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1.映画『アイム・ノット・シリアルキラー』の作品情報
【公開】
2017年(アイルランド・イギリス合作映画)
【監督】
ビリー・オブライエン
【キャスト】
マックス・レコーズ、クリストファー・ロイド、ローラ・フレイザー
【作品概要】
『アイム・ノット・シリアルキラー』(原題:I Am Not a Serial Killer)は、アイルランドとイギリスの合作映画。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役でおなじみのクリストファー・ロイドが隣人に住む老人クローリー役で出演。
また、『かいじゅうたちのいるところ』のマックス・レコードが精神疾患で悩める青年を演じています。
松竹エクストリームセレクション第2弾作品で第1弾は『ジェーン・ドウの解剖』に引き継いでの配給。
2.映画『アイム・ノット・シリアルキラー』のあらすじ
アメリカ中西部のある田舎町。家業の葬儀屋で母親の遺体防腐処理を手伝う16歳の息子ジョン・ウェイン・クリーヴァ。
思春期を迎えたた高校生ジョンは不安疾患を抱え、カウンセリングを受けると死体や殺人に異常なほどに関心を示すソシオパス(社会病質者)と診断されます。
ある日、ジョンが住む町で謎めいた連続殺人事件が発生。
葬儀屋に運ばれてきた遺体をジョンが見ると、無残に切り裂かれ内臓などの人体の一部が欠落し、持ち去れれているようでした。
猟奇殺人鬼が近くに潜んでいることを実感したジョンは、その存在に強く惹かれてしまいます。
興奮する好奇心のあまり、ジョン自ら周囲の調査を始めてしまいます。
やがて、ジョンはナイフを隠し持った奇妙な男を見かけます。ジョンはその怪しい男の後を尾行していくと、近所に住む老人と一緒にワカサギ釣りへと出かけていきました。
人気の無い氷原に着くと、一瞬の隙をついてナイフを抜く男。しかし、老人の方が逆に機敏な動きでナイフをかわして、逆に男を殺傷してしまう…。
隣人住む老人こそがシリアルキラーだったのです。さらには肺を抜き取るとその肉を食します。ジョンは驚きを隠せません。
隣に住む老人が連続殺人鬼だったのです。自身の奥底に眠る衝動的を必死に抑えながら、自分の手でシリアルキラーを阻止しなければならないと覚悟を決めたジョン。
凍てつく雪に覆われた町で、追いつ追われつの予測不能なソシオパスvs連続殺人鬼の死闘がはじまる…。
3.映画『アイム・ノット・シリアルキラー』の主要キャスト
サイコパスの連続殺人鬼を演じるのは、なんとクリストファー・ロイド。
あの名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク役でお馴染みの俳優です。
しかも、これが俳優人生初となる殺人鬼役だそうです。
ドクが高校生のマーティ・マクフライに人生を強く生きる意味や勇気を教えてくれましたが、今度は高校生ジョン・ウェイン・クリーヴァに何を教えようとするのか?
まさか?殺人でしょうか?カニバリズムなのかしら?誠に恐ろしいように作品ですね。
さて、その悩める高校生ジョン・ウェイン・クリーヴァを演じたのは誰でしょう?
『かいじゅうたちのいるところ』(2015)
連続殺人鬼を追う高校生ジョンを演じるのは、2015年公開された『かいじゅうたちのいるところ』に主演したマックス・レコーズ。
この頃はまだ幼く可愛いかったですね。すっかり大きくなって、もうビョー的イケメンになっていますね。
それでも『アイム・ノット・シリアルキラー』を撮影した時は、まだ若干17歳。自身に不安を抱く殺人衝動に駆られる不安定な青年の葛藤を演じています。
幼い頃に怪獣に森であっていた頃は良かったですが、今回は連続殺人鬼、う〜ん。人間のが恐ろしいということでしょうか?
4.実はコレ!日本版予告編が超ネタバレバレ!
『アイム・ノット・シリアルキラー』ネタバレのない良い海外版予告編
今回は敢えていつものように予告編を初めに紹介しませんでした。
まず初めに海外版の予告編をぜひともご覧ください。
思春期の少年ジョンは、穏やかな町で起きた連続殺人事件を知り、好奇心にかられ殺人鬼に惹かれていく様子が予告映像でもサスペンス調に想像させてくれますね。
自力で犯人探しをはじめるジョン。しかし、犯人の正体を知ったとき、彼の心底から湧いた強い衝動は、ジョン自身も連続殺人を止めるために、自らも殺人を犯してしまうのかという葛藤を生みます。
先天的な資質といえるサイコパスと、環境によって後天的になるソシオパスが向き合う時、少年の揺れる心を描く様子は、ある種の青春映画といえるでしょう。
反社会的な人格同士が反対の目的を持ちながら、2人の狂気と狂気でぶつかり合う、これもまた青春ドラマだな〜。
『アイム・ノット・シリアルキラー』ネタバレの見えてしまう日本版予告編
でも、安心してください!これは人間同士の狂気と狂気の沙汰ではないようです。
日本版の予告編を見ると、完全に老人クローリーは人間ではなくエイリアンですね。
人間の命を奪っていく敏速に伸びる鋭い手のような触手は、明らかにエイリアンの姿をしっかりと映像で確認できるネタバレバレです。
コレ、日本版予告編いかがでしょうか。きっと後半に対峙した2人は人間対人間ではなく、そして、ソシオパス(社会病質者)VSシリアル・キラーではなくなるでしょう。
これは人類VSエイリアンのSF映画であり、サイコホラーやサイコサスペンス映画ではありません。
5.まとめ
ソシオパスvsシリアル・キラーという新たなる設定のホラー映画を思わせる宣伝もありますが、それは少し宣伝がホラのようですよ。
しかし、オチがSFエイリアンネタであったとしても、主人公の心の奥底に眠る暴力性と衝動的行動を抑え続け、揺れる青年の心を描いた作品に変わりはありません。
また、どちらの予告編を見ても感じられますが、この作品は明らかに、スティーブン・スピルバーグ監督の『ET』を意識した作品のようにも感じられますね。
ライティングの色彩や仮装シーンもその指摘のひとつに挙げられるでしょう。つまりはこれは、心の揺れる青年ジョンが未知との遭遇をする夢のおとぎ話なのです。
ジョンが「俺はいつか人を殺すのではないだろうか?」といった気持ちが、「宇宙人はいるだろうか?」と同じように互いを引きつけ合わせる。過去の未確認生物やエイリアンと遭遇させたのと同様でしょう。
心に淋しさや満たされない何か、不安に駆られている時にこそ、人間は求め合い出会うのです。それもまた、ある鏡のような存在を…。
そして青年はいつでも成長します。それがどちらに成長するかは、あなたの目で劇場にてご確認ください!
映画『アイム・ノット・シリアルキラー』は、6月10日(土)より、新宿シネマカリテ他にて全国順次公開です。
どうぞ、異色の青春SFホラー映画をお楽しみにください!