『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』は、シリーズ3作目にして完結編となる作品です。
エメット・ブラウン博士、通称ドクと呼ばれている科学者が発明したタイムマシン「デロリアン」で、主人公が過去や未来を冒険するというSF映画。
今回は、本作の監督を務めたロバート・ゼメキスの出世作となった『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』のあらすじと感想をお届けします。
CONTENTS
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』の作品情報
【公開】
1990年(アメリカ映画)
【原題】
Back to the Future Part III
【監督】
ロバート・ゼメキス
【キャスト】
マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、トーマス・F・ウィルソン、メアリー・スティーンバージェン、リー・トンプソン、エリザベス・シュー
【作品概要】
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』は、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2』から続く物語で1990年に公開されました。
2作目のラストで、雷に打たれて1885年に飛ばされてしまったドク。
そのドクが残した手紙の指示を受け、マーティーは1作目の最後で分かれたドクと再会しました。
鉱山に隠されていたデロリアンを掘り起こして再び冒険の旅が始まります。
ハッピーエンドで幕を下ろす大切なシーンでもあり、Part1とPart2が関係しているストーリーとなっています。
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』のあらすじとネタバレ
舞台は1955年。
落雷を利用し、ドクはマーティを1985年に送り返したはずでしたが、なぜか目の前にはまだマーティがいました。
マーティの話によると、「1985年のドクと一緒に55年に戻り、ビフからスポーツ年鑑を取り戻したものの、ドクは稲妻に打たれ1885年に飛ばされてしまった」のだと言います。
また、その後マーティ宛に届いたドクからの手紙には、一緒に飛ばされたデロリアンを墓地の近くにある廃坑の中に隠してあるので、1955年になったら掘り起こして修理して欲しいと書かれていました。
ところが、廃坑からデロリアンを掘り起こした後、飼い犬が「1885年9月7日永遠の愛を 愛するクララ」と書かれているドクのお墓を見つけます。
過去を調べたところ、1885年に飛ばされているドクは80ドルが元でマッド・ドッグ・タネンに背中から撃たれて死亡したとの記事を見つけました。
マーティはまずドクを助けるため、1955年のドクの協力の下1885年の西部開拓時代にタイムスリップします。
1885年では、ちょっとしたトラブルによりガソリンタンクに穴が開き、デロリアンは燃料漏れを起こしていました。
しかも、デロリアンを隠した洞窟から熊が現れ、マーティは逃げる途中で転落。
偶然にも、マクフライ農場の敷地内で、マーティの曽祖父にあたるシェイマス・マクフライに救われました。
翌日、マーティはドクの居るヒル・バレーの町まで辿りつきましたが、ドクの居場所を聞こうと立ち寄ったバーでタネンと遭遇します。
マッド・ドッグ・タネンと口に出してしまったのがきっかけで、マーティはタネンに縛り首にされそうになしました。
危機一髪のところをドクに救われたマーティは、ドクの墓の写真を見せ、ドクがタネンに撃たれることを話します。
ドクは、まずデロリアンを修理しようとしますが、ガソリンが手に入る時代ではありません。
ふたりは、デロリアンを140kmまで出せる方法を模索し、機関車に押させる方法を思いつきました。
しかし、その場所を下見していたその時のことです。
走らせていた荷馬車の馬が暴走し、助けを呼ぶ女性の声が聞こえました。
ドクとマーティは即座に救出に向かい、ドクが女性を助け出したところで荷馬車は崖から転落します。
その女性は、ドクが町長から迎えに行くよう頼まれていた教師のクレアで、ドクはひと目見て彼女に惹かれてしまいました。
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』を観た感想と評価
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズに登場したアイテムが、現代で実用化されているものが多いのはご存知でしょうか。
壁掛け式の大型テレビや、3Dの映像技術、ホバーボード、靴紐を自動で結んでくれる靴、ゴミで動くデロリアンなど、様々なものが現実化しています。
Part2では、デロリアンの燃料は飲み残した飲料や食べ残しなどのゴミになっていましたが、これは現代でいうバイオ燃料に値するものですし、NIKE(ナイキ)が「ハイパーアダプト」という自動で靴紐を結んでくれる靴を開発しています。
2015年にはトヨタ自動車の高級ブランドであるLexus(レクサス)が、リアルホバーボードの開発に成功しました。
このほかにも、あらゆるものが現実になろうとしていたり、なっていたりと先ずは未来技術の高さに驚きます。
シリーズを締めくくる作品として、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の軸もブレることなく、それでいてPart1、Part2、Part3それぞれの魅力も見せてくれたり、今までマーティのサポート役だったドクが一番輝いている作品でもありました。
科学者だから恋には興味はないといっていたドクが、恋に落ちた瞬間のドクは可愛らしく素直であり、科学者ドクという役柄からは想像もつきません。
また、自分よりマーティやクララを優先しようとするドクの思いには胸がジーンとします。
1885年にタイムスリップしたマーティが最初に目にしたネイティブ・アメリカンの大群や、それらを追いかける騎兵隊のシーンは、スピード感はさることながら重量感さえ感じられました。
このリアルな描写は、広大な場所だからこそ得られる満足感であり、デロリアンを隠した場所で熊に遭遇というちょっとお茶目な演出も魅力のひとつです。
まとめ
シリーズ完結作となった『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』は、ドクが家族を持つ、子供まで登場するという意外な展開で幕を下ろしました。
Part3ではドクにスポットが当たり、なおかつ主人公であるマーティの見せ場もあったりと、ふたりの魅力が十分に引き出せている作品です。
また、馬をたくさん使ったり、汽車からデロリアンに乗り込もうというアナログアクションや、土ぼこりの西部開拓時代をリアルに演出したカメラワークも見どころ。
今もなお人気シリーズと言われているのも頷ける作品となっていますので、シリーズ通して視聴することをおすすめします。