は2017年6月1日(木)よりスタートです!ぜひ劇場でローガン(ウルヴァリン)の最後の雄姿をご覧ください!