Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2019/02/02
Update

塚本晋也監督がニッポン名誉賞を受賞。映画『斬、』ロングラン上映で世界を席巻!

  • Writer :
  • 中村綾子

『鉄男』『六月の蛇』など、海外の評価も高くカルト的な人気を誇る塚本晋也監督の最新作『斬、』は、渋谷ユーロスペースほか全国にてロングラン上映中

2018年11月24日に公開されてから2か月以上たった今でも、塚本晋也監督の映画『斬、』は、日本中を席巻しています!

また、5月28日から6月2日までドイツで開催される「第19回ニッポン・コネクション」では、塚本晋也監督がニッポン名誉賞を受賞することが決まりました。

「ニッポン・コネクション」とニッポン名誉賞とは

塚本晋也監督が受賞したニッポン名誉賞と、その賞を選出したニッポン・コネクションとはいったいどのような映画祭なのでしょう?

世界最大の日本映画祭:ニッポン・コネクション

「ニッポン・コネクション」とは、ドイツのフランクフルトで2000年4月から毎年開催される、世界最大級の日本映画祭です。

2018年の第18回映画祭では、上映作品数が100作品を超え、16500人を超える来場者数を記録しています。

大作もインディーズ作品も交えて幅広いジャンルの最新日本映画を集めた上映プログラムで、ドイツ国内では観る機会の少ない日本映画の“今”を知ることができる貴重な映画祭です。

また日本の映画のみならず、「ニッポン・カルチャー」として日本舞踊や華道、切り紙などのワークショップも催されています。

ニッポン・コネクション公式HP

日本映画に貢献した功績を称える:ニッポン名誉賞

ニッポン名誉賞とは、日本映画に著しく貢献した功績を称える賞です。

2015年に設けられ、これまでに浅野忠信や黒沢清、役所広司、寺島しのぶが受賞しています。

世界最大級ということでヨーロッパはもちろん、世界中から多くの人がこの映画祭に足を運ぶそうです。

私たちが日本にいながらに外国の文化を映画で知るように、海外の人々が今の日本を学んでいます。

“サムライ”や“カミカゼ”だけではない今の日本を知って、日本の良さを感じてもらうのもそうですが、私たち日本人がそのような機会を設けてもらったことに感謝したいですね。

映画『斬、』の作品紹介

(C)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
【公開】
2018年(日本映画)

【監督・製作・脚本・撮影・編集】
塚本晋也

【キャスト】
池松壮亮、蒼井優、中村達也、前田隆成、塚本晋也

【作品概要】
『鉄男』(1989)、『六月の蛇』(2002)、『KOTOKO』(2011)など、世界中に熱狂的なファンを持つ、塚本晋也監督、初の時代劇。

究極の状況下での人間の姿を通して、戦争の恐怖と悲惨さを徹底的に描いた『野火』(2014)を経て、今作では、江戸時代を舞台に移し、現代の日本の大人たちの甘言に警鐘を鳴らします。

主演は『ラスト サムライ』『万引き家族』『散り椿』の池松壮亮、ヒロインに『彼女がその名を知らない鳥たち』「家族はつらいよ」シリーズ、『オーバー・フェンス』の蒼井優。

野武士を『バレット・バレエ』『悪と仮面のルール』の中村達也、侍に憧れる農民をオーディションで抜擢された前田隆成、鬼気迫る剣豪を、塚本晋也が務めます。

映画『斬、』のあらすじ

(C)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
250年にわたり平和が続いてきた国内が、開国するか否かで大きく揺れ動いていた江戸時代末期。

貧窮して藩を離れ、農村で手伝いをしている浪人の杢之進は、隣人のゆう、その弟の市助たちと、迫り来る時代の変革を感じつつも穏やかに暮らしていました。

ある日、剣の達人である澤村が現れ、杢之進の腕を見込んで京都の動乱に参戦しようと誘いをかけます。

旅立つ日が近づく中、無頼者たちが村に流れてきて…。

映画『斬、』の感想と評価

(C)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

映画『斬、』は、時代の波に翻弄されながらも、人を斬ることに疑問をもつ侍と彼に関わる人々を通して、生と暴力の問題に迫る作品。

観る者の心に刃(ヤイバ)を突きつける映画として、日本のみならず世界中に衝撃を与えています。

事実、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門から始まり、トロント国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭やキノタヨ現代日本映画祭など数々の映画祭に正式出品され話題を呼んでいるほか、アジア・フィルム・アワードでは、塚本晋也監督が助演男優賞と編集賞に、音響賞に北田雅也がノミネートされています。

また国内でも高崎映画祭では、最優秀作品賞と池松壮亮が最優秀主演男優賞を受賞、毎日映画コンクールでは塚本晋也監督が男優助演賞を受賞しました。

主演は池松壮亮。武士としての本分を果たしたいと思いながらも、刀を抜くことに悩み苦しむ侍を渾身の力で演じています。

『映画 夜空はいつでも最高 密度の青色だ』や、『万引き家族』など話題作への出演が続いている実力派です。

農家の娘を演じるのは『彼女がその名を知らない鳥たち』や山田洋次監督作品で活躍し、日本アカデミー賞に4度輝いた蒼井優。

日本映画界を牽引する実力派の池松壮亮と蒼井優の演技合戦は圧巻です。

まとめ

(C)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

監督、出演、脚本、撮影、編集、製作を務めた完全オリジナルで、その唯一無二の世界観を爆発させた塚本晋也監督。

公開開始2か月が過ぎても、日本だけではなく世界中の話題の中心となっています。

実力派の主演2人はもちろんのこと、オーディションでその才能を見いだされた前田隆成のこれからの活躍にも注目が集まるところです。

映画『斬、』は渋谷ユーロスペースほか全国にて大ヒット上映中です。

ぜひ、劇場で世界を席巻している話題作をお見逃しなく!



関連記事

新作映画ニュース

大政絢が演じた元カノ美姫役で結婚を決意した画像解禁!映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』

岩田剛典×杉咲花のダブル主演で贈る、ひたむきでピュアな気持ちが心を揺さぶる感動のラブストーリー! 映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』は、2018年10月5日(金)より全国公開です。 この度、惹 …

新作映画ニュース

『歯まん』舞台挨拶リポート。岡部哲也監督が「時代がようやく追いついた」と語る衝撃作とは

満席でのスタートとなった『歯まん』 カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション(通称:カリコレ)2018で連日満員を記録した超話題作、岡部哲也監督の『歯まん』が2019年3月2日(日)に公開初日を …

新作映画ニュース

映画『ばるぼら』劇場公開日/上映館。キャストの稲垣吾郎×二階堂ふみが手塚治虫の狂気の世界を体現!

数々の海外映画祭で好評、ついに日本に凱旋!! 手塚治虫が1970年代に『ビッグコミック』(小学館)に連載し、禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、様々なタブーに挑戦した …

新作映画ニュース

【2019年8月9日〜10日公開】Cinemarcheおすすめ映画情報

あなたと映画の結び目。すこしだけツウ好みな映画webマガジン「Cinemarche」 (C)Yamasha 映画感想レビュー&考察サイト「Cinemarche(シネマルシェ)」で掲載している …

新作映画ニュース

世代を超えて共感できる恋愛映画『君の結婚式』胸キュン名場面集♡特別映像公開!

187㎝のキム・ヨングァンと158㎝のパク・ボヨン。 身長差約30cm(!?)カップルが繰り広げる共感度100%のリアル初恋年代記がついに日本上陸! 韓国映画『君の結婚式』は2019年3月1日(金)よ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学