2019年3月23日(土)よりロードショー
ベトナム映画市場は近年アジアのなかでも目を見張る急成長を遂げており、国内産ジャンルムービーがどんどんクオリティを上げ、海外で研鑽を積んだクリエイターがベトナムに戻り叙情的なドラマをヒットさせる例が増えてきています。
2019年3月23日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショーされる、珠玉の映画『漂うがごとく』『ベトナムを懐(おも)う』もそう。
本記事では、ベトナム映画『漂うがごとく』の予告編と場面写真、また『ベトナムを懐う』の場面写真をご紹介します。
どちらもベトナムの現在を知ることのできる必見の映画です。
CONTENTS
映画『漂うがごとく』予告編と場面写真
映画『漂うがごとく』予告編
『漂うがごとく』の予告編は主人公・ズエンとハイの結婚式の賑やかさから一転、親友の女性との物憂げな会話から始まります。
夫との仲睦まじさを映しながらも、ある男との出会いを引き金にズエンの女性としての秘められた一面が花開いていく表情の変化が感じられます。
ポスタービジュアルにも使用された、よもぎ蒸しの布の中でズエンを見つめる親友の視線が印象的なシーンで締めくくられるラスト。
17歳の時にトラン・アン・ユン監督『夏至』(2000)に出演し女優デビューしたドー・ハイ・イエンが、初々しい新妻から、情念を身にまとった女に徐々に変わっていく姿を見事に演じています。
湿度の高い亜熱帯の空気と、満たされない想いを抱えながら彷徨う現代ベトナム人達の姿が伝わってきますね。
熱と湿気を帯びた視線と街の空気…濃厚でエロティックな予告編です。
映画『漂うがごとく』場面写真
場面写真ではズエンと彼女の変化のきっかけとなる男・トーの悲しげに歪んだ表情や、ズエンの夫・ハイが大混雑の街中を運転するカットが解禁。
ズエンの初心な新妻から情念を纏った女性へと目覚めたエロティックな表情も見る事ができます。
映画『ベトナムを懐う』場面写真
『ベトナムを懐う』は祖国を離れ、ニューヨークで暮らす3世代のベトナム人たちを描いた戯曲が原作。
場面写真では回想シーンで登場するオリエンタルな結婚式の様子や、NYのグラフィティの前で故郷を懐かしむ老いた主人公たちの姿が見られます。
映画『漂うがごとく』の作品情報
【公開】
2019年(ベトナム映画)
【原題】
Choi voi(英題:Adrift)
【監督】
ブイ・タク・チュエン
【キャスト】
ドー・ハイ・イエン、リン・ダン・ファム、ジョニー・グエン、グエン・ズイ・コア
【作品概要】
第66回ヴェネチア国際映画祭にて国際批評家連盟賞を受賞。
ベトナムならではの美しい風景と、国を問わず普遍的題材の一つである女性視点の性を描いた作品です。
社会主義国家ベトナムにおいて珍しい女性視点の“性”を美しい映像で描いた異色作。
主演のドー・ハイ・イエンが、初々しい新妻から、情念を身にまとった女に徐々に変わっていく姿を見事に演じました。
映画『漂うがごとく』あらすじ
ハノイで旅行ガイド兼通訳として働くズエンと、タクシー運転手のハイは、出会って三ヶ月で結婚を決めました。
式のあと酔いつぶれ、夫婦の寝室へ担ぎ込まれる新郎ハイを、ズエンはただ見つめることしか出来ませんでした。
後日、式に来られなかった女友達のカムを訪ねた帰り、彼女の代わりに手紙を届けに行ったズエンは、受取人のトーに襲われます。
ハイとは正反対の、どこか危険な匂いのする男・トーに何故か魅了されていくズエン。
ですが女としての彼女の目覚めはやがてある悲劇を招き…。
映画『ベトナムを懐う』の作品情報
【公開】
2019年(ベトナム映画)
【原題】
Dạ cổ hoài lang(英題:Hello Vietnam)
【監督】
グエン・クアン・ズン
【キャスト】
ホアイ・リン、チー・タイ、ゴック・ヒエップ、ディン・ヒウ、ジョニー・バン・トラン、トリッシュ・レ、タイン・ミー、チョン・カン、オアイン・キウ
【作品概要】
『ベトナムを懐う』は祖国を離れ、ニューヨークで暮らす3世代のベトナム人たちを描いた戯曲が原作。
長く戦争が続いたベトナムの歴史を背負いながら、異国で故郷をおもう各世代の心情を丁寧に描きました。
監督は韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(2012)をベトナムでリメイクした『輝ける日々に』(2018)のグエン・クアン・ズン。
世代や文化のギャップが生むユーモラスな衝突から、息子とその父親、そして孫娘が対峙することで、ベトナム移民の哀しい背景を描き出した一作です。
映画『ベトナムを懐う』のあらすじ
1995年のニューヨーク。
雪の中を老人ホームから抜け出してきたトゥーは、息子グエンと孫娘タムのアパートに転がり込みますが、ボーイフレンドの誕生日を祝おうとしていたタムは祖父の乱入に困惑を隠せません。
ベトナムの思い出を語るトゥーとアメリカ育ちのタムの溝は深まるばかりで、ついにタムの怒りが爆発、トゥーは家を飛び出します。
そこへ帰って来たグエンは故郷への哀しい思いを語り始めました。
なぜグエンは祖国を捨てたのか。
タムはベトナム移民である自分の知られざるルーツと家族の歴史を知ることになり…。
まとめ
近年アジアのなかでも目を見張る急成長を遂げているベトナム映画。
そのなかでも女性視点の“性”を美しい映像で描いた異色作『漂うがごとく』と、異国で故郷をおもう3世代を丁寧に描いた『ベトナムを懐(おも)う』は、ともにベトナムの現在を映し出した珠玉の映画です。
予告動画や場面写真から伝わってくるその空気を、是非劇場で感じて下さい。
ベトナム映画『漂うがごとく』『ベトナムを懐う』は2019年3月23日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショーです!